【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
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【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
通風山さんへ
先日自分のミスで道迷い遭難をしました。記録を書いてみたのですが、「ヤブコギ」に不適切であるようならご指摘ください
『自戒の念を込めて』
GW前の絶好の気圧配置、2日間は晴天だ。GWはどうせ仕事だし、ここは溜まった休日出勤を使って日帰りで山でも歩こ。で、どこにしようかな・・・個人的には旧飯高町の町境踏破中だし、丁度『野江股の頭』と『大熊谷ノ頭』の間未踏破だし、ここにしよう。けれどこれだと距離が物足りないから、足を伸ばしてついでに迷岳まで縦走だ。一日でなかなかの縦走だ。けどマズイナ・・慌てたので地図の準備が・・・とりあえずネットで打ち出して切り貼りして尾根線だけ作成する(初めての経験)、おっなかなかの出来。これを持ってイソイソと別荘へ。前日はノブちゃんと切ってあった杉の製材、久しぶりに会った山の人達と宴会。オジヤンに翌日の迷岳下山口までのお車でのお迎えを頼むと快いお返事、『まああの尾根は電波OKだろうからまた電話しろ』とのこと。何もかも上手くいくときはトントン拍子に進んでいく。
【日付】2012年4月24日・25日
【山域】台高山系(野江股の頭~白倉山~大熊谷の頭)
【天候】ほぼ快晴
【ルート】
●1日目:江馬小屋林道終点登山口(7:05)~滝見尾根(10:00)~野江股の頭(12:00)~白倉山(14:40)~八景山?(15:30)~ビバークポイント(17:30)
●2日目:ビバークポイント(5:00)~白倉山(8:20)~大熊谷の頭(10:00)~林道終点(10:30)~水場(木下作業場)(11:30)~林道入口(12:00)~江馬小屋林道入口(車デポ地)(12:30)~森診療所(13:00)
【メンバー】単独(雨子庵)
当日、快晴を約束してくれる霧の朝。車で江馬小屋林道へ。奥は崩落のため橋の前に駐車。ダウンベストどうしようかな?おいおい今日は名古屋夏日だぞ、そんなのもってってどうするの?そうだな置いてこ。20分ほど歩き半分だけ残った赤い橋をおそるおそる渡る。斜面に取り付いたそのとき顔前にいきなりシカの死体が。「うわッ」。まだフレッシュなオスだ。ツノ取ろうかと思ったけど、まあ明日のお楽しみにでもと考えスルー。そして簡単なルートガイドが目に留まる。「左登山道、右バリエーションルート、上級者向き、滝見尾根」そういえば去年は左を行った。まあだとしたら今回は上級者向けだよな。躊躇なく右へ。てっきり江馬小屋と野江股の真ん中の尾根をダイレクトに登るくらいだろうと考えていた。行くにつれ右にドンドントラバース。やがて徒渉のポイントが。対岸にルートテープ、トラロープも見える。川は前日の雨で増水濁流。「エーッこれ渡るの」戻ると1時間のロスだ。覚悟を決め靴を脱いで徒渉。歩き続けると右斜面、野江股谷左岸の斜面をドンドン登るスタイルになる。「待てよ・・・そういえば風折滝が見えるポイントがこの上にあったな、まさか滝見尾根って」後の祭り、深く考えず入り込んだミス、かなり遠回りだ。やがて尾根に。しばらく行くとホントに風折滝が見えた。「おー綺麗だ」写真撮ってると人の気配。後ろから単独行の人が来てびっくりする。先方も同じ気持ちらしい。「エッここ初めて?初めてでこの尾根に来たなんてヤマカンが強いんですね」と言いながらもイロイロ親切に教えてくれる。しばらく行くと高滝と風折滝が同時に見える。いや~道間違えたけど来てよかった。「野江股の頭まで行くと展望ないからこのへんでヒルメシ食いましょう」とのお誘いを丁寧に辞退し、「野江股」ピーク(1270m)で一人でメシに。実はきのうSAで焼き鯖寿司なるものを買っていて、見られるのも少し恥ずかしかった。「今日のヒルメシ1100えーん♫」などと歌いながら食べる。
先程の方が追いついてきて、大熊谷の頭まで行く予定であったが、江馬小屋出合いの橋も流されているので、ここで降りるとのこと。今からだと迷岳までは時間的に無理ですよと忠告受ける。私自身ももはや半分諦め、とりあえず大熊谷の頭までは行こうと思いますと答える。迎えがくるなら一緒に行っても良いと言われたが、ケータイが電波OK印なのに何故かつながらない。迎えは不確定ですとしかこの時点では返答出来なかった。「いずれにしてもここから大熊谷の頭までは3時間かかるよ(この人はホントに詳しかった)気を付けてね」しばらく歩くと一瞬ケータイがつながる。「オジヤン、遅くなってもいい?迷岳か大熊谷の頭(庵の谷林道)か。また電話します」この時点ではほぼ庵の谷下山しかありえない時刻であったのになぜここではっきり決断しなかったのだろう?
次の小ピークまで1時間かかった。「やっぱりけっこうかかるな」晴天で喉も乾く。普段なら1ℓのペットボトルで済むくらいなのにお茶の消費も激しい。あと200ccくらいか。オジヤンに電話連絡。「庵の谷に降ります。すいませんけど飲み物も欲しいです」「水くらい自分で調達しろよ(そのとおり)」
白倉山(1236m)辺りが今日唯一の注意箇所か。地形図で見ると、ピークに立ち左へUターンするように次への登山道が続いている(実際はピーク手前で縦走路が大きく湾曲し、ピークはルート上になくはみ出ている感じ)。
http://watchizu.g.jp/watchizu.html?long ... 7581868164
(貼り付け技術未熟のため地図見れないかもしれません)
その白倉山にあっさり着いた。キョロキョロ見るも左に道は無い。ああここでなんというミス。「ここは白倉山ではないぞ、ときどきあるんだこういうデタラメ山名板が。さあ急がないと」哀れ、直進し何も考えず古ヶ丸山方面へと入り込んでしまった。だいぶ昔宮川村から入って、古ヶ丸山までは登ったことがある。「間違ってもあっちは行かないようにしないと。確か古ヶ丸山から白倉山の登りはきついと書いてあったな」尾根を歩きながら見ながらずっと思っていた。その白倉山から古ヶ丸への下り。いきなりフェースにザイルがはってある。「なんだ縦走路なのに結構きついな」何も考えていない。
次の小ピークにうっすらと「八景山(?)」の山名板が。「ああやっと白倉山だ(もはや理解不能の思考)、早く左に曲がる道を探さないと」と見ると左支尾根に点々とルートテープが(多分沢屋さんの)。「ほら~俺はヤマカンがいいんだから」おそらく1064の尾根。下り始める、ドンドン下っていく。「おかしい、1000m前後の尾根歩きなのに」。正面に見える稜線は滝見尾根だと思い込んでいた(ホントは迷岳の尾根線)。しかも対岸正面に大きな滝(大熊谷の魚止か不動滝?)、その右には黄砂に霞みながらうっすらと林道(口迷岳直下の林道)が見える。はるか下流に巨大な砂防堰堤も見える、何故か上流向けて存在しているようにも見える。江馬小屋のあんなとこに林道あったけ?あるわけが無いよな?だんだん不安が大きくなっていく。ただケータイははっきりつながる。「オジヤンゴメン、道を間違えました。ただ江馬小屋には降り続けてます。下の川も見えてます」「江馬小屋の辺はイワクラが多いから無理はするな」「わかりました」
下り続ける。太陽が沈みかける。先が分からなくてイライラしてくる。そんなとき靴紐を枯れ木に引っ掛け、つんのめる。クソッと無理やり取ろうとしたら、木が左足ふくらはぎに突き刺さった。「サクッ」ホントに軽い音。「アッ」と思って見るとスポーツタイツを通して血が脈打つように吹き出している。「ああ、血管切ったな」傷口を見るのは怖くて止めた。手で抑えると黒い手袋が血でドンドン濡れるのが触感、におい、妙な温かさでわかる。手ぬぐいで圧迫止血だけ試みる。タイツも靴下も黒でよかった、精神的にやられずにすんだ。やがて標高666mで断崖絶壁に遭遇進退きわまる。オジヤンの電話が圏外だ(江馬小屋で待機してたらしい)。この少しの間に少しずつ冷静に。同じく山の先生のノブちゃんに電話する「スイマセン現在地不明です。道に迷いました。ビバークします。俺は冷静です。ここから見える風景は、真北の対岸に大きな滝。下の川は西から東に流れてます。はるか下流に大規模堰堤が見えています。電池の問題があるのでケータイ電源切ります。オジヤンに伝えてください。ご迷惑をおかけします」「わかった、気をつけろ」この内容でオジヤンは俺が白倉山を直進したこと、宮川に下山の可能性ありと周りに説明をしたらしい。
さあ、ビバークと決めたら早速泊適地を探そう。運良く針葉樹の天然林、頭上にもこんもりと葉がある。コウヤマキ?の落葉はベッドみたい。冷気を防ぐために山側に大きな岩があるとこ探して、仮の宿。止血の手ぬぐい締め直して(「イテテッ」)、痛み止め(ロキソニン)飲んで。現在の服装はモンベルのTシャツに、モンベルのパンツにワコールスポーツタイツ、ファイントラックの夏用のズボン。これに加え着込めるものはモンベルのラガーシャツ、カッパの上だけ(ストームクルーザー)、ご当地今治のタオルマフラー、これは首に巻いた、なかなかあったかい。ちなみに止血に使っている手ぬぐいそしてタオルマフラー以外は全て化繊。ダウンベスト置いてきたこと悔やむがまあ仕方ない。今はまだ暑いくらいだ。残りの食料がミニあんぱん3個、栗まんじゅう1個、お茶100cc程度、ハイチュウ、チョコレート。食欲はゼロ。現在18時、明日の朝までの時間を18~21、21~24(0)、0~3時と3つに分けた。この中でどこかで寝れれば。明け方3~5時は寒くて寝れんだろうし。ザックをマット替わりにし猫のように丸くなって横たわる。丁度ラジオでナイターをやっていた。 そのとき、はるか下流方向でライトが見えた。ドキッとした。車のライトだろうが、一応期待をしてこちらからもヘッドランプをかざすがどう考えてもあんな距離まで届く訳がない、止めた。この行為の後、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、俺はここで終わっちゃうのかなと思ったがこの考えはすぐやめた。「道に迷っただけだ、元来たとこ戻れば済むだけだ」ナイター聴きながらウトウトする。ドラゴンズ負けてガッカリ。その頃空腹感が襲ってくる。ハイチュウを食べる。唾液も出てきて口も潤う「ハイチュウって世界イチ美味しいな」次にチョコ「チョコは宇宙イチだ」。ラジオと時々のハイチュウとチョコとウトウトで適当な時間が流れていく。この適当がよかったのだろう。途中ビックリするような冷気もあったが、しのげた。こんな寒いのによく寝るなと感心した。「シカに顔踏まれたらえらいことだ」と変な心配を何故か真剣にしていて、ときどき近づく動物の気配には敏感に反応し、そのたびガバっと上半身をおこし、セキ払いで応戦した。相手が何かわからないのは怖かった。
朝、鳥の声で目を覚ます。「イカンイカン5時だ」朝メシあんぱん2個食べて出発。
白倉山(1236m)へと、降りてきた尾根を忠実に登り返す。6時オジヤンに電話「8時頃に白倉山に着きそうです。そのときまた電話します」「お前は宮川におるぞ」「はい現在地も何となく分かってきました。白倉に着けばそのまま下山出来ます」(その後尾根線では一切ケータイは圏外だった)白倉山着。「疑ってゴメンナサイ赤いポスト」ピークの向こうにあっさりと大熊谷の頭(1190m)への道は見つかった。徐々に脱水症状らしきものが始まる。下りはいいのだが、登りになると心臓だけがバクバクして足が上がらない。ここでケーレンとか起こすわけにはいかない。残り少ないお茶を舐めるように、ホントに舐めるほどの少量ずつ口に含む。「そうだハイチュウだ」ポイッと口に含むが、唾液が全く出ない。コロコロしたハイチュウが口の中で転がるだけ。「あんなに世界イチ美味しかったのに・・・それにこれは何味だ?」大熊谷の頭、最後の登り約100m、少し登って、ガクっと膝を付いて、腰を下ろして空を見上げる高度計を見る。10m登っている。「これでいい、これを10回やればピークだ」ダンダンピークが見えてくる。オジヤンと山に行ったとき、俺が登りがきついきついと文句を言うと、「山は頂上に近づくとなだらかになるんだ」と言われたことを思い出す。もう少しもう少し。頂上だ、助かった。30分後には林道着。
ここからは林道を水を求めてひたすら下る。途中で側溝に緑がかった溜まり水があったが、ウ~ン、大腸菌感染とかあとが面倒だぞ。理性が勝った、スルー。なんだかんだで山の人(木下氏)が作業場としている川の横に着いた。ひたすら水を飲む、頭からかぶる、残っていた栗まんじゅうを食べる。少しホッとする。ただいくらウガイしても口の中のネバネバは治まらなかった。木下さん、休憩場所お借りしました。次はオジヤンに連絡しないと。江馬小屋の車へと気持ちは急ぐ。途中運良く上流から軽トラが降りてくる。初めてというくらい車の正面に立ち懸命に手を振って止める。「すいませんオジヤンを知ってますか?」「モチロン知ってるよ」「実はわたし遭難してました。無事下山をオジヤンに電話して欲しいのですが。ケータイが残念ながら圏外で」「それよりもお前を車のところに連れてくほうがいいだろう。とにかく乗れ」車をUターンして江馬小屋に送ってくれた。「ケータイはダムの橋の手前のところでつながるから」「ありがとうございました」いつものように車が出るのをお見送りしていると、「(見送りは)ええから早く車をだせ」と言われた。そりゃそうだ。
オジヤンに電話。オジヤンもさっきまでこの辺に待機していたらしい。『森の診療所』に寄って後で挨拶に行きますと伝える。さあ、ケガの治療だ。先生の前で初めてタイツを脱いで想像以上の傷にビックリ。肉がそげ落ちて、傷の深さがみえない。よく止血出来たな。「まあ静脈は止まるよ。ウンウンこれは治るよ」とりあえず仮縫いで2針ほど縫うことに。ボーっとしている俺を何度も気遣ってくれて「大丈夫か?」と声を掛けてくれる。先生としては、術中に体調を崩したのではと考えていたらしいが、俺はパッカリ開いた傷口にズンズン突っ込まれている血染めのガーゼを見ながら、それまでに起こったことをボンヤリ考えていた。そして少しずつ先生に自己紹介や今回の経緯の説明をし、オジヤンやノブちゃんの話で盛り上がっていると唐突にオジヤンが自分の家のように普通に診察室に入ってきた。
「なんや、診療所に寄ると言ってたから、点滴でもしてるかと思ってたらケガしてたんか・・・」
一気に泣いてしまった。「ゴメンナサイ、すいませんでした」
緊張の糸が音を立てて切れた瞬間だった気がする。
・・・・別荘にいるとき、ときどき道を訪ねてくる人がいます。
「地図は持ってますか?」
持って無いというと、基本的には案内しません。
地図を持って行っても見なければ意味がありません。
自戒の念を込めて
先日自分のミスで道迷い遭難をしました。記録を書いてみたのですが、「ヤブコギ」に不適切であるようならご指摘ください
『自戒の念を込めて』
GW前の絶好の気圧配置、2日間は晴天だ。GWはどうせ仕事だし、ここは溜まった休日出勤を使って日帰りで山でも歩こ。で、どこにしようかな・・・個人的には旧飯高町の町境踏破中だし、丁度『野江股の頭』と『大熊谷ノ頭』の間未踏破だし、ここにしよう。けれどこれだと距離が物足りないから、足を伸ばしてついでに迷岳まで縦走だ。一日でなかなかの縦走だ。けどマズイナ・・慌てたので地図の準備が・・・とりあえずネットで打ち出して切り貼りして尾根線だけ作成する(初めての経験)、おっなかなかの出来。これを持ってイソイソと別荘へ。前日はノブちゃんと切ってあった杉の製材、久しぶりに会った山の人達と宴会。オジヤンに翌日の迷岳下山口までのお車でのお迎えを頼むと快いお返事、『まああの尾根は電波OKだろうからまた電話しろ』とのこと。何もかも上手くいくときはトントン拍子に進んでいく。
【日付】2012年4月24日・25日
【山域】台高山系(野江股の頭~白倉山~大熊谷の頭)
【天候】ほぼ快晴
【ルート】
●1日目:江馬小屋林道終点登山口(7:05)~滝見尾根(10:00)~野江股の頭(12:00)~白倉山(14:40)~八景山?(15:30)~ビバークポイント(17:30)
●2日目:ビバークポイント(5:00)~白倉山(8:20)~大熊谷の頭(10:00)~林道終点(10:30)~水場(木下作業場)(11:30)~林道入口(12:00)~江馬小屋林道入口(車デポ地)(12:30)~森診療所(13:00)
【メンバー】単独(雨子庵)
当日、快晴を約束してくれる霧の朝。車で江馬小屋林道へ。奥は崩落のため橋の前に駐車。ダウンベストどうしようかな?おいおい今日は名古屋夏日だぞ、そんなのもってってどうするの?そうだな置いてこ。20分ほど歩き半分だけ残った赤い橋をおそるおそる渡る。斜面に取り付いたそのとき顔前にいきなりシカの死体が。「うわッ」。まだフレッシュなオスだ。ツノ取ろうかと思ったけど、まあ明日のお楽しみにでもと考えスルー。そして簡単なルートガイドが目に留まる。「左登山道、右バリエーションルート、上級者向き、滝見尾根」そういえば去年は左を行った。まあだとしたら今回は上級者向けだよな。躊躇なく右へ。てっきり江馬小屋と野江股の真ん中の尾根をダイレクトに登るくらいだろうと考えていた。行くにつれ右にドンドントラバース。やがて徒渉のポイントが。対岸にルートテープ、トラロープも見える。川は前日の雨で増水濁流。「エーッこれ渡るの」戻ると1時間のロスだ。覚悟を決め靴を脱いで徒渉。歩き続けると右斜面、野江股谷左岸の斜面をドンドン登るスタイルになる。「待てよ・・・そういえば風折滝が見えるポイントがこの上にあったな、まさか滝見尾根って」後の祭り、深く考えず入り込んだミス、かなり遠回りだ。やがて尾根に。しばらく行くとホントに風折滝が見えた。「おー綺麗だ」写真撮ってると人の気配。後ろから単独行の人が来てびっくりする。先方も同じ気持ちらしい。「エッここ初めて?初めてでこの尾根に来たなんてヤマカンが強いんですね」と言いながらもイロイロ親切に教えてくれる。しばらく行くと高滝と風折滝が同時に見える。いや~道間違えたけど来てよかった。「野江股の頭まで行くと展望ないからこのへんでヒルメシ食いましょう」とのお誘いを丁寧に辞退し、「野江股」ピーク(1270m)で一人でメシに。実はきのうSAで焼き鯖寿司なるものを買っていて、見られるのも少し恥ずかしかった。「今日のヒルメシ1100えーん♫」などと歌いながら食べる。
先程の方が追いついてきて、大熊谷の頭まで行く予定であったが、江馬小屋出合いの橋も流されているので、ここで降りるとのこと。今からだと迷岳までは時間的に無理ですよと忠告受ける。私自身ももはや半分諦め、とりあえず大熊谷の頭までは行こうと思いますと答える。迎えがくるなら一緒に行っても良いと言われたが、ケータイが電波OK印なのに何故かつながらない。迎えは不確定ですとしかこの時点では返答出来なかった。「いずれにしてもここから大熊谷の頭までは3時間かかるよ(この人はホントに詳しかった)気を付けてね」しばらく歩くと一瞬ケータイがつながる。「オジヤン、遅くなってもいい?迷岳か大熊谷の頭(庵の谷林道)か。また電話します」この時点ではほぼ庵の谷下山しかありえない時刻であったのになぜここではっきり決断しなかったのだろう?
次の小ピークまで1時間かかった。「やっぱりけっこうかかるな」晴天で喉も乾く。普段なら1ℓのペットボトルで済むくらいなのにお茶の消費も激しい。あと200ccくらいか。オジヤンに電話連絡。「庵の谷に降ります。すいませんけど飲み物も欲しいです」「水くらい自分で調達しろよ(そのとおり)」
白倉山(1236m)辺りが今日唯一の注意箇所か。地形図で見ると、ピークに立ち左へUターンするように次への登山道が続いている(実際はピーク手前で縦走路が大きく湾曲し、ピークはルート上になくはみ出ている感じ)。
http://watchizu.g.jp/watchizu.html?long ... 7581868164
(貼り付け技術未熟のため地図見れないかもしれません)
その白倉山にあっさり着いた。キョロキョロ見るも左に道は無い。ああここでなんというミス。「ここは白倉山ではないぞ、ときどきあるんだこういうデタラメ山名板が。さあ急がないと」哀れ、直進し何も考えず古ヶ丸山方面へと入り込んでしまった。だいぶ昔宮川村から入って、古ヶ丸山までは登ったことがある。「間違ってもあっちは行かないようにしないと。確か古ヶ丸山から白倉山の登りはきついと書いてあったな」尾根を歩きながら見ながらずっと思っていた。その白倉山から古ヶ丸への下り。いきなりフェースにザイルがはってある。「なんだ縦走路なのに結構きついな」何も考えていない。
次の小ピークにうっすらと「八景山(?)」の山名板が。「ああやっと白倉山だ(もはや理解不能の思考)、早く左に曲がる道を探さないと」と見ると左支尾根に点々とルートテープが(多分沢屋さんの)。「ほら~俺はヤマカンがいいんだから」おそらく1064の尾根。下り始める、ドンドン下っていく。「おかしい、1000m前後の尾根歩きなのに」。正面に見える稜線は滝見尾根だと思い込んでいた(ホントは迷岳の尾根線)。しかも対岸正面に大きな滝(大熊谷の魚止か不動滝?)、その右には黄砂に霞みながらうっすらと林道(口迷岳直下の林道)が見える。はるか下流に巨大な砂防堰堤も見える、何故か上流向けて存在しているようにも見える。江馬小屋のあんなとこに林道あったけ?あるわけが無いよな?だんだん不安が大きくなっていく。ただケータイははっきりつながる。「オジヤンゴメン、道を間違えました。ただ江馬小屋には降り続けてます。下の川も見えてます」「江馬小屋の辺はイワクラが多いから無理はするな」「わかりました」
下り続ける。太陽が沈みかける。先が分からなくてイライラしてくる。そんなとき靴紐を枯れ木に引っ掛け、つんのめる。クソッと無理やり取ろうとしたら、木が左足ふくらはぎに突き刺さった。「サクッ」ホントに軽い音。「アッ」と思って見るとスポーツタイツを通して血が脈打つように吹き出している。「ああ、血管切ったな」傷口を見るのは怖くて止めた。手で抑えると黒い手袋が血でドンドン濡れるのが触感、におい、妙な温かさでわかる。手ぬぐいで圧迫止血だけ試みる。タイツも靴下も黒でよかった、精神的にやられずにすんだ。やがて標高666mで断崖絶壁に遭遇進退きわまる。オジヤンの電話が圏外だ(江馬小屋で待機してたらしい)。この少しの間に少しずつ冷静に。同じく山の先生のノブちゃんに電話する「スイマセン現在地不明です。道に迷いました。ビバークします。俺は冷静です。ここから見える風景は、真北の対岸に大きな滝。下の川は西から東に流れてます。はるか下流に大規模堰堤が見えています。電池の問題があるのでケータイ電源切ります。オジヤンに伝えてください。ご迷惑をおかけします」「わかった、気をつけろ」この内容でオジヤンは俺が白倉山を直進したこと、宮川に下山の可能性ありと周りに説明をしたらしい。
さあ、ビバークと決めたら早速泊適地を探そう。運良く針葉樹の天然林、頭上にもこんもりと葉がある。コウヤマキ?の落葉はベッドみたい。冷気を防ぐために山側に大きな岩があるとこ探して、仮の宿。止血の手ぬぐい締め直して(「イテテッ」)、痛み止め(ロキソニン)飲んで。現在の服装はモンベルのTシャツに、モンベルのパンツにワコールスポーツタイツ、ファイントラックの夏用のズボン。これに加え着込めるものはモンベルのラガーシャツ、カッパの上だけ(ストームクルーザー)、ご当地今治のタオルマフラー、これは首に巻いた、なかなかあったかい。ちなみに止血に使っている手ぬぐいそしてタオルマフラー以外は全て化繊。ダウンベスト置いてきたこと悔やむがまあ仕方ない。今はまだ暑いくらいだ。残りの食料がミニあんぱん3個、栗まんじゅう1個、お茶100cc程度、ハイチュウ、チョコレート。食欲はゼロ。現在18時、明日の朝までの時間を18~21、21~24(0)、0~3時と3つに分けた。この中でどこかで寝れれば。明け方3~5時は寒くて寝れんだろうし。ザックをマット替わりにし猫のように丸くなって横たわる。丁度ラジオでナイターをやっていた。 そのとき、はるか下流方向でライトが見えた。ドキッとした。車のライトだろうが、一応期待をしてこちらからもヘッドランプをかざすがどう考えてもあんな距離まで届く訳がない、止めた。この行為の後、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、俺はここで終わっちゃうのかなと思ったがこの考えはすぐやめた。「道に迷っただけだ、元来たとこ戻れば済むだけだ」ナイター聴きながらウトウトする。ドラゴンズ負けてガッカリ。その頃空腹感が襲ってくる。ハイチュウを食べる。唾液も出てきて口も潤う「ハイチュウって世界イチ美味しいな」次にチョコ「チョコは宇宙イチだ」。ラジオと時々のハイチュウとチョコとウトウトで適当な時間が流れていく。この適当がよかったのだろう。途中ビックリするような冷気もあったが、しのげた。こんな寒いのによく寝るなと感心した。「シカに顔踏まれたらえらいことだ」と変な心配を何故か真剣にしていて、ときどき近づく動物の気配には敏感に反応し、そのたびガバっと上半身をおこし、セキ払いで応戦した。相手が何かわからないのは怖かった。
朝、鳥の声で目を覚ます。「イカンイカン5時だ」朝メシあんぱん2個食べて出発。
白倉山(1236m)へと、降りてきた尾根を忠実に登り返す。6時オジヤンに電話「8時頃に白倉山に着きそうです。そのときまた電話します」「お前は宮川におるぞ」「はい現在地も何となく分かってきました。白倉に着けばそのまま下山出来ます」(その後尾根線では一切ケータイは圏外だった)白倉山着。「疑ってゴメンナサイ赤いポスト」ピークの向こうにあっさりと大熊谷の頭(1190m)への道は見つかった。徐々に脱水症状らしきものが始まる。下りはいいのだが、登りになると心臓だけがバクバクして足が上がらない。ここでケーレンとか起こすわけにはいかない。残り少ないお茶を舐めるように、ホントに舐めるほどの少量ずつ口に含む。「そうだハイチュウだ」ポイッと口に含むが、唾液が全く出ない。コロコロしたハイチュウが口の中で転がるだけ。「あんなに世界イチ美味しかったのに・・・それにこれは何味だ?」大熊谷の頭、最後の登り約100m、少し登って、ガクっと膝を付いて、腰を下ろして空を見上げる高度計を見る。10m登っている。「これでいい、これを10回やればピークだ」ダンダンピークが見えてくる。オジヤンと山に行ったとき、俺が登りがきついきついと文句を言うと、「山は頂上に近づくとなだらかになるんだ」と言われたことを思い出す。もう少しもう少し。頂上だ、助かった。30分後には林道着。
ここからは林道を水を求めてひたすら下る。途中で側溝に緑がかった溜まり水があったが、ウ~ン、大腸菌感染とかあとが面倒だぞ。理性が勝った、スルー。なんだかんだで山の人(木下氏)が作業場としている川の横に着いた。ひたすら水を飲む、頭からかぶる、残っていた栗まんじゅうを食べる。少しホッとする。ただいくらウガイしても口の中のネバネバは治まらなかった。木下さん、休憩場所お借りしました。次はオジヤンに連絡しないと。江馬小屋の車へと気持ちは急ぐ。途中運良く上流から軽トラが降りてくる。初めてというくらい車の正面に立ち懸命に手を振って止める。「すいませんオジヤンを知ってますか?」「モチロン知ってるよ」「実はわたし遭難してました。無事下山をオジヤンに電話して欲しいのですが。ケータイが残念ながら圏外で」「それよりもお前を車のところに連れてくほうがいいだろう。とにかく乗れ」車をUターンして江馬小屋に送ってくれた。「ケータイはダムの橋の手前のところでつながるから」「ありがとうございました」いつものように車が出るのをお見送りしていると、「(見送りは)ええから早く車をだせ」と言われた。そりゃそうだ。
オジヤンに電話。オジヤンもさっきまでこの辺に待機していたらしい。『森の診療所』に寄って後で挨拶に行きますと伝える。さあ、ケガの治療だ。先生の前で初めてタイツを脱いで想像以上の傷にビックリ。肉がそげ落ちて、傷の深さがみえない。よく止血出来たな。「まあ静脈は止まるよ。ウンウンこれは治るよ」とりあえず仮縫いで2針ほど縫うことに。ボーっとしている俺を何度も気遣ってくれて「大丈夫か?」と声を掛けてくれる。先生としては、術中に体調を崩したのではと考えていたらしいが、俺はパッカリ開いた傷口にズンズン突っ込まれている血染めのガーゼを見ながら、それまでに起こったことをボンヤリ考えていた。そして少しずつ先生に自己紹介や今回の経緯の説明をし、オジヤンやノブちゃんの話で盛り上がっていると唐突にオジヤンが自分の家のように普通に診察室に入ってきた。
「なんや、診療所に寄ると言ってたから、点滴でもしてるかと思ってたらケガしてたんか・・・」
一気に泣いてしまった。「ゴメンナサイ、すいませんでした」
緊張の糸が音を立てて切れた瞬間だった気がする。
・・・・別荘にいるとき、ときどき道を訪ねてくる人がいます。
「地図は持ってますか?」
持って無いというと、基本的には案内しません。
地図を持って行っても見なければ意味がありません。
自戒の念を込めて
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
雨子庵さん、こんばんは。
怪我もされたようですが、大丈夫でしたか?
携帯が通じたのであれば相手に現在地をほとんど狭い範囲のポイントで知らせることができ、相手の携帯電話かパソコンに地図上で表示させることができます。
イマドコサーチ、イマドコかんたんサーチというサービスがあります。
一度目を通されてもよいかと思います。
http://www.nttdocomo.co.jp/service/info ... co_kantan/
僕が実験的に行った例です。
viewtopic.php?f=5&t=867
使う場合は、相手にも操作方法を知っていてもらわなければいけませんね。
ドコモ以外でも同じようなサービスがあるようですよ。
無事下山されたようで何よりでしたね。お互い安全登山で行きましょう。
つう
過去に管理者削除をしたことがありません。それもヤブコギネットのいいところなのかもしれませんね。投稿は雨子庵さんの判断でお願いしますね。雨子庵 さんが書きました:通風山さんへ
先日自分のミスで道迷い遭難をしました。記録を書いてみたのですが、「ヤブコギ」に不適切であるようならご指摘ください
怪我もされたようですが、大丈夫でしたか?
携帯が通じたのであれば相手に現在地をほとんど狭い範囲のポイントで知らせることができ、相手の携帯電話かパソコンに地図上で表示させることができます。
イマドコサーチ、イマドコかんたんサーチというサービスがあります。
一度目を通されてもよいかと思います。
http://www.nttdocomo.co.jp/service/info ... co_kantan/
僕が実験的に行った例です。
viewtopic.php?f=5&t=867
使う場合は、相手にも操作方法を知っていてもらわなければいけませんね。
ドコモ以外でも同じようなサービスがあるようですよ。
無事下山されたようで何よりでしたね。お互い安全登山で行きましょう。
つう
通風山
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
雨子庵さん、こんばんは。
通風山さんこんばんは。
過去に管理者削除をしたことがありません。それもヤブコギネットのいいところなのかもしれませんね。投稿は雨子庵さんの判断でお願いしますね。
楽しい場に楽しくない内容の文章だったので躊躇しました。
怪我もされたようですが、大丈夫でしたか?
幸い悪さをしている雑菌は入っていないようです。ただ毎日通院しています。
携帯が通じたのであれば相手に現在地をほとんど狭い範囲のポイントで知らせることができ、相手の携帯電話かパソコンに地図上で表示させることができます。
なかなか文明の利器についていけなくて・・・
無事下山されたようで何よりでしたね。お互い安全登山で行きましょう。
ありがとうございます。痛感しました。
通風山さんこんばんは。
過去に管理者削除をしたことがありません。それもヤブコギネットのいいところなのかもしれませんね。投稿は雨子庵さんの判断でお願いしますね。
楽しい場に楽しくない内容の文章だったので躊躇しました。
怪我もされたようですが、大丈夫でしたか?
幸い悪さをしている雑菌は入っていないようです。ただ毎日通院しています。
携帯が通じたのであれば相手に現在地をほとんど狭い範囲のポイントで知らせることができ、相手の携帯電話かパソコンに地図上で表示させることができます。
なかなか文明の利器についていけなくて・・・
無事下山されたようで何よりでしたね。お互い安全登山で行きましょう。
ありがとうございます。痛感しました。
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
雨子庵さん、はじめまして。カッチャンと申します。
月も変わり、謹慎がとけたので(誰だ、勝手にといたのは。)、レスさせて頂きます。
と言うより、せずにはいられなかった。
貴重な体験記を有難うございます。
失敗談(失礼)を載せることは大変勇気のいる作業だったと存じます。
しかし、かくのごときレポは山をやる者にとって、大変学ぶべきところ多いと思います。
遭難の中で道迷いによるものが圧倒的多数を占める一方で、その報告書は圧倒的に少なくて、人は如何にその罠にはまってしまうのかを検証することがなかなかできていないのではないでしょうか。
そんな中、雨子庵さんの英断に感謝いたします。
私は台高山系をまったく知りませんでしたが、レポを基に電子国土ポータルで野江股の頭、白倉山、大熊谷の頭(1190m)、そしてビバークポイントと思われる666m辺り(1064mから北へ下っている支尾根?そこで、尾根はなくなり等高線が急になっていますね)を拝見させていただきました。
一番のチェックポイントであった白倉山を十分確認できなかったこと、八景山?(1064mあたり?)を白倉山と思いこんでしまったこと、大熊谷の頭まで1000m前後の稜線歩きのはずがどんどん下って行ってしまっていることへの検証を十分できなかったことなど冷静に振り返ることができる今になって初めて、どうしてそんな初歩的なミスをしてしまったのだろう、と思われているのではないでしょうか。
あせり、今日中に登山口までにたどり着かねばならない、ましてや迎えに来てもらうご友人に迷惑をかけられない、などといった時間的制約を伴ったあせりというものが普段なら沈着冷静な判断、確認、検証をされている雨子庵さんをして、考えられないミスを誘発してしまったのではないでしょうか。
7年も(しか?)山歩きをしてきた私も、いまだに道迷いはしょっちゅうですので、道迷い前提のタイムスケジュールで計画しています(といっても、長距離徘徊が専門ですので1時間程度のロスタイムしか計上していませんが)。また、夜明けとともに歩きだすことが多いのは、間違いなく予定ルートを踏襲できる自信がないからです。
本当は、常にエスケープルートを用意していなければならないのでしょうが、単独ピストンが多いこともあり、甘いです。
それにしても、危機管理は素晴らしいですね。そのまま無理して下っていたら、地形図をみる限りかなりの確率で危なかったでしょうね。
止血、痛み止め薬、適切なビパークポイントの選定、お仲間への正確な連絡内容、翌日の行動。いざという時の冷静な判断が生死を分けるお手本だと思います。
大いに勉強になりました。ありがとうございました。
カッチャン
月も変わり、謹慎がとけたので(誰だ、勝手にといたのは。)、レスさせて頂きます。
と言うより、せずにはいられなかった。
貴重な体験記を有難うございます。
失敗談(失礼)を載せることは大変勇気のいる作業だったと存じます。
しかし、かくのごときレポは山をやる者にとって、大変学ぶべきところ多いと思います。
遭難の中で道迷いによるものが圧倒的多数を占める一方で、その報告書は圧倒的に少なくて、人は如何にその罠にはまってしまうのかを検証することがなかなかできていないのではないでしょうか。
そんな中、雨子庵さんの英断に感謝いたします。
私は台高山系をまったく知りませんでしたが、レポを基に電子国土ポータルで野江股の頭、白倉山、大熊谷の頭(1190m)、そしてビバークポイントと思われる666m辺り(1064mから北へ下っている支尾根?そこで、尾根はなくなり等高線が急になっていますね)を拝見させていただきました。
一番のチェックポイントであった白倉山を十分確認できなかったこと、八景山?(1064mあたり?)を白倉山と思いこんでしまったこと、大熊谷の頭まで1000m前後の稜線歩きのはずがどんどん下って行ってしまっていることへの検証を十分できなかったことなど冷静に振り返ることができる今になって初めて、どうしてそんな初歩的なミスをしてしまったのだろう、と思われているのではないでしょうか。
あせり、今日中に登山口までにたどり着かねばならない、ましてや迎えに来てもらうご友人に迷惑をかけられない、などといった時間的制約を伴ったあせりというものが普段なら沈着冷静な判断、確認、検証をされている雨子庵さんをして、考えられないミスを誘発してしまったのではないでしょうか。
7年も(しか?)山歩きをしてきた私も、いまだに道迷いはしょっちゅうですので、道迷い前提のタイムスケジュールで計画しています(といっても、長距離徘徊が専門ですので1時間程度のロスタイムしか計上していませんが)。また、夜明けとともに歩きだすことが多いのは、間違いなく予定ルートを踏襲できる自信がないからです。
本当は、常にエスケープルートを用意していなければならないのでしょうが、単独ピストンが多いこともあり、甘いです。
それにしても、危機管理は素晴らしいですね。そのまま無理して下っていたら、地形図をみる限りかなりの確率で危なかったでしょうね。
止血、痛み止め薬、適切なビパークポイントの選定、お仲間への正確な連絡内容、翌日の行動。いざという時の冷静な判断が生死を分けるお手本だと思います。
大いに勉強になりました。ありがとうございました。
カッチャン
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
雨子庵さん、おぉ!…こんばんは(^^;。
雨子庵さんが、どういう山歩きをされるのか存じてませんでしたが、白倉山から大熊谷ノ頭への稜線を採らず、八景山方面へ稜線をとってしまったのは、あまりにも凡ミス過ぎますよね(^^;。
そして、八景山から古ヶ丸山への稜線をとらずに、カラスキ谷左岸尾根に入っちゃったんですね。こちらにもマーキングあったかな?
その後その尾根を辿ったのか、大熊谷方面へ降りたか(こちらはマーキングがあったはずです)はわからないけど。
大きな滝は、大熊谷左岸第4支流の滝です。この滝は余程運が良くないと見れませんので(^^;、良かったかも(^^;;。
ここヤブの倉庫?には、この谷を辿ったレポもありますのでよろしく(^^)。
また、大熊谷から古ヶ丸~八景山を辿ったレポ(山日和さんやわたし)やカラスキ谷左岸尾根を辿ったレポもあります。
また精読してレスするかもしれません(^^;。よろしく~ご検証を!
しかし、怪我したとは云え、無事でご生還です(^^)。
・・・わたしは、台高のレポをまだ書き上げてないのだけど、・・・(^^;トンデモナイトコロに行ってたかも?と、遭難を誘発しかねないレポはダメかしらん(^^;;;とチと思った。
折角なんで、南下画像を貼っときましょ(^^)。
雨子庵さんが、どういう山歩きをされるのか存じてませんでしたが、白倉山から大熊谷ノ頭への稜線を採らず、八景山方面へ稜線をとってしまったのは、あまりにも凡ミス過ぎますよね(^^;。
そして、八景山から古ヶ丸山への稜線をとらずに、カラスキ谷左岸尾根に入っちゃったんですね。こちらにもマーキングあったかな?
その後その尾根を辿ったのか、大熊谷方面へ降りたか(こちらはマーキングがあったはずです)はわからないけど。
大きな滝は、大熊谷左岸第4支流の滝です。この滝は余程運が良くないと見れませんので(^^;、良かったかも(^^;;。
ここヤブの倉庫?には、この谷を辿ったレポもありますのでよろしく(^^)。
また、大熊谷から古ヶ丸~八景山を辿ったレポ(山日和さんやわたし)やカラスキ谷左岸尾根を辿ったレポもあります。
また精読してレスするかもしれません(^^;。よろしく~ご検証を!
しかし、怪我したとは云え、無事でご生還です(^^)。
・・・わたしは、台高のレポをまだ書き上げてないのだけど、・・・(^^;トンデモナイトコロに行ってたかも?と、遭難を誘発しかねないレポはダメかしらん(^^;;;とチと思った。
折角なんで、南下画像を貼っときましょ(^^)。
zipp
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
雨子庵さん、こんばんは。大変な経験をされましたね。
「道迷いはいかにして起きるか」という貴重なレポだと思います。
私も安易な思い込みでルートミスしてしまうことがしばしばあります。
「手遅れになる前に引き返す」ことが何より大事ですね。
その白倉山にあっさり着いた。キョロキョロ見るも左に道は無い。ああここでなんというミス。「ここは白倉山ではないぞ、ときどきあるんだこういうデタラメ山名板が。さあ急がないと」哀れ、直進し何も考えず古ヶ丸山方面へと入り込んでしまった。
この山頂にはおなじみの(知ってる人には)赤いポストがありますし、山名標識もあるので間違えようがないと思いますが・・・
その白倉山から古ヶ丸への下り。いきなりフェースにザイルがはってある。「なんだ縦走路なのに結構きついな」何も考えていない。
白倉山から大熊の頭への下りに岩壁はありませんね。白倉山でコンパスを確かめなかったのが大きな原因でしょう。
南東方向に大きく下るという選択肢はこのルート上にはないからです。
早く左に曲がる道を探さないと」と見ると左支尾根に点々とルートテープが(多分沢屋さんの)。「ほら~俺はヤマカンがいいんだから」おそらく1064の尾根。下り始める、ドンドン下っていく。「おかしい、1000m前後の尾根歩きなのに」。
八景山まで来たら特徴ある古ヶ丸は目の前ですね。1064mの尾根もいい踏み跡が続いていますが下り一方です。
もうこのあたりでは冷静に考えられなかったんでしょうね。
下り続ける。太陽が沈みかける。先が分からなくてイライラしてくる。そんなとき靴紐を枯れ木に引っ掛け、つんのめる。クソッと無理やり取ろうとしたら、木が左足ふくらはぎに突き刺さった。「サクッ」ホントに軽い音。「アッ」と思って見るとスポーツタイツを通して血が脈打つように吹き出している。「ああ、血管切ったな」傷口を見るのは怖くて止めた。手で抑えると黒い手袋が血でドンドン濡れるのが触感、におい、妙な温かさでわかる。手ぬぐいで圧迫止血だけ試みる。タイツも靴下も黒でよかった、精神的にやられずにすんだ。
しかしこのアクシデントの後からは非常に冷静な対処で感心しました。精神的に参ってしまいそうな状況ですものね。
それに携帯が繋がるというのが何より心強い。
ラジオと時々のハイチュウとチョコとウトウトで適当な時間が流れていく。この適当がよかったのだろう。途中ビックリするような冷気もあったが、しのげた。こんな寒いのによく寝るなと感心した。「シカに顔踏まれたらえらいことだ」と変な心配を何故か真剣にしていて、ときどき近づく動物の気配には敏感に反応し、そのたびガバっと上半身をおこし、セキ払いで応戦した。相手が何かわからないのは怖かった。
長く感じた夜だったでしょうね。でもどうでもいいようないろんなことを考えられるのは余裕のある証拠です。
一気に泣いてしまった。「ゴメンナサイ、すいませんでした」
緊張の糸が音を立てて切れた瞬間だった気がする。
安心したんでしょうねえ。ケガをしたとはいえ、下山できてよかったです。
地図を持って行っても見なければ意味がありません。
自戒の念を込めて
その通りです。地図もコンパスもGPSも、持ってるだけでは身を守れません。
ともあれお疲れさまでした。
人ごとではなく初心に還って気を付けなければ。
山日和
「道迷いはいかにして起きるか」という貴重なレポだと思います。
私も安易な思い込みでルートミスしてしまうことがしばしばあります。
「手遅れになる前に引き返す」ことが何より大事ですね。
その白倉山にあっさり着いた。キョロキョロ見るも左に道は無い。ああここでなんというミス。「ここは白倉山ではないぞ、ときどきあるんだこういうデタラメ山名板が。さあ急がないと」哀れ、直進し何も考えず古ヶ丸山方面へと入り込んでしまった。
この山頂にはおなじみの(知ってる人には)赤いポストがありますし、山名標識もあるので間違えようがないと思いますが・・・
その白倉山から古ヶ丸への下り。いきなりフェースにザイルがはってある。「なんだ縦走路なのに結構きついな」何も考えていない。
白倉山から大熊の頭への下りに岩壁はありませんね。白倉山でコンパスを確かめなかったのが大きな原因でしょう。
南東方向に大きく下るという選択肢はこのルート上にはないからです。
早く左に曲がる道を探さないと」と見ると左支尾根に点々とルートテープが(多分沢屋さんの)。「ほら~俺はヤマカンがいいんだから」おそらく1064の尾根。下り始める、ドンドン下っていく。「おかしい、1000m前後の尾根歩きなのに」。
八景山まで来たら特徴ある古ヶ丸は目の前ですね。1064mの尾根もいい踏み跡が続いていますが下り一方です。
もうこのあたりでは冷静に考えられなかったんでしょうね。
下り続ける。太陽が沈みかける。先が分からなくてイライラしてくる。そんなとき靴紐を枯れ木に引っ掛け、つんのめる。クソッと無理やり取ろうとしたら、木が左足ふくらはぎに突き刺さった。「サクッ」ホントに軽い音。「アッ」と思って見るとスポーツタイツを通して血が脈打つように吹き出している。「ああ、血管切ったな」傷口を見るのは怖くて止めた。手で抑えると黒い手袋が血でドンドン濡れるのが触感、におい、妙な温かさでわかる。手ぬぐいで圧迫止血だけ試みる。タイツも靴下も黒でよかった、精神的にやられずにすんだ。
しかしこのアクシデントの後からは非常に冷静な対処で感心しました。精神的に参ってしまいそうな状況ですものね。
それに携帯が繋がるというのが何より心強い。
ラジオと時々のハイチュウとチョコとウトウトで適当な時間が流れていく。この適当がよかったのだろう。途中ビックリするような冷気もあったが、しのげた。こんな寒いのによく寝るなと感心した。「シカに顔踏まれたらえらいことだ」と変な心配を何故か真剣にしていて、ときどき近づく動物の気配には敏感に反応し、そのたびガバっと上半身をおこし、セキ払いで応戦した。相手が何かわからないのは怖かった。
長く感じた夜だったでしょうね。でもどうでもいいようないろんなことを考えられるのは余裕のある証拠です。
一気に泣いてしまった。「ゴメンナサイ、すいませんでした」
緊張の糸が音を立てて切れた瞬間だった気がする。
安心したんでしょうねえ。ケガをしたとはいえ、下山できてよかったです。
地図を持って行っても見なければ意味がありません。
自戒の念を込めて
その通りです。地図もコンパスもGPSも、持ってるだけでは身を守れません。
ともあれお疲れさまでした。
人ごとではなく初心に還って気を付けなければ。
山日和
-
- 記事: 2231
- 登録日時: 2011年2月20日(日) 10:10
- 連絡する:
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
雨子庵さん、こんばんは。
先日自分のミスで道迷い遭難をしました。記録を書いてみたのですが、「ヤブコギ」に不適切であるようなら
自慢話・成功例・達成例ばかりではなく、失敗例のレポも必要だとグーも感じています。
『自戒の念を込めて』
自分の恥をさらすことによって、それを読んだ人の遭難予防に役立つこともあると思います。
とりあえずネットで打ち出して切り貼りして尾根線だけ作成する
グーもカシミールの地図を印刷して使っています。
しかし、縦方向が短く印刷され、磁北線が正確ではありません。(と思っているのですが)
そのためかどうか分かりませんが、コンパスがちょっとズレた方向を示します。
そのところを軌道修正してコンパスを使いこなすのがグーの早急の課題です。
今回は上級者向けだよな。躊躇なく右へ。
後の祭り、深く考えず入り込んだミス、
ままありますね。どうしても冒険心がくすぐられちゃいます。
高滝と風折滝が同時に見える。いや~道間違えたけど来てよかった。
グーはまだ滝見尾根から高滝を認識していないのです。
ああここでなんというミス。「ここは白倉山ではないぞ」直進し何も考えず古ヶ丸山方面へと入り込んでしまった。
グーもありますね。頑固な思い込みが。
「八景山(?)」の山名板が。「ああやっと白倉山だ(もはや理解不能の思考)
「ほら~俺はヤマカンがいいんだから」
雨子庵さんのことを笑うことは出来ません。
やがて標高666mで断崖絶壁に遭遇進退きわまる。この少しの間に少しずつ冷静に。
現在地不明です。道に迷いました。ビバークします。俺は冷静です。
無理に突っ込まなかったのは正解。「冷静」ですね。
頭上にもこんもりと葉がある。コウヤマキ?の落葉はベッドみたい。冷気を防ぐために山側に大きな岩があるとこ探して、仮の宿。ザックをマット替わりにし猫のように丸くなって横たわる。
晴ばかりでなく雨や風の日もあるから、ツエルトは持って行った方がいいよ。
俺はここで終わっちゃうのかなと思ったがこの考えはすぐやめた。「道に迷っただけだ、元来たとこ戻れば済むだけだ」
ですね。「下れば人家に近くなる」と考えがちです。冷静に「現在地」が確定できるトコまで戻る(登る)べきですね。
「シカに顔踏まれたらえらいことだ」と変な心配を何故か真剣にしていて、ときどき近づく動物の気配には敏感に反応し、そのたびガバっと上半身をおこし、セキ払いで応戦した。相手が何かわからないのは怖かった。
その気持ちよく分かります。グーも小心者です。
地図を持って行っても見なければ意味がありません。
地図読みとコンパス使いの精度を上げなくっちゃ。グーの課題です。
グー(伊勢山上住人)
先日自分のミスで道迷い遭難をしました。記録を書いてみたのですが、「ヤブコギ」に不適切であるようなら
自慢話・成功例・達成例ばかりではなく、失敗例のレポも必要だとグーも感じています。
『自戒の念を込めて』
自分の恥をさらすことによって、それを読んだ人の遭難予防に役立つこともあると思います。
とりあえずネットで打ち出して切り貼りして尾根線だけ作成する
グーもカシミールの地図を印刷して使っています。
しかし、縦方向が短く印刷され、磁北線が正確ではありません。(と思っているのですが)
そのためかどうか分かりませんが、コンパスがちょっとズレた方向を示します。
そのところを軌道修正してコンパスを使いこなすのがグーの早急の課題です。
今回は上級者向けだよな。躊躇なく右へ。
後の祭り、深く考えず入り込んだミス、
ままありますね。どうしても冒険心がくすぐられちゃいます。
高滝と風折滝が同時に見える。いや~道間違えたけど来てよかった。
グーはまだ滝見尾根から高滝を認識していないのです。
ああここでなんというミス。「ここは白倉山ではないぞ」直進し何も考えず古ヶ丸山方面へと入り込んでしまった。
グーもありますね。頑固な思い込みが。
「八景山(?)」の山名板が。「ああやっと白倉山だ(もはや理解不能の思考)
「ほら~俺はヤマカンがいいんだから」
雨子庵さんのことを笑うことは出来ません。
やがて標高666mで断崖絶壁に遭遇進退きわまる。この少しの間に少しずつ冷静に。
現在地不明です。道に迷いました。ビバークします。俺は冷静です。
無理に突っ込まなかったのは正解。「冷静」ですね。
頭上にもこんもりと葉がある。コウヤマキ?の落葉はベッドみたい。冷気を防ぐために山側に大きな岩があるとこ探して、仮の宿。ザックをマット替わりにし猫のように丸くなって横たわる。
晴ばかりでなく雨や風の日もあるから、ツエルトは持って行った方がいいよ。
俺はここで終わっちゃうのかなと思ったがこの考えはすぐやめた。「道に迷っただけだ、元来たとこ戻れば済むだけだ」
ですね。「下れば人家に近くなる」と考えがちです。冷静に「現在地」が確定できるトコまで戻る(登る)べきですね。
「シカに顔踏まれたらえらいことだ」と変な心配を何故か真剣にしていて、ときどき近づく動物の気配には敏感に反応し、そのたびガバっと上半身をおこし、セキ払いで応戦した。相手が何かわからないのは怖かった。
その気持ちよく分かります。グーも小心者です。
地図を持って行っても見なければ意味がありません。
地図読みとコンパス使いの精度を上げなくっちゃ。グーの課題です。
グー(伊勢山上住人)
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
アマゴ庵さん、こんばんは。初めまして…かな?
道迷い常習者のbiwa爺です。
まあ、他人事とは思えず、読ませてもらいました。
それにしても、一番心配だったのはケガですね。この季節、雨さえ降らなければ山中泊はなんとかなるとしても、出血が止まらないとなると問題外ですもんね。
何はともあれ無事下山、良かったです。ホッとしました。
私は何回も道迷いしてるので、単独の時は不安でたまりません。
GPSがあっても見誤る場合もあります。
おかしい?と思った時は、地形図、コンパス、GPS、それに周りの地形、周囲にリボンなどの目印の有無…など、慎重に確認するようにしています。
それでも間違えてしまうのですから救いようがありません。
慌てない、過信しない、思い込まない…を、心して山を歩こうと思っています。
実は、GW後半、この山域でテント泊を、と計画していたのです。
アマゴ庵さんのトレース?は辿らないように気をつけますね。(^_-)
無事帰れたら、レポ上げます。
~biwaco
道迷い常習者のbiwa爺です。
まあ、他人事とは思えず、読ませてもらいました。
それにしても、一番心配だったのはケガですね。この季節、雨さえ降らなければ山中泊はなんとかなるとしても、出血が止まらないとなると問題外ですもんね。
何はともあれ無事下山、良かったです。ホッとしました。
私は何回も道迷いしてるので、単独の時は不安でたまりません。
GPSがあっても見誤る場合もあります。
おかしい?と思った時は、地形図、コンパス、GPS、それに周りの地形、周囲にリボンなどの目印の有無…など、慎重に確認するようにしています。
それでも間違えてしまうのですから救いようがありません。
慌てない、過信しない、思い込まない…を、心して山を歩こうと思っています。
実は、GW後半、この山域でテント泊を、と計画していたのです。
アマゴ庵さんのトレース?は辿らないように気をつけますね。(^_-)
無事帰れたら、レポ上げます。
~biwaco
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
雨子庵さん,こんにちは.今日はお仕事でしょうか.
無事に生還できてよかったですね.生還後だから言えることですが,よい経験をされました
やぶめんのみならず,多少とも山歩きをする人であれば,だれでも似たような経験があると思います.私もつい先日台高で2回もプチ道迷いをしたばかりですので(レポに書きました),身につまされる思いで読ませていただきました.
道迷いの大部分はちょっとした思い込みによるもので,あとで思うとなんであんなところで間違えてしまったのだろうと思ってしまうようなところです.雨子庵さんの場合も白倉山をそうでないと思い込んだのがきっかけのようですね.ちょっとした地図確認の手抜きによるものでしょうね.
文面を拝見する限り,GPSはお使いではないようですが,このような場合GPSを持っていればビバークまでは至らずに,早めに気付くことがほとんどです.できればGPSを持つことをお勧めします.
それにしても,凍死するような時期ではなくてよかったですね.あと1カ月早ければ危なかったですね.ツエルト,断熱シートなどの準備もお忘れなく
あのあたり,私も何回かあるいていますが,気持ちの良い稜線歩きが楽しめるところですね.これに懲りずまた行ってみてください.
無事に生還できてよかったですね.生還後だから言えることですが,よい経験をされました
やぶめんのみならず,多少とも山歩きをする人であれば,だれでも似たような経験があると思います.私もつい先日台高で2回もプチ道迷いをしたばかりですので(レポに書きました),身につまされる思いで読ませていただきました.
道迷いの大部分はちょっとした思い込みによるもので,あとで思うとなんであんなところで間違えてしまったのだろうと思ってしまうようなところです.雨子庵さんの場合も白倉山をそうでないと思い込んだのがきっかけのようですね.ちょっとした地図確認の手抜きによるものでしょうね.
文面を拝見する限り,GPSはお使いではないようですが,このような場合GPSを持っていればビバークまでは至らずに,早めに気付くことがほとんどです.できればGPSを持つことをお勧めします.
それにしても,凍死するような時期ではなくてよかったですね.あと1カ月早ければ危なかったですね.ツエルト,断熱シートなどの準備もお忘れなく
あのあたり,私も何回かあるいていますが,気持ちの良い稜線歩きが楽しめるところですね.これに懲りずまた行ってみてください.
@シュークリーム@
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
雨子庵さん こんにちは(初めまして?)
こんなこと書くと不謹慎かもしれませんが、普通の登頂記よりはるかに読み応えがあります。
また生死を分ける分岐点は何かという勉強にもなります。
私は台高はまだ二回しか行ったことがありません(一度は釣り)が、そのとき地図を買ったので、それを見ながら拝見しました。
誰にも告げず、何処へ行ったやら分からないのが一番困ります。
それでも予定の行程を消化しようとするために、焦りでミスが重なってくると思います。
ましてや尾根でビバークとなると堪えましたね。
確認を怠ったのも急いでいるゆえの焦りなのかな。私もそういうときがあります。
しかし冷静な止血手当は素晴らしいですね。私も手ぬぐいを持ち歩いています。
どうでもいいことだけど私もドラファンです(^◇^)
これを読んでいやでも思い出すのは御池岳の遭難。
転載はできませんがNさん発見、収容の顛末を詳しく聞きました。
雨子庵さんは生還し、Nさんが帰らぬ人となったのは何処が違うか。
Nさんからは話が聞けないので想像しかできませんが、方角迷いの末の怪我という点で共通しています。
一つは天候ですね。厳冬期の風雪と、雪のない穏やかな季節では雲泥の差。
しかしNさんはテントがあり、雨子さんはツエルトを持っていなかった。
雨子さんの場合も激しい雨が降ってきたらどうなったか分かりません。
二つ目は通信ができたことが精神的に大きい。万が一動けなくなっても救助可能ですし。
Nさんの場合は携帯が通じず、全く所在が不明でした。
範囲が広すぎて、あれだけの人員を動員しても発見に2ヶ月半も掛かりました。
三つ目は怪我の程度ですね。雨子さんも重傷だったようですが自力で歩けた。
Nさんはテントの中で発見されたので手は動いたようですが、足に相当なダメージを受けたようです(骨折?)
山は楽しい遊び場ですが、ひとつ間違えば・・・という危険な遊びをしていることを再認識しました。
貴重な体験の投稿、有難うございました。
ハリマオ
私の持っている山の本は遭難関係が多いです。先日自分のミスで道迷い遭難をしました。記録を書いてみたのですが、「ヤブコギ」に不適切であるようならご指摘ください
こんなこと書くと不謹慎かもしれませんが、普通の登頂記よりはるかに読み応えがあります。
また生死を分ける分岐点は何かという勉強にもなります。
私は台高はまだ二回しか行ったことがありません(一度は釣り)が、そのとき地図を買ったので、それを見ながら拝見しました。
下界のサポートがあったことは心強いですね。『まああの尾根は電波OKだろうからまた電話しろ』とのこと。何もかも上手くいくときはトントン拍子に進んでいく。
誰にも告げず、何処へ行ったやら分からないのが一番困ります。
スタートの躓きはあとになってボディーブローのように効いてきます。「エーッこれ渡るの」戻ると1時間のロスだ。覚悟を決め靴を脱いで徒渉。
それでも予定の行程を消化しようとするために、焦りでミスが重なってくると思います。
荷を軽くしようと飲料水をけちるとえらい目に遭うことがありますね。経験あります。晴天で喉も乾く。普段なら1ℓのペットボトルで済むくらいなのにお茶の消費も激しい。あと200ccくらいか。
ましてや尾根でビバークとなると堪えましたね。
やっちゃいましたね。思い込みというのは厄介なものです。「ここは白倉山ではないぞ、ときどきあるんだこういうデタラメ山名板が。さあ急がないと」
確認を怠ったのも急いでいるゆえの焦りなのかな。私もそういうときがあります。
携帯で話せたことは精神的に大きいですね。「オジヤンゴメン、道を間違えました。ただ江馬小屋には降り続けてます。下の川も見えてます」
すべて焦りが原因ですね。丁寧に外せば怪我をせずにすみましたね。こういうことも朝一のロスが間接的な原因だと思います。先が分からなくてイライラしてくる。そんなとき靴紐を枯れ木に引っ掛け、つんのめる。クソッと無理やり取ろうとしたら、木が左足ふくらはぎに突き刺さった。
しかし冷静な止血手当は素晴らしいですね。私も手ぬぐいを持ち歩いています。
暖かくなるとツエルトを省略しがちですが、こういうことがあると思うと常に携帯したいものです。冷気を防ぐために山側に大きな岩があるとこ探して、仮の宿。
ラジオがあるとビバークも気が落ち着くでしょうね。丁度ラジオでナイターをやっていた。
ナイター聴きながらウトウトする。ドラゴンズ負けてガッカリ。
どうでもいいことだけど私もドラファンです(^◇^)
俺は冷静なんだという思考と、胸の奥にある心とは別のものですからね。一気に泣いてしまった。「ゴメンナサイ、すいませんでした」
これを読んでいやでも思い出すのは御池岳の遭難。
転載はできませんがNさん発見、収容の顛末を詳しく聞きました。
雨子庵さんは生還し、Nさんが帰らぬ人となったのは何処が違うか。
Nさんからは話が聞けないので想像しかできませんが、方角迷いの末の怪我という点で共通しています。
一つは天候ですね。厳冬期の風雪と、雪のない穏やかな季節では雲泥の差。
しかしNさんはテントがあり、雨子さんはツエルトを持っていなかった。
雨子さんの場合も激しい雨が降ってきたらどうなったか分かりません。
二つ目は通信ができたことが精神的に大きい。万が一動けなくなっても救助可能ですし。
Nさんの場合は携帯が通じず、全く所在が不明でした。
範囲が広すぎて、あれだけの人員を動員しても発見に2ヶ月半も掛かりました。
三つ目は怪我の程度ですね。雨子さんも重傷だったようですが自力で歩けた。
Nさんはテントの中で発見されたので手は動いたようですが、足に相当なダメージを受けたようです(骨折?)
山は楽しい遊び場ですが、ひとつ間違えば・・・という危険な遊びをしていることを再認識しました。
貴重な体験の投稿、有難うございました。
ハリマオ
Re: 【台高】道迷い遭難、迷岳届かず(長文です)
まとめてのレスで失礼いたします。
カッチャンさん、zippさん、山日和さん、グーさん、biwacoさん、シュークリームさん、ハリマオさん
こんばんは、雨子庵です。
ご丁寧なレス、ありがとうございます。
もう皆さんが書かれているとおり、今回の道迷いは自分の思い上がり、思い込み、慢心そして焦りが引き起こした、100%の人災です。普通に考えていつものように行動していればマズ起こることは無かったでしょう。
今考えても、「どうして・・・」ということばかりです。 (キチンとした)地図・レスキューシート等々装備していなかったのも反省点です。
ただ、精神的に追い込められなかったのは、①晴天が次の日も約束されていたこと。②歩いてきたところを戻る自信があったこと。そして、③オジヤンが俺のことを監視してくれていること。が大きかったと思います。
ちなみに、飯高町の山間部では、とにかく山に精通している人のことを敬意を込めて「オジヤン」と呼んでいます。このオジヤンは正真正銘の山の生き字引で、おそらくこの地域の最後の「オジヤン」かもしれません。
文明の利器のGPSもガーミンの初期タイプが出たときに飛びついて買ったことはありますが、画面小さく電波入りづらく早々に投げ出した記憶がありますが、日進月歩、調べてみます。
特にシュークリームさんは祭りでお会いしているだけに恥ずかしい限りです。GWは祝祭土日全て元気に働いていますよ。
オフ会で皆様とお会いできる日を楽しみにしています。傷口の処置が遅く縫合不可で、今でも膿みが出ているのは気がかりですが。
カッチャンさん、zippさん、山日和さん、グーさん、biwacoさん、シュークリームさん、ハリマオさん
こんばんは、雨子庵です。
ご丁寧なレス、ありがとうございます。
もう皆さんが書かれているとおり、今回の道迷いは自分の思い上がり、思い込み、慢心そして焦りが引き起こした、100%の人災です。普通に考えていつものように行動していればマズ起こることは無かったでしょう。
今考えても、「どうして・・・」ということばかりです。 (キチンとした)地図・レスキューシート等々装備していなかったのも反省点です。
ただ、精神的に追い込められなかったのは、①晴天が次の日も約束されていたこと。②歩いてきたところを戻る自信があったこと。そして、③オジヤンが俺のことを監視してくれていること。が大きかったと思います。
ちなみに、飯高町の山間部では、とにかく山に精通している人のことを敬意を込めて「オジヤン」と呼んでいます。このオジヤンは正真正銘の山の生き字引で、おそらくこの地域の最後の「オジヤン」かもしれません。
文明の利器のGPSもガーミンの初期タイプが出たときに飛びついて買ったことはありますが、画面小さく電波入りづらく早々に投げ出した記憶がありますが、日進月歩、調べてみます。
特にシュークリームさんは祭りでお会いしているだけに恥ずかしい限りです。GWは祝祭土日全て元気に働いていますよ。
オフ会で皆様とお会いできる日を楽しみにしています。傷口の処置が遅く縫合不可で、今でも膿みが出ているのは気がかりですが。