【鈴鹿】藤原天狗岩から坂本谷右股右岸尾根へ
Posted: 2012年3月30日(金) 20:53
【 日 付 】2012年3月29日
【 山 域 】鈴鹿 藤原天狗岩
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】藤原簡易パーキング8:50—9:00中電巡視路入り口—10:10子向井山—11:17中電小屋—11:40頭蛇ヶ平12:15—12:43天狗岩13:05—13:28坂本谷右股右岸尾根—14:50坂本谷二股—15:30町道—15:45藤原簡易パーキング
鈴鹿も長かった雪の季節も幕を閉じ始め、いよいよ春本番の到来かと思われる日差しと、風の香りが、早く仕事を片付けて山へおいでよ!と背中を押しているようだ。そんなわけで久しぶりの平日登山は久しぶりの気ままな単独行となった。
休日と違って車を飛ばそうにも飛ばせない、西知多産業道路は朝の7時ごろから通勤ラッシュですごいことになってるんだね。最近の風のうわさでは聞いていたがこれほどまでに混むとは。数年前はここまで混まなかったのになぁ、電車で通勤したほうが良いんじゃないかと思うぐらいの混みようだ。
藤原Pまで2時間弱もかかってしまった。遅いスタートになったが、奥のほうでは4人パーティーが準備中だ。平日とはいえ花のシーズンは大賑わいなんだろう。大貝戸方面はのぞいてこなかったが、想像するに駐車場は満車に違いない。
今日は中電の鉄塔巡視路から黄和田尾を尾根どおしで県境をめざす。植林地帯の急斜面を福寿草はどうかな?積雪はどうかな?そういえばカタクリってぜんぜん見なくなったな。とか考えながらシャツ2枚で歩いていた。
「厚着しすぎ!」とかよくいわれるが今日はクレームつける人もいない。シャツ1枚でも登りは十分の季節になってきた。はやくも汗が噴出してくる。いちおうあっちきょろきょろこっちきょろきょろしてみるが、ここは何回もほかの人がきょろきょろしてるんだろうなと思ううちに、子向井山647mに北東方面からアプローチとなった(なんでやねん)。
アクエリアスの1Lのキャップをギリリとまわしてラッパ飲み、あ~うまいなぁ。やっぱ暑い日はアクエリアスにかぎるわ。
足回りは今シーズン初の夏靴と軽アイゼンだよ。
次々と現れる鉄塔を過ぎ、中電小屋にたどり着いた。ここって鍵がかかっているんだね。以前は開放していたような気がするけど、どうだったかなぁ。
このあたりから積雪があるがアイゼンは結局使わずじまいだった。
まだまだ雪がしっかりついている最後の急斜面をズンダカダッタ、ズンダカダッタとキックステップで直登すると頭蛇ヶ平の県境尾根に出た。
のんびりと憩う登山者単独2名とカップル1組がそれぞれの間隔で、はるか遠景を眺めながらランチ中だ。
ほんとに今日はいい天気だ。昼寝がしたくなってくる。伊吹山も真っ白だ。下を見れば中里ダムがいつものように水をたたえている。
僕も少し早いがここでランチと決めた。
さてと象印はどんなあんばいかいな?出掛けに沸騰したお湯を一回入れて捨て、さらにもう一回熱湯を入れてきた。いつものカップヌードルBIGにお湯を注ぐ。3分後に麺をすする。芯が無い!!大成功だ。ああ!テルモスだったら10倍の値段だったなぁと一人悦にひたるのであった。ニヤニヤしながら調子に乗ってお湯を入れすぎて薄くなったスープを全部飲み干して完食した。
やっぱ山はカップヌードルBIGにかぎるよなぁ。
さてと腹も膨れたことだし、天狗岩を目指すとするか。
今日は藤原岳には最初から行かないつもりだったので、ゆらゆらと立ち上がり前方の尾根を見る。頭蛇ヶ平から藤原方面はここから尾根を東と南に分ける、県境尾根は東へと向かうが南にも顕著な尾根を派生している。
行ってみるかと足を南の尾根に進める。地形図をみるとこの先ド~~ンと落ちている。5分ほど歩いて「や~~めた」となった。古いスノーシューのトレースがあったのも「なんだ入ってるじゃん。」と感じたし、そそり立つ天狗岩に登り返す気概がなくなってしまったのである。だいたい予定外だし、家に置いてきた予定ルートにはこの尾根のルート記入していないし・・・。自分自身を納得させながら踵を返す。まあこれも選択肢のひとつだろう。
天狗岩に向かいつつルートをはずして平坦地をうろうろ。えらい雪深いじゃん。これまた変な方向からのアプローチになってしまい、ランチ中の人の後に飛び出してびっくりさせてしまった。
天狗岩からぼ~~っと滋賀県側を見る。藤原展望丘は天然ピラミッドだ。数人の人とおしゃべり、若い単独の男性はセツブンソウを見たよとか言って楽しそうに話しかけてくる。
単独の女性に「お一人ですか?」と聞きそうになってあわててやめた。これって禁句だよって聞いたことがある。
やがて高校生(だと思う)の一団で天狗岩は満員になりそうだったので、突端の居場所を譲り立ち上がった。
さてとコンパスをぐいっとまわす。「目標!坂本谷右股右岸尾根!」なんのことはない、黄和田尾の対岸に当たる尾根で末端は坂本谷を左右に分ける二股へと落ちている、ここは緑水氏おすすめの尾根だ。
かつてホワイトアウト気味のときに天狗岩に向かうあたりで東に寄り過ぎた経験があるので、それも今回頭をかすめたのだ。まあ僕の経験値なんぞはあてにはならないだろうけどね。
天狗岩の喧騒を離れ坂本谷左股から突き上げる小尾根を横切る。ところどころ融けた雪でぬかるむ斜面はスパッツをすぐに泥だらけにする。
滑りそうになるので雪面を選んでかかとでザクザクと下る。静かだ。荒い雪の白さで目がまぶしい。サングラスをだそうかな・・・。そんなことを思いながら気が着けば標高は950mほどだ。
あたり一面が黄色い。予想以上の福寿草の群落だ。褐色のまるで花のつぼみのような芽も地面から顔を出している。これはいったい何と言う植物なのだろうか。
飽きるほどの福寿草を踏まないように歩くと、すってんころりんと尻餅をついた。
坂本谷を左右に分ける尾根の頂点部をどんどん下る。左により過ぎて急斜面に落ち込むようになると必ず谷へ下りようとしているのに気づく。そんなときは高いほうへ高いほうへと下るのだ。
左手の坂本谷右股本流はかなり深い谷でその斜面すらのぞくことができない。右手の小谷ですら土石流の傷跡で深くえぐれていた。
それでも時折谷をのぞきながら行くが、どうしたって完全にはのぞけない。
それでもやがて尾根芯に石標があらわれてそれを追うようにどんどん下ると石灰岩の岩塊が行く手に現れる。泥だらけの靴なので石灰岩を滑らないように越えると、今度は砕石したバラスの尾根となってくる頃、真っ白に石灰岩で埋め尽くされた二股の河原が見えた。
さてどうやって降りたものか。ザックの中のハーネスとザイルを出そうかとも思うほどだ。前にも増してのぬかるむ急斜面を木をつかみ、ストックを突き刺して慎重に降りる。最後の詰めはかなり厳しい降下だ。それでも20mほどの黄色も黒もあせてしまった残置トラロープを見つけ、強度を確かめながらやっとの思いで河原に降り立った。
左右の谷の奥は土石流のガラガラ状態でとても入ろうという気にはなれない。この二股あたりでようやく安定しているようではあるが、すごい岩の量だ。
太平洋セメントもここから岩を出したほうが楽に生成できるんじゃないかとも思ったりする。
目の前のダムは土石流のセンサーが張ってある。右岸から石がからからと落ちてきた。長居は無用だ。ダムの左岸についている足場をつかってダムの下へ慎重に降りる。高度感がある。びびる。
次はパイプのダムを下りる。パイプにはさまったおびただしい岩を見て圧倒される、びびる。
やっと伏流水から開放されたかのように水がダムの最下部から流れ出している。どろどろの靴やスパッツを洗い。アスファルトの道へ出て、屋根の無い学校経由でまったりしながら歩けば15分くらいで藤原パーキングに着いた。
いちおう捜索もしたつもりだが、残念ながら結果は出なかったが尾根をひとつつぶせた。それにしてもなかなか手ごたえのある尾根であった。
帰路、気になっていた日本一のたいやきをお土産に買った。「5個ください。」と言ったら「5匹ですね」とかわいい店員に言われた。
インターネット登山者と言う言葉が適切かどうかわからないが、今回の件がこの地方では初めてのケースかと感じている。いろんなことを巻き込んでこれからどう進んでいくのか・・・。そして教訓になるのか・・・。インターネットでの発信元としてどうあるべきか・・・。
ストイックであるべきか、あらざるべきか・・・。
いずれにせよ早く見つかってほしい。今はただそう願っている。わかったような評論家は今は要らないのかもしれない。
通風山
【 山 域 】鈴鹿 藤原天狗岩
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】藤原簡易パーキング8:50—9:00中電巡視路入り口—10:10子向井山—11:17中電小屋—11:40頭蛇ヶ平12:15—12:43天狗岩13:05—13:28坂本谷右股右岸尾根—14:50坂本谷二股—15:30町道—15:45藤原簡易パーキング
鈴鹿も長かった雪の季節も幕を閉じ始め、いよいよ春本番の到来かと思われる日差しと、風の香りが、早く仕事を片付けて山へおいでよ!と背中を押しているようだ。そんなわけで久しぶりの平日登山は久しぶりの気ままな単独行となった。
休日と違って車を飛ばそうにも飛ばせない、西知多産業道路は朝の7時ごろから通勤ラッシュですごいことになってるんだね。最近の風のうわさでは聞いていたがこれほどまでに混むとは。数年前はここまで混まなかったのになぁ、電車で通勤したほうが良いんじゃないかと思うぐらいの混みようだ。
藤原Pまで2時間弱もかかってしまった。遅いスタートになったが、奥のほうでは4人パーティーが準備中だ。平日とはいえ花のシーズンは大賑わいなんだろう。大貝戸方面はのぞいてこなかったが、想像するに駐車場は満車に違いない。
今日は中電の鉄塔巡視路から黄和田尾を尾根どおしで県境をめざす。植林地帯の急斜面を福寿草はどうかな?積雪はどうかな?そういえばカタクリってぜんぜん見なくなったな。とか考えながらシャツ2枚で歩いていた。
「厚着しすぎ!」とかよくいわれるが今日はクレームつける人もいない。シャツ1枚でも登りは十分の季節になってきた。はやくも汗が噴出してくる。いちおうあっちきょろきょろこっちきょろきょろしてみるが、ここは何回もほかの人がきょろきょろしてるんだろうなと思ううちに、子向井山647mに北東方面からアプローチとなった(なんでやねん)。
アクエリアスの1Lのキャップをギリリとまわしてラッパ飲み、あ~うまいなぁ。やっぱ暑い日はアクエリアスにかぎるわ。
足回りは今シーズン初の夏靴と軽アイゼンだよ。
次々と現れる鉄塔を過ぎ、中電小屋にたどり着いた。ここって鍵がかかっているんだね。以前は開放していたような気がするけど、どうだったかなぁ。
このあたりから積雪があるがアイゼンは結局使わずじまいだった。
まだまだ雪がしっかりついている最後の急斜面をズンダカダッタ、ズンダカダッタとキックステップで直登すると頭蛇ヶ平の県境尾根に出た。
のんびりと憩う登山者単独2名とカップル1組がそれぞれの間隔で、はるか遠景を眺めながらランチ中だ。
ほんとに今日はいい天気だ。昼寝がしたくなってくる。伊吹山も真っ白だ。下を見れば中里ダムがいつものように水をたたえている。
僕も少し早いがここでランチと決めた。
さてと象印はどんなあんばいかいな?出掛けに沸騰したお湯を一回入れて捨て、さらにもう一回熱湯を入れてきた。いつものカップヌードルBIGにお湯を注ぐ。3分後に麺をすする。芯が無い!!大成功だ。ああ!テルモスだったら10倍の値段だったなぁと一人悦にひたるのであった。ニヤニヤしながら調子に乗ってお湯を入れすぎて薄くなったスープを全部飲み干して完食した。
やっぱ山はカップヌードルBIGにかぎるよなぁ。
さてと腹も膨れたことだし、天狗岩を目指すとするか。
今日は藤原岳には最初から行かないつもりだったので、ゆらゆらと立ち上がり前方の尾根を見る。頭蛇ヶ平から藤原方面はここから尾根を東と南に分ける、県境尾根は東へと向かうが南にも顕著な尾根を派生している。
行ってみるかと足を南の尾根に進める。地形図をみるとこの先ド~~ンと落ちている。5分ほど歩いて「や~~めた」となった。古いスノーシューのトレースがあったのも「なんだ入ってるじゃん。」と感じたし、そそり立つ天狗岩に登り返す気概がなくなってしまったのである。だいたい予定外だし、家に置いてきた予定ルートにはこの尾根のルート記入していないし・・・。自分自身を納得させながら踵を返す。まあこれも選択肢のひとつだろう。
天狗岩に向かいつつルートをはずして平坦地をうろうろ。えらい雪深いじゃん。これまた変な方向からのアプローチになってしまい、ランチ中の人の後に飛び出してびっくりさせてしまった。
天狗岩からぼ~~っと滋賀県側を見る。藤原展望丘は天然ピラミッドだ。数人の人とおしゃべり、若い単独の男性はセツブンソウを見たよとか言って楽しそうに話しかけてくる。
単独の女性に「お一人ですか?」と聞きそうになってあわててやめた。これって禁句だよって聞いたことがある。
やがて高校生(だと思う)の一団で天狗岩は満員になりそうだったので、突端の居場所を譲り立ち上がった。
さてとコンパスをぐいっとまわす。「目標!坂本谷右股右岸尾根!」なんのことはない、黄和田尾の対岸に当たる尾根で末端は坂本谷を左右に分ける二股へと落ちている、ここは緑水氏おすすめの尾根だ。
かつてホワイトアウト気味のときに天狗岩に向かうあたりで東に寄り過ぎた経験があるので、それも今回頭をかすめたのだ。まあ僕の経験値なんぞはあてにはならないだろうけどね。
天狗岩の喧騒を離れ坂本谷左股から突き上げる小尾根を横切る。ところどころ融けた雪でぬかるむ斜面はスパッツをすぐに泥だらけにする。
滑りそうになるので雪面を選んでかかとでザクザクと下る。静かだ。荒い雪の白さで目がまぶしい。サングラスをだそうかな・・・。そんなことを思いながら気が着けば標高は950mほどだ。
あたり一面が黄色い。予想以上の福寿草の群落だ。褐色のまるで花のつぼみのような芽も地面から顔を出している。これはいったい何と言う植物なのだろうか。
飽きるほどの福寿草を踏まないように歩くと、すってんころりんと尻餅をついた。
坂本谷を左右に分ける尾根の頂点部をどんどん下る。左により過ぎて急斜面に落ち込むようになると必ず谷へ下りようとしているのに気づく。そんなときは高いほうへ高いほうへと下るのだ。
左手の坂本谷右股本流はかなり深い谷でその斜面すらのぞくことができない。右手の小谷ですら土石流の傷跡で深くえぐれていた。
それでも時折谷をのぞきながら行くが、どうしたって完全にはのぞけない。
それでもやがて尾根芯に石標があらわれてそれを追うようにどんどん下ると石灰岩の岩塊が行く手に現れる。泥だらけの靴なので石灰岩を滑らないように越えると、今度は砕石したバラスの尾根となってくる頃、真っ白に石灰岩で埋め尽くされた二股の河原が見えた。
さてどうやって降りたものか。ザックの中のハーネスとザイルを出そうかとも思うほどだ。前にも増してのぬかるむ急斜面を木をつかみ、ストックを突き刺して慎重に降りる。最後の詰めはかなり厳しい降下だ。それでも20mほどの黄色も黒もあせてしまった残置トラロープを見つけ、強度を確かめながらやっとの思いで河原に降り立った。
左右の谷の奥は土石流のガラガラ状態でとても入ろうという気にはなれない。この二股あたりでようやく安定しているようではあるが、すごい岩の量だ。
太平洋セメントもここから岩を出したほうが楽に生成できるんじゃないかとも思ったりする。
目の前のダムは土石流のセンサーが張ってある。右岸から石がからからと落ちてきた。長居は無用だ。ダムの左岸についている足場をつかってダムの下へ慎重に降りる。高度感がある。びびる。
次はパイプのダムを下りる。パイプにはさまったおびただしい岩を見て圧倒される、びびる。
やっと伏流水から開放されたかのように水がダムの最下部から流れ出している。どろどろの靴やスパッツを洗い。アスファルトの道へ出て、屋根の無い学校経由でまったりしながら歩けば15分くらいで藤原パーキングに着いた。
いちおう捜索もしたつもりだが、残念ながら結果は出なかったが尾根をひとつつぶせた。それにしてもなかなか手ごたえのある尾根であった。
帰路、気になっていた日本一のたいやきをお土産に買った。「5個ください。」と言ったら「5匹ですね」とかわいい店員に言われた。
インターネット登山者と言う言葉が適切かどうかわからないが、今回の件がこの地方では初めてのケースかと感じている。いろんなことを巻き込んでこれからどう進んでいくのか・・・。そして教訓になるのか・・・。インターネットでの発信元としてどうあるべきか・・・。
ストイックであるべきか、あらざるべきか・・・。
いずれにせよ早く見つかってほしい。今はただそう願っている。わかったような評論家は今は要らないのかもしれない。
通風山