【奥美濃】神又谷三ツ谷から猫ヶ洞 サワグルミとブナとトチの森に遊ぶ

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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【奥美濃】神又谷三ツ谷から猫ヶ洞 サワグルミとブナとトチの森に遊ぶ

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2023年7月22日(土)
【山 域】奥美濃 神又谷周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】神又谷出合7:50---8:25三ツ谷出合---9:20大堰堤上---11:45江美国境稜線---12:00ランチ場13:40
     ---13:55猫ヶ洞---15:55神又谷本流--16:35-駐車地

 神又谷の出合に車を止めた。夜叉ヶ池登山口へ向かう林道はここで通行止めである。
工事期間が12月22日までとなっているということは、冬期通行止めを入れれば来年の6月まで池ノ又谷から夜叉

ヶ池へ行けないということだろうか。

P7220002_1.JPG

 4年振りの神又谷だ。前回は神又谷を遡行して神又峰へ上がり、中ノ又谷を下降する沢中一泊のルートだった。
今日は右岸の支流である三ツ谷から土蔵岳へ詰め上げて猫ヶ洞へ縦走、北の尾根を下って再び神又谷へ下りて
来る計画である。
 前回はずっと流れの中を歩いたのだが、今日は時短のため右岸の廃林道跡を辿る。やはり土の上を歩く方が
ペースが上がる。
流れを横に見ながら進んで行くと、前方の木が揺れていた。風はまったく無いのに不自然な揺れ方だ。何かいる
のか。立ち止まって様子を見ていると、岩陰から真っ黒いヤツが姿を現わした。予想通りのクマである。
向こうもこちらの存在に気付いて目が合った。そこで両手を上げて大声で威嚇すると、一目散に斜面の上に消え
て行った。写真を撮るヒマがなかったのが残念だ。
クマがいたところを見ると、赤い実の生った木があった。一生懸命食事している最中だったのだろう。悪いこと
をしてしまった。

P7220023_1.JPG

 三ツ谷へ入って最大にして唯一の核心部が堰堤の高巻きである。2段25mぐらいはあるだろう巨大な堰堤は小
さく巻くことは不可能。左岸からの巻きを選択して、右から入るルンゼの脇を上がって行く。
6~70m登ったあたりからトラバースを開始。堰堤のラインを見極めないと、下手に下ってしまえば堰堤の手前
だったということになりかねない。
ようやく堰堤のラインを過ぎたところで下降点を探る。どこを見てもかなりの急斜面だ。
立ち木を利用しながら、一ヶ所だけロープを出して堰堤上の河原に着地。この巻きだけで50分ぐらいかかって
しまった。トラバースのラインと下降ポイントをもう少し吟味した方がよかったかもしれない。


P7220040_1.JPG

 三ツ谷はひと言で言えば何もない谷である。2m以上の落差を滝とするならば、滝と呼べるも
のは皆無の、実に穏やかな谷だ。
しかしその代わりにサワグルミの大木が林立する、深く美しい森に包まれている。
神又谷本流を小さくしたような谷と言えるだろうか。
沢登りとして見れば無価値のハズレ谷という向きもあるだろうが、谷としての価値観は人それぞれ。
滝やゴルジュだけが谷の価値を高めるというものでもない。自分にとっては樹林の美しさが最優先事項だ。

P7220073_1.JPG

 何ごとも起こらないまま猫ヶ洞への支流との二俣を迎えた。今日も体調はイマイチである。
ここで土蔵岳をカットしてコース短縮を決める。但し、猫ヶ洞へ直接突き上げる谷はCa850mあたりの等高線の
詰まり具合が気になるので、支流へ入ってすぐに左へ分岐する谷を上がることにした。
 谷を包む森はいつしかサワグルミからブナに変わっている。谷は傾斜を増すだけで、相変わらず滝のひとつも
現れない。

P7220103_1.JPG

 細い溝状になった谷を詰めて一面のブナ林が広がる斜面に出た。
ひと登りで土蔵岳と猫ヶ洞を結ぶ江美国境稜線に飛び出す。ここは積雪期に何度も歩いている、細いながらも美
しいブナ林が広がる好きなところだ。
 奥土倉へ延びる尾根とのジャンクションでランチタイムとする。積雪期なら素敵なブナのコバのランチ適地な
のだが、やはりこの時期は下草がややうるさいのでスッキリ感には欠ける。わずかな空間を見つけて腰を降ろす。
最近は谷の中でランチタイムを取って、食後の登りで悪戦苦闘というパターンが多かったが、今日は山頂までの
標高差は100m足らずなので気が楽だ。


P7220106_1.JPG

 食後は登山靴に履き替えて猫ヶ洞へ向かう。
山頂手前のシャクナゲの激ヤブは左から回避。山頂直下は積雪期には大きな雪庇ができて突破にひと工夫要ると
ころだが、ササヤブに覆われたただの斜面を見ると、どこに雪庇ができる要素があるのだろうと不思議な気分に
なる。
猫ヶ洞の三角点(点名三ツ又)は大半が土に埋もれて、10センチばかり頭を出していた。
 北東にある積雪期には大展望が得られるピークへ行くが、予想通り何も見えなかった。少なくとも2mは積もら
ないと展望地にはならないのだろう。

P7220137_1.JPG

 ここから北西の尾根を進み、Ca850mで北東を尾根を神又谷へ下りる目論見である。
いざ下りだしてみるとヤブは薄く、若いブナ林が続く歩きやすい尾根だった。踏み跡らしきものもある。
これはなかなかの当たりの尾根だ。
 尾根分岐の手前、Ca880mあたりから太いブナが目立ち始めた。Ca850mの分岐はブナの大木が数本立つ美しい
コバになっていた。
そして尾根の右側に緩やかに上がってきた谷の源頭にはトチの巨木が。思わず駆け寄ってみる。幹周は5~6mと
いうところだろうか。谷の下流(水は流れていないが)方向にも数本のトチの大木がある。
広い谷間にはヤブはなく、トチやブナの大木が点在する素晴らしい森である。この場所に出会えただけでも今日
の山行は大成功と言えるだろう。
 尾根を外してしばらく谷を散策、地形図の「800」と記された少し上で尾根に戻った。


P7220144_1.JPG

 このままブナ林が谷まで続けばと思ったが、そんなにうまく行くはずもない。
末端近くでユズリハのヤブに阻まれて際どいトラバースを強いられた後、右の谷へ下りた。先ほどの大トチの谷
の下流だ。
ここで再び渓流シューズに履き替える。あとは平和な神又谷をのんびり下るだけだ。

              山日和
sato
記事: 422
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【奥美濃】神又谷三ツ谷から猫ヶ洞 サワグルミとブナとトチの森に遊ぶ

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんにちは。
猛烈に暑い日が続いていますね。平屋で陽当り抜群、エアコンの無い我が家はサウナ状態です。
夜、扇風機を回していても汗がタラタラ。
清冽な流れと、サワグルミとブナとトチの森に遊んだ一日、なんて清々しい沢山旅だったのだろう、と振り返っています。

△1050.2神又峰一帯を最源流とする神又谷は、興味深い谷です。
近江側の、今は廃村となった奥川並(おくこうなみ)の人々は、美濃から移り住んだといわれています。
宮本常一の『ふるさとの生活』(宮本常一のこころを感じる本です。子供向けの言葉で書かれていて、
宮本常一の声を聞いているようで、ふっと思い立った時、読み返しています)には、
「八草峠から10キロほど北へ行ったところに、奥川並という村があります。谷の奥の行きつまったところにあって、
川下のほうの村人は、川におわんが流れてきたので、その川上に村があることを知ったといわれるほど不便な村なのです。
昭和10年の大雪には、10メートルもつもって、みな少しずつ家がゆがんだといわれています。
・・・・こんなところでは、病気になっても医者に見てもらえず、死人があっても雪のとけるまでは
雪のなかに死がいをうずめておいて、春をまってお葬式をするそうです。
雪がどんなに人々を苦しめているかがよくわかります。
しかし、そういうところにまで人は家をたてて住んでいます・・・」と書かれています。
山日和さんから、神又谷は、最初のひとしずくまで、滝といった滝はない穏やかな谷とお聞きして、
奥川並の人々は、この谷を遡って来たのかなと思いました。

神又谷の左俣は、土蔵岳一帯を源とし三ツ谷と呼ばれているのですね。
地形図を見ると標高720mくらいまで谷は細いけれど、傾斜はきつくない。稜線周辺はブナの森。
ワクワクしながら一歩を踏み出しました。廃林道は、三ツ谷の堰堤工事の時に作られたものなのですね。
草に覆われ道の面影がなくなってしまっているところもありましたが順調に進めました。

不自然に動いている木があり、「ワン」と犬の鳴き声を真似したら、真っ黒なクマが飛び出してきて、
ギョッとなりました。体も大きかったけれど、顔の大きさに青ざめました。
こちらに向かう素振りを見せましたし。山日和さんは平然としていましたね。
でも、クマも怖かったのですね。朝ごはんの最中にお邪魔してしまいごめんなさい。 
落ち着くと、赤い実を食べているクマさんに会った、となんだかうれしくなりました。

三ツ谷の堰堤は、大きかったですね。そして両斜面は切り立っている。どこまで登ればいいのだろう、と思いました。
手前の左岸のルンゼから斜面に移り、70mくらい登りましたね。
ずり落ちそうな斜面のトラバースは、掴む木があり助かりました。
左足がどうしてもよじれてしまい、3回もチェーンスパイクが外れてしまいましたが。
「ここから下ろう」とおっしゃった時は、ここを下るの?と思いましたが、ちゃんと下れました。
高巻きは、洞察力が大切ですね。
今回の高巻きも1時間弱かかったのですね。緊張集中していたので、長さは感じませんでした。
降り立ったら、汗びっしょりでした。

ここから先は、清々しい風景が続いていきましたね。細いと思った谷は、自然林の緑あふれる明るくうつくしい谷でした。
穏やかな流れを遡りながら、まさに、お山の輝く森の内奥へと旅しているのだなぁ、と感じました。

標高770m二俣で、土蔵岳ではなく、猫ケ洞との鞍部の方に向かうことに。ここも爽やかな森が続いていきました。
ブナ林になったあたりには、炭焼き窯の跡も。飯場?の跡もありました。
20cmくらいの炭が落ちているのを見て、少し前まで、ここで炭焼きをしていたのだなぁ、と感慨深い気持ちになりました。

坂内川の上流域には川上村の人々の出作り小屋が点在していたそうです。
そのむかしには、近江奥土倉村の人(土倉鉱山が開業されるよりも前の江戸時代初期、
余呉柳ケ瀬村の彦根藩御用炭焼きが移り住んだといわれています)や、
美濃八草村の人もこのあたりまで出向いていたのかなぁ、などとも思ったり。

鞍部から猫ケ洞へのうつくしいブナ林は、雪の季節はもちろん、無積雪期も素敵な場所なのだと、
4年前の初冬にご一緒した時、知ることが出来ました。夏のこの時期も、下草がちょっとうるさいですが素敵でしたね。
積雪期に要塞のような雪庇が出来るところは、平凡な草斜面。
あんな大きな雪庇はどのように出来るのだろう。本当に不思議です。
猫ケ洞北の大展望地は見事に緑で覆われていましたね。蕎麦粒山を拝むことは出来ませんでした。
富士写ケ岳、小倉谷山でも感じましたが、雪と風が織りなす魔法はすごいですね。
同じ山とは思えないくらい、お姿を変えてしまう。

下りの尾根も素晴らしかったです。
微妙に枝分かれする広い尾根なので、外さないようにと思いましたが、うっすらと杣道が残っていて、
すぅっと歩くことが出来ました。何より健やかなブナ林がうれしかったです。
尾根が向きを変える辺りからは、息を呑む光景が展開していきましたね。
850mから800mのトチの巨木が並ぶ谷の源頭は、うつくしい夢をみているようでした。
猫ケ洞の山中には、こんなにも静謐さに満ちた風景が存在していたのですね。
好きなお山の秘密の表情に出会えたよろこびに包まれました。

山歩きは面白いですね。そう、最後までそんなにうまくいくはずもない。またがらりと表情を変えてくれました。
谷まであともう少しのところでのきわどいトラバースで、また大汗をかきました。
最後は、またゆらゆら流れを歩いたり、廃林道を辿ったり。
大好きな江美国境の山やまを、谷を遡り味わうことができたよろこびに包まれて駐車地に戻りました。
今回もゆたかな沢山旅をありがとうございます。

sato
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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】神又谷三ツ谷から猫ヶ洞 サワグルミとブナとトチの森に遊ぶ

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。お疲れさまでした。

清冽な流れと、サワグルミとブナとトチの森に遊んだ一日、なんて清々しい沢山旅だったのだろう、と振り返っています。

暑い夏はこれに限りますね。と言うより、普通に山を歩けませんわ。 :mrgreen:

△1050.2神又峰一帯を最源流とする神又谷は、興味深い谷です。
近江側の、今は廃村となった奥川並(おくこうなみ)の人々は、美濃から移り住んだといわれています。
宮本常一の『ふるさとの生活』(宮本常一のこころを感じる本です。子供向けの言葉で書かれていて、宮本常一の声を聞いているようで、ふっと思い立った時、読み返しています)には、
「八草峠から10キロほど北へ行ったところに、奥川並という村があります。谷の奥の行きつまったところにあって、川下のほうの村人は、川におわんが流れてきたので、その川上に村があることを知ったといわれるほど不便な村なのです。
昭和10年の大雪には、10メートルもつもって、みな少しずつ家がゆがんだといわれています。
・・・・こんなところでは、病気になっても医者に見てもらえず、死人があっても雪のとけるまでは雪のなかに死がいをうずめておいて、春をまってお葬式をするそうです。
雪がどんなに人々を苦しめているかがよくわかります。
しかし、そういうところにまで人は家をたてて住んでいます・・・」と書かれています。
山日和さんから、神又谷は、最初のひとしずくまで、滝といった滝はない穏やかな谷とお聞きして、奥川並の人々は、この谷を遡って来たのかなと思いました。


わかりやすい文章ですね。一度読んでみなくては。
奥川並のエピソードは他で読んだことがあります。それほど過酷でもあの場所を生活の地に選んだのはなぜなんでしょうね。

地形図を見ると標高720mくらいまで谷は細いけれど、傾斜はきつくない。稜線周辺はブナの森。
ワクワクしながら一歩を踏み出しました。廃林道は、三ツ谷の堰堤工事の時に作られたものなのですね。
草に覆われ道の面影がなくなってしまっているところもありましたが順調に進めました。

荒れ気味の廃林道でも、水の中を行くより格段に速いです。


P7220012_1.JPG

不自然に動いている木があり、「ワン」と犬の鳴き声を真似したら、真っ黒なクマが飛び出してきて、ギョッとなりました。体も大きかったけれど、顔の大きさに青ざめました。
こちらに向かう素振りを見せましたし。山日和さんは平然としていましたね。
でも、クマも怖かったのですね。朝ごはんの最中にお邪魔してしまいごめんなさい。 
落ち着くと、赤い実を食べているクマさんに会った、となんだかうれしくなりました。

たぶんクマだろうと思っていたら、やっぱりクマでした。
satoさんと一緒に歩いていると、クマとの遭遇率が異様に高いです。 :lol:

P7220026_1.JPG

三ツ谷の堰堤は、大きかったですね。そして両斜面は切り立っている。どこまで登ればいいのだろう、と思いました。
手前の左岸のルンゼから斜面に移り、70mくらい登りましたね。
ずり落ちそうな斜面のトラバースは、掴む木があり助かりました。
左足がどうしてもよじれてしまい、3回もチェーンスパイクが外れてしまいましたが。
「ここから下ろう」とおっしゃった時は、ここを下るの?と思いましたが、ちゃんと下れました。
高巻きは、洞察力が大切ですね。
今回の高巻きも1時間弱かかったのですね。緊張集中していたので、長さは感じませんでした。
降り立ったら、汗びっしょりでした。

あの高巻きは参りました。もう少し楽なラインがあったかもですね。
下った斜面はもう途中でやめられないって感じでしたが、もう少し先に緩めの斜面がありました。

ここから先は、清々しい風景が続いていきましたね。細いと思った谷は、自然林の緑あふれる明るくうつくしい谷でした。
穏やかな流れを遡りながら、まさに、お山の輝く森の内奥へと旅しているのだなぁ、と感じました。

結局あの堰堤だけが核心部で、あとは見事なぐらい何にもない谷でしたね。
少しぐらいは滝があると思ってたけど。

P7220049_1.JPG

標高770m二俣で、土蔵岳ではなく、猫ケ洞との鞍部の方に向かうことに。ここも爽やかな森が続いていきました。
ブナ林になったあたりには、炭焼き窯の跡も。飯場?の跡もありました。
20cmくらいの炭が落ちているのを見て、少し前まで、ここで炭焼きをしていたのだなぁ、と感慨深い気持ちになりました。

毎回のように体調イマイチで、土蔵岳を経由する気力が湧きませんでした。
どっちへ行っても似たような谷だったと思いますが。
あれぐらい大きな炭はあまり見たことがありませんが、炭焼きをしていたんだなあと実感しましたね。

P7220094_1.JPG

坂内川の上流域には川上村の人々の出作り小屋が点在していたそうです。
そのむかしには、近江奥土倉村の人(土倉鉱山が開業されるよりも前の江戸時代初期、
余呉柳ケ瀬村の彦根藩御用炭焼きが移り住んだといわれています)や、
美濃八草村の人もこのあたりまで出向いていたのかなぁ、などとも思ったり。


satoさんはそういう事情に詳しいですね。いつも勉強になります。 :lol:

鞍部から猫ケ洞へのうつくしいブナ林は、雪の季節はもちろん、無積雪期も素敵な場所なのだと、
4年前の初冬にご一緒した時、知ることが出来ました。夏のこの時期も、下草がちょっとうるさいですが素敵でしたね。
積雪期に要塞のような雪庇が出来るところは、平凡な草斜面。
あんな大きな雪庇はどのように出来るのだろう。本当に不思議です。

積雪期の雪面からスックと立つブナ林もいいけど、青々としたブナの森もいいですね。
ただ、ランチの適地を探すのが難しい・・・
山頂手前は雪庇は魔法でも使ったとしか考えられませんね。雪が無ければ別に急なわけでもなく、普通に歩いて行ける場所でした。


P7220109_1.JPG

猫ケ洞北の大展望地は見事に緑で覆われていましたね。蕎麦粒山を拝むことは出来ませんでした。
富士写ケ岳、小倉谷山でも感じましたが、雪と風が織りなす魔法はすごいですね。
同じ山とは思えないくらい、お姿を変えてしまう。

たぶんそうだろうなとは思ってました。 :mrgreen:

下りの尾根も素晴らしかったです。
微妙に枝分かれする広い尾根なので、外さないようにと思いましたが、うっすらと杣道が残っていて、すぅっと歩くことが出来ました。何より健やかなブナ林がうれしかったです。

この尾根は大当たり~でしたね。あそこまでヤブが無いとは予想外でした。


P7220135_1.JPG

尾根が向きを変える辺りからは、息を呑む光景が展開していきましたね。
850mから800mのトチの巨木が並ぶ谷の源頭は、うつくしい夢をみているようでした。
猫ケ洞の山中には、こんなにも静謐さに満ちた風景が存在していたのですね。
好きなお山の秘密の表情に出会えたよろこびに包まれました。


ここを知っただけでも来た甲斐があったというものです。
素晴らしい場所でしたね。 :D

P7220151_1.JPG

山歩きは面白いですね。そう、最後までそんなにうまくいくはずもない。またがらりと表情を変えてくれました。
谷まであともう少しのところでのきわどいトラバースで、また大汗をかきました。


またまた要らんことをしたような・・・ :mrgreen:

最後は、またゆらゆら流れを歩いたり、廃林道を辿ったり。
大好きな江美国境の山やまを、谷を遡り味わうことができたよろこびに包まれて駐車地に戻りました。


豊かな一日を反芻できるエピローグになりましたね。
クマとの再会は果たせませんでしたが。 :lol:

                 山日和
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