【高見山地】若宮八幡宮の参拝道を上り修験の谷を下る

山行記、山の思い出、限定
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】 
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
返信する
アバター
わりばし
記事: 1767
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

【高見山地】若宮八幡宮の参拝道を上り修験の谷を下る

投稿記事 by わりばし »

【日 付】2023年6月17日(土)
【山 域】高見山地
【コース】若宮八幡宮駐車場7:15---9:00若宮峠---10:05修験業山---11:45若宮八幡宮駐車場
【メンバー】単独

 三浦しおんの「神去なあなあ日常」のロケ地となった山林地主の家を通り美杉の若宮八幡宮の駐車場に到着。寄進された石灯籠がかなり先から並び規模の大きさがうかがえる。若宮越の道はどこかと探すが道標は無く、谷に下っていく細い道につけられているテープが唯一の目印になる。谷を渡り谷筋につけられている道は、荒れている所もあるのでテープが無いと苦労するだろう。テープは参拝道をなぞるようにつけられており谷筋の斜面を上手にトラバースしながら道は続いている。立派な石積みの道が出てきたので追うと巨大な炭窯があった。この炭窯だけ特別に大きいが何か違いがるのだろうか。


巨大な炭焼窯
巨大な炭焼窯

 この先は谷が立ってきてゴルジュになっているが、右岸をトラバースしながら難なく巻いていく。谷筋の厳しい所だが、まったくそんなことを感じさせない道のつけ方だ。ここを過ぎると谷は広がり炭窯が出てくる。新緑の谷につけられた無理をしない道は気持ちも明るくさせてくれる。道筋には3カ所炭窯が出てきて炭を搬出する杣道として使われていたようだ。谷が広がったとはいえ谷筋につけられた道だけに本来は苦労する所だが、崩れずにきれいに残っている。美杉の山は植林のイメージが強いが、自然林につつまれた谷がこんな所に隠れていたとは思いもよらなかった。

若宮越の道
若宮越の道

 稜線が近づき峠と思いきや若宮峠はザレザレの谷をトラバースした先だった。先週はここから飯高に下った。若宮八幡宮から赤桶に越える若宮越の山道はほぼ昔の道が残っている。テープが昔のルートをたどるようにつけられていて好ましい。若宮八幡宮から小峠までは自然林につつまれ気持ちの良い山越の道だった。参拝道は炭焼きの杣道としても使われていたようで、小峠側の炭焼き窯にはお地蔵さんも祀られていた。

 青空の局ヶ岳に見守られながら岩尾根を進むと飯高粟野の集落が見えている。栗ノ木岳を越えブナの木が目印の栗ノ木岳分岐を過ぎ高宮に着く。ここは、若宮八幡宮の奥宮のような位置づけで鳥居と石灰岩の御神体がある。若宮八幡宮の宮司さんによると石灰岩の御神体は山の岩ひとつひとつに神が宿っているという意味らしい。ただ、台高山脈や高見山地の山の神には石灰岩の塊をそのまま使っているものも多いので、修験業の影響があるようだ。しばらくなだらかな稜線を歩くと修験業山だった。


高宮の御神体
高宮の御神体

 栗ノ木岳分岐まで戻り若宮八幡宮に下る。最初は植林の尾根道で、かなり強引に道をつけており昔からの道ではない。植林の杣道を下り炭焼き窯がある谷筋に着く。ここからは谷の斜面をトラバースしながらの心地よい道にかわる。谷には大きな連瀑がかかり迫力がある。この谷は若宮八幡宮の源流部にあたり、修験道の中心的聖地として修業の場として使われたことだろう。若宮八幡宮が近づくにつれいくつかの祠が源流部に向けて祀られていた。谷筋の高巻き道は当時から修験者が歩いた道だと思う。上手な道のつけ方もさることながら風格を感じる静寂の道だ。下山の道は予想に反して修験の修行場の色合いが深く残る谷で、いいものを見せてもらった。

修験の谷の祠
修験の谷の祠

 私の自宅横には江戸時代から続く雲出井という農業用水が流れている。雲出井を守る水分神社が高茶屋にあり、若宮八幡宮の不断社の分社ということで、大元の不断社を訪ねた。みそぎ滝が御神体で、釜を持つ美しい滝だった。

みそぎ滝
みそぎ滝
グー(伊勢山上住人)
記事: 2227
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:10
連絡する:

Re: 【高見山地】若宮八幡宮の参拝道を上り修験の谷を下る

投稿記事 by グー(伊勢山上住人) »

20230617-15.jpg


わりばしさん、こんにちは。暑くなってきました。
そろそろ陸歩きは中断して水遊びの季節ですね。

【コース】若宮八幡宮駐車場7:15---11:45若宮八幡宮駐車場

相変わらずすっ飛ばしの足で速い下山ですね。
下山後はいつもの森のJAZZCAFEまで車を回したのですか?

谷筋の厳しい所だが、まったくそんなことを感じさせない道のつけ方だ。
谷筋につけられた道だけに本来は苦労する所だが、崩れずにきれいに残っている。


かなり昔に一度歩いただけなので全く記憶に残っていないですが、
谷筋の斜面に付けられた道は手入れをしないと斜面に戻ってしまいます。
どなたか整備をしてくれている人がみえると思います。

新緑の谷につけられた無理をしない道は気持ちも明るくさせてくれる。

冬枯れの時期が過ぎて今は谷の緑の中を歩くのが気持ちいいですね。

谷筋の高巻き道は当時から修験者が歩いた道だと思う。
上手な道のつけ方もさることながら風格を感じる静寂の道だ。


さすがに余裕のあるわりばしさんの感想ですね。
グーは山を歩き始めた頃に行ったきりで、全く記憶にございません。

雲出井を守る水分神社が高茶屋にあり、若宮八幡宮の不断社の分社という

わりばしさんもsatoさんも博学ですね。
グーは理屈をこねるだけで社会科はとんと苦手科目です。


              グー(伊勢山上住人)
biwaco
記事: 1423
登録日時: 2011年2月22日(火) 16:56
お住まい: 滋賀県近江八幡市

Re: 【高見山地】若宮八幡宮の参拝道を上り修験の谷を下る

投稿記事 by biwaco »

わりばし先生、こんにちは~
台高の峠めぐり、コソっと流し読みしております。
今回は若宮神宮からの若宮峠。
じつは請取峠のレポをみて、(修験業山の近くやなぁ…)と思っていたのですが、やはり出てきましたね(^_-)
この山、kitayama-walkさんと一度だけ行ったことあります。だいぶん前と思って記録を見たら2014年のお正月でした。初詣客を迎える準備で忙しそうな神社の横から谷筋の登山道(?)へ入りました。
ま、私にとっては名前の通り「修業」の山でした。(@_@。

 >三浦しおんの「神去なあなあ日常」のロケ地となった…

そんな映画あったんですね。まったく予備知識無しでkitayamaさんに引きずられての山行でした。歴史や謂れ情報が頭に入っていたら、もっと面白かったと思いますが、わりばしさんレポの後付けで記憶が肉付けできました。

 >若宮八幡宮から小峠までは自然林につつまれ気持ちの良い山越の道だった。参拝道は炭焼きの杣道としても使われていたようで、小峠側の炭焼き窯にはお地蔵さんも祀られていた。
 >栗ノ木岳を越えブナの木が目印の栗ノ木岳分岐を過ぎ高宮に着く。ここは、若宮八幡宮の奥宮のような位置づけで鳥居と石灰岩の御神体がある。


逆回りですがルートを貼ります。
「小峠」は大宮谷から支尾根の稜線に出たところでしょうか? 私たちは修験業谷から高宮に登り、風がキツイ修験業山を避けて高宮に戻ってランチしました。
栗ノ木岳から若宮峠の急下りは雪や氷が付いていてヒヤヒヤさせられました。
注連縄が揺れる高宮の鳥居
注連縄が揺れる高宮の鳥居
P1020078.jpg (63.58 KiB) 閲覧された回数 351 回

 >谷筋の高巻き道は当時から修験者が歩いた道だと思う。上手な道のつけ方もさることながら風格を感じる静寂の道だ。下山の道は予想に反して修験の修行場の色合いが深く残る谷で、いいものを見せてもらった。

記憶は断片的で、もう一度更新に行かないと若宮社の武運も御利益も消えてしまいそうです。(^_-)
当時は災害で廃線状態だった「いせおきつ駅」も、いまは再開してるんでしょうね。私の再起動はいつになるやら…。(ーー;)

                        ~びわ爺
添付ファイル
2014_0102修験業山.JPG
アバター
わりばし
記事: 1767
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【高見山地】若宮八幡宮の参拝道を上り修験の谷を下る

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、グーさん。

わりばしさん、こんにちは。暑くなってきました。
そろそろ陸歩きは中断して水遊びの季節ですね。


そうですね。
ただ、まだやりたいことがあるので
それが終わってからかな。


【コース】若宮八幡宮駐車場7:15---11:45若宮八幡宮駐車場

相変わらずすっ飛ばしの足で速い下山ですね。
下山後はいつもの森のJAZZCAFEまで車を回したのですか?


この日はホンヅキ三重という古本市が久居でやっていたので、こちらに行きました。
雲出川を源流から河口まで下る感じです。


谷筋の厳しい所だが、まったくそんなことを感じさせない道のつけ方だ。
谷筋につけられた道だけに本来は苦労する所だが、崩れずにきれいに残っている。


かなり昔に一度歩いただけなので全く記憶に残っていないですが、
谷筋の斜面に付けられた道は手入れをしないと斜面に戻ってしまいます。
どなたか整備をしてくれている人がみえると思います。


そうでしょうね。
テープをこまめに付けてくれている人が整備してるのかな。
SNSの発達で歩く人もいるようです。
この日は、誰にもあいませんでしたが・・


新緑の谷につけられた無理をしない道は気持ちも明るくさせてくれる。

冬枯れの時期が過ぎて今は谷の緑の中を歩くのが気持ちいいですね。

本当にそうです。
あまり期待してなかった美杉の谷で新緑に包まれるとは思ってもみませんでした。
どうも植林のイメージが強いので。


炭焼きの道
炭焼きの道

谷筋の高巻き道は当時から修験者が歩いた道だと思う。
上手な道のつけ方もさることながら風格を感じる静寂の道だ。


さすがに余裕のあるわりばしさんの感想ですね。
グーは山を歩き始めた頃に行ったきりで、全く記憶にございません。


谷筋の道はいいですよ。
連瀑の滝を下に見るグーさんの大好きなトラバース道です。

雲出井を守る水分神社が高茶屋にあり、若宮八幡宮の不断社の分社という

不断社
不断社

わりばしさんもsatoさんも博学ですね。
グーは理屈をこねるだけで社会科はとんと苦手科目です。


雲出井は津市の小学校の教科書に載っていますよ。
水分神社で雲出川から引かれた水がいくつかに分かれています。
高茶屋駅の近くですから、気が向いたら見に行ってください。

アバター
わりばし
記事: 1767
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【高見山地】若宮八幡宮の参拝道を上り修験の谷を下る

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、biwacoさん。

じつは請取峠のレポをみて、(修験業山の近くやなぁ…)と思っていたのですが、やはり出てきましたね(^_-)
この山、kitayama-walkさんと一度だけ行ったことあります。だいぶん前と思って記録を見たら2014年のお正月でした。初詣客を迎える準備で忙しそうな神社の横から谷筋の登山道(?)へ入りました。
ま、私にとっては名前の通り「修業」の山でした。(@_@。

あらまあ同じルートの逆回りですね。
修験業谷に大宮谷って言うんだ。
知らなかった・・
:oops:

 >三浦しおんの「神去なあなあ日常」のロケ地となった…

そんな映画あったんですね。まったく予備知識無しでkitayamaさんに引きずられての山行でした。歴史や謂れ情報が頭に入っていたら、もっと面白かったと思いますが、わりばしさんレポの後付けで記憶が肉付けできました。

主演が染谷将太でヒロインが長澤まさみです。
「神去なあなあ日常」が本として出された時には、本屋のない美杉で一家に一冊あるという
大ベストセラーとなっていました。
三浦しおんの祖父母の家が美杉で、夏休みによく来ていたようです。


神去なあなあ日常のロケ地
神去なあなあ日常のロケ地

 >若宮八幡宮から小峠までは自然林につつまれ気持ちの良い山越の道だった。参拝道は炭焼きの杣道としても使われていたようで、小峠側の炭焼き窯にはお地蔵さんも祀られていた。
 >栗ノ木岳を越えブナの木が目印の栗ノ木岳分岐を過ぎ高宮に着く。ここは、若宮八幡宮の奥宮のような位置づけで鳥居と石灰岩の御神体がある。


逆回りですがルートを貼ります。
「小峠」は大宮谷から支尾根の稜線に出たところでしょうか? 私たちは修験業谷から高宮に登り、風がキツイ修験業山を避けて高宮に戻ってランチしました。
栗ノ木岳から若宮峠の急下りは雪や氷が付いていてヒヤヒヤさせられました。

小峠は前回歩いた若宮越の飯高側の峠でここまで林道がきています。
修験業谷の最後の上りは急ですね。
修験業山って風が強いんだ
この日はほぼ無風で植林の中アワワしてました。

若宮越の石積み
若宮越の石積み

 >谷筋の高巻き道は当時から修験者が歩いた道だと思う。上手な道のつけ方もさることながら風格を感じる静寂の道だ。下山の道は予想に反して修験の修行場の色合いが深く残る谷で、いいものを見せてもらった。

記憶は断片的で、もう一度更新に行かないと若宮社の武運も御利益も消えてしまいそうです。(^_-)
当時は災害で廃線状態だった「いせおきつ駅」も、いまは再開してるんでしょうね。私の再起動はいつになるやら…。(ーー;)

もう開通してますよ。
その後、地元の三重県立白山高校が夏の甲子園に出ました。
名松線というのは松阪と名張を結ぶ予定で名前がついているんですが、計画は途中で頓挫し伊勢奥津までになっています。
峠歩きもいいもんですよ。



                 
返信する