【京都北山】巨樹の森と花を愛でる沢始め 久多川上ノ谷から光砥山へ
Posted: 2023年5月25日(木) 21:37
【日 付】2023年5月20日(土)
【山 域】京都北山 久多川周辺
【天 候】曇り
【メンバー】sato、山日和
【コース】久多上ノ町7:55---10:25 P897---11:00カヤンド谷---12:25光砥山---12:40ランチ場14:05---15:25 P927
---16:20深洞山---17:30駐車地
今シーズンの初沢は、京都北山久多川支流の上ノ谷右俣。足慣らしにはちょうどいい軽めの谷から巨樹の森と
花を愛でようというプランである。
久多上ノ町の集落から林道終点の二俣まで歩く。下り立った出合、特に右俣の方は水量チョロチョロで林相も
貧弱。どう見ても食指を動かされる渓相ではない。
しかし、谷は歩いてみなければわからないもので、二俣までの植林はすぐに自然林へと変わり、たちまち美し
い渓相に目を瞠ることになる。
適度に現われる滝は直登も可能だが、昨日の雨もあって水は冷たく、まだ全身にシャワーを浴びて登ろうという
気が起こらない。美しいナメ滝や、一見別の流れのように見える二条に分かれた面白い滝が続いて飽きさせない。
流れの美しさとともにこの谷を特徴付けているのがトチやカツラ、サワグルミの巨木だ。
うっすらと霧の漂う谷の奥から浮かび上がる滝や巨木の姿は、日差しの中で見るよりも鮮烈な印象を与える。
芦生に隣接する谷らしく、源頭部の美しさも格別で、ヤブ無しの詰めをP897m近くの尾根に這い上がった。
P897mからはP927mへ向けて尾根を進み、最低鞍部のあたりから左手のカヤンド谷へ下る。
標高差50mほどの急降下でカヤンド谷の水辺に下り立った。植林がちなのが残念だが、落ち着いた流れの雰囲気
は悪くない。
実はこの谷は予備知識がまったく無く、登山靴でも歩ける程度だと思っていた。ところが少し進んだところから
ナメが連続して現われ、意外に沢らしくなってきた。
さきほど尾根に乗ったところで脱いでいたヘルメットと手袋を慌てて装着し直す。
P927mから落ちる左岸支流にははるか高いところからナメの連瀑が落ちていて驚く。思わずそちらの方へ惹か
れそうになったが、予定通り本流を遡った。
しかしその後は滝らしい滝は現われず、V字状の溝になった谷を詰め上げて行く。
源頭は地形図でみるより傾斜が強く、まだ急な詰めに慣れていない体にはきつい登りだ。
京都・南丹市境稜線に上がると、幹周10数メートルあるだろう、驚くほど巨大な台杉が出迎えてくれる。
去年も歩いたが、この一帯は台杉の巨樹の展示場のような趣きがある。
光砥(コウンド)山の先にも板取(ばんどり)大杉と呼ばれる巨大なスギがある。谷の中と同様に、この巨大なスギの
巨樹たちも、ガスの中から浮かび上がる方が存在感が感じられ、なにか厳かな空気が漂っていた。
ワサ谷の源頭(ここにもスギの巨樹がある)でランチタイムを楽しんだ後、帰路は稜線を辿る。
結構アップダウンがあり、特にP897mへの登り返しは、往路に下って来た時の印象よりも長く続いた。
京都北山というと北山杉のイメージが強く、植林が主体という印象を持っていたのだが、この稜線はほぼ自然林
に覆われており、気持ち良く歩くことができる。
ただ、ブナが少ないのが欠点ではあるが、スギの巨樹がそれを補っているというところだろうか。
未踏の深洞(フカンド)山を踏み、その先から久多上ノ町への支尾根を辿る。
この尾根は少しハズレで、多少ヤブっぽいのは目を瞑るにしても、林相があまりよろしくなかった。
最後は明瞭な杣道をを辿ってソフトランディング。朝の林道に下り立って、沢始めは終了である。
美しい谷、驚くような巨樹、そして目当ての花を堪能できた、いい一日だった。
山日和
【山 域】京都北山 久多川周辺
【天 候】曇り
【メンバー】sato、山日和
【コース】久多上ノ町7:55---10:25 P897---11:00カヤンド谷---12:25光砥山---12:40ランチ場14:05---15:25 P927
---16:20深洞山---17:30駐車地
今シーズンの初沢は、京都北山久多川支流の上ノ谷右俣。足慣らしにはちょうどいい軽めの谷から巨樹の森と
花を愛でようというプランである。
久多上ノ町の集落から林道終点の二俣まで歩く。下り立った出合、特に右俣の方は水量チョロチョロで林相も
貧弱。どう見ても食指を動かされる渓相ではない。
しかし、谷は歩いてみなければわからないもので、二俣までの植林はすぐに自然林へと変わり、たちまち美し
い渓相に目を瞠ることになる。
適度に現われる滝は直登も可能だが、昨日の雨もあって水は冷たく、まだ全身にシャワーを浴びて登ろうという
気が起こらない。美しいナメ滝や、一見別の流れのように見える二条に分かれた面白い滝が続いて飽きさせない。
流れの美しさとともにこの谷を特徴付けているのがトチやカツラ、サワグルミの巨木だ。
うっすらと霧の漂う谷の奥から浮かび上がる滝や巨木の姿は、日差しの中で見るよりも鮮烈な印象を与える。
芦生に隣接する谷らしく、源頭部の美しさも格別で、ヤブ無しの詰めをP897m近くの尾根に這い上がった。
P897mからはP927mへ向けて尾根を進み、最低鞍部のあたりから左手のカヤンド谷へ下る。
標高差50mほどの急降下でカヤンド谷の水辺に下り立った。植林がちなのが残念だが、落ち着いた流れの雰囲気
は悪くない。
実はこの谷は予備知識がまったく無く、登山靴でも歩ける程度だと思っていた。ところが少し進んだところから
ナメが連続して現われ、意外に沢らしくなってきた。
さきほど尾根に乗ったところで脱いでいたヘルメットと手袋を慌てて装着し直す。
P927mから落ちる左岸支流にははるか高いところからナメの連瀑が落ちていて驚く。思わずそちらの方へ惹か
れそうになったが、予定通り本流を遡った。
しかしその後は滝らしい滝は現われず、V字状の溝になった谷を詰め上げて行く。
源頭は地形図でみるより傾斜が強く、まだ急な詰めに慣れていない体にはきつい登りだ。
京都・南丹市境稜線に上がると、幹周10数メートルあるだろう、驚くほど巨大な台杉が出迎えてくれる。
去年も歩いたが、この一帯は台杉の巨樹の展示場のような趣きがある。
光砥(コウンド)山の先にも板取(ばんどり)大杉と呼ばれる巨大なスギがある。谷の中と同様に、この巨大なスギの
巨樹たちも、ガスの中から浮かび上がる方が存在感が感じられ、なにか厳かな空気が漂っていた。
ワサ谷の源頭(ここにもスギの巨樹がある)でランチタイムを楽しんだ後、帰路は稜線を辿る。
結構アップダウンがあり、特にP897mへの登り返しは、往路に下って来た時の印象よりも長く続いた。
京都北山というと北山杉のイメージが強く、植林が主体という印象を持っていたのだが、この稜線はほぼ自然林
に覆われており、気持ち良く歩くことができる。
ただ、ブナが少ないのが欠点ではあるが、スギの巨樹がそれを補っているというところだろうか。
未踏の深洞(フカンド)山を踏み、その先から久多上ノ町への支尾根を辿る。
この尾根は少しハズレで、多少ヤブっぽいのは目を瞑るにしても、林相があまりよろしくなかった。
最後は明瞭な杣道をを辿ってソフトランディング。朝の林道に下り立って、沢始めは終了である。
美しい谷、驚くような巨樹、そして目当ての花を堪能できた、いい一日だった。
山日和