【鈴鹿北部】男鬼山〜イワス☆新緑と好展望の鈴鹿北部のピークを訪ねて

山行記、山の思い出、限定
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】 
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
返信する
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

【鈴鹿北部】男鬼山〜イワス☆新緑と好展望の鈴鹿北部のピークを訪ねて

投稿記事 by yamaneko0922 »

【 日 付 】2023年4月23日
【 山 域 】鈴鹿北部
【メンバー】山猫、家内、Hさん
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】駐車地8:30〜10:36男鬼山10:41〜11:17男鬼峠〜11:39イワス最高点12:36〜12:52比婆之山13:21男鬼入谷城址〜13:37高取13:42〜14:35駐車地

昨年は四月の最終週に高取を経てイワスまで歩いているのだが、今年は時期を一週間だけ早めて男鬼からイワスを目指すことにした。前日の土曜日の方が天気が良い予報であったが、この日は夕方まで神戸で仕事があり身動きが取れない。しかし、土曜日は神戸でもかなりの風であった。この日は曇りの予報ではあったが、前日よりは風もかなり穏やかになるようだ。

風穴で有名な河内を過ぎて、芹川に沿った細い車道を上流に向かうと、すぐに道路には路駐した車が続々と現れる。どうやら落合の登山口の駐車場は早い時点で満車となったのだろう。車のナンバー・プレートを見ると大阪や名古屋、三重とかなり遠方から来られている車が多い。

落合から男鬼の集落跡に向かう林道に入ると、昨年はbiwa爺さんの車が停められていた場所に車を停めることが出来る。まさかbiwa爺さんが前日にここに車を停められていたとは思いも寄らなかった。

少し上流の谷の出合から檜の植林の尾根に取付く。最初は急登であるが、ひとしきり登るとすぐにも斜度は緩くなり、尾根上には涼しい風が吹き渡るようになる。尾根を進むうちに自然林の疎林が広がる緩斜面となる。降り注ぐ新緑の透過光が広々とした樹間になんとも清々しい空間にしている。林間には苔むした石灰岩の集簇が現れる。岩影を覗き込むと人目を憚るかのように山芍薬の花がひっそりと咲いていた。
山芍薬.JPG

尾根上に広がる緩斜面はどこでも自由気ままに歩くことが出来る。地図に記されている台地状のなだらかな地形にはどのような光景が広がっているのだろうと気になっていたが、想像をはるかに上回る美しい場所であった。あまり人が訪れる場所ではないと思われるが、北部鈴鹿は時として思いがけずこのような美しい樹林に出会うことが出来るのが嬉しいところだ。
緩斜面.JPG

P593を過ぎて尾根が北向きに方向を変えると、広々とした尾根は急速に収束し雑木林の間は石灰岩の岩だらけの歩きにくい尾根となる。岩の間には花を咲かせた山椒の樹があり、少し花山椒を頂戴することにした。しばらく進むと林道に出る。しばらく林道を歩くと林道沿いでも一輪の山芍薬が咲いていた。

植林の小さな谷を経て再び尾根に乗る。植林の尾根を進むと忽然と斜面の南側に広々とした伐採斜面に出る。正面にはこれから辿る比婆山から高取にかけての新緑の尾根の展望が広がる。足元を見ると一面に蕨が群生しているではないか。しばし蕨の収穫に勤しむことになる。
伐採地より.JPG

ca600mにかけては楓の高木からなる実に清々しい新緑の疎林となる。新緑の美しさに歓声を上げながら緩やかな斜面を登ってゆく。ca600mの山頂部にもカレンフェルトの岩影で山芍薬がひっそりと美しい花を咲かせていた。
山芍薬2.JPG

ca600mのピークを越えて斜面の西側に入ると急に樹々の樹高が低くなり、また樹間も狭くなる。二次林がまだ若いのだろう。このような樹林の変化を見ると、北鈴鹿の林相の美しい自然林は長い間の人々の手入れの結果であることが伺われる。果たして若木の密集した二次林は綺麗な樹林に成長しうるのだろうか。

林道を越えて男鬼山の東側斜面を登る。斜面からは霊仙山の大展望が広がる。嬉しいのは霊仙山の手前にここまで歩いてきた美しい新緑の尾根を俯瞰することが出来ることだ。ここでも足元には蕨が数多く生えているが、既に大量に収穫したところなので、さすがに食指が動かない。
男鬼山東斜面より.JPG

男鬼山の東側斜面を歩く人は少ないが、この山は遠目にも西側は植林、東側は自然林と山頂を境に二色に分かれており、山の印象が歩き方によってはまるで異なるものになる。

男鬼山の山頂を訪れるのは数年ぶりであるが、以前は伐採された杉の樹が散乱して、山名標のある一角にたどり着くまでジャングルジムのような状態だったのだが、かなりスッキリとしている。しかし、肝心の山名標が掛けられた樹が見当たらない。記憶を頼りに山名標があったあたりを探してみると、山名標を掛けられた樹も悉く地面に倒れていた。

男鬼山の山頂からは西側の植林の中を下降してゆく。山の南側で林道に出ると、移動式のトイレが二つ、設置されていた。工事でもしているのだろう。再び植林の中に入り、送電線鉄塔に出る。鉄塔の南側の伐採された斜面からは送電線が続くイワス方面の展望が広がるが、送電線巡視路をわずかに降ると、左手の林道の法面の上から目の前に大きく霊仙の展望が広がる。

男鬼峠には多くの車が停められており、バイクも訪れている。男鬼峠からイワスに向かって新緑の清々しい尾根を歩いてゆくと、突如として前方からけたたましいエンジン音が聞こえてくる。前方からオフロード・バイクの集団が降りてくる。男鬼峠からも別のバイクが登ってくる。我々が向かうイワスに登られるのだろうかと危惧したが、同じ集団の仲間だったようだ。

バイクが降っていった後は静寂が戻る。バイクが走行した後は地面が抉れ、登山道とは別にタイヤの痕が刻まれている。すぐにイワスの山頂に到着する。山頂からは住友鉱業による採石場の岩壁の西側に好展望が広がり、紺碧の琵琶湖の彼方には比良の山並みも綺麗に見えている。
イワス.JPG

下の方からは再びバイクの音が聞こえてくる。新緑の樹林の中を走り回っているのだろう。この日はガーリックをオリーブオイルで炒めたところにバターを加え、蕨と筍をソテーする。そこにライスとハナビラタケを投入して山菜リゾットを作る。

静かな山頂を我々のみで独占する時間は長くは続かなかった。ランチの調理の準備を始めると30人ほどの大パーティーが到着する。丁度、ランチのタイミングを見計らって山頂に辿り着くように計画されていたのだろう。確かに絶好の展望が広がるこの山頂はランチに格好なので、知っている人は考えることは同じなのだろう。途端に山頂は行楽地のように賑やかな雰囲気となる。

食後はコーヒーを淹れると、ハナお手製のパンケーキをご馳走になる。デザートが多くなったが、昨日の神戸の出張でお土産に購入した窯焼きシュークリームも持参したので、すっかり満腹になる。賑わう山頂を後に高取を目指す。まずは比婆山の山頂に登るとこのピークの北東からも新緑の谷ごしに霊仙の展望が大きく広がる。食後のコーヒーとデザートはこの場所に移動すれば良かったと考えるが後の祭りである。ピークからわずかに東に進むと三国岳、御池岳の展望が広がる。遥か南には雨乞岳のシルエットも遠望することが出来る。
比婆山の南東より.JPG

新緑の尾根を進むと尾根上に忽然と平坦地が現れる。男鬼入谷城址の曲輪の一つにたどり着いたようだ。主郭から深い堀切に降りて、尾根をさらに先に進む。高取のピークが近づくとここでも再び山芍薬の花々が現れる。高取からは北東に伸びる尾根を辿る。ca530mからは九十九折りの古道を辿って急峻な斜面を下降し、林道に着地する。バイクの集団には閉口したが、新緑に山芍薬、そして春の山の幸にも恵まれた山行であった。

下山後、久しぶりに河内の風緑を訪れる。ここの天然水と天然素材のみを使用したかき氷が楽しみで、以前はこの山域を訪れる度に立ち寄ったものだが、コロナ禍と最近では店主の手の怪我により長いこと休業しておられたのだった。かき氷のメニューが以前に比べてかなり少なくなったのが残念ではあるが、新緑を眺めながらいただく、採れたてのいちごと甘酒のかき氷はいずれも贅沢な味わいだった。

風緑から出て、店の前に一面に広がる射干(シャガ)の花の写真を撮っていると、河内の風穴の駐車場の管理をしておられる地元の方が「これは鹿の仕業なんや」と仰る。少し前まではイタドリなどが生える草地だったのが、最近は鹿が増え過ぎて草を全て食べてしまったとのこと。そこに鹿が食べない射干が一面に繁茂したということらしい。そういえば山芍薬も毒があり、鹿が食べない花の一つらしい。そのうちにこのあたりの山で見かける花も鹿が食べないものに限られるようになるのだろうか。
山芍薬3.JPG
山猫 🐾
宮指路
記事: 1008
登録日時: 2011年2月27日(日) 21:13

Re: 【鈴鹿北部】男鬼山〜イワス☆新緑と好展望の鈴鹿北部のピークを訪ねて

投稿記事 by 宮指路 »

yamanekoさん、こんばんは
風穴で有名な河内を過ぎて、芹川に沿った細い車道を上流に向かうと、すぐに道路には路駐した車が続々と現れる。どうやら落合の登山口の駐車場は早い時点で満車となったのだろう。車のナンバー・プレートを見ると大阪や名古屋、三重とかなり遠方から来られている車が多い。
昨年の4月17日に霊仙山に登るつもりで落合に向かいましたが、到着が遅かったのかどこもかしこも満車で止む無く奥に進んだら男鬼の集落跡に着きました。

少し上流の谷の出合から檜の植林の尾根に取付く。最初は急登であるが、ひとしきり登るとすぐにも斜度は緩くなり、尾根上には涼しい風が吹き渡るようになる。尾根を進むうちに自然林の疎林が広がる緩斜面となる。降り注ぐ新緑の透過光が広々とした樹間になんとも清々しい空間にしている。林間には苔むした石灰岩の集簇が現れる。岩影を覗き込むと人目を憚るかのように山芍薬の花がひっそりと咲いていた。
私もその時、林道わきでひっそり咲いている山芍薬を見ました。

P593を過ぎて尾根が北向きに方向を変えると、広々とした尾根は急速に収束し雑木林の間は石灰岩の岩だらけの歩きにくい尾根となる。岩の間には花を咲かせた山椒の樹があり、少し花山椒を頂戴することにした。しばらく進むと林道に出る。しばらく林道を歩くと林道沿いでも一輪の山芍薬が咲いていた。
胡椒の花は可愛いですね。
植林の小さな谷を経て再び尾根に乗る。植林の尾根を進むと忽然と斜面の南側に広々とした伐採斜面に出る。正面にはこれから辿る比婆山から高取にかけての新緑の尾根の展望が広がる。足元を見ると一面に蕨が群生しているではないか。しばし蕨の収穫に勤しむことになる。
「蕨」は東大生漢字クイズにでも出てきそうな文字です。
男鬼山の東側斜面を歩く人は少ないが、この山は遠目にも西側は植林、東側は自然林と山頂を境に二色に分かれており、山の印象が歩き方によってはまるで異なるものになる。
私は林道を登って、最短コースで登りました。後から思うとここまで車でくれば早かったなぁ~と思いました。
男鬼山の山頂を訪れるのは数年ぶりであるが、以前は伐採された杉の樹が散乱して、山名標のある一角にたどり着くまでジャングルジムのような状態だったのだが、かなりスッキリとしている。しかし、肝心の山名標が掛けられた樹が見当たらない。記憶を頼りに山名標があったあたりを探してみると、山名標を掛けられた樹も悉く地面に倒れていた。
おお二度目なのですね。私は一度登れば充分な山だと思いました。

男鬼峠には多くの車が停められており、バイクも訪れている。男鬼峠からイワスに向かって新緑の清々しい尾根を歩いてゆくと、突如として前方からけたたましいエンジン音が聞こえてくる。前方からオフロード・バイクの集団が降りてくる。男鬼峠からも別のバイクが登ってくる。我々が向かうイワスに登られるのだろうかと危惧したが、同じ集団の仲間だったようだ。
ここを登った時にバイクのタイヤ跡がありましたので、オフロードバイクのコースになっているんだろうと思いました。
バイクが降っていった後は静寂が戻る。バイクが走行した後は地面が抉れ、登山道とは別にタイヤの痕が刻まれている。すぐにイワス
の山頂に到着する。山頂からは住友鉱業による採石場の岩壁の西側に好展望が広がり、紺碧の琵琶湖の彼方には比良の山並みも綺麗に見えている。

ここは絶壁の好展望地でした。

下の方からは再びバイクの音が聞こえてくる。新緑の樹林の中を走り回っているのだろう。この日はガーリックをオリーブオイルで炒めたところにバターを加え、蕨と筍をソテーする。そこにライスとハナビラタケを投入して山菜リゾットを作る。
採取した蕨が生きましたね。
食後はコーヒーを淹れると、ハナお手製のパンケーキをご馳走になる。デザートが多くなったが、昨日の神戸の出張でお土産に購入した窯焼きシュークリームも持参したので、すっかり満腹になる。賑わう山頂を後に高取を目指す。まずは比婆山の山頂に登るとこのピークの北東からも新緑の谷ごしに霊仙の展望が大きく広がる。食後のコーヒーとデザートはこの場所に移動すれば良かったと考えるが後の祭りである。ピークからわずかに東に進むと三国岳、御池岳の展望が広がる。遥か南には雨乞岳のシルエットも遠望することが出来る。
盛りだくさんのデザートで羨ましい('ω')
私はいつもミニラーメンとコンビニお握りでデザートなしです。

新緑の尾根を進むと尾根上に忽然と平坦地が現れる。男鬼入谷城址の曲輪の一つにたどり着いたようだ。
ここは何かあるかなと期待しましたが看板のみですね
下山後、久しぶりに河内の風緑を訪れる。ここの天然水と天然素材のみを使用したかき氷が楽しみで、以前はこの山域を訪れる度に立ち寄ったものだが、コロナ禍と最近では店主の手の怪我により長いこと休業しておられたのだった。かき氷のメニューが以前に比べてかなり少なくなったのが残念ではあるが、新緑を眺めながらいただく、採れたてのいちごと甘酒のかき氷はいずれも贅沢な味わいだった。
この時期にかき氷が食べられるのなんて贅沢ですね。


                                                     宮指路
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【鈴鹿北部】男鬼山〜イワス☆新緑と好展望の鈴鹿北部のピークを訪ねて

投稿記事 by yamaneko0922 »

宮指路さん コメント有難うございます。

>昨年の4月17日に霊仙山に登るつもりで落合に向かいましたが、到着が遅かったのかどこもかしこも満車で止む無く奥に進んだら男鬼の集落跡に着きました。

コロナ禍が登山ブームに火がついている上に人気の山はSNSがさらに拍車をかけているとあって、最近は大変なことになっていいますね。
落合は7時ではまず駐車場には入れない・・と聞きます。

ところで、昨年はイワスから比婆神社を経て男鬼の集落に降りたのですが、この廃集落は雰囲気のいいところに思いました。


>林道わきでひっそり咲いている山芍薬を見ました。

山芍薬は一輪でも見かけると嬉しいものですよね。
山芍薬4.JPG

>胡椒の花は可愛いですね。

綺麗に咲いている花もあったのですが、あまり熱心に写真を撮っていないかったもので
山椒.JPG
>「蕨」は東大生漢字クイズにでも出てきそうな文字です。

確かに・・・でも京浜東北線には埼玉に入ってすぐ、川口と浦和の間に蕨という駅があって、東京近郊の埼玉の人は意外と容易に読み書きが出来るかも :D

>おお二度目なのですね。私は一度登れば充分な山だと思いました。

ピーク・ハントという意味では確かに一度で充分な山だと思います。

>ここを登った時にバイクのタイヤ跡がありましたので、オフロードバイクのコースになっているんだろうと思いました。

そうなんでしょうね。山中にバイクの音が響き渡るのは登山者にとっては興醒めもいいところです。

>ここは絶壁の好展望地でした。

御意です。
イワスより琵琶湖.JPG

しかし、今更ながらにランチには静寂が大切・・・ということを痛感しました。

>採取した蕨が生きましたね。

実は蕨はアク抜きが必要であり、料理に使った蕨は自宅から持参したものだったのです。
ランチ.JPG
料理に採取した山椒を載せなかったのは迂闊でしたが・・・

>この時期にかき氷が食べられるのなんて贅沢ですね。

ここのかき氷は絶品で、なおかつ天然素材のみを使ったかき氷としては相当に安いと思います。
宮指路さんも機会があれば是非!
かき氷.JPG
山猫 🐾
返信する