【 日 付 】2023年2月5日(日)
【 山 域 】南越
【メンバー】山猫、家内、Nさん、Sさん、flatwellさん
【 天 候 】晴れ時々曇り
【 ルート 】樫尾谷林道除雪終了地点09:02〜11:55点標 八飯 74411:59=12:21P739(ランチタイム)12:53〜13:22点標 栃ノ木〜14:29音波山14:37=15:33点標 岩滝 690〜17:10出発地点
昨年の1月に山日和さんのrepで点標八飯のある尾根にも風力発電が計画されていることを知る。その後、栃ノ木峠から上谷山への縦走において、風況観測樹のあるピーク一帯のなだらかな稜線を目にすると、ブナの伐採が進行してしまう前に是非ともこの八飯から音波山へと続く稜線を辿ってみたいと思っていた。
昨秋に腰椎の横突起を骨折されたNさんも怪我からは既に十分に恢復されたようだ。Sさんもご都合が良いとのこと。最近、Nさんと一所に山に同行されているflatwellさんからも前日にご連絡が入り、久しぶりにご一緒させて頂くことになった。flatwellさんと前回、ご一緒したのはやはり風力発電が計画されている庄部谷山から芦谷山への稜線を訪れた山行以来だ。
朝は敦賀までは鉄道で行かせて頂くことにする。始発の新幹線「ひかり」から北陸本線に乗り継いて敦賀駅に向かう。伊吹山から金糞岳にかけての伊武山地の稜線はすっかり雲に覆われているが、北陸本線が木之本を過ぎると右手には霧氷を纏った横山岳が朝陽を浴びて白銀に輝いている。やがて車窓風景は濃厚な朝霧に包まれてゆく。
敦賀に到着すると青空が広がっている。敦賀駅には物々しい北陸新幹線の新しい駅が出来ていた。開業は来年らしい。前日は敦賀では雨だったようで、周辺の山々における先日の寒波の雪もかなり少なくなったようだ。
朝は敦賀の駅に集合する。天筒山の登山口でSさんと落ち合うとSさんの車一台でいざ現地へ向かう。山の上の方では霧氷がつくことを期待していたが、どうやら霧氷がつくには気温が高過ぎたようだ。木ノ芽トンネルに向かうとその上に聳える鉢伏山には霧氷どころか雪も少ないように見える。
それでも木の芽トンネルを抜けると嶺北側は途端に雪景色となり、孫谷川の周辺の樹々には着雪が見られる。この孫谷川は昨年の夏の記録的な集中豪雨で氾濫し、広野ダムの方に向かう橋は数ヶ月に渡り通行不能な状態になっていたそうだ。
八飯の集落での駐車地が心配であったが、樫尾谷へと入る林道は除雪されている。昨夜に降ったものと思われる薄雪の上に真新しいタイヤの痕が続いている。林道を600mほど入ったところで二俣に分かれる地点まで除雪は続いており、その手前に駐車地が設けられていた。一台の車が停められ、二人の釣り人が出発の用意をされていた。車をずらして下さったので横に停めさせて頂く。詰めれば3台は停めることが出来るだろう。
釣り人達は上流の左俣まで入られるとのこと。国土地理院の地図で林道の先に点線が記されているさらにその先の左俣のことらしい。先に出発してゆく彼らを見送りながらNさんが「物好き〜!」と一言。しかし、彼等も我々に対して同様のことを思っている可能性は十分にあるだろう。
谷に立ち込める朝靄が秘境の雰囲気を醸し出す。所々で川に糸を垂れている先ほどの釣り人達にはすぐに追いつく。林道には数日前のものと思われるワカンのトレースが続いている。
早速にも倒木が次々と現れる。林道は川の右岸に続いている筈であるが、すぐにも林道の跡形も見えなくなるのは既に崩壊してしまったからだろう。果たしてここも昨年の豪雨の影響だろうか。河原をへつって100mほど進むと、その先に再び林道とワカンのトレースが現れた。
林道は片斜面が心配ではあったが、片斜面は見られず、難なく出合に至る。ワカンのトレースは林道をさらに先に進んでいる。尾根に取り付くと最初はかなりの急登である。林道を少し進み標高点271のポイントから尾根に取り付いた方が良かったのかもしれない。気温が高くなったせいだろう、尾根の杉の樹からは融雪による水滴が雨のように滴り落ちる。
急登を登り切ると植林となり、間伐の跡が目立つ。植林はすぐに終わり、自然林の疎林が広がる。そのお陰で樹々から滴り落ちる水滴から解放されることになる。樹間からは右手に八飯から上がってくる尾根が見えるが、なだらかな尾根にはかなりの長さにわたって植林が続いている。
P627を過ぎると尾根は広々とした台地状となり、右手から上がってくる谷の源頭がなだらかな斜面に繊細な襞を刻む。冬の柔らかな日差しを浴びた樹々がが緩やかな起伏に美しいシルエットを描いていた。
台地を過ぎると急に尾根が細くなるが、早速にもブナの回廊が現れる。背後からブナ林への感嘆の声が聞こえてくる。このあたりからは尾根は複雑に蛇行するが、尾根にはブナ林が続く。尾根はなだらかで、点標八飯まで2kmほどの間に稼ぐ標高は100mにも満たない。この起伏の乏しい稜線が風力発電を建設するための林道を通すのに都合が良いのだろう。
点標八飯が近づくと急に青空が消え、鈍色の雲が広がるようになった。無機的な風況観測計が天気の陰鬱さを際立たせるようだ。
点標からはしばらくは広いブナの樹林の中に幅の広い林道が作られているようだ。尾根を南下した広々としたピークは西側に好展望が広がり、すぐ目の前には今庄365スキー場のゲレンデの広がる鉢伏山が広がる。このスキー場は数年前から営業を停止している。
左に視線を移すと西方ヶ岳と湖が目に入る。四方を山に囲まれているように見えたので湖に思われたが、実際にはそれが敦賀湾の一部であることに気がつくまで少し時間を要するのだった。ここは展望は良いのだがその敦賀湾から冷たい風が吹き付けるので、先に進むことにする。先ほどから続く林道は鞍部への下りの前で唐突に終了する。このあたりの樹林を切り開いた重機を再びヘリコプターで運ぶためにこの広地があるのかもしれない。
小さな鞍部を経てp738に登り返すとすっかり風がなくなる。ブナの樹林の中で各自、行動食でランチをとる。尾根を南下すると相変わらずなだらかな尾根にブナの純林が続く。やがて右手の樹間からは大きなスキー場が目に入る。余呉国際スキー場だ。こちらはスキー客で賑わっているようだ。風に乗って微かにゲレンデの音楽が聞こえてくる。
唐突にブナの林の中に電信柱が現れたので、何かと思えば、江越国境の電波塔に電気を運ぶための電信柱であった。お陰で江越国境にたどり着いたことを知る。すぐに大きな電波塔に到着する。
電波塔からはわずかばかりの間はブナの立ち並ぶ尾根となるが、まもなく送電線下の樹木の皆伐された好展望の雪稜に出る。国境尾根には数日前のものと思われるワカンのトレースの跡が微かに残っている。
いつしか再び空には雲の間に蒼空が広がるようになり、稜線の右手には穏やかな冬の光がに照らされてベルクスキー場跡が眩い光沢を放っている。スキー場には先ほど八飯で見たのと同様の風況観測計が見える。その彼方には野坂岳から三重獄へと続く野坂山地の山々が大きく広がっている。
尾根の北側には樫尾谷から登ってきた尾根となだらかな尾根の中央に聳える風況観測計が見える。あと数年もしないうちにこの周辺の尾根にずらりと立ち並ぶ風力発電機を目にすることになるのだろう。
送電線から離れて尾根を辿ると、その先にはもう一つの風況観測計が聳え立っている。昨年、上谷山への往復の際に通った時には八飯の風況観測計と同様に太陽発電のパネルが備え付けられていたように思うが、そのパネルはすっかり取り外されていた。ということは観測は終了したことを意味するのだろうか。
もう一つ、昨年との大きな違いにすぐに気がつくことになる。風況観測計から先は樹林だったのだが、稜線が幅広く切り払いされており、林道が延伸されたようだ。積雪のお陰で平坦に見えるが、明らかに1m以上は積もっている雪の下には荒々しく削り取られた山肌と伐採されたブナの遺骸が散乱しているのだろう。
音波山のピークに至ると広々とした谷の彼方に大黒山から妙理山へと続く稜線が見える。
左手には下谷山がなだらかな山容を広げている。東隣のピークca890mに向かって切り開かれた林道が一筋の白い線となって続いているのが見える。
下山はca890mから△690mの岩滝と呼ばれる点標を経て尾根を末端に向かう。下谷山に向かうブナの純林の尾根にも林道が伸びているのを確認して、尾根を北に向かう。下谷山にかけての迷宮のようなブナの樹林を彷徨する楽しみは最早、失われてしまったのだろう。
しかし、このca890mから北に伸びる樫尾谷の右岸尾根は見事なブナの回廊となり、再び江越国境のブナ林を辿る愉しさを堪能させてくれる。尾根のブナは細い若木が多いが時折、存在感のある大きな樹を目を惹く。
最初の小ピークca850mは地図では平坦地に描かれているが地図では表現されない複雑な地形が広がっている。やがて傾いた午後の日差しが樹林に差し込むと橙色を帯びた光がブナの樹幹を明るく輝かせるようになる。
どこまでも続くかのようのなブナ林もca700mで尾根が東側に曲がると唐突に植林の細尾根になる。尾根からは左手に大きく展望が広がり、広々とした樫尾谷と八飯に至るまでの登ってきた尾根を俯瞰することが出来る。
植林の尾根を北上すると唐突に樹林が切れて大きな反射板が現れる。右手には美濃俣丸から笹ヶ峰、金草岳と連なる越美国境、その先には部子山の展望が広がる。晴れていれば正面には白山を望むことも出来るのだろう。
尾根を横切る林道に降り立つと、ここから先にには植林の中に送電線巡視路と思われる広い道が続いている。尾根の上には送電線が走っており、ca450mに至るまで歩きやすい雪道が続く。最後の送電線鉄塔を過ぎると樫尾谷に向かって北に伸びる尾根を下降する。ca350mあたりまでは歩きやすい尾根が続いていたが、最後は急下降の細尾根となる。途中でNさんがスマホを失くされたようで、尾根を戻るが雪に埋もれてしまったのだろうか、残念ながら見つからずじまいであった。
問題は尾根末端の植林帯に入ってからだった。河岸段丘の緩斜面に入るのだが、間伐された樹が散乱しているお陰で随所で踏み抜きまくることになる。樫尾谷の左岸には行きに歩いた林道が見えているが、樫尾谷川を渡渉するのは容易ではない。小さな流れを渡って右岸の林道に合流する。地図で記されているよりも低いところに林道があるのが有難かった。林道を歩くと車を停めた除雪終了地点まではすぐだった。
美しいブナの回廊を堪能することが出来た山行であったが、下山後に今回歩いた点標八飯から東に伸びる稜線、そして下山で辿った稜線にも風力発電機の建設が予定されていることを知る。失われゆくブナ林に対する哀惜の念を禁じ得ないのだった。
【南越前】八飯〜音波山〜樫尾谷右岸尾根☆失われゆくブナの回廊へ
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- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【南越前】八飯〜音波山〜樫尾谷右岸尾根☆失われゆくブナの回廊へ
山猫さん、こんにちは。
昨年の1月に山日和さんのrepで点標八飯のある尾根にも風力発電が計画されていることを知る。その後、栃ノ木峠から上谷山への縦走において、風況観測樹のあるピーク一帯のなだらかな稜線を目にすると、ブナの伐採が進行してしまう前に是非ともこの八飯から音波山へと続く稜線を辿ってみたいと思っていた。
この江越国境稜線を含め、庄部谷山周辺、藤倉山周辺、三十三間山周辺と、福井県の絡むブナの山々はとんでもない事態になっていますね。
flatwellさんと前回、ご一緒したのはやはり風力発電が計画されている庄部谷山から芦谷山への稜線を訪れた山行以来だ。
これは3年半前、初めてお会いした時ですね。flatwellさんとはFBやメッセンジャーでやり取りしています。
「若狭の山」は紹介も含めて10冊もお買い上げ頂きました。
敦賀に到着すると青空が広がっている。敦賀駅には物々しい北陸新幹線の新しい駅が出来ていた。
駅前には新しい商業施設やホテルができてすっかり様変わりしてしまいました。
この孫谷川は昨年の夏の記録的な集中豪雨で氾濫し、広野ダムの方に向かう橋は数ヶ月に渡り通行不能な状態になっていたそうだ。
あれはとんでもない豪雨でしたね。橋の陥没した写真を見て愕然としました。
八飯の集落での駐車地が心配であったが、樫尾谷へと入る林道は除雪されている。昨夜に降ったものと思われる薄雪の上に真新しいタイヤの痕が続いている。林道を600mほど入ったところで二俣に分かれる地点まで除雪は続いており、その手前に駐車地が設けられていた。
ここは雪が多いと駐車地の心配がありますね。その場所は4年前のスノー衆でも使った駐車地です。
13年前のスノー衆では場所がなく、路肩にギリギリ1台通れるぐらい空けてやっと駐車しました。
尾根に取り付くと最初はかなりの急登である。林道を少し進み標高点271のポイントから尾根に取り付いた方が良かったのかもしれない。
ここは2回ほど取付いていますが、なかなかの急登ですよね。しかも植林で面白くないし。
雪が無いとズルズルの斜面です。去年の私のように1本西の長い尾根を辿る方が楽しいと思います。
樹間からは右手に八飯から上がってくる尾根が見えるが、なだらかな尾根にはかなりの長さにわたって植林が続いている。
意外に自然林が多くて悪くないですよ。
台地を過ぎると急に尾根が細くなるが、早速にもブナの回廊が現れる。背後からブナ林への感嘆の声が聞こえてくる。このあたりからは尾根は複雑に蛇行するが、尾根にはブナ林が続く。
ここから栃ノ木の無線中継所手前までがこの尾根の白眉ですね。
左に視線を移すと西方ヶ岳と湖が目に入る。四方を山に囲まれているように見えたので湖に思われたが、実際にはそれが敦賀湾の一部であることに気がつくまで少し時間を要するのだった。
これは錯覚してしまいますよね。えっ、琵琶湖?余呉湖?と一瞬迷いますけど、よく考えればすぐ近くに海があることに気づきます。
小さな鞍部を経てp738に登り返すとすっかり風がなくなる。ブナの樹林の中で各自、行動食でランチをとる。尾根を南下すると相変わらずなだらかな尾根にブナの純林が続く。
このブナの細尾根の左側、樫尾谷源頭の斜面の雰囲気が実にいいです。尾根と谷が織り成す曲線美と、スックと立つブナの姿のマッチングが素晴らしいですね。
電波塔からはわずかばかりの間はブナの立ち並ぶ尾根となるが、まもなく送電線下の樹木の皆伐された好展望の雪稜に出る。国境尾根には数日前のものと思われるワカンのトレースの跡が微かに残っている。
ここから先はコメントするのも辛い状況になってきます。
尾根の北側には樫尾谷から登ってきた尾根となだらかな尾根の中央に聳える風況観測計が見える。あと数年もしないうちにこの周辺の尾根にずらりと立ち並ぶ風力発電機を目にすることになるのだろう。
・・・・・・
稜線上に送電鉄塔も何もない頃は、どんなに素晴らしいブナ林が続いていたでしょうね。
もう一つ、昨年との大きな違いにすぐに気がつくことになる。風況観測計から先は樹林だったのだが、稜線が幅広く切り払いされており、林道が延伸されたようだ。積雪のお陰で平坦に見えるが、明らかに1m以上は積もっている雪の下には荒々しく削り取られた山肌と伐採されたブナの遺骸が散乱しているのだろう。
flatwellさんのFBでやりとりしたのですが、やはり風況観測塔の先へ林道が延伸されているんですね。悪夢のようです。
音波まで切り開かれてしまったんでしょうか。
左手には下谷山がなだらかな山容を広げている。東隣のピークca890mに向かって切り開かれた林道が一筋の白い線となって続いているのが見える。
下谷山に向かうブナの純林の尾根にも林道が伸びているのを確認して、尾根を北に向かう。下谷山にかけての迷宮のようなブナの樹林を彷徨する楽しみは最早、失われてしまったのだろう。
言葉を失ってしまいます。去年の春には林道の影もなかったのに。このあたりで生まれて間もないバンビと戯れたのが夢のようです。
しかし、このca890mから北に伸びる樫尾谷の右岸尾根は見事なブナの回廊となり、再び江越国境のブナ林を辿る愉しさを堪能させてくれる。尾根のブナは細い若木が多いが時折、存在感のある大きな樹を目を惹く。
最初の小ピークca850mは地図では平坦地に描かれているが地図では表現されない複雑な地形が広がっている。やがて傾いた午後の日差しが樹林に差し込むと橙色を帯びた光がブナの樹幹を明るく輝かせるようになる。
この区間も実に豊潤なブナ林と微妙な地形の妙が味わえます。
13年前のスノー衆では、上谷山の予定が天候不良で急遽こちらへ転進(広野ダムで雨が上がるのをしばらく待ってました)、
ここで霧に煙るランチテーブル設営でした。
植林の尾根を北上すると唐突に樹林が切れて大きな反射板が現れる。右手には美濃俣丸から笹ヶ峰、金草岳と連なる越美国境、その先には部子山の展望が広がる。晴れていれば正面には白山を望むことも出来るのだろう。
そうそう、越美国境のそうそうたる面々が並びます。
問題は尾根末端の植林帯に入ってからだった。河岸段丘の緩斜面に入るのだが、間伐された樹が散乱しているお陰で随所で踏み抜きまくることになる。樫尾谷の左岸には行きに歩いた林道が見えているが、樫尾谷川を渡渉するのは容易ではない。小さな流れを渡って右岸の林道に合流する。地図で記されているよりも低いところに林道があるのが有難かった。林道を歩くと車を停めた除雪終了地点まではすぐだった。
Ca610mあたりで北西への支尾根に入れば、巡視路の橋を渡って渡渉無しで林道に出られます。
美しいブナの回廊を堪能することが出来た山行であったが、下山後に今回歩いた点標八飯から東に伸びる稜線、そして下山で辿った稜線にも風力発電機の建設が予定されていることを知る。失われゆくブナ林に対する哀惜の念を禁じ得ないのだった。
諦めずに反対の活動をしている方々がおられますが、現実的には難しいでしょうね。
ブナ林に何の価値も見出さない人にとってはどうでもいい話なのでしょう。
脱炭素、クリーンエネルギーという旗印さえあれば何をしてもいいわけではないんですが。
こうなるくらいなら、まだ原発の方がマシだという気さえ起きてしまいます。
山日和
昨年の1月に山日和さんのrepで点標八飯のある尾根にも風力発電が計画されていることを知る。その後、栃ノ木峠から上谷山への縦走において、風況観測樹のあるピーク一帯のなだらかな稜線を目にすると、ブナの伐採が進行してしまう前に是非ともこの八飯から音波山へと続く稜線を辿ってみたいと思っていた。
この江越国境稜線を含め、庄部谷山周辺、藤倉山周辺、三十三間山周辺と、福井県の絡むブナの山々はとんでもない事態になっていますね。
flatwellさんと前回、ご一緒したのはやはり風力発電が計画されている庄部谷山から芦谷山への稜線を訪れた山行以来だ。
これは3年半前、初めてお会いした時ですね。flatwellさんとはFBやメッセンジャーでやり取りしています。
「若狭の山」は紹介も含めて10冊もお買い上げ頂きました。
敦賀に到着すると青空が広がっている。敦賀駅には物々しい北陸新幹線の新しい駅が出来ていた。
駅前には新しい商業施設やホテルができてすっかり様変わりしてしまいました。
この孫谷川は昨年の夏の記録的な集中豪雨で氾濫し、広野ダムの方に向かう橋は数ヶ月に渡り通行不能な状態になっていたそうだ。
あれはとんでもない豪雨でしたね。橋の陥没した写真を見て愕然としました。
八飯の集落での駐車地が心配であったが、樫尾谷へと入る林道は除雪されている。昨夜に降ったものと思われる薄雪の上に真新しいタイヤの痕が続いている。林道を600mほど入ったところで二俣に分かれる地点まで除雪は続いており、その手前に駐車地が設けられていた。
ここは雪が多いと駐車地の心配がありますね。その場所は4年前のスノー衆でも使った駐車地です。
13年前のスノー衆では場所がなく、路肩にギリギリ1台通れるぐらい空けてやっと駐車しました。
尾根に取り付くと最初はかなりの急登である。林道を少し進み標高点271のポイントから尾根に取り付いた方が良かったのかもしれない。
ここは2回ほど取付いていますが、なかなかの急登ですよね。しかも植林で面白くないし。
雪が無いとズルズルの斜面です。去年の私のように1本西の長い尾根を辿る方が楽しいと思います。
樹間からは右手に八飯から上がってくる尾根が見えるが、なだらかな尾根にはかなりの長さにわたって植林が続いている。
意外に自然林が多くて悪くないですよ。
台地を過ぎると急に尾根が細くなるが、早速にもブナの回廊が現れる。背後からブナ林への感嘆の声が聞こえてくる。このあたりからは尾根は複雑に蛇行するが、尾根にはブナ林が続く。
ここから栃ノ木の無線中継所手前までがこの尾根の白眉ですね。
左に視線を移すと西方ヶ岳と湖が目に入る。四方を山に囲まれているように見えたので湖に思われたが、実際にはそれが敦賀湾の一部であることに気がつくまで少し時間を要するのだった。
これは錯覚してしまいますよね。えっ、琵琶湖?余呉湖?と一瞬迷いますけど、よく考えればすぐ近くに海があることに気づきます。
小さな鞍部を経てp738に登り返すとすっかり風がなくなる。ブナの樹林の中で各自、行動食でランチをとる。尾根を南下すると相変わらずなだらかな尾根にブナの純林が続く。
このブナの細尾根の左側、樫尾谷源頭の斜面の雰囲気が実にいいです。尾根と谷が織り成す曲線美と、スックと立つブナの姿のマッチングが素晴らしいですね。
電波塔からはわずかばかりの間はブナの立ち並ぶ尾根となるが、まもなく送電線下の樹木の皆伐された好展望の雪稜に出る。国境尾根には数日前のものと思われるワカンのトレースの跡が微かに残っている。
ここから先はコメントするのも辛い状況になってきます。
尾根の北側には樫尾谷から登ってきた尾根となだらかな尾根の中央に聳える風況観測計が見える。あと数年もしないうちにこの周辺の尾根にずらりと立ち並ぶ風力発電機を目にすることになるのだろう。
・・・・・・
稜線上に送電鉄塔も何もない頃は、どんなに素晴らしいブナ林が続いていたでしょうね。
もう一つ、昨年との大きな違いにすぐに気がつくことになる。風況観測計から先は樹林だったのだが、稜線が幅広く切り払いされており、林道が延伸されたようだ。積雪のお陰で平坦に見えるが、明らかに1m以上は積もっている雪の下には荒々しく削り取られた山肌と伐採されたブナの遺骸が散乱しているのだろう。
flatwellさんのFBでやりとりしたのですが、やはり風況観測塔の先へ林道が延伸されているんですね。悪夢のようです。
音波まで切り開かれてしまったんでしょうか。
左手には下谷山がなだらかな山容を広げている。東隣のピークca890mに向かって切り開かれた林道が一筋の白い線となって続いているのが見える。
下谷山に向かうブナの純林の尾根にも林道が伸びているのを確認して、尾根を北に向かう。下谷山にかけての迷宮のようなブナの樹林を彷徨する楽しみは最早、失われてしまったのだろう。
言葉を失ってしまいます。去年の春には林道の影もなかったのに。このあたりで生まれて間もないバンビと戯れたのが夢のようです。
しかし、このca890mから北に伸びる樫尾谷の右岸尾根は見事なブナの回廊となり、再び江越国境のブナ林を辿る愉しさを堪能させてくれる。尾根のブナは細い若木が多いが時折、存在感のある大きな樹を目を惹く。
最初の小ピークca850mは地図では平坦地に描かれているが地図では表現されない複雑な地形が広がっている。やがて傾いた午後の日差しが樹林に差し込むと橙色を帯びた光がブナの樹幹を明るく輝かせるようになる。
この区間も実に豊潤なブナ林と微妙な地形の妙が味わえます。
13年前のスノー衆では、上谷山の予定が天候不良で急遽こちらへ転進(広野ダムで雨が上がるのをしばらく待ってました)、
ここで霧に煙るランチテーブル設営でした。
植林の尾根を北上すると唐突に樹林が切れて大きな反射板が現れる。右手には美濃俣丸から笹ヶ峰、金草岳と連なる越美国境、その先には部子山の展望が広がる。晴れていれば正面には白山を望むことも出来るのだろう。
そうそう、越美国境のそうそうたる面々が並びます。
問題は尾根末端の植林帯に入ってからだった。河岸段丘の緩斜面に入るのだが、間伐された樹が散乱しているお陰で随所で踏み抜きまくることになる。樫尾谷の左岸には行きに歩いた林道が見えているが、樫尾谷川を渡渉するのは容易ではない。小さな流れを渡って右岸の林道に合流する。地図で記されているよりも低いところに林道があるのが有難かった。林道を歩くと車を停めた除雪終了地点まではすぐだった。
Ca610mあたりで北西への支尾根に入れば、巡視路の橋を渡って渡渉無しで林道に出られます。
美しいブナの回廊を堪能することが出来た山行であったが、下山後に今回歩いた点標八飯から東に伸びる稜線、そして下山で辿った稜線にも風力発電機の建設が予定されていることを知る。失われゆくブナ林に対する哀惜の念を禁じ得ないのだった。
諦めずに反対の活動をしている方々がおられますが、現実的には難しいでしょうね。
ブナ林に何の価値も見出さない人にとってはどうでもいい話なのでしょう。
脱炭素、クリーンエネルギーという旗印さえあれば何をしてもいいわけではないんですが。
こうなるくらいなら、まだ原発の方がマシだという気さえ起きてしまいます。
山日和
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- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【南越前】八飯〜音波山〜樫尾谷右岸尾根☆失われゆくブナの回廊へ
山日和導師 コメント有難うございます。
>この江越国境稜線を含め、庄部谷山周辺、藤倉山周辺、三十三間山周辺と、福井県の絡むブナの山々はとんでもない事態になっていますね。
さらに部子山〜銀杏峰にかけての稜線も・・
>これは3年半前、初めてお会いした時ですね。
その後で、以下の山行の時で稜線から芦谷山までご一緒させて頂いたのでした。
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=4& ... 部谷山#p28920
>駅前には新しい商業施設やホテルができてすっかり様変わりしてしまいました。
確かに!
二十年以上前、仕事でよく敦賀に通っていたのですが、今の敦賀の駅前を見るとよくぞここまで変わったものだと思ってしまいます。
>ここは2回ほど取付いていますが、なかなかの急登ですよね。しかも植林で面白くないし。
雪が無いとズルズルの斜面です。去年の私のように1本西の長い尾根を辿る方が楽しいと思います。
この尾根の植林は短いのが救いでした・・・今回は同校のNさんが昨年末に腰椎の横突起を骨折されたこともあり、長距離をなるべく避けたというのもありました。
>意外に自然林が多くて悪くないですよ。
ところで雪がない季節にも八飯に行かれているんですか?
今度は左岸の尾根を辿って私も行ってみようかな
>ここから栃ノ木の無線中継所手前までがこの尾根の白眉ですね。
余呉国際スキー場の喧騒が聞こえなければ最高なんですけどね
>これは錯覚してしまいますよね。
野坂や岩籠、あるいは南の芦原山から眺める時は敦賀湾の先に芒洋とした日本海が見えるので海としか認識しませんが、ここから眺めるとまるで湖のように見えますよね。湾の東西の狭さのせいでしょうね。
>稜線上に送電鉄塔も何もない頃は、どんなに素晴らしいブナ林が続いていたでしょうね。
そう、送電線下の切り払いされた雪原の周りのブナの樹林の立派さを見て、私も同じことを思いました。
同時にどれほどのブナが伐採されたことかと・・・
>この区間も実に豊潤なブナ林と微妙な地形の妙が味わえます。
御意です。この区間のブナのは残ってくれるものと期待したのですが、どうやら甘かったようです。
>Ca610mあたりで北西への支尾根に入れば、巡視路の橋を渡って渡渉無しで林道に出られます
ということはどうやら往路で樫尾谷川にかかる巡視路の橋を見落としてしまった様です。
釣り人達から上流の二俣には川にかかる巡視路の鉄橋があるとは聞いていたのですが・・・
>ブナ林に何の価値も見出さない人にとってはどうでもいい話なのでしょう。
脱炭素、クリーンエネルギーという旗印さえあれば何をしてもいいわけではないんですが。
こうなるくらいなら、まだ原発の方がマシだという気さえ起きてしまいます。
全く同感です・・・山・自然に興味がない人にとっては削り取っても何ら差し支えなに単なる林・・・としか思ってないのでしょう。
今年はかなり予定が立て込んでしまっているのですが、少し暖かくなれば若狭の飯盛山も訪れてみたいと思います。
またrepアップさせていただきますので、乞うご期待です。
>この江越国境稜線を含め、庄部谷山周辺、藤倉山周辺、三十三間山周辺と、福井県の絡むブナの山々はとんでもない事態になっていますね。
さらに部子山〜銀杏峰にかけての稜線も・・
>これは3年半前、初めてお会いした時ですね。
その後で、以下の山行の時で稜線から芦谷山までご一緒させて頂いたのでした。
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=4& ... 部谷山#p28920
>駅前には新しい商業施設やホテルができてすっかり様変わりしてしまいました。
確かに!
二十年以上前、仕事でよく敦賀に通っていたのですが、今の敦賀の駅前を見るとよくぞここまで変わったものだと思ってしまいます。
>ここは2回ほど取付いていますが、なかなかの急登ですよね。しかも植林で面白くないし。
雪が無いとズルズルの斜面です。去年の私のように1本西の長い尾根を辿る方が楽しいと思います。
この尾根の植林は短いのが救いでした・・・今回は同校のNさんが昨年末に腰椎の横突起を骨折されたこともあり、長距離をなるべく避けたというのもありました。
>意外に自然林が多くて悪くないですよ。
ところで雪がない季節にも八飯に行かれているんですか?
今度は左岸の尾根を辿って私も行ってみようかな
>ここから栃ノ木の無線中継所手前までがこの尾根の白眉ですね。
余呉国際スキー場の喧騒が聞こえなければ最高なんですけどね
>これは錯覚してしまいますよね。
野坂や岩籠、あるいは南の芦原山から眺める時は敦賀湾の先に芒洋とした日本海が見えるので海としか認識しませんが、ここから眺めるとまるで湖のように見えますよね。湾の東西の狭さのせいでしょうね。
>稜線上に送電鉄塔も何もない頃は、どんなに素晴らしいブナ林が続いていたでしょうね。
そう、送電線下の切り払いされた雪原の周りのブナの樹林の立派さを見て、私も同じことを思いました。
同時にどれほどのブナが伐採されたことかと・・・
>この区間も実に豊潤なブナ林と微妙な地形の妙が味わえます。
御意です。この区間のブナのは残ってくれるものと期待したのですが、どうやら甘かったようです。
>Ca610mあたりで北西への支尾根に入れば、巡視路の橋を渡って渡渉無しで林道に出られます
ということはどうやら往路で樫尾谷川にかかる巡視路の橋を見落としてしまった様です。
釣り人達から上流の二俣には川にかかる巡視路の鉄橋があるとは聞いていたのですが・・・
>ブナ林に何の価値も見出さない人にとってはどうでもいい話なのでしょう。
脱炭素、クリーンエネルギーという旗印さえあれば何をしてもいいわけではないんですが。
こうなるくらいなら、まだ原発の方がマシだという気さえ起きてしまいます。
全く同感です・・・山・自然に興味がない人にとっては削り取っても何ら差し支えなに単なる林・・・としか思ってないのでしょう。
今年はかなり予定が立て込んでしまっているのですが、少し暖かくなれば若狭の飯盛山も訪れてみたいと思います。
またrepアップさせていただきますので、乞うご期待です。
山猫
Re: 【南越前】八飯〜音波山〜樫尾谷右岸尾根☆失われゆくブナの回廊へ
山猫さま
こんばんは。
「失われゆくブナの回廊」を拝読し、感じたことをお伝えしたいなと思ったのですが、
ぐるぐるしていて、今日に至ってしまいました。でも、これからも、ぐるぐるは続いていく。
ぐるぐる状態で書かせてください。
ひと言で申し上げれば、山猫さんの最後のお言葉、哀惜の念を禁じ得ない、なのですが。
私たちの暮らしになくてはならない電気。その電気をつくるには発電所が必要。
地球温暖化や化石燃料枯渇問題の中、再生可能エネルギーとして注目されている風力発電。
クリーンなエネルギー、風車は観光資源にもなる、と地域の人に説明し、
各地の山の上で次々と風力発電所の計画が挙がっているのですね。
地球温暖化は大きな問題、原発は怖い、石油や石炭がなくなったらどうなるのだろう・・・。
不安は尽きません。
でも、木々を倒し尾根をまる裸にして建設された風力発電所から生まれた電気は、
環境にやさしく輝く未来を感じさせてくれる電気なのでしょうか。
山を歩いていると感じます。いろいろな生き物が暮らすゆたかな森、いのちの源の水が生まれる健やかなお山があり、
私たちは生きているのだなぁ、と。
バランスの取れた生態系があり、私たちの暮らしは成り立っているのだなぁ、と。
栃ノ木峠から下谷山にかけての稜線と尾根には、素晴らしいブナの森が広がっていますね。
初めて訪れたのは何年前だったのだろう。忘れてしまいましたが、しんしんと雪降る日でした。
青みを帯びた凍れるブナの森に踏み込んだ時の、ゾクッとした震えをからだが記憶しています。
うつくしく気高いブナの透き通った声を感じました。
次に訪れたのは、芽吹きの季節でした。
下谷山山頂手前で、谷と尾根が織りなすやわらかで複雑な地形が描く素晴らしい風景に出会い、胸が高鳴りました。
以来、下谷山に魅了され続けています。
△744・0八飯に立つ風況観測計。昨冬、その存在を知らずに八飯の集落から登りました。
もう少しで山頂という時、青い空を突き刺す巨大な針が目に飛び込み唖然としました。
まわりは、ほんとうにうつくしいブナの森。かなしくなりました。
山猫さんたちが登られた尾根は、・627からのくねくねとしたゆるやかな地形が気になっていました。
やはり、素敵な風景に出会えるのですね。でも、このゆるやかでひろい地形が風車を建てるのに都合がいいのですね。
江越国境稜線の記述には、胸が痛くなりました。下谷山の方にまで林道が延びているとは。
ベルグスキー場の跡地なのですが、昨年の5月、大音波谷を訪れた時に通り、怒りが湧いてきました。
強引に作られたコースは至る所で崩れていて、このままだと大変なことになる、と思いました。
その夏、豪雨により高時川が氾濫し、その後も濁流が引かなかったのは、
スキー場跡地から流れた土砂が原因のひとつと知りました。ベルグスキー場の跡地も風車建設予定地です。
山猫さんたちが下られた尾根もいいなぁ、と思っていました。
標高800m付近までのゆるりとした複雑な地形に目が吸い寄せられていました。
地形図では表現されない複雑な地形が広がっているのですね。
尾根の最後、谷を渡れるのか気になっていましたが、左俣は登山靴で渡渉出来るのですね。
Hさんからお聞きして、すでにご存じかもしれませんが、
私が、学ばせていただいている巨木と水源の郷をまもる会の倉内さんが、
美浜新庄(庄部谷山から芦谷山にかけての)風力発電事業への反対活動を立ち上げられ、
余呉南越前、三十三間山への建設問題点も、行政やマスコミなどに訴え続けてくださっています。
滋賀山友会の自然保護活動のページに、活動記録の一部が載っています。
全国の風力発電所建設の状況も、随時、発信してくださいます。ほんとうに頭が下がります。
私は、ぐるぐる思うばかりです。電気は必要。
ブナの森で出会ったバンビちゃんの無垢な眼差しが忘れられません。
雪が融けたら、栃ノ木峠から下谷山まで歩こうと思っています。
sato
こんばんは。
「失われゆくブナの回廊」を拝読し、感じたことをお伝えしたいなと思ったのですが、
ぐるぐるしていて、今日に至ってしまいました。でも、これからも、ぐるぐるは続いていく。
ぐるぐる状態で書かせてください。
ひと言で申し上げれば、山猫さんの最後のお言葉、哀惜の念を禁じ得ない、なのですが。
私たちの暮らしになくてはならない電気。その電気をつくるには発電所が必要。
地球温暖化や化石燃料枯渇問題の中、再生可能エネルギーとして注目されている風力発電。
クリーンなエネルギー、風車は観光資源にもなる、と地域の人に説明し、
各地の山の上で次々と風力発電所の計画が挙がっているのですね。
地球温暖化は大きな問題、原発は怖い、石油や石炭がなくなったらどうなるのだろう・・・。
不安は尽きません。
でも、木々を倒し尾根をまる裸にして建設された風力発電所から生まれた電気は、
環境にやさしく輝く未来を感じさせてくれる電気なのでしょうか。
山を歩いていると感じます。いろいろな生き物が暮らすゆたかな森、いのちの源の水が生まれる健やかなお山があり、
私たちは生きているのだなぁ、と。
バランスの取れた生態系があり、私たちの暮らしは成り立っているのだなぁ、と。
栃ノ木峠から下谷山にかけての稜線と尾根には、素晴らしいブナの森が広がっていますね。
初めて訪れたのは何年前だったのだろう。忘れてしまいましたが、しんしんと雪降る日でした。
青みを帯びた凍れるブナの森に踏み込んだ時の、ゾクッとした震えをからだが記憶しています。
うつくしく気高いブナの透き通った声を感じました。
次に訪れたのは、芽吹きの季節でした。
下谷山山頂手前で、谷と尾根が織りなすやわらかで複雑な地形が描く素晴らしい風景に出会い、胸が高鳴りました。
以来、下谷山に魅了され続けています。
△744・0八飯に立つ風況観測計。昨冬、その存在を知らずに八飯の集落から登りました。
もう少しで山頂という時、青い空を突き刺す巨大な針が目に飛び込み唖然としました。
まわりは、ほんとうにうつくしいブナの森。かなしくなりました。
山猫さんたちが登られた尾根は、・627からのくねくねとしたゆるやかな地形が気になっていました。
やはり、素敵な風景に出会えるのですね。でも、このゆるやかでひろい地形が風車を建てるのに都合がいいのですね。
江越国境稜線の記述には、胸が痛くなりました。下谷山の方にまで林道が延びているとは。
ベルグスキー場の跡地なのですが、昨年の5月、大音波谷を訪れた時に通り、怒りが湧いてきました。
強引に作られたコースは至る所で崩れていて、このままだと大変なことになる、と思いました。
その夏、豪雨により高時川が氾濫し、その後も濁流が引かなかったのは、
スキー場跡地から流れた土砂が原因のひとつと知りました。ベルグスキー場の跡地も風車建設予定地です。
山猫さんたちが下られた尾根もいいなぁ、と思っていました。
標高800m付近までのゆるりとした複雑な地形に目が吸い寄せられていました。
地形図では表現されない複雑な地形が広がっているのですね。
尾根の最後、谷を渡れるのか気になっていましたが、左俣は登山靴で渡渉出来るのですね。
Hさんからお聞きして、すでにご存じかもしれませんが、
私が、学ばせていただいている巨木と水源の郷をまもる会の倉内さんが、
美浜新庄(庄部谷山から芦谷山にかけての)風力発電事業への反対活動を立ち上げられ、
余呉南越前、三十三間山への建設問題点も、行政やマスコミなどに訴え続けてくださっています。
滋賀山友会の自然保護活動のページに、活動記録の一部が載っています。
全国の風力発電所建設の状況も、随時、発信してくださいます。ほんとうに頭が下がります。
私は、ぐるぐる思うばかりです。電気は必要。
ブナの森で出会ったバンビちゃんの無垢な眼差しが忘れられません。
雪が融けたら、栃ノ木峠から下谷山まで歩こうと思っています。
sato
-
- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【南越前】八飯〜音波山〜樫尾谷右岸尾根☆失われゆくブナの回廊へ
satoさん 折角、コメントを頂きながらレス返が遅くなり失礼いたしました。
先週末は松江で、今週は昨日から金沢で開催されている学会でいずれも大きな仕事があり、出張の前に泊まりがけ山行をしていたせいもあり仕事の準備におおわらわとなってしまいました。今日は北陸もいい天気でしたが、仕事で山に行けず、先ほど自宅に戻ったところです。
>地球温暖化や化石燃料枯渇問題の中、再生可能エネルギーとして注目されている風力発電。
クリーンなエネルギー、風車は観光資源にもなる、と地域の人に説明し、
各地の山の上で次々と風力発電所の計画が・・・
風力発電に関してはクリーンエネルギーという側面はあるものの、結局はこれを建設することで利潤を得る企業があるという側面があるのも確かですよね。考えたくないことですが、そもそも必要最小限・・・という発想はなく、風力発電機の建設のために山に林道を通すのであれば、この機に可能な限り風車を作ってしまおうという発想で動いているのではないかと思います。
>山猫さんたちが登られた尾根は、・627からのくねくねとしたゆるやかな地形が気になっていました。
やはり、素敵な風景に出会えるのですね。でも、このゆるやかでひろい地形が風車を建てるのに都合がいいのですね。
尾根のca670の台地状のあたり、こういう場所では往々にして地図には全く表現されない複雑な地形が広がっているものですね。
時に広がったり狭くなったりしながらくねくねと蛇行する尾根にはブナの樹林が広がり、歩くのが楽しいところでした。
>青みを帯びた凍れるブナの森に踏み込んだ時の、ゾクッとした震えをからだが記憶しています。
うつくしく気高いブナの透き通った声を感じました。
特に素晴らしいのは音波山を越えて、広い尾根にブナの純林が広がるようになったあたりではないかと思います。
私はここを歩いたのは昨年、上谷山への往復の山行でしたが、霧氷の発達したブナの樹林を昇ったばかりの朝日が照らし、その美しさに息を呑みました。
本来は音波山の手前の送電線の切払いされたあたりにも素晴らしいブナの林が広がっていたのでは・・と
>下谷山山頂手前で、谷と尾根が織りなすやわらかで複雑な地形が描く素晴らしい風景に出会い、胸が高鳴りました。
ここも実に素晴らしいところですね。地形が織りなす複雑な襞に抱かれような感覚を味わいます。
>その夏、豪雨により高時川が氾濫し、その後も濁流が引かなかったのは、スキー場跡地から流れた土砂が原因のひとつと知りました。
そうだったんですか
高時川沿いの県道は未だ通行止のままですが、どうなっているか気になるところであります。
>ベルグスキー場の跡地も風車建設予定地です。
ここにも風況観測機が立っていますね。
>私が、学ばせていただいている巨木と水源の郷をまもる会の倉内さんが、
美浜新庄(庄部谷山から芦谷山にかけての)風力発電事業への反対活動を立ち上げられ、
余呉南越前、三十三間山への建設問題点も、行政やマスコミなどに訴え続けてくださっています。
滋賀山友会の自然保護活動のページに、活動記録の一部が載っています。
全国の風力発電所建設の状況も、随時、発信してくださいます。ほんとうに頭が下がります。
有難いことです。
少しでも計画を見直す機運が発展してくれるといいのですが・・・
>雪が融けたら、栃ノ木峠から下谷山まで歩こうと思っています。
私も下谷山そしてベルクスキー場のあたりが気になっており、実は先週3/23日に中河内〜下谷山〜ベルクスキー場を周回しようと思って出かけたのですが、朝に雪が降っていたため山行に同行したメンバーの一人が難色を示し、他の山に転進することになってしまったのでした。
私も改めて、このコースを周回してきたいと思っています。
先週末は松江で、今週は昨日から金沢で開催されている学会でいずれも大きな仕事があり、出張の前に泊まりがけ山行をしていたせいもあり仕事の準備におおわらわとなってしまいました。今日は北陸もいい天気でしたが、仕事で山に行けず、先ほど自宅に戻ったところです。
>地球温暖化や化石燃料枯渇問題の中、再生可能エネルギーとして注目されている風力発電。
クリーンなエネルギー、風車は観光資源にもなる、と地域の人に説明し、
各地の山の上で次々と風力発電所の計画が・・・
風力発電に関してはクリーンエネルギーという側面はあるものの、結局はこれを建設することで利潤を得る企業があるという側面があるのも確かですよね。考えたくないことですが、そもそも必要最小限・・・という発想はなく、風力発電機の建設のために山に林道を通すのであれば、この機に可能な限り風車を作ってしまおうという発想で動いているのではないかと思います。
>山猫さんたちが登られた尾根は、・627からのくねくねとしたゆるやかな地形が気になっていました。
やはり、素敵な風景に出会えるのですね。でも、このゆるやかでひろい地形が風車を建てるのに都合がいいのですね。
尾根のca670の台地状のあたり、こういう場所では往々にして地図には全く表現されない複雑な地形が広がっているものですね。
時に広がったり狭くなったりしながらくねくねと蛇行する尾根にはブナの樹林が広がり、歩くのが楽しいところでした。
>青みを帯びた凍れるブナの森に踏み込んだ時の、ゾクッとした震えをからだが記憶しています。
うつくしく気高いブナの透き通った声を感じました。
特に素晴らしいのは音波山を越えて、広い尾根にブナの純林が広がるようになったあたりではないかと思います。
私はここを歩いたのは昨年、上谷山への往復の山行でしたが、霧氷の発達したブナの樹林を昇ったばかりの朝日が照らし、その美しさに息を呑みました。
本来は音波山の手前の送電線の切払いされたあたりにも素晴らしいブナの林が広がっていたのでは・・と
>下谷山山頂手前で、谷と尾根が織りなすやわらかで複雑な地形が描く素晴らしい風景に出会い、胸が高鳴りました。
ここも実に素晴らしいところですね。地形が織りなす複雑な襞に抱かれような感覚を味わいます。
>その夏、豪雨により高時川が氾濫し、その後も濁流が引かなかったのは、スキー場跡地から流れた土砂が原因のひとつと知りました。
そうだったんですか
高時川沿いの県道は未だ通行止のままですが、どうなっているか気になるところであります。
>ベルグスキー場の跡地も風車建設予定地です。
ここにも風況観測機が立っていますね。
>私が、学ばせていただいている巨木と水源の郷をまもる会の倉内さんが、
美浜新庄(庄部谷山から芦谷山にかけての)風力発電事業への反対活動を立ち上げられ、
余呉南越前、三十三間山への建設問題点も、行政やマスコミなどに訴え続けてくださっています。
滋賀山友会の自然保護活動のページに、活動記録の一部が載っています。
全国の風力発電所建設の状況も、随時、発信してくださいます。ほんとうに頭が下がります。
有難いことです。
少しでも計画を見直す機運が発展してくれるといいのですが・・・
>雪が融けたら、栃ノ木峠から下谷山まで歩こうと思っています。
私も下谷山そしてベルクスキー場のあたりが気になっており、実は先週3/23日に中河内〜下谷山〜ベルクスキー場を周回しようと思って出かけたのですが、朝に雪が降っていたため山行に同行したメンバーの一人が難色を示し、他の山に転進することになってしまったのでした。
私も改めて、このコースを周回してきたいと思っています。
山猫
Re: 【南越前】八飯〜音波山〜樫尾谷右岸尾根☆失われゆくブナの回廊へ
おはようございます、山猫さん。
朝は敦賀の駅に集合する。天筒山の登山口でSさんと落ち合うとSさんの車一台でいざ現地へ向かう。山の上の方では霧氷がつくことを期待していたが、どうやら霧氷がつくには気温が高過ぎたようだ。木ノ芽トンネルに向かうとその上に聳える鉢伏山には霧氷どころか雪も少ないように見える。
銀杏峯で若狭の人とご一緒しましたが、雪が降らなくなったと言っていました。
釣り人達は上流の左俣まで入られるとのこと。国土地理院の地図で林道の先に点線が記されているさらにその先の左俣のことらしい。先に出発してゆく彼らを見送りながらNさんが「物好き〜!」と一言。しかし、彼等も我々に対して同様のことを思っている可能性は十分にあるだろう。
解禁の時期ですからね。
とはいうものの地元の人はこの時期は入らなかったんですが・・
時代も変わったのか?
台地を過ぎると急に尾根が細くなるが、早速にもブナの回廊が現れる。背後からブナ林への感嘆の声が聞こえてくる。このあたりからは尾根は複雑に蛇行するが、尾根にはブナ林が続く。尾根はなだらかで、点標八飯まで2kmほどの間に稼ぐ標高は100mにも満たない。この起伏の乏しい稜線が風力発電を建設するための林道を通すのに都合が良いのだろう。
風力発電ですか
飯高でも持ち上がっていて
地元の若者が中心になって飯高JAZZCAFEを拠点に反対署名を頑張っています。
左に視線を移すと西方ヶ岳と湖が目に入る。四方を山に囲まれているように見えたので湖に思われたが、実際にはそれが敦賀湾の一部であることに気がつくまで少し時間を要するのだった。ここは展望は良いのだがその敦賀湾から冷たい風が吹き付けるので、先に進むことにする。先ほどから続く林道は鞍部への下りの前で唐突に終了する。このあたりの樹林を切り開いた重機を再びヘリコプターで運ぶためにこの広地があるのかもしれない。
間近に迫ってきていますね。
飯高の場合は県が意見表明をしたりして
膠着状態です。
いつしか再び空には雲の間に蒼空が広がるようになり、稜線の右手には穏やかな冬の光がに照らされてベルクスキー場跡が眩い光沢を放っている。スキー場には先ほど八飯で見たのと同様の風況観測計が見える。その彼方には野坂岳から三重獄へと続く野坂山地の山々が大きく広がっている。
いい所ですよね
雪が少なくなりスキー場が減る
そこに風力発電ですか・・
送電線から離れて尾根を辿ると、その先にはもう一つの風況観測計が聳え立っている。昨年、上谷山への往復の際に通った時には八飯の風況観測計と同様に太陽発電のパネルが備え付けられていたように思うが、そのパネルはすっかり取り外されていた。ということは観測は終了したことを意味するのだろうか。
もう一つ、昨年との大きな違いにすぐに気がつくことになる。風況観測計から先は樹林だったのだが、稜線が幅広く切り払いされており、林道が延伸されたようだ。積雪のお陰で平坦に見えるが、明らかに1m以上は積もっている雪の下には荒々しく削り取られた山肌と伐採されたブナの遺骸が散乱しているのだろう。
あらまあ
爪圧がひとつひとつ残っていますね。
飯高JAZZCAFEのマスターにも伝えておきます。
下山はca890mから△690mの岩滝と呼ばれる点標を経て尾根を末端に向かう。下谷山に向かうブナの純林の尾根にも林道が伸びているのを確認して、尾根を北に向かう。下谷山にかけての迷宮のようなブナの樹林を彷徨する楽しみは最早、失われてしまったのだろう。
しかし、このca890mから北に伸びる樫尾谷の右岸尾根は見事なブナの回廊となり、再び江越国境のブナ林を辿る愉しさを堪能させてくれる。尾根のブナは細い若木が多いが時折、存在感のある大きな樹を目を惹く。
もったいない。
若狭は原発の洗礼を受けているので
ハードルが低くなってしまっているのかな?
植林の尾根を北上すると唐突に樹林が切れて大きな反射板が現れる。右手には美濃俣丸から笹ヶ峰、金草岳と連なる越美国境、その先には部子山の展望が広がる。晴れていれば正面には白山を望むことも出来るのだろう。
名だたる福井の雪山が勢ぞろいですね。
尾根を横切る林道に降り立つと、ここから先にには植林の中に送電線巡視路と思われる広い道が続いている。尾根の上には送電線が走っており、ca450mに至るまで歩きやすい雪道が続く。最後の送電線鉄塔を過ぎると樫尾谷に向かって北に伸びる尾根を下降する。ca350mあたりまでは歩きやすい尾根が続いていたが、最後は急下降の細尾根となる。途中でNさんがスマホを失くされたようで、尾根を戻るが雪に埋もれてしまったのだろうか、残念ながら見つからずじまいであった。
スマホは大変ですね。
昔、夏の新潟のスキー場でスマホを5個も見つけました。
無くしやすいんだ・・これが。
美しいブナの回廊を堪能することが出来た山行であったが、下山後に今回歩いた点標八飯から東に伸びる稜線、そして下山で辿った稜線にも風力発電機の建設が予定されていることを知る。失われゆくブナ林に対する哀惜の念を禁じ得ないのだった。
風力発電の足音が聞こえるレポでした。
ありがとうございます。
三重の場合、青山高原の風力発電は自衛隊のレーダー基地の上なので
昔からあったのですが・・
風力発電を設置するだけで助成金が出るようになって
加速しましたね。
わりばし
朝は敦賀の駅に集合する。天筒山の登山口でSさんと落ち合うとSさんの車一台でいざ現地へ向かう。山の上の方では霧氷がつくことを期待していたが、どうやら霧氷がつくには気温が高過ぎたようだ。木ノ芽トンネルに向かうとその上に聳える鉢伏山には霧氷どころか雪も少ないように見える。
銀杏峯で若狭の人とご一緒しましたが、雪が降らなくなったと言っていました。
釣り人達は上流の左俣まで入られるとのこと。国土地理院の地図で林道の先に点線が記されているさらにその先の左俣のことらしい。先に出発してゆく彼らを見送りながらNさんが「物好き〜!」と一言。しかし、彼等も我々に対して同様のことを思っている可能性は十分にあるだろう。
解禁の時期ですからね。
とはいうものの地元の人はこの時期は入らなかったんですが・・
時代も変わったのか?
台地を過ぎると急に尾根が細くなるが、早速にもブナの回廊が現れる。背後からブナ林への感嘆の声が聞こえてくる。このあたりからは尾根は複雑に蛇行するが、尾根にはブナ林が続く。尾根はなだらかで、点標八飯まで2kmほどの間に稼ぐ標高は100mにも満たない。この起伏の乏しい稜線が風力発電を建設するための林道を通すのに都合が良いのだろう。
風力発電ですか
飯高でも持ち上がっていて
地元の若者が中心になって飯高JAZZCAFEを拠点に反対署名を頑張っています。
左に視線を移すと西方ヶ岳と湖が目に入る。四方を山に囲まれているように見えたので湖に思われたが、実際にはそれが敦賀湾の一部であることに気がつくまで少し時間を要するのだった。ここは展望は良いのだがその敦賀湾から冷たい風が吹き付けるので、先に進むことにする。先ほどから続く林道は鞍部への下りの前で唐突に終了する。このあたりの樹林を切り開いた重機を再びヘリコプターで運ぶためにこの広地があるのかもしれない。
間近に迫ってきていますね。
飯高の場合は県が意見表明をしたりして
膠着状態です。
いつしか再び空には雲の間に蒼空が広がるようになり、稜線の右手には穏やかな冬の光がに照らされてベルクスキー場跡が眩い光沢を放っている。スキー場には先ほど八飯で見たのと同様の風況観測計が見える。その彼方には野坂岳から三重獄へと続く野坂山地の山々が大きく広がっている。
いい所ですよね
雪が少なくなりスキー場が減る
そこに風力発電ですか・・
送電線から離れて尾根を辿ると、その先にはもう一つの風況観測計が聳え立っている。昨年、上谷山への往復の際に通った時には八飯の風況観測計と同様に太陽発電のパネルが備え付けられていたように思うが、そのパネルはすっかり取り外されていた。ということは観測は終了したことを意味するのだろうか。
もう一つ、昨年との大きな違いにすぐに気がつくことになる。風況観測計から先は樹林だったのだが、稜線が幅広く切り払いされており、林道が延伸されたようだ。積雪のお陰で平坦に見えるが、明らかに1m以上は積もっている雪の下には荒々しく削り取られた山肌と伐採されたブナの遺骸が散乱しているのだろう。
あらまあ
爪圧がひとつひとつ残っていますね。
飯高JAZZCAFEのマスターにも伝えておきます。
下山はca890mから△690mの岩滝と呼ばれる点標を経て尾根を末端に向かう。下谷山に向かうブナの純林の尾根にも林道が伸びているのを確認して、尾根を北に向かう。下谷山にかけての迷宮のようなブナの樹林を彷徨する楽しみは最早、失われてしまったのだろう。
しかし、このca890mから北に伸びる樫尾谷の右岸尾根は見事なブナの回廊となり、再び江越国境のブナ林を辿る愉しさを堪能させてくれる。尾根のブナは細い若木が多いが時折、存在感のある大きな樹を目を惹く。
もったいない。
若狭は原発の洗礼を受けているので
ハードルが低くなってしまっているのかな?
植林の尾根を北上すると唐突に樹林が切れて大きな反射板が現れる。右手には美濃俣丸から笹ヶ峰、金草岳と連なる越美国境、その先には部子山の展望が広がる。晴れていれば正面には白山を望むことも出来るのだろう。
名だたる福井の雪山が勢ぞろいですね。
尾根を横切る林道に降り立つと、ここから先にには植林の中に送電線巡視路と思われる広い道が続いている。尾根の上には送電線が走っており、ca450mに至るまで歩きやすい雪道が続く。最後の送電線鉄塔を過ぎると樫尾谷に向かって北に伸びる尾根を下降する。ca350mあたりまでは歩きやすい尾根が続いていたが、最後は急下降の細尾根となる。途中でNさんがスマホを失くされたようで、尾根を戻るが雪に埋もれてしまったのだろうか、残念ながら見つからずじまいであった。
スマホは大変ですね。
昔、夏の新潟のスキー場でスマホを5個も見つけました。
無くしやすいんだ・・これが。
美しいブナの回廊を堪能することが出来た山行であったが、下山後に今回歩いた点標八飯から東に伸びる稜線、そして下山で辿った稜線にも風力発電機の建設が予定されていることを知る。失われゆくブナ林に対する哀惜の念を禁じ得ないのだった。
風力発電の足音が聞こえるレポでした。
ありがとうございます。
三重の場合、青山高原の風力発電は自衛隊のレーダー基地の上なので
昔からあったのですが・・
風力発電を設置するだけで助成金が出るようになって
加速しましたね。
わりばし
-
- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【南越前】八飯〜音波山〜樫尾谷右岸尾根☆失われゆくブナの回廊へ
わりばしさん コメント有難うございます。
>銀杏峯で若狭の人とご一緒しましたが、雪が降らなくなったと言っていました。
確かに・・・若狭を通過してきた雲が雪を降らせる筈の伊吹山や鈴鹿に雪が少ないのも頷けます。
>とはいうものの地元の人はこの時期は入らなかったんですが・・
時代も変わったのか?
雪が少なくなって入れるようになったからでしょうか >風力発電ですか
飯高でも持ち上がっていて
地元の若者が中心になって飯高JAZZCAFEを拠点に反対署名を頑張っています。
なんと! 飯高でも
>スマホは大変ですね。
昔、夏の新潟のスキー場でスマホを5個も見つけました。
無くしやすいんだ・・これが。
スマホ・ハンターですね。
万が一、スマホを失くしたらわりばしさんに捜索をお願いしようかな
明日は我が身ですから、心するように致します。
>三重の場合、青山高原の風力発電は自衛隊のレーダー基地の上なので昔からあったのですが・・
なるほど、そんな背景事情があったとは知りませんでした。
>若狭は原発の洗礼を受けているのでハードルが低くなってしまっているのかな?
>風力発電を設置するだけで助成金が出るようになって加速しましたね。
まさにその通りのようですね。
風力発電の計画が順調に(?)進行しているのはやはり美浜などの原子力発電所が多くある地域・・・と聞きました。
地元の自治体が助成金を期待しているところも少なからずあるのでしょう。
>銀杏峯で若狭の人とご一緒しましたが、雪が降らなくなったと言っていました。
確かに・・・若狭を通過してきた雲が雪を降らせる筈の伊吹山や鈴鹿に雪が少ないのも頷けます。
>とはいうものの地元の人はこの時期は入らなかったんですが・・
時代も変わったのか?
雪が少なくなって入れるようになったからでしょうか >風力発電ですか
飯高でも持ち上がっていて
地元の若者が中心になって飯高JAZZCAFEを拠点に反対署名を頑張っています。
なんと! 飯高でも
>スマホは大変ですね。
昔、夏の新潟のスキー場でスマホを5個も見つけました。
無くしやすいんだ・・これが。
スマホ・ハンターですね。
万が一、スマホを失くしたらわりばしさんに捜索をお願いしようかな
明日は我が身ですから、心するように致します。
>三重の場合、青山高原の風力発電は自衛隊のレーダー基地の上なので昔からあったのですが・・
なるほど、そんな背景事情があったとは知りませんでした。
>若狭は原発の洗礼を受けているのでハードルが低くなってしまっているのかな?
>風力発電を設置するだけで助成金が出るようになって加速しましたね。
まさにその通りのようですね。
風力発電の計画が順調に(?)進行しているのはやはり美浜などの原子力発電所が多くある地域・・・と聞きました。
地元の自治体が助成金を期待しているところも少なからずあるのでしょう。
山猫