【越前】2匹目のドジョウを狙って 段ノ岳
Posted: 2023年1月24日(火) 20:32
【日 付】2023年1月21日(土)
【山 域】福井県池田町魚見周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】東俣駐車地8:45---11:20段ノ岳---12:10 P582m13:40---14:30 P565m---15:25 P735m---16:10 P543m
---16:40車道---17:05駐車地
先週の越前の低山では予想外のブナ林を堪能することができた。2匹目のドジョウを狙おうと、2週連続で
池田町へと向かった。魚見川をめぐる馬蹄形の尾根の続きを歩いてみたいという気持ちもあった。
予報では終日曇りだが、部分的に青空も覗いている。降られなければそれで良しだ。
東俣集落の神明神社の裏から尾根に乗った。先週の尾根はほとんどヤブも無く、順調に大小屋山へ導かれた
が、段ノ岳へ向かうこの尾根はどうだろうか。
先週と違って強い冷え込みのおかげで雪はビシビシに締まっていた。まったく沈まないのでスノーシューは
担いだままである。
昨日の雨は山では雪だったようで、先週の汚れた雪面とは打って変わって真っ白なのがうれしい。
しかし雪融けは進んだようで、地肌が露出している部分が多く、さらには潅木のヤブが鬱陶しいのでペースが
上がらない。
降られなければ良しと思っていたらパラパラと雪が舞ってきた。まあ、雨よりはいい。
と思うと今度は晴れ間が覗いて麓の集落が朝日に輝いている。忙しい天気である。
段ノ岳へダイレクトに上がるこの尾根は形も良く、ひそかに期待していたのだがちょっと外れだったか。
雪もなかなか繋がらないのでスノーシューを履く気にもならない。ビブラムソールのトレッドだけでピタッと
止まる雪質なので、ことさら履く必要もないのだが。
標高600mを超えたあたりでようやく雪が繋がった。潅木帯から雑木林に変わって少しは気分も上がって来た。
ただ、同時に尾根の片側に植林が現われたので気分上々というわけにはいかないが。雪面に点々と残る小さな
足跡はリスだ。ところどころで木の根元に潜り込んでエサを探しているのだろう。その姿を想像するだけでも
微笑ましい。
もうすぐ山頂というところで、頭上は完全に青空となった。こういう予報外れは大歓迎である。
段ノ岳の山頂はミズナラ主体の疎林の広々とした台地だった。山頂一帯は植林臭いかもと思っていたので、これ
はうれしい誤算だ。福井の低山でよく見る赤い山名標識がここにもあった。
昼飯には早いので、もう少し前進して適地を探そう。疎林の尾根を下って行くと、どうも方向がおかしい。
南東へ進むべきところを南西への尾根に入っていた。このまま進めば南越前町の杣木俣へ下ってしまう。
あわてて軌道修正。正しい尾根もなかなか気持ちのいい雪尾根だった。
582mピークへの登りにかかるあたりから雰囲気が良くなってきた。ここまであまりブナの姿がなかったのだが、
明らかに林相が変わり、ブナの純林と言っても差支えのない状況となった。
これまでの細い尾根はゆったりと広がり、ブナの疎林が雪面からスックと立ち上がる。
どこでランチタイムにしてもいい状態だが、とりあえずは582mピークまで行ってみよう。
東西にゆったり広がる582mピークは実にいいところだった。
眼下には杣木俣川の田んぼに積もった雪が白く輝いている。600mに満たない里山にこんな素晴らしいところが
ある。無雪期ならまた印象が変わるのかもしれないが、先週に続いて未知のブナ林を探訪できたのは大きな収穫
である。
582mピークから下り切った鞍部には地形図に大坂という名前が書かれている。池田と今庄を結ぶ峠越えの道が
あったのだろう。峠にはお地蔵様があるはずだったが見逃してしまった。
峠からひと登りで565mピーク。ここで90度左折して方向を西へ変える。ブナ林は終わって急に植林臭くなったな
と思ったら、すぐ横に林道が上がって来ていた。
正面に木の間越しに高く白い山が見える。金草岳から権現山へ続く越美国境稜線だ。森も真っ白に見えるのは
霧氷だろう。実は昨日の雨と今朝の冷え込みで、ここでも霧氷を期待していたのだが、霧氷を形成する標高ライ
ンが高過ぎたのだろう。見た感じでは1000m以上が霧氷ラインのようだ。
尾根の北側は伐採とスギの植林で殺伐としている。奥に見える山頂部は雲がかかっているが、部子山と銀杏峰
も霧氷が満開のようである。あちらは多くの登山者を迎えていることだろう。
735m標高点への尾根はやや期待外れだった。尾根の左側は先ほどからの植林がずっと続いている。
右側はブナ林とその向こうに金草岳の神々しいまでの美しい姿が見えて対照的な光景である。
なるべく左を見ないように歩くが首が痛い。
前方に記憶にも新しい景色が見えた。前回の終了点である735mピークである。
誰が来るはずもないピークにトレースが刻まれている。よく考えたら先週の自分たちの足跡が残っていたのだ。
大阪くんだりから2週続けてこんなマイナーな山に来るヤツも珍しいだろうと思うと感慨深い。
下山は元々先週に予定していた北尾根を辿る。こちらは貧弱な林相ながら、思いのほか歩きやすかった。
雪もちゃんと繋がり、ヤブもほとんど無いので先週の最短コースのつもりで下りた尾根よりも早いのではないか
と思われた。ところがうまくしたもので、最後に尾根を外して予定外のアトラクション。
結局先週よりも時間がかかってしまったのもご愛敬だ。
車道の雪はこの時間になってもビシビシに締まったままで快調に歩くことができた。
先週と同じ道のりだが、ずいぶん短く感じたのだった。
先週と同じように振り返った山は、今日は青空の下、くっきりと稜線が見えていた。
山日和
【山 域】福井県池田町魚見周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】東俣駐車地8:45---11:20段ノ岳---12:10 P582m13:40---14:30 P565m---15:25 P735m---16:10 P543m
---16:40車道---17:05駐車地
先週の越前の低山では予想外のブナ林を堪能することができた。2匹目のドジョウを狙おうと、2週連続で
池田町へと向かった。魚見川をめぐる馬蹄形の尾根の続きを歩いてみたいという気持ちもあった。
予報では終日曇りだが、部分的に青空も覗いている。降られなければそれで良しだ。
東俣集落の神明神社の裏から尾根に乗った。先週の尾根はほとんどヤブも無く、順調に大小屋山へ導かれた
が、段ノ岳へ向かうこの尾根はどうだろうか。
先週と違って強い冷え込みのおかげで雪はビシビシに締まっていた。まったく沈まないのでスノーシューは
担いだままである。
昨日の雨は山では雪だったようで、先週の汚れた雪面とは打って変わって真っ白なのがうれしい。
しかし雪融けは進んだようで、地肌が露出している部分が多く、さらには潅木のヤブが鬱陶しいのでペースが
上がらない。
降られなければ良しと思っていたらパラパラと雪が舞ってきた。まあ、雨よりはいい。
と思うと今度は晴れ間が覗いて麓の集落が朝日に輝いている。忙しい天気である。
段ノ岳へダイレクトに上がるこの尾根は形も良く、ひそかに期待していたのだがちょっと外れだったか。
雪もなかなか繋がらないのでスノーシューを履く気にもならない。ビブラムソールのトレッドだけでピタッと
止まる雪質なので、ことさら履く必要もないのだが。
標高600mを超えたあたりでようやく雪が繋がった。潅木帯から雑木林に変わって少しは気分も上がって来た。
ただ、同時に尾根の片側に植林が現われたので気分上々というわけにはいかないが。雪面に点々と残る小さな
足跡はリスだ。ところどころで木の根元に潜り込んでエサを探しているのだろう。その姿を想像するだけでも
微笑ましい。
もうすぐ山頂というところで、頭上は完全に青空となった。こういう予報外れは大歓迎である。
段ノ岳の山頂はミズナラ主体の疎林の広々とした台地だった。山頂一帯は植林臭いかもと思っていたので、これ
はうれしい誤算だ。福井の低山でよく見る赤い山名標識がここにもあった。
昼飯には早いので、もう少し前進して適地を探そう。疎林の尾根を下って行くと、どうも方向がおかしい。
南東へ進むべきところを南西への尾根に入っていた。このまま進めば南越前町の杣木俣へ下ってしまう。
あわてて軌道修正。正しい尾根もなかなか気持ちのいい雪尾根だった。
582mピークへの登りにかかるあたりから雰囲気が良くなってきた。ここまであまりブナの姿がなかったのだが、
明らかに林相が変わり、ブナの純林と言っても差支えのない状況となった。
これまでの細い尾根はゆったりと広がり、ブナの疎林が雪面からスックと立ち上がる。
どこでランチタイムにしてもいい状態だが、とりあえずは582mピークまで行ってみよう。
東西にゆったり広がる582mピークは実にいいところだった。
眼下には杣木俣川の田んぼに積もった雪が白く輝いている。600mに満たない里山にこんな素晴らしいところが
ある。無雪期ならまた印象が変わるのかもしれないが、先週に続いて未知のブナ林を探訪できたのは大きな収穫
である。
582mピークから下り切った鞍部には地形図に大坂という名前が書かれている。池田と今庄を結ぶ峠越えの道が
あったのだろう。峠にはお地蔵様があるはずだったが見逃してしまった。
峠からひと登りで565mピーク。ここで90度左折して方向を西へ変える。ブナ林は終わって急に植林臭くなったな
と思ったら、すぐ横に林道が上がって来ていた。
正面に木の間越しに高く白い山が見える。金草岳から権現山へ続く越美国境稜線だ。森も真っ白に見えるのは
霧氷だろう。実は昨日の雨と今朝の冷え込みで、ここでも霧氷を期待していたのだが、霧氷を形成する標高ライ
ンが高過ぎたのだろう。見た感じでは1000m以上が霧氷ラインのようだ。
尾根の北側は伐採とスギの植林で殺伐としている。奥に見える山頂部は雲がかかっているが、部子山と銀杏峰
も霧氷が満開のようである。あちらは多くの登山者を迎えていることだろう。
735m標高点への尾根はやや期待外れだった。尾根の左側は先ほどからの植林がずっと続いている。
右側はブナ林とその向こうに金草岳の神々しいまでの美しい姿が見えて対照的な光景である。
なるべく左を見ないように歩くが首が痛い。
前方に記憶にも新しい景色が見えた。前回の終了点である735mピークである。
誰が来るはずもないピークにトレースが刻まれている。よく考えたら先週の自分たちの足跡が残っていたのだ。
大阪くんだりから2週続けてこんなマイナーな山に来るヤツも珍しいだろうと思うと感慨深い。
下山は元々先週に予定していた北尾根を辿る。こちらは貧弱な林相ながら、思いのほか歩きやすかった。
雪もちゃんと繋がり、ヤブもほとんど無いので先週の最短コースのつもりで下りた尾根よりも早いのではないか
と思われた。ところがうまくしたもので、最後に尾根を外して予定外のアトラクション。
結局先週よりも時間がかかってしまったのもご愛敬だ。
車道の雪はこの時間になってもビシビシに締まったままで快調に歩くことができた。
先週と同じ道のりだが、ずいぶん短く感じたのだった。
先週と同じように振り返った山は、今日は青空の下、くっきりと稜線が見えていた。
山日和