【揖斐高原】残雪の貝月山で体力テスト
Posted: 2023年1月21日(土) 00:25
【日付】2023年1月19日(木)
【山域】揖斐高原/貝月山
【ルート】スキー場跡~△802.9~貝月山~北尾根~栃の実荘
【天候】曇り時々小雪
【メンバー】単独
【コースタイム】栃の実荘P8:45-第2リフト基点8:50-△802.9(点名「貝月」)9:58~10:10-第1リフト分岐10:25-小貝月12:02~35-貝月山13:05~50-北尾根ー・1018p15:35-舗装林道17:02-17:30栃の実荘
正月明けの南伊勢ハイクの疲れがやっとマシになった。年末から1ヵ月、家でゴロゴロしていたツケが回ったのだろうか? お休みしていた不整脈までまたぞろ騒ぎ出したので、どうしたものかと気にはなっていたのだ。とはいっても、今週末辺りから冬型が強まり、山はいっそう雪に埋まって入れなくなる。今なら場所によっては年末の雪が少し残っている程度だろう。
行先は奥美濃の展望台-貝月山。1昨年秋、ブンゲンと合わせ周回して以来、次は雪の季節に!と決めていた。あの山頂展望櫓からアルプスの銀嶺や奥美濃の雪姿を拝んでみたいとの思いに駆られたからだ。
山サイトの投稿を見ると、ラッセルするほどの雪は残っていないようだ。最近も降雪は無いだろうからこの弱足でも大丈夫だろう。一応、スノーシューは車に積んでおく。
木之本からR303号で坂内から揖斐高原への県道に入る。行き止りの品又峠との分岐を左へ。…と思ったら、バリケードが道を塞ぐ。「積雪のため通行止め」だって。路上の雪はたいしたことはない。ここはとっておきの呪文を唱え、ワープする。
場面は変わり、閉鎖されて静かな揖斐高原スキー場の「栃の実荘」駐車場。目の前のゲレンデは残雪の所々にススキが飛び出し、人っ子ひとりいない。まあ、平日のまだ8時過ぎだから仕方ないか…。
トイレを借りてから、おもむろに支度にかかる。空の雲は厚く、小雪さえ舞い始めた。予報では晴れるはずなんだが、山の天気はわからない。なんともモチベーションが上がらんなあ…。
スノーシューは車で留守番。上級者向けの第2リフト下ゲレンデから標高802.9mをめざす。斜面に取り付いてから、思い出したようにチェーンスパイクを装着。最初から履いておればよかったのに。 リフト降り場だったピークの点名は「貝月」。そこから尾根伝いに△1234・2mの貝月山に向かうのだが、山頂の点名は「品又」だって。じゃあ、すぐ近くの県境稜線にある品又峠の隣りの三角点の名前が気になってくる。調べると△1045.5mの点名は「品又峠」。なんや、そのまんまやないか!
地図を睨みながらのそんな調べ物もヒマな時間は潰せる。が、今は先を急がないと。
ここからはミズナラの林間をわりあい平坦な尾根道が続く。この調子なら山頂まで2時間もかからんやろ。
15分で第1リフトからの道と合流。左に折れるco970m辺りから雪が多くなるが、しっかり固まっていて踏み込みの心配はない。
それにしてもこの尾根は長い。正午までまたず適当なところがあれば…と昼飯タイマーが始動し始めた。 ちょっと急になった尾根をガマンして登りきり右へ回り込むと「小貝月」の標示板。標高点1226mのすぐ下。ちょうど12時を回ったところ。登山路の傍だが、ほとんど登山者は来ない。表示板の隣りに雪を削って座り込む。
不思議なことに、座り込むと上空のガスが晴れ太陽が顔を出す。光の暖かさが身に沁みる。ありがとうSUN!
今日はアワワもガス調理もなしで、コンビニ調達の「助六寿司」とお茶のシンプルバージョンだ。
20分もかからず食事タイムは終わったのだが、荷造りをし直している最中に下から人声が。これまで単独の女性に1人追い抜かれたが、またもや女声で、しかも複数みたい。やがて姿を現したのは若い(?)3人組だ。
ランチはまだのようなので席を譲ろうとしたが、リーダーからは「写真、お願いできますか?」。「はい、喜んで」とは言わないが、スマホを受け取り「はい、ポーズ」。「すみませんが、こっち向きも」との追加注文にも応えてカメラ爺役を務める。
ガイドマップでは、ここから山頂まで20分。彼女たち、どうやら食事は山頂で摂るようなので、先に行ってもらう。
もう12時半だ。「2時間も…」のもくろみはとっくに破たんしてるがな(@_@。 登り返しをいくつかこなし、そろそろ山頂かな? と思えるあたり、霧氷のように着氷した木の枝が、時折さす陽光に珠玉の装飾品のように輝く。こんな光景は今日は諦めていただけに、こんな時刻まで待っていてくれたことに感謝し、大切にカメラに収めた。
そのすぐ先が山頂だった。見上げれば展望櫓が目に入りそうなものだが、首の固定ブリッジとカラーのせいで視線は下ばかりになりがちなのだ。
櫓の下には先ほどの3人組がランチ後のコーヒータイム中だ。リーダーさんは10日ほど前に北尾根から登って山頂近くで断念したという。「北尾根を下るつもりなんだけど…」というと、その時の尾根の様子を教えてくれた。他の2人は雪山は初めてで「残念だけど、さすがに連れて降りるわけには…」と苦笑いだ。 ここでも記念ショット係を拝命。せっかくの展望櫓も背景はガスのカーテンで真っ白だ。はたしてどんな写真になったのか…。
さあ、本日の核心である北尾根の下り。時間が押していたら諦めようと思っていたが、まだ14時前だ。なんとか許容範囲だろう。ただスマホGPSの調子がおかしい。進行方向に応じた地図回転プレビューがうまくいかないのだ。
山頂からの地形は思った以上に微妙に複雑だ。真北に尾根が延びているがそれに乗ってはいけない。その隣の北東に延びる尾根から・1018への尾根に繋げないといけない。なんどもGPSを確認し、不安感を消せないまま下っていく。 下り始めにはワカンの跡のような雪面の乱れがあったが、それも怪しくなってきた。気が付くと、今度は靴型を新雪で包んだような膨らみが続いている。窪むのでなく盛り上がっている理由は分からないが、シカなど動物の足運びとは違う人間の歩いた跡だ。これについて行けば間違いないだろう。
co1180mからco1130mへのあたり、地形図を読むのが苦手な私には想像がつかないのだが、実際は谷地形に挟まれた小さい尾根芯を下っていけばよかった。
・1018mからは右の尾根に入り、さらにco970mからも右の尾根に。所々、ピンクのリボンが案内してくれる。 ほとんど雪が無くなりチェーンスパイクも脱ぐ。急下りやヤセ尾根もあったがなんとかco700mあたりで左の沢に下ると目の前に巨大な高下駄状のスケルトン堰堤が出現。その手前を渡渉し右岸壁を登って林道へ出る。
17時を回ったところ。やれやれ、闇下は免れた。 林道を下り橋を渡って左岸へ。さらにスキー場への連絡橋を渡ってゲレンデへ出ると、すぐ眼下に夕闇せまる栃の実荘などの建物が待ちくたびれている。
アルプスや奥美濃の雪景色はオアズケとなったが、時間はかかったが予定のコースを完歩できた。後日の体調も気にはなるが、模擬試験はクリアとしておこう。
久し振りの雪山で冷えた体を暖めようと、白龍の湯へ向かう。
~びわ爺
【山域】揖斐高原/貝月山
【ルート】スキー場跡~△802.9~貝月山~北尾根~栃の実荘
【天候】曇り時々小雪
【メンバー】単独
【コースタイム】栃の実荘P8:45-第2リフト基点8:50-△802.9(点名「貝月」)9:58~10:10-第1リフト分岐10:25-小貝月12:02~35-貝月山13:05~50-北尾根ー・1018p15:35-舗装林道17:02-17:30栃の実荘
正月明けの南伊勢ハイクの疲れがやっとマシになった。年末から1ヵ月、家でゴロゴロしていたツケが回ったのだろうか? お休みしていた不整脈までまたぞろ騒ぎ出したので、どうしたものかと気にはなっていたのだ。とはいっても、今週末辺りから冬型が強まり、山はいっそう雪に埋まって入れなくなる。今なら場所によっては年末の雪が少し残っている程度だろう。
行先は奥美濃の展望台-貝月山。1昨年秋、ブンゲンと合わせ周回して以来、次は雪の季節に!と決めていた。あの山頂展望櫓からアルプスの銀嶺や奥美濃の雪姿を拝んでみたいとの思いに駆られたからだ。
山サイトの投稿を見ると、ラッセルするほどの雪は残っていないようだ。最近も降雪は無いだろうからこの弱足でも大丈夫だろう。一応、スノーシューは車に積んでおく。
木之本からR303号で坂内から揖斐高原への県道に入る。行き止りの品又峠との分岐を左へ。…と思ったら、バリケードが道を塞ぐ。「積雪のため通行止め」だって。路上の雪はたいしたことはない。ここはとっておきの呪文を唱え、ワープする。
場面は変わり、閉鎖されて静かな揖斐高原スキー場の「栃の実荘」駐車場。目の前のゲレンデは残雪の所々にススキが飛び出し、人っ子ひとりいない。まあ、平日のまだ8時過ぎだから仕方ないか…。
トイレを借りてから、おもむろに支度にかかる。空の雲は厚く、小雪さえ舞い始めた。予報では晴れるはずなんだが、山の天気はわからない。なんともモチベーションが上がらんなあ…。
スノーシューは車で留守番。上級者向けの第2リフト下ゲレンデから標高802.9mをめざす。斜面に取り付いてから、思い出したようにチェーンスパイクを装着。最初から履いておればよかったのに。 リフト降り場だったピークの点名は「貝月」。そこから尾根伝いに△1234・2mの貝月山に向かうのだが、山頂の点名は「品又」だって。じゃあ、すぐ近くの県境稜線にある品又峠の隣りの三角点の名前が気になってくる。調べると△1045.5mの点名は「品又峠」。なんや、そのまんまやないか!
地図を睨みながらのそんな調べ物もヒマな時間は潰せる。が、今は先を急がないと。
ここからはミズナラの林間をわりあい平坦な尾根道が続く。この調子なら山頂まで2時間もかからんやろ。
15分で第1リフトからの道と合流。左に折れるco970m辺りから雪が多くなるが、しっかり固まっていて踏み込みの心配はない。
それにしてもこの尾根は長い。正午までまたず適当なところがあれば…と昼飯タイマーが始動し始めた。 ちょっと急になった尾根をガマンして登りきり右へ回り込むと「小貝月」の標示板。標高点1226mのすぐ下。ちょうど12時を回ったところ。登山路の傍だが、ほとんど登山者は来ない。表示板の隣りに雪を削って座り込む。
不思議なことに、座り込むと上空のガスが晴れ太陽が顔を出す。光の暖かさが身に沁みる。ありがとうSUN!
今日はアワワもガス調理もなしで、コンビニ調達の「助六寿司」とお茶のシンプルバージョンだ。
20分もかからず食事タイムは終わったのだが、荷造りをし直している最中に下から人声が。これまで単独の女性に1人追い抜かれたが、またもや女声で、しかも複数みたい。やがて姿を現したのは若い(?)3人組だ。
ランチはまだのようなので席を譲ろうとしたが、リーダーからは「写真、お願いできますか?」。「はい、喜んで」とは言わないが、スマホを受け取り「はい、ポーズ」。「すみませんが、こっち向きも」との追加注文にも応えてカメラ爺役を務める。
ガイドマップでは、ここから山頂まで20分。彼女たち、どうやら食事は山頂で摂るようなので、先に行ってもらう。
もう12時半だ。「2時間も…」のもくろみはとっくに破たんしてるがな(@_@。 登り返しをいくつかこなし、そろそろ山頂かな? と思えるあたり、霧氷のように着氷した木の枝が、時折さす陽光に珠玉の装飾品のように輝く。こんな光景は今日は諦めていただけに、こんな時刻まで待っていてくれたことに感謝し、大切にカメラに収めた。
そのすぐ先が山頂だった。見上げれば展望櫓が目に入りそうなものだが、首の固定ブリッジとカラーのせいで視線は下ばかりになりがちなのだ。
櫓の下には先ほどの3人組がランチ後のコーヒータイム中だ。リーダーさんは10日ほど前に北尾根から登って山頂近くで断念したという。「北尾根を下るつもりなんだけど…」というと、その時の尾根の様子を教えてくれた。他の2人は雪山は初めてで「残念だけど、さすがに連れて降りるわけには…」と苦笑いだ。 ここでも記念ショット係を拝命。せっかくの展望櫓も背景はガスのカーテンで真っ白だ。はたしてどんな写真になったのか…。
さあ、本日の核心である北尾根の下り。時間が押していたら諦めようと思っていたが、まだ14時前だ。なんとか許容範囲だろう。ただスマホGPSの調子がおかしい。進行方向に応じた地図回転プレビューがうまくいかないのだ。
山頂からの地形は思った以上に微妙に複雑だ。真北に尾根が延びているがそれに乗ってはいけない。その隣の北東に延びる尾根から・1018への尾根に繋げないといけない。なんどもGPSを確認し、不安感を消せないまま下っていく。 下り始めにはワカンの跡のような雪面の乱れがあったが、それも怪しくなってきた。気が付くと、今度は靴型を新雪で包んだような膨らみが続いている。窪むのでなく盛り上がっている理由は分からないが、シカなど動物の足運びとは違う人間の歩いた跡だ。これについて行けば間違いないだろう。
co1180mからco1130mへのあたり、地形図を読むのが苦手な私には想像がつかないのだが、実際は谷地形に挟まれた小さい尾根芯を下っていけばよかった。
・1018mからは右の尾根に入り、さらにco970mからも右の尾根に。所々、ピンクのリボンが案内してくれる。 ほとんど雪が無くなりチェーンスパイクも脱ぐ。急下りやヤセ尾根もあったがなんとかco700mあたりで左の沢に下ると目の前に巨大な高下駄状のスケルトン堰堤が出現。その手前を渡渉し右岸壁を登って林道へ出る。
17時を回ったところ。やれやれ、闇下は免れた。 林道を下り橋を渡って左岸へ。さらにスキー場への連絡橋を渡ってゲレンデへ出ると、すぐ眼下に夕闇せまる栃の実荘などの建物が待ちくたびれている。
アルプスや奥美濃の雪景色はオアズケとなったが、時間はかかったが予定のコースを完歩できた。後日の体調も気にはなるが、模擬試験はクリアとしておこう。
久し振りの雪山で冷えた体を暖めようと、白龍の湯へ向かう。
~びわ爺