【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

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sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

投稿記事 by sato »

【日 付】 2022年10月8日 土曜日
【山 域】 鈴鹿
【天 候】 曇り
【メンバー】まゆみさん sato
【コース】 朝明P~根の平峠~神崎川~クラシ谷左岸尾根~クラシ~大峠~銚子ケ口~北尾根~杠葉尾P


雨上がりの夕闇迫る中、わたしの車に向かい白い車がまっすぐに走ってきて、ぴたりと右横に止まった。
営業時間が終了しガラガラとなった奥永源寺渓流の里道の駅の広い駐車場。
「あっ!」運転席を見ると、まゆみさんだった。息を吐きこころを落ち着かせ外に出る。
小走りで運転席に回ると、もぬけの殻。
「えっ?」車から出て、まゆみさんは前、わたしは後ろに回っていたのだった。ふっと気が抜ける。
「こんにちは」前回の法恩寺山経ヶ岳周回の山旅から4か月後のまゆみさんとの再会は、照れ笑いで始まった。

秋の日は釣瓶落とし。あっという間に辺りは裏色に包まれた。先ずはご飯。
ほんとうは別の場所で味わう予定だったお夕飯を、道の駅の建物の軒下で、四方山話に花を咲かせながらいただく。
まゆみさんのお話が、ここちよく、またしんみりと、胸に響く。食べ終えた後も話は切れ目なく続いていったが、
明日に備えてそろそろ寝ましょうかと適当なところで切り上げ、お互いの車に戻った。

横になって薄ぼんやりと浮かぶ灰色の天井を見ながら「これでよかったのだな?」と思う。
ぱっと思い立った明日のコースをもう一度確認しようと、カバンの中から地図を取り出そうとしたが、
昨晩の寝不足のせいか、まゆみさんの笑顔に癒されたのか、そのまま、すぅっと眠りについてしまった。

夜中に目が開いた時、また雨が降っていたが、朝起きた時には止んでいた。白み始めた空は、すっきりとしない。
その空を見て安堵する。いつもは澄み渡った空の方がうれしいのに。
2台一緒に道の駅を出て、わたしの車を杠葉尾の銚子ケ口登山道駐車場に置き、まゆみさんの車で朝明の駐車場へと向かった。

駐車場に着き、係員に代金をお渡しすると「釈迦が岳ですか」と聞かれた。「銚子ケ口です」とお返事をすると、
「遠いですねぇ」と呟き、ちょこっと間をおいて「お気をつけて」とメモをとり、次の車へと去っていかれた。
「そうかぁ。遠いのかぁ。でも、歩けますよね。安全第一で気を付けて出かけます。よろしくお願いします」
お山の神様にご挨拶をして、地下足袋を履いたまゆみさんと並び、一歩を踏み出した。

二週間ちょっと前から「山に向かう気持ち」をメールでお伝えし合って、
前日に急遽浮かび上がった今回の鈴鹿の山旅。お山はまゆみさん、コースはわたしが決めた。
神崎川に降り立つまでは、千種街道根の平峠道のうつくしい造形と、やわらかな谷の佇まいを味わいながらの
登山道歩きのはずだったが、おしゃべりに夢中になり、方向は見ていたものの、幾度か道を外してしまう。
出発時間の遅れと合わせ、神埼川には予定より30分遅い到着となった。

対岸へはどこから渡ろうか。
少し上流に行き、靴を脱いで小石の敷き詰められた水の中を渡り始めたが、足裏が痛くてなかなか進めない。
まゆみさんは涼しいお顔をして渡っている。健脚とはまゆみさんのような足をいうのだなぁ。
水の中を歩くのが大好きといいながら、沢靴を履いてしか歩けない軟弱な自分の足裏に苦笑いする。

岸辺に上がり穏やかな二次林の台地をクラシ谷出合へと向かう。
見上げた木々の葉は、まだ緑の装いだが、折り重なった落ち葉の上には茶色いクリのイガが散りばめられていた。
赤いホオの実も落ちている。ふたりで、足元から、すぅっと逃げていく秋の音に耳を傾ける。

左の斜面を見上げながら、この辺から取りついてイブネに行けるな、と思ったが、
標高1000mから1050mの急傾斜が気になり左岸尾根に決めたのではないかと頭を振る。
クラシ谷の左岸尾根は、まっすぐに上へ上へと向かっていく気持ちのいい尾根だった。
・900はブナの木が穏やかに佇むこころ和むピーク。標高1000m辺りからは見事なシャクナゲ林が続いていった。

木立の向こうに山頂が雲で覆われた御池岳が見えた。
「やっぱり、北の方は天気が悪いですね」と頷き合う。
急登が終わると、若いブナの木が立ち並ぶやわらかな風景に出迎えられた。
「わぁ、いいなぁ」にっこり笑いながら歩いているうちにクラシ山頂に着いた。
11時20分。神埼川からは想定したコースタイムよりちょっと短くて、ほっとする。

楽しみにしていた緑の苔で覆われた山上台地のど真ん中でのお昼ご飯は、冷っとした風で断念。
アセビの下に腰かけ、お湯を沸かし、ふたり並んでカップ麺をすする。
「どうぞ」まゆみさんが地元南紀名産のサンマの押し寿司を勧めてくれた。
ひと切れいただくと、口の中に爽やかな風味が広がり思い出を運んできた。
3年前の同じ頃、一緒に霊仙山に登りましょう、とお会いした時もいただいたなぁ、と懐かしさに包まれる。

食べ終えると、ぶるっと寒さが襲ってきた。
12時。道のりはまだ長い。銚子ケ口には15時ごろまでには着きたい。
そして、これから向かう、イブネ、クラシ、銚子ケ口を結ぶ稜線は、
銚子ケ口というお山があがった時、まっ先に浮かんだ道。
鈴鹿の山の光と陰翳が描く情趣に満ちた風景を、ふたりでしみじみと味わいながら歩きたい。
コーヒータイムは後ほど、と腰を上げる。

佐目子谷川源頭の、たおやかにうねる地形の妙に、「あぁ、素敵」と呟き合いながら歩いていると、
すぅっと導かれるように広場に立っていた。・1123銚子だった。
「銚子ケ口は、銚子の入り口の山なのね」とまゆみさん。
山上の大きな銚子。いのちの源の水を湛えたお山。山名の由来を想像するのは面白い。

稜線は少し戻って北の方向だ。ここからはうっとり牧歌的な風景から一転し、
急こう配の瘦せ尾根やザレ場などわくわくする箇所がしばらく続いていく。

「ここで引き返したのよね」まゆみさんが感慨深げに呟いた。
20年の3月、わたしと上平寺から伊吹山に登った翌日に、ご友人と甲津畑からカクレグラに登り、
タイジョウ、イブネ、銚子ケ口と佐目子谷川上流の山やまを歩き杠葉尾に下る山旅に出かけたが、
ここで雪のついた痩せ尾根を進むのは危険と引き返し、千種街道を下ったのだ、と教えてくれる。
伊吹山に登った次の日に、こんなに長いコースをと驚き、
まゆみさんにとって銚子ケ口は思い入れのあるお山だったのだ、
今、そのお山に向かっているのだ、とうれしくなる。

佐目の人びとがお金明神参拝の際に越えた大峠を過ぎると道は穏やかに。
かさかさと落ち葉を踏みしめる音と、わたしたちの話し声が山中に響き渡る。
ふっと気が付くと進むべく道を外れていた。誰かの足跡を辿ってしまったようだ。
折り重なる落ち葉の下には、網の目のように、杣人が、炭焼き人が、鉱山従事者が通った道が張り巡らされている。

黒尾山とのジャンクションピークに着いた。木立の向こうからおおきな銚子ケ口が静かにわたしたちを見つめている。
山頂まであと一息。上谷尻谷枝谷の源流が描く迷子になりそうな地形の中にそろりと下っていく。

14時半、アセビとスギに囲まれた銚子ケ口山頂にポンと出た。
リュックを降ろし、その上にカメラを置いて恒例の記念撮影。今日は、なんとお揃いのカッパ姿。
うれしくせつない記念撮影となった。17時までの下山時刻には余裕がある。
「お茶にしましょうか」三角点の横に座り、曇天の下、ふたりで銚子ケ口とやわらかな時間を楽しむ。


「この秋も白山にはご縁がなかったけれど、北縦走路より面白い山歩きになったかな」
抹茶オーレを飲みながら、にっこり微笑むまゆみさん。
何年か前から何度か計画し、毎回天候不順や道路閉鎖で中止になっていた白山北縦走路秋の山旅。
今年こそは、と強く願い、出発日のお昼まで天気予報を見ながら迷っていたけれど、諦めてよかったのだ。
「そうですね」まゆみさんの言葉と抹茶オーレの甘さが、からだの中に沁みわたる。

「山から下りたら、湯の山温泉に浸かって、どこかのお店でお疲れさま会をしましょう。今晩は、菰野の道の駅で寝たらいいし」
温泉、ビール、ご飯の魅惑的な言葉が、しみじみとした空気を吹き飛ばした。
そうと決まったら早い。「15時。さぁ出発しましょう」

小気味よく下っていくまゆみさんが「あっ」と足を止めた。すぐ横で白いお花が咲いていた。
夜明けの空を連想させる透明な輝きを放つお花、アケボノソウだった。

ひととひととの出会いって何なのだろう。人生の中で繰り返される出会いと別れ。
行先を変更して出かけた北アルプス朝日岳で偶然出会ったわたしたち。
それから今日に至るまでの6年間、お互い怪我や病気で、数か月、山に行けない時期もあった。
大きな悲しみにも襲われた。悩みは日々尽きない。いろんな出来事が起こり、いろんなことを抱えてきた。
そんな中、年に1,2回お山をご一緒してきた。
まゆみさんとはほんとうにご縁を感じる。山を想う気持ちに通じ合うものを感じる。

淡く黄味がかった白い花びらに、ささやかな希望の光が散りばめられたうつくしい夜明けの情景が描かれているちいさな花ばなが、
わたしたちを見つめて微かに揺れている。ひとつひとつのお花に、これからも続いていくまゆみさんとわたしの、
山という人生、人生という山を見て、ぽっと胸が熱くなる。

sato
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最後に編集したユーザー sato [ 2022年11月13日(日) 15:37 ], 累計 1 回
宮指路
記事: 1008
登録日時: 2011年2月27日(日) 21:13

Re: 【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

投稿記事 by 宮指路 »

satoさん、こんばんは
雨上がりの夕闇迫る中、わたしの車に向かい白い車がまっすぐに走ってきて、ぴたりと右横に止まった。
営業時間が終了しガラガラとなった永源寺道の駅の広い駐車場。
「あっ!」運転席を見ると、まゆみさんだった。息を吐きこころを落ち着かせ外に出る。
彼氏と待ち合わせしている訳ではないので冷静になりましょう
小走りで運転席に回ると、もぬけの殻。
「えっ?」車から出て、まゆみさんは前、わたしは後ろに回っていたのだった。ふっと気が抜ける。
漫才じゃないんですから・・・

秋の日は釣瓶落とし。あっという間に辺りは裏色に包まれた。先ずはご飯。
ほんとうは別の場所で味わう予定だったお夕飯を、道の駅の建物の軒下で、四方山話に花を咲かせながらいただく。
奥永源寺の道の駅ですね。私もここで山仲間と宴会したことがあります。

駐車場に着き、係員に代金をお渡しすると「釈迦が岳ですか」と聞かれた。「銚子ケ口です」とお返事をすると、「遠いですねぇ」と呟き、ちょこっと間をおいて「お気をつけて」とメモをとり、次の車へと去っていかれた。
そりゃあ止めた方が良いとは言えませんから
きっと銚子と間違えたんんじゃないかと思われたかも

岸辺に上がり穏やかな二次林の台地をクラシ谷出合へと向かう。
見上げた木々の葉は、まだ緑の装いだが、折り重なった落ち葉の上には茶色いクリのイガが散りばめられている。
赤いホオの実も落ちていた。ふたりで、足元から、すぅっと逃げていく秋の音に耳を傾ける。
紅葉には少し早い時期でしたが、今頃ならきっと素晴らしい紅葉に出会えたでしょう
クラシ谷の左岸尾根は、まっすぐに上へ上へと向かっていく気持ちのいい尾根だった。
・900はブナの木が穏やかに佇むこころ和むピーク。標高1000m辺りからは見事なシャクナゲ林が続いていった。
私が良く使う尾根と同じでしょうか?渡渉地点が朽ちた大木の下を潜ります。
佐目子谷川源頭の、たおやかにうねる地形の妙に、「あぁ、素敵」と呟き合いながら歩いていると、すぅっと導かれるように広場に立っていた。・1123銚子だった。
「銚子ケ口は、銚子の入り口の山なのね」とまゆみさん。
山上の大きな銚子。いのちの源の水を湛えたお山。山名の由来を想像するのは面白い。
イブネ・銚子の下に窪地があり、潺がある気持ちの良い場所です。
熊ノ戸平と呼ばれています。
佐目の人びとがお金明神参拝の際に越えた大峠を過ぎると道は穏やかに。
以前、佐目子谷の拝坂尻から大峠~お金明神~朝明までお金明神登拝道を辿ったことがあります。

14時半、アセビとスギに囲まれた銚子ケ口山頂にポンと出た。
リュックを降ろし、その上にカメラを置いて恒例の記念撮影。今日は、なんとお揃いのカッパ姿。
ここは展望がないですがきっと昔はあったのでしょうね。
ひととひととの出会いって何なのだろう。人生の中で繰り返される出会いと別れ。
行先を変更して出かけた北アルプス朝日岳で偶然出会ったわたしたち。
それから今日に至るまでの6年間、お互い怪我や病気で、数か月、山に行けない時期もあった。
大きな悲しみにも襲われた。悩みは日々尽きない。いろんな出来事が起こり、いろんなことを抱えてきた。
私もこの数年、母を亡くしたり自分自身いろんな病気をしてきました。
止めは心臓弁膜症中程度で息切れしませんかと医者に聞かれたましたが、高地で急な登りが続けば息切れすることもありますが・・・
「えっ登山やるんですか?」と怪訝な顔をしていました。

そんな中、年に1,2回お山をご一緒してきた。
まゆみさんとはほんとうにご縁を感じる。山を想う気持ちに通じ合うものを感じる。
年に1~2回、一緒に登山に出掛けるお付き合いって素敵ですね。

                                                   宮指路
アオバ*ト
記事: 283
登録日時: 2019年9月23日(月) 08:40

Re: 【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

投稿記事 by アオバ*ト »

  satoさん、こんばんは!

 この日は、稜線を冷たい風が吹き抜けていたのかもしれないですが、
satoさんとまゆみさんの熱い心と楽しげな様子、すごく伝わって来ました。
山で過ごす一瞬一瞬がかけがえのない時間なのだということも、じんわりと伝わってきました。
銚子ケ口でのショットお姉さんと妹みたいでステキです。
少し首を傾げているsatoさんが可愛い~。
まゆみさん地下足袋ときいて、ふとsatoさんの滋賀の頼もしいご友人K内さんを思い浮かべました。

 それにしても、一日でこのロングコースを歩く心意気!カッコい〜。私なら確実に途中でテントのコースです。
イブネ、クラシ、チョウシのトライアングル台地ももちろんすてきですが、
この台地から銚子ケ口に向かう道のりもすてきですよね。
荒々しさとたおやかさ、道を探す愉しみ等々。そして銚子ケ口というお山も。
実は私も、銚子ケ口東峰のファンでして、神崎川を巡るテント泊するときはいつも、ここを起点終点としていました。

 北縦走路の計画もあったのですね。
ふと、ある意味、北縦走路と銚子ケ口の道、似てるなと思いました。
北縦走路を歩いていると、白山の全てを感じることができるように、
銚子ケ口というお山に立つと、神崎川流域の山々全てを感じられるような気がします。

 走り書きレスですみません。
また、すてきなレポ楽しみにしています。

 アオバ*ト
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

投稿記事 by バーチャリ »

satoさん今晩は
久しぶりのレスです。 

【メンバー】まゆみさん sato
【コース】 朝明P~根の平峠~神崎川~クラシ谷左岸尾根~クラシ~大峠~銚子ケ口~北尾根~杠葉尾P


ロングコースですね。


秋の日は釣瓶落とし。あっという間に辺りは裏色に包まれた。先ずはご飯。
ほんとうは別の場所で味わう予定だったお夕飯を、道の駅の建物の軒下で、四方山話に花を咲かせながらいただく。
まゆみさんのお話が、ここちよく、またしんみりと、胸に響く。食べ終えた後も話は切れ目なく続いていったが、
明日に備えてそろそろ寝ましょうかと適当なところで切り上げ、お互いの車に戻った。


共通の趣味ですとお話も盛り上がりますよね。


2台一緒に道の駅を出て、わたしの車を杠葉尾の銚子ケ口登山道駐車場に置き、まゆみさんの車で朝明の駐車場へと向かう。


2台の車ですと縦走できるからいいですよね(^^)


「そうかぁ。遠いのかぁ。でも、歩けますよね。安全第一で気を付けて出かけます。よろしくお願いします」
お山の神様にご挨拶をして、地下足袋を履いたまゆみさんと並び、一歩を踏み出した。


ゆみさん地下足袋ですか

長靴をはく登山者は見えますがまたオーソドックスですね。
足の裏は痛くないのですかね。


左の斜面を見上げながら、この辺から取りついてイブネに行けるな、と思ったが、
標高1000mから1050mの急傾斜が気になり左岸尾根に決めたのではないかと頭を振る。
クラシ谷の左岸尾根は、まっすぐに上へ上へと向かっていく気持ちのいい尾根だった。
・900はブナの木が穏やかに佇むこころ和むピーク。標高1000m辺りからは見事なシャクナゲ林が続いていった。


昔はシャクナゲのジャングルだった様な気がしますが。
だいぶ歩いていません


急登が終わると、若いブナの木が立ち並ぶやわらかな風景に出迎えられた。
「わぁ、いいなぁ」にっこり笑いながら歩いているうちにクラシ山頂に着いた。
11時20分。神埼川からは想定したコースタイムよりちょっと短くて、ほっとする。

ブナが出てくるとホットしますね。


楽しみにしていた緑の苔で覆われた山上台地のど真ん中でのお昼ご飯は、冷っとした風で断念。
アセビの下に腰かけ、お湯を沸かし、ふたり並んでカップ麺をすする。
「どうぞ」真弓さんが地元南紀名産のサンマの押し寿司を勧めてくれた。
ひと切れいただくと、口の中に爽やかな風味が広がり思い出を運んできた。
3年前の同じ頃、一緒に霊仙山に登りましょう、とお会いした時もいただいたなぁ、と懐かしさに包まれる。


南紀の方ですか。
山でのサンマの押し寿司ご馳走ですね。

伊吹山に登った次の日に、こんなに長いコースをと驚き、
まゆみさんにとって銚子ケ口は思い入れのあるお山だったのだ、
今、そのお山に向かっているのだ、とうれしくなる。


健脚の方ですね。
satoさんもスノー衆の前に伊吹に登られた事を耳にした事が有りますが(^^♪


アケボノソウまだ咲いていましたか
白い花びらに星が可愛いですよね好きな花です。



ひととひととの出会いって何なのだろう。人生の中で繰り返される出会いと別れ。
行先を変更して出かけた北アルプス朝日岳で偶然出会ったわたしたち。
それから今日に至るまでの6年間、お互い怪我や病気で、数か月、山に行けない時期もあった。
大きな悲しみにも襲われた。悩みは日々尽きない。いろんな出来事が起こり、いろんなことを抱えてきた。
そんな中、年に1,2回お山をご一緒してきた。
まゆみさんとはほんとうにご縁を感じる。山を想う気持ちに通じ合うものを感じる。


この関係が延々に続きますように。
ロングコースお疲れ様でした。


         バーチャリ
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

投稿記事 by sato »

宮指路さま

こんにちは。コメントありがとうございます。
そして、遅ればせながら、オフ会では話しかけてきてくださりありがとうございます。
うれしかったです。

鈴鹿のお山は、宮指路さんのお庭ですね。
そう、オフ会の前日、Kさんと大岩谷から大岩を目指し、宮指路岳に行き、ヤケギ谷道を下る山旅を楽しみました。
下から見上げた大岩は圧巻でした。小さな谷と尾根を縫っていくヤケギ谷道の造形はこころに訴えてくるものを感じました。
鈴鹿のお山の味わい深さ、素晴らしさを、この日も、しみじみと感じました。
宮指路岳は、難しい読み方で、どういう意味なのだろう、と思っていましたが、標高946mの当て字だったのですね。
それまで気づきませんでした。宮指路さんは、鈴鹿のお山の中で宮指路岳に思い入れがあるのでしょうか。
お聞きしそびれてしまいました。

待ち合わせ場所の道の駅は、「奥永源寺渓流の里」でしたね。訂正いたしました。
まゆみさんは、私にとってお山の先輩であり人生の先輩。お会いする時は、毎回、ドキドキワクワクです。
この日は、漫画のような始まりだったなぁ、と思い出し笑い。

道の駅ってありがたいですよね。私が20代の頃は、道の駅はあちこちになく、公園や無人駅を探し車中泊することが多かったです。
北海道は、無料のキャンプ場がたくさんあり、学生の頃と仕事を辞めた年、それぞれ30日(フェリーの有効期限まで)、
お山と観光で滞在できました。女の子が車の中で寝るなんて危ない、と公民館を貸していただいたことも。懐かしい思い出です。

私の容姿は、山登りをするようには見えないらしく、時々、心配されたり驚かれたりします。
御池岳の山上台地から、当時まだ不明瞭だったT字尾根を下ろうと向かった時、
出会ったおじさんに「こっちは道ではないよ」と注意されたことも。
でも、うれしいこともあります。
テント泊装備を背負って歩いていると、すれ違った方に「すごいねぇ」とほめていただいたり、
若い頃は「頑張るねぇ」と、お菓子をよくいただいきました(笑)。

錦繍の鈴鹿のお山は、うっとりため息の連続ですね。
でも、紅葉前のちょっと瑞々しさを失い黄緑になった木々を見上げながらの山歩きも好きです。
宮指路さんは、クラシ谷の左岸尾根をよく歩かれるのですね。地図を見ると歩きたくなりますね。
神崎川の渡渉地点は、どこが楽か迷います。朽ちた大木の下を潜る地点とは、どこなのでしょう。
イブネ、クラシ、銚子に囲まれた佐目小谷川源流のたおやかな地形は、ほんとうに素敵ですね。
熊ノ戸平は、イブネのヘソとも呼ばれるそうですね。面白い。

宮指路さんは、お金明神登拝道を辿られたのですね。私も何年間も温めているのですが、まだ実現していません。
朝明まで歩かれたということは、お仲間と一緒だったのでしょうか。
ひとりだと、お金明神から神崎川を下り車道歩きに。長いですものね。

人生は山あり谷あり。いろいろな出来事が人生を深いものにする、といいますが、
悲しい出来事や心身の不調など、辛い状況の時は、やっぱり気持ちが落ち込みますよね。
でも、どんなに辛くても、山という灯が、こころの中でともし続けられているのを感じます。
山があり、わたしは救われてきたのだなぁ、と感じます。

普段は、それぞれお山を楽しんでいるまゆみさんとわたし。
年に1,2回しか会えないからこそ(今年は3回ご一緒できました)よりご縁の深さを感じます。
一緒に歩けるありがたさ、しあわせを感じます。

宮指路さんが患われた心臓弁膜症とは、どんな病気なのか調べました。
心臓の4つの部屋の出入り口の弁の状態が悪くなる病気なのですね。いろいろなタイプ、症状があるそうですが、
心臓が動き、血液が巡り、脳や内臓が活動できるのですよね。おからだと向き合いながらお山を楽しんでくださいね。
私もこころとからだの声を聞きながらお山を楽しんでまいります。

sato
宮指路
記事: 1008
登録日時: 2011年2月27日(日) 21:13

Re: 【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

投稿記事 by 宮指路 »

satoさん、丁寧なレスありがとうございます。
こんにちは。コメントありがとうございます。
そして、遅ればせながら、オフ会では話しかけてきてくださりありがとうございます。
うれしかったです。
身に余る光栄です。ただのスケベ爺です。
宮指路岳は、難しい読み方で、どういう意味なのだろう、と思っていましたが、標高946mの当て字だったのですね。
それまで気づきませんでした。宮指路さんは、鈴鹿のお山の中で宮指路岳に思い入れがあるのでしょうか。
お聞きしそびれてしまいました。
ヤブコギネットが世に出る前にニフティー山のフォーラムというのがありまして、デビュー当時に適当なニックネームを付けていましたが、山らしいニックネームが良いと思い考えていたところ、初めて宮指路岳に登って一遍に好きになったって付けたのがその由来です。
道の駅ってありがたいですよね。私が20代の頃は、道の駅はあちこちになく、公園や無人駅を探し車中泊することが多かったです。
北海道は、無料のキャンプ場がたくさんあり、学生の頃と仕事を辞めた年、それぞれ30日(フェリーの有効期限まで)、
お山と観光で滞在できました。女の子が車の中で寝るなんて危ない、と公民館を貸していただいたことも。懐かしい思い出です。
以前は車中泊はメジャーじゃなかったし、今でも女性単独の車中泊は珍しいですね。
私の容姿は、山登りをするようには見えないらしく、時々、心配されたり驚かれたりします。
御池岳の山上台地から、当時まだ不明瞭だったT字尾根を下ろうと向かった時、
出会ったおじさんに「こっちは道ではないよ」と注意されたことも。
オフ会で話をさせて頂いた時に「足細っそいなぁ~」と思いました。
失礼かもしれませんがどちらかと言えば童顔に見えるので、山をガンガンやる方には見えませんね。
何か登るコツのようなものがあるのでしょうか?
錦繍の鈴鹿のお山は、うっとりため息の連続ですね。
でも、紅葉前のちょっと瑞々しさを失い黄緑になった木々を見上げながらの山歩きも好きです。
宮指路さんは、クラシ谷の左岸尾根をよく歩かれるのですね。地図を見ると歩きたくなりますね。
神崎川の渡渉地点は、どこが楽か迷います。朽ちた大木の下を潜る地点とは、どこなのでしょう。
クラシから真東に伸びる尾根筋です。舌のような細い尾根が二つありますが、そこを辿ります。
その入り口が、大木が横たわる渡渉点です。
上から見ると渡れそうにありませんが、近くに行くと楽に渡れるのが分かります。
クラシ渡渉.jpg
宮指路さんは、お金明神登拝道を辿られたのですね。私も何年間も温めているのですが、まだ実現していません。
朝明まで歩かれたということは、お仲間と一緒だったのでしょうか。
ひとりだと、お金明神から神崎川を下り車道歩きに。長いですものね。
もちろん車2台でした。登拝道の取り付きが拝坂尻といって、ちょっと分かりにくいです。
satoさんならお金明神のピストンでも大丈夫でしょう

viewtopic.php?f=4&t=1499&p=11761&hilit= ... 4a3#p11761
宮指路さんが患われた心臓弁膜症とは、どんな病気なのか調べました。
心臓の4つの部屋の出入り口の弁の状態が悪くなる病気なのですね。いろいろなタイプ、症状があるそうですが、
心臓が動き、血液が巡り、脳や内臓が活動できるのですよね。おからだと向き合いながらお山を楽しんでくださいね。
心臓弁膜症の人が平ヶ岳に登るのは無理なので、医学的にはそういうことであっても私の場合は症状が全くないので
山はできるだけ続けたいな~と思っています。
ご心配お掛けいたしました。

                                       宮指路
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

投稿記事 by sato »

アオバトさま

こんばんは!
コメントありがとうございます。
そうなのです。まゆみさんとわたしの、山での一瞬一瞬のかけがえのない時間を、
まゆみさんへの感謝の気持ちを、言葉に紡ぎたいと思ったのでした。
この年になると自分の顔を見たくないのですが、銚子ケ口での記念撮影の写真は、
なんか抱きしめたくなるような写真でしたので、載せてしまいました(笑)。
リュックの上にカメラを置いて写したので、ちょっと斜めになっているところが、またいとおしいです。
まゆみさんもいいお顔していて、眺めていてうれしくなります。

地下足袋を履かれたまゆみさんをご覧になり、K内さんが浮かびましたか。K内さんは長靴姿が印象的ですね。
K内さんも、お山の先輩、人生の先輩です。
私が滝から落ちて怪我をして入院した時、まっ先に病室に駆けつけてきてくださり、
両手とおしりを地面につけながら、ひとりで下った私を、
「電波が通じる所で、なんで助けを呼ばなかったの?甘えるということは大切なことなんだよ」
と、厳しくやさしく叱ってくださいました。
K内さんは、私に「自分の山歩きを文章にする」ということも、しきりにすすめて下さいました。
私のことをいろいろ気にかけてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。
今、K内さんは、福井県の山中で進められている風力発電建設の問題を提起され、
見直し呼びかけの活動をされています。K内さんの勇気ある行動にはほんとうに頭が下がります。

まゆみさん、K内さん、Kさん、そしてやぶこぎねっとのみなさま・・・、
私は、ほんとうに山の仲間に恵まれているのだなぁ、と感じます。
アオバトさんも、素敵なお仲間に恵まれていますね。とても、しあわせなことですね。

まゆみさんは、一時は、脊柱管狭窄症による坐骨神経痛で、歩いたり車に乗るのも大変な状態でしたが、
地道な努力を重ねられ、こうしてまた、このような長いコースを楽しまれています。
まゆみさんのまっすぐな山への情熱、前を向く姿勢から、生きる力をいただいています。

イブネ、クラシ、銚子のトライアングル台地、そしてこの台地から銚子ケ口に向かう道のりは、
ほんとうに味わい深いですね。銚子ケ口東峰は、アオバトさんのお気に入りのお山なのですね。
杠葉尾から登ると、植林の谷道の最後、自然林となり、ぱぁっと谷が広がり、光溢れ、青空に手が届きそうになり、
感動に包まれます。たどり着いた東峰からは絶景が!

アオバトさんの「銚子ケ口というお山に立つと神崎川流域の山々全てを感じられるような気がする」というお言葉。
そうですね。このお山から繋がっていくもの、このお山に還ってくるものを感じます。
辻涼一さんの『鈴鹿源流』を読み、佐目子谷川と神崎川にはさまれたイブネ、銚子ケ口の山域に、こころ惹かれました。
私が初めて訪れた時は、もはやササの海はなく、辻涼一さんが味わわれた風景とは違いましたが、深く感じるものがありました。
この山域の魅力は尽きないです。

白山北縦走路への旅は、まゆみさんと私の中でこれからも続いていきます。
そう思うだけで、うれしくなります。

アオバトさんも、お仲間とゆたかな旅を続けていかれるのだなぁ、と。
次の週末は、どんな旅を思い描いているのでしょう?


sato
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登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

投稿記事 by sato »

バーチャリさま

こんばんは。
バーチャリさん、パソコンが変わりログイン出来なかったのですね。
最近、お声を聞けなくてさみしいなぁ、と思っておりました。また、バーチャリさんのやさしいお声を聞けますね。うれしいです。

コメントありがとうございます!
友達とのんびりお山を楽しむにはちょっと長いコースかもしれませんが、
まゆみさんは、普段から15㎞以上歩かれている健脚なお方。5月には、法恩寺山、経ヶ岳周回を一緒に楽しみました。
迷いはありませんでした。車が2台あると、いろいろなコースを考えることが出来ますね。
私は、ご存じの通り口下手なのですが(だから書くと長くなるのですね)まゆみさんとは、気持ちに通じ合うものを感じ、自然に話せます。
バーチャリさんとも自然に話せますね。

朝日岳では登山靴でしたが、初めてご一緒した小津権現山で、地下足袋を履かれていたのでびっくりすると、
「昔はみんな地下足袋で歩いていたのよ」と。地下足袋の方が踏ん張りがきくそうです。
「そうかぁ」と思いますが、私の軟な足は嫌がってしまいます。

バーチャリさんも、クラシ谷の左岸尾根を歩かれたことがあるのですね。
上部は見事なシャクナゲ林ですが、ジャングル(ヤブ)ではありませんでした。
お花の季節に、また訪れようとこころに決めました。このあたりの尾根は、シャクナゲが多いですね。
そう、そう、ブナの木立が現れると、何故ほっとするのでしょうね。こころ和む素敵な風景でした。

まゆみさんは、南紀にお住まいで、信州や東北地方のお山にも、おひとりで出かけています。
まゆみさんからは、ほんとうに生きる力をいただいています。
南紀地方の祝いの席や祭事で食べられる郷土料理のサンマ寿司、おいしいですね。
私は、焼きサンマはあまり好きではないのですが、サンマの押し寿司は、わぁ、おいしいと感じます。
南紀で獲れるサンマは、脂が落ちさっぱりしているそうです。

バーチャリさん、私が、スノー衆野々俣谷左岸尾根の前日に、伊吹山に登ったとお話したことを、覚えていてくだったのですね。
そうです。スノー衆の前日に、まゆみさんと伊吹山に登りました。
そして、スノー衆の日、まゆみさんはご友人と銚子ケ口に向かわれていたのでした。

アケボノソウは、私も大好きなお花です。出会うとしあわせな気分になるお花ですね。
白いお花に、ささやかな希望の光を感じました。

あたたかなお言葉ありがとうございます!
山を通して素敵な方々とご縁が出来、お山に、みなさまに、感謝の気持ちでいっぱいです。

sato
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登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【鈴鹿】まゆみさんと鈴鹿の山旅で見た風景

投稿記事 by sato »

宮指路さま

こんばんは。
こちらこそ、私の質問に、ご丁寧なお返事をありがとうございます。
ニフティー山のフォーラムは、山日和さんからお聞きしています。
宮指路さんは、その頃からネットで山のお仲間と繋がっていらっしゃったのですね。
私はというと、11年前まで、パソコン、携帯電話とも縁のない暮らしをしていました。
宮指路岳は、初めて登って一遍に好きになったお山だったのですね。
その時の思い出がぎゅっと詰まったニックネームなのですね。

足の細さは、子供の頃から言われ続けています(冷や汗)
両親共に細いので体質なのでしょうね。
小学1年生から中学3年生の夏までスイミングスクールに通っていました。
その時養われた持久力のおかげで、しんどいといいながらも踏ん張りがきくのでしょうか。

神崎川の渡渉地点を地図で確認しました。ありがとうございます。
靴を脱いで渡らなければならないと分かっている時は、靴下を持っていくのですが、
この日は忘れました。渡渉は苦手です。足の裏が痛くて、水が冷たいと、足が動かなくなってしまいます。

『念願のお金明神登拝道を辿る』どきどき味わわせていただきました。
宮指路さんは『鈴鹿の山と谷』をお読みになり、お金明神登拝道に興味を持たれたのでしょうか。
わりばしさんのコメントへのお返事に、「西尾さんが歩いたコースを辿れば」と書かれていましたので。
三度目の正直で辿ることが出来たのですね。
私は、『鈴鹿の山と谷』と『鈴鹿の山を歩く』に出会い、
鈴鹿の山の、山と人との歴史が折り重なる風景に惹きこまれていきました。
学生の頃から、祈りの道、巡礼道に惹かれ、ゆらゆらと旅してきたりもしていて、
お金明神登拝道も自分の足で歩いて感じたいと思っているのですが、自分の中のタイミングが合わず、今日に至っています。
佐目子谷川は沢靴でと思っていましたが、左岸の巡視路を歩くと長靴で大丈夫なのですね。
宮指路さんのご説明とkitayama-walkさんのGPS軌跡図で、気になっていた拝坂尻は、なんとなくイメージ出来ました。
来春、念願のお金明神登拝道を辿れるかな。希望の光が見えました。
ありがとうございます!

sato
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