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【台高】20221103赤嵓滝谷・乾溜工場を繋ぐ道探し
Posted: 2022年11月04日(金) 17:58
by グー(伊勢山上住人)
昨年の同じ日に赤嵓滝の巻きで偶然に古道に乗った。
「いつの日か辿ってみましょう」
『この道はドコに繋がっているのだろう?』
ナズナさんのいつもの好奇心が口から洩れた。
「第3と第4の乾溜工場を繋いでいた道があったはずだ」
とわりばしさんにけしかけたがちっとも動く気配がない。
「しゃーない。自分で探索してみるか」
ナズナさんを誘って出かけた。
【 日 付 】 令和4年11月3日(祝)
【 山 域 】 台高
【 天 候 】 快晴
【 ルート】 千石林道ゲート7:50---10:30赤嵓滝---11:35滝上の平地12:50
---14:15第3工場---14:40赤嵓滝谷出合---16:35駐車地
【メンバー】 ナズナさん グー
蓮ダムの湖周道路を走っているとキノコ狩りのランクルに追いつかれた。
千石林道のゲート前に車を停めて出発する。
崩落した林道の修復工事の車が入っているので落石は全く無い。
足元を気にする必要も無く、今を盛りの紅葉を愛でながら林道を歩く。
ただ、シャッポ尾根の北面を飾る紅葉に日が当たらない。
カメラを向けても黒い影が写るだけ。紅葉の写真にはならない。
林道終点から赤嵓滝谷への道の倒木帯はひどいままだ。
太い木なのでグーのノコギリではどうにもできない。
赤嵓滝に着いた。
手前の水たまりで恒例のアマゴ掴み。なかなか捕まえられない。
「こちらにも魚がいますよ」ナズナさんが下で呼んでいる。
下の水たまりで痩せたアマゴを掴んで本流に放す。
今日は天気が良すぎる。滝の写真を撮るが、
陽の当っている所はハレーションを起こして絵にならない。
ここの栃の大木の黄葉を初めて見た気がする。
昨年と同じ所まで登り、昨年と同じルートで滝を巻く。
「赤嵓滝の巻きルートは確立しましたね。
谷に下りていた時よりも安全ですね」
滝の上流に復帰した所の砂地にシートを敷いてランチです。
今日もナズナさんの手料理が美味しい。
もう10年以上ナズナさんの手料理をご馳走になっています。
ランチを終え、今日の目的の乾溜工場を繋ぐ道の探索です。
赤嵓滝を巻いてきた道を戻り、その続きを辿ります。
しっかりと道型が残っています。
しかし尾根を回り込み、谷地になると先に進めない。
上を見たり下を見たりして渡れそうな所を探す。
「第3工場は標高で50mほど下ですから上で巻くことは無いです」
少し下がるとまたしっかりと道型が見えてきた。
ナズナさんは『この道はドコに繋がるのだろう?』
にワクワクと燃えて、どんどん進んでいく。
途中で笹ヶ峰へ登るテープ道と交差した。
「前に嵓が見えてきました。ドウ行くのかな?」
ナズナさんが嵓に近づき「ほら」と指をさす。
なんと、上も嵓、下も嵓、その間に砂地のほぼ平らな緩斜面。
嵓の弱点をうまく通って道は続いていたのだった。
標高を下げなくてはいけないが、ナズナさんは水平トラバースを続けている。
「下の方を探ってきます」と下がると、目の前に土管が散乱。
第3工場に到着です。上の方を歩くナズナさんを呼ぶ。
喜平小屋谷右俣の紅葉を見に行ってマッタリしていたら1時間以上かかるだろう。
今日の目的は達成したので下山することにする。
グー・ナズナコンビの下山としては考えられない早い時間での下山です。
午後の傾いたやわらかく暖かい日に照らされた紅葉が美しい。
太陽が西の稜線に隠れシャッポ尾根北面の紅葉をカメラに捉えることが出来る。
「早く下山した品行方正のグー・ナズナコンビへのご褒美ですね」
今回歩いたルートが第3と第4乾溜工場を繋ぐ道と確定は出来ないが、
獣道ではないしっかりした道型が続いていることは確認できた。
しかし「もう一度歩きたい道か?」と聞かれたら「NO」
駐車地から標高差たった500mの山歩きにしっかり疲れました。
グー(伊勢山上住人)
Re: 【台高】20221103赤嵓滝谷・乾溜工場を繋ぐ道探し
Posted: 2022年11月06日(日) 10:03
by わりばし
おはようございます、グーさん。
昨年の同じ日に赤嵓滝の巻きで偶然に古道に乗った。
「いつの日か辿ってみましょう」
『この道はドコに繋がっているのだろう?』
ナズナさんのいつもの好奇心が口から洩れた。
「第3と第4の乾溜工場を繋いでいた道があったはずだ」
とわりばしさんにけしかけたがちっとも動く気配がない。
「しゃーない。自分で探索してみるか」
ナズナさんを誘って出かけた。
お疲れ様です。楽しみは分け合いましょう。
蓮ダムの湖周道路を走っているとキノコ狩りのランクルに追いつかれた。
この日はたくさんナメコが収穫できました。
ナメコはコンパクトに収まる分ズッシリと重いです。
昨年と同じ所まで登り、昨年と同じルートで滝を巻く。
「赤嵓滝の巻きルートは確立しましたね。
谷に下りていた時よりも安全ですね」
ランチを終え、今日の目的の乾溜工場を繋ぐ道の探索です。
赤嵓滝を巻いてきた道を戻り、その続きを辿ります。
しっかりと道型が残っています。
しかし尾根を回り込み、谷地になると先に進めない。
上を見たり下を見たりして渡れそうな所を探す。
「第3工場は標高で50mほど下ですから上で巻くことは無いです」
少し下がるとまたしっかりと道型が見えてきた。
ナズナさんは『この道はドコに繋がるのだろう?』
にワクワクと燃えて、どんどん進んでいく。
途中で笹ヶ峰へ登るテープ道と交差した。
これでつながりましたね。
この道は右岸にある四工場の飯場につながっていたんだと思います。
この飯場には道の石積みは残っていますが、前後の道は落ちています。
「前に嵓が見えてきました。ドウ行くのかな?」
ナズナさんが嵓に近づき「ほら」と指をさす。
なんと、上も嵓、下も嵓、その間に砂地のほぼ平らな緩斜面。
嵓の弱点をうまく通って道は続いていたのだった。
三工場から嵓を通ってテープ道に至るルートは、私も歩いています。
今回歩いたルートが第3と第4乾溜工場を繋ぐ道と確定は出来ないが、
獣道ではないしっかりした道型が続いていることは確認できた。
しかし「もう一度歩きたい道か?」と聞かれたら「NO」
お疲れさまでした。赤嵓滝谷を右岸から越えているんだから三工場と四工場をつなぐ道と考えていいんじゃないですか。
それにしてもよく残っていましたね。
四工場から五工場までにも道跡っぽいのが所々ありますが
谷沿いはほとんど落ちていてつなげようがないですから。
追伸
オジヤンとJAZZCAFEで話をしていての情報です。
摂津林道の摂津はパルプの会社だったそうです。
一工場跡にあった営林署の山林事務所もパルプの材料を搬出していた時代のようです。
千秋社で醤油樽用の杉材を取ろうとしたようですが、温暖な気候で成長が早く目が大きかったようです。
醤油樽用には木目が細かい杉材が必要で、結局は樽材としては出さなかったそうです。
わりばし
Re: 【台高】20221103赤嵓滝谷・乾溜工場を繋ぐ道探し
Posted: 2022年11月07日(月) 19:16
by seiichi
グーさん
こんばんわ、
無知ですいませんが、乾溜工場は初めて聞きました。
山にあるので木に関連すると思いますが、どういう工場なのでしょうか?
seiichi
Re: 【台高】20221103赤嵓滝谷・乾溜工場を繋ぐ道探し
Posted: 2022年11月07日(月) 21:41
by グー(伊勢山上住人)
seiichiさん、こんばんは。
無知ですいませんが、乾溜工場は初めて聞きました。
山にあるので木に関連すると思いますが、どういう工場なのでしょうか?
このヤブコギネットには豊富な資料が保存されています。
時間のある時に興味を引いたレポに目を通されるといいですよ。
下記レポを読んでください。
【台高】三重木材乾留会社とオジヤン
投稿記事 by わりばし » 2019年9月16日(月) 14:48
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=4&t=4318
【台高】乾留工場と刻印白煉瓦
投稿記事 by わりばし » 2021年5月29日(土) 16:33
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=4&t=4682
【台高】蓮乾留第四・第五工場の人や物資は赤嵓滝谷左岸道から来ていた
投稿記事 by わりばし » 2021年6月13日(日) 19:37
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=4&t=4691
Re: 【台高】20221103赤嵓滝谷・乾溜工場を繋ぐ道探し
Posted: 2022年11月07日(月) 22:39
by sato
グーさま
こんばんは。
オフ会では、お話しは出来ませんでしたが、グーさんの大きなお声を聞けてうれしかったです。
駐車場に戻るとグーさんの車がまだあり、どこを歩かれているのかなぁ、と思いました。
上水晶谷を登りきのこ岩からの眺めを楽しまれてきたのですね。
会場にはいつも一番にお着きになって仲間を迎えてくださる、こころやさしきグーさん。
オフ会後にグーさんのお山の時間を味わわれているのですね。
ナズナさんとの道探しの山旅のレポ、楽しみにしておりました!
乾溜工場を繋いでいた道探しの旅にお出かけになられたのですね。
台高の乾溜工場の歴史は、わりばしさんのレポで知りました。
戦時中、日本のあちこちの山中に軍事産業が存在したという事実を、山を歩いていて実感することがありますが、
こんなに険しそうに見える赤嵓滝谷(谷名も怖い)にも戦争の歴史があるのだと、地図を見てびっくりしました。
乾溜工場とは、木材を乾溜(蒸し焼き)して熱分解させ、
無煙火薬の材料のアセトンを得られる木酢液を作る工場のことなのですね。
赤嵓滝谷には、いくつも乾溜工場が存在していたのですね。何故この谷に作られたのだろう。
工場労働者はどこから来た人たちなのだろう。何を思い日々働いていたのだろう・・・。
山が戦争に利用され、人々が身を粉にして働いていたという歴史に思いを巡らせてしまいます。
工場と工場を繋ぐ道は、人が歩く道だったのでしょうか。
嵓と嵓の間の砂地のほぼ平らな緩斜面に道を見つけられたのですね。嵓の弱点をうまく通る道。
私も、地形をうまくなぞる道の造形に、ハッとさせられることが多いです。
道は目的があり、願いがあり、作られたのですよね。
何故、ここに、このような道が作られたのかと思うと胸が熱くなります。
「もう一度歩きたい道か?」と聞かれたら「NO」とお答えになる道だったのですね。
でも、グーさんが道探しの旅にお出かけになり、投稿してくださったおかげで、
台高の乾溜工場の歴史をあらためて知りたくなりました。
そう、乾溜工場の跡地は、千秋社が買い取ったのですね。
千秋社と台高のお山の結びつきもわりばしさんから教えていただきました。
醤油樽用の杉材の調達のためだったのですね。昨年実家に帰った時、千秋社の建物を見に行きました。
関心のなかった野田の歴史にも興味が湧きました。
(10代の頃、野田に住んでいた時は、野田から離れたいと思っていました)
グーさんとナズナさんとの山歩きは10年以上にもなるのですね。
ひとりの山歩きも楽しいですが、気持ちが通じるお仲間との山歩きも楽しいですよね。
お山に出かけられるということ、仲間とよろこびを分かち合えるということは、
ほんとうにありがたいことなのだなぁ、恵まれていることなのだなぁ、と、増々感じるこの頃です。
今、グーさん、わりばしさんのレポを紹介してくださっているのに気づきました。
読み返したいと思っていましたが、いつ頃投稿されたのか覚えていませんでした。
ありがとうございます。
ゆっくり読ませていただきます。
sato