【和泉山脈】金剛山の沢2題
Posted: 2022年8月24日(水) 22:22
【日 付】2022年8月15日(日)・18日(木)
【山 域】金剛山周辺
【天 候】晴れのち雨のち晴れ・曇りのち晴れ
【コース】8/15 石筆橋8:50---9:05入渓点---9:25丸滝谷出合---11:35尾根12:40---13:10金剛山頂13:30---
14:00太尾塞跡---15:10石筆橋
8/18 石筆橋12:15---12:50丸滝谷出合---13:15ランチ場13:45---14:55尾根(中尾の背分岐)15:15
---15:45丸滝谷出合---16:10石筆橋
盆休み寸前、あろうことか新型コロナに感染してしまった。娘一家と息子一家が帰ってくるので自宅療養
もできない。施設に移って無住となった母親の家に自主隔離となった。
幸い症状は軽く、発熱したのも2日のみ。ピンピンしているのに家にいるほどしんどいことはない。
落ち着いたところで検査をしてみると陰性と出た。念のため、人と接触しないように注意して山へでかけよう。
大阪府民なのに、大阪府の谷はほとんど登ったことがない。もちろん沢登りの対象になる谷が少ないという
ことが主因なのだが、植林が多いことが足を向かせない大きな要因でもある。
遠出できない盆休みに、大昔から気になっていながら足の向かなかった谷を訪れてみた。
石ブテ谷にかかる橋には「石筆橋」と書かれている。素直に読めば石フデ谷だろうが、「フ」の方に濁点が
あるのはどういう由来だろうか。
この谷は金剛山では数少ない沢登りの対象となる谷である。中流で東谷と西谷に分かれ、東谷はさらに丸滝
谷を分岐している。この丸滝谷と石ブテ東谷本流を、日を変えて遡行してみた。
水越峠への旧道は登山者の路駐で鈴なりだった。このクソ暑いのにご苦労なことである。
急こう配の林道に息を切らせて進むと大堰堤があり、ダム湖の奥で西谷と東谷の二俣となっている。
道は自然に東谷の方へ入って行く。林道が終わってすぐに入渓するが、しょぼい流れはあまり期待を抱かせない。
この谷は破線路の登山道にもなっていて、谷沿いに明瞭な道が付けられている。
少し進むと花崗岩のナメ床が連続して現れ、これはという気分にさせてくれた。
不思議なもので、最初はチョロチョロだった流れが進むに従って谷の広がりとともに水量を増してきた。目
の前に現れた2段滝はなかなか見栄えも良く、完全に沢モード突入である。
ほとんどの滝は傾斜も緩く、花崗岩のフリクションは抜群なので直登可能だ。花崗岩の谷特有の明るさと相
まって、初めて沢登りを経験するにはうってつけの谷と言えるだろう。
東谷本流にかかる5m滝を横目に丸滝谷に入る。
次の二俣を右と何回も心の中で唱えながら左へ入ってしまった。こちらもそれなりの谷だったが、気付いて引
き返す。
最後に上の丸滝と呼ばれる大滝と対面するのだが、ほとんど水が流れておらず、スラブ状の岩盤の上に砂が
積もってお世辞にも美しいとは言えない姿だった。増水時にくればなかなかのものだろう。
丸滝谷最大の滝は20mほどの高さを持っているが、階段状の足場があり傾斜もさほど強くないので快適に直登
できる。
源頭部はアリ地獄と呼ばれているらしいザレた溝状の登りが続く。登山道らしくトラロープがフィックスさ
れているのがありがたい。尾根に飛び出したところでランチタイムとする。
ここからは植林一辺倒となり、自分の好みとは真反対の林相が続く。別に人の多いのがわかっている山頂へ
行かなくてもいいのだが、トレーニング代わりに歩くとしよう。
何度も来ている金剛山だが、無雪期に訪れるのは30年振りぐらいだろうか。いろんな人工物だらけの山上は
街中とあまり変わらない。外国人連れでブラトップ1枚で歩いている若い女性までいる。自分がここにいるの
がそぐわない感じである。
今日は不安定な空模様で、山頂への道中でもザーッと雨が降ってきたのだが、やがて青空に変わった。
さあそろそろ下山しようかというところで再び雨が落ち出した。そのうち止むだろうと思っていたら本降りに
なってきた。雨具を着ると暑いのでそのまま歩く。ずっと樹林の中でまともに雨が降り注がないのが救いだ。
そうこうしているうちに雨も止み、また薄日が差してきた。それにしても面白みのカケラもない登山道であ
る。ずっと同じような杉林の中を登山口に帰着。スタート時のような真夏の日差しが戻っていた。
日を改めて今度は石ブテ東谷本流を歩く。突然思い立ったので、昼からのスタートになってしまった。
盆明けの平日とあって車の影はほとんどない。
丸滝谷の出合までは前回同様だが、勝手が分かっている分ペースは早い。
東谷出合の5m滝は右岸の登山道から巻く。丸滝谷同様、こちらも破線路の登山道となっているのだ。
こちらの谷もほとんどの滝は直登可能で楽しく登って行ける。ナメ床が多いのもプラスポイントである。
腹が減ったので適当なところでランチタイムとした。谷間は今日も涼しい。夕方に用事があるので早めに
切り上げたせいで、飲酒運転の遡行となって足元が覚束ない。というのは冗談だが、やはりランチタイムは
ゆっくり取りたいものである。
最後のスラブ状大滝は一瞬度肝を抜かれるが、ホールド・スタンスは豊富で問題なく登ることができる。
但し高度感はなかなかのものだ。登山道の証に滝のど真ん中にロープがぶら下がっているのにも度肝を抜か
れるが。
水が切れてからも岩盤が続き、詰めは丸滝谷より楽しいかもしれない。
尾根に出たところから100mほど水平移動すれば3日前のランチ場だった。
今日は中尾の背と呼ばれる丸滝谷と石ブテ東谷の中間尾根を下ることにする。
この尾根が意外に拾い物で、終始ヤセ尾根続きの右側は植林だが、左の丸滝谷側は自然林の明るい尾根だった。
変化もあってなかなか楽しい。
下山路も含めたトータルの充実度から言えば、今日のコースに軍配が上がるだろう。
30分ばかりで二俣に着地。あとは登山道を拾って谷を下るだけだ。
山日和
【山 域】金剛山周辺
【天 候】晴れのち雨のち晴れ・曇りのち晴れ
【コース】8/15 石筆橋8:50---9:05入渓点---9:25丸滝谷出合---11:35尾根12:40---13:10金剛山頂13:30---
14:00太尾塞跡---15:10石筆橋
8/18 石筆橋12:15---12:50丸滝谷出合---13:15ランチ場13:45---14:55尾根(中尾の背分岐)15:15
---15:45丸滝谷出合---16:10石筆橋
盆休み寸前、あろうことか新型コロナに感染してしまった。娘一家と息子一家が帰ってくるので自宅療養
もできない。施設に移って無住となった母親の家に自主隔離となった。
幸い症状は軽く、発熱したのも2日のみ。ピンピンしているのに家にいるほどしんどいことはない。
落ち着いたところで検査をしてみると陰性と出た。念のため、人と接触しないように注意して山へでかけよう。
大阪府民なのに、大阪府の谷はほとんど登ったことがない。もちろん沢登りの対象になる谷が少ないという
ことが主因なのだが、植林が多いことが足を向かせない大きな要因でもある。
遠出できない盆休みに、大昔から気になっていながら足の向かなかった谷を訪れてみた。
石ブテ谷にかかる橋には「石筆橋」と書かれている。素直に読めば石フデ谷だろうが、「フ」の方に濁点が
あるのはどういう由来だろうか。
この谷は金剛山では数少ない沢登りの対象となる谷である。中流で東谷と西谷に分かれ、東谷はさらに丸滝
谷を分岐している。この丸滝谷と石ブテ東谷本流を、日を変えて遡行してみた。
水越峠への旧道は登山者の路駐で鈴なりだった。このクソ暑いのにご苦労なことである。
急こう配の林道に息を切らせて進むと大堰堤があり、ダム湖の奥で西谷と東谷の二俣となっている。
道は自然に東谷の方へ入って行く。林道が終わってすぐに入渓するが、しょぼい流れはあまり期待を抱かせない。
この谷は破線路の登山道にもなっていて、谷沿いに明瞭な道が付けられている。
少し進むと花崗岩のナメ床が連続して現れ、これはという気分にさせてくれた。
不思議なもので、最初はチョロチョロだった流れが進むに従って谷の広がりとともに水量を増してきた。目
の前に現れた2段滝はなかなか見栄えも良く、完全に沢モード突入である。
ほとんどの滝は傾斜も緩く、花崗岩のフリクションは抜群なので直登可能だ。花崗岩の谷特有の明るさと相
まって、初めて沢登りを経験するにはうってつけの谷と言えるだろう。
東谷本流にかかる5m滝を横目に丸滝谷に入る。
次の二俣を右と何回も心の中で唱えながら左へ入ってしまった。こちらもそれなりの谷だったが、気付いて引
き返す。
最後に上の丸滝と呼ばれる大滝と対面するのだが、ほとんど水が流れておらず、スラブ状の岩盤の上に砂が
積もってお世辞にも美しいとは言えない姿だった。増水時にくればなかなかのものだろう。
丸滝谷最大の滝は20mほどの高さを持っているが、階段状の足場があり傾斜もさほど強くないので快適に直登
できる。
源頭部はアリ地獄と呼ばれているらしいザレた溝状の登りが続く。登山道らしくトラロープがフィックスさ
れているのがありがたい。尾根に飛び出したところでランチタイムとする。
ここからは植林一辺倒となり、自分の好みとは真反対の林相が続く。別に人の多いのがわかっている山頂へ
行かなくてもいいのだが、トレーニング代わりに歩くとしよう。
何度も来ている金剛山だが、無雪期に訪れるのは30年振りぐらいだろうか。いろんな人工物だらけの山上は
街中とあまり変わらない。外国人連れでブラトップ1枚で歩いている若い女性までいる。自分がここにいるの
がそぐわない感じである。
今日は不安定な空模様で、山頂への道中でもザーッと雨が降ってきたのだが、やがて青空に変わった。
さあそろそろ下山しようかというところで再び雨が落ち出した。そのうち止むだろうと思っていたら本降りに
なってきた。雨具を着ると暑いのでそのまま歩く。ずっと樹林の中でまともに雨が降り注がないのが救いだ。
そうこうしているうちに雨も止み、また薄日が差してきた。それにしても面白みのカケラもない登山道であ
る。ずっと同じような杉林の中を登山口に帰着。スタート時のような真夏の日差しが戻っていた。
日を改めて今度は石ブテ東谷本流を歩く。突然思い立ったので、昼からのスタートになってしまった。
盆明けの平日とあって車の影はほとんどない。
丸滝谷の出合までは前回同様だが、勝手が分かっている分ペースは早い。
東谷出合の5m滝は右岸の登山道から巻く。丸滝谷同様、こちらも破線路の登山道となっているのだ。
こちらの谷もほとんどの滝は直登可能で楽しく登って行ける。ナメ床が多いのもプラスポイントである。
腹が減ったので適当なところでランチタイムとした。谷間は今日も涼しい。夕方に用事があるので早めに
切り上げたせいで、飲酒運転の遡行となって足元が覚束ない。というのは冗談だが、やはりランチタイムは
ゆっくり取りたいものである。
最後のスラブ状大滝は一瞬度肝を抜かれるが、ホールド・スタンスは豊富で問題なく登ることができる。
但し高度感はなかなかのものだ。登山道の証に滝のど真ん中にロープがぶら下がっているのにも度肝を抜か
れるが。
水が切れてからも岩盤が続き、詰めは丸滝谷より楽しいかもしれない。
尾根に出たところから100mほど水平移動すれば3日前のランチ場だった。
今日は中尾の背と呼ばれる丸滝谷と石ブテ東谷の中間尾根を下ることにする。
この尾根が意外に拾い物で、終始ヤセ尾根続きの右側は植林だが、左の丸滝谷側は自然林の明るい尾根だった。
変化もあってなかなか楽しい。
下山路も含めたトータルの充実度から言えば、今日のコースに軍配が上がるだろう。
30分ばかりで二俣に着地。あとは登山道を拾って谷を下るだけだ。
山日和