【若狭/横谷川ナラノ谷】涼しいはずが高巻き、ヤブ尾根巡って闇下の沢行脚

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biwaco
記事: 1422
登録日時: 2011年2月22日(火) 16:56
お住まい: 滋賀県近江八幡市

【若狭/横谷川ナラノ谷】涼しいはずが高巻き、ヤブ尾根巡って闇下の沢行脚

投稿記事 by biwaco »

【日付】2022年7月30日(土)
【山域】野坂山地/横谷川ナラノ谷
【ルート】新庄-横谷川-ナラノ谷-支尾根(小回り撤退)
【天候】晴れ
【メンバー】kitayama-walk、びわ爺(後半単独)
【コースタイム】駐車地9:10-ナラノ谷分岐9:50-アルミ橋10:25-高巻き13:20-支尾根15:20-撤退16:05ー送電鉄塔16:35-沢16:50-アルミ橋18:55-大堰堤19:20-駐車地19:50


 山のお誘いが来た。kitayama-walkさんだ。山というより沢歩き。暑い夏の低山は尾根より水の中を歩く方がカラダにはいい。しかし、先日の山から5日目。まだ体力回復途上なのだ。しかも、沢を詰めようとして足や体力の限界を感じて尾根に逃げたばかり。まったく自信はない。
でも、kitaさんが一緒ならなんとかなるだろう…などと身勝手な思いが勝って、同行させてもらうことに。横谷川からナラノ谷を周回するルート。草川啓三さんのガイド本に出ている。そんなに大きな滝もなく、難所は少なそうだ。これなら大丈夫か…。
ナラノ谷分岐
ナラノ谷分岐
ゴルジュ帯へ
ゴルジュ帯へ
 新庄から横谷川に入り、甲森谷へ行くときと同じ水道施設の空地に駐車。さらに林道を歩いて大堰堤の先にナラノ谷の分岐。平流を行くとすぐゴルジュ帯になり、小さな滝や大岩ゴロゴロを越えて行く。目の前に立ち塞がった岩壁に「これは…!?」と立ち止まるが、なんとか逃げ道があった。
予定ではここへ下ってくるはずのアルミ橋
予定ではここへ下ってくるはずのアルミ橋
 谷が大きくカーブしたあたりで滝を高巻きし過ぎてしまう。手掛かりが少ない斜面のトラバースが嫌。「ええい、このまま稜線に出て回り込もう」と木の枝を掴んで這い上がる。これが失敗のもとだった。傾斜はきつく、沢タビは踏ん張りが利かない。もともと頼りない体力は一気に疲弊していく。
アセビのバリアが…
アセビのバリアが…
 一休みして滑り止めのチェーンスパイクを装着。これで少しは安心できそうだ。ほうほうの態で支尾根に登りついたが、なんと高巻きし始めて2時間近くかかっている! やはり登山路らしきものはなく、アセビの海が広がる。隙間を縫うように進むが倒木や雑木の援軍を得たヤブ尾根は、か弱い徘徊老人の進軍を許してくれない。
 再び小休止。GPSで確認しながら考え直してみる。ヤブ尾根は登りより下る方が体力を使わない。予定ルートへの復帰はとても無理だろう。逆に尾根をUターンして送電鉄塔まで下れば別の巡視路があるんでは?
送電鉄塔
送電鉄塔
 その判断は正解で、30分ほどで鉄塔に。さらに標高差50mほどで沢に降り立つ。高巻きを始めた地点より少し下流だ。体力は消耗しているが、あとは一度来た沢筋を下るだけで道迷いの心配はない。

 それにしても長いなあ(ーー;) こんなところで足を滑らせたら「お泊り」沙汰になってしまう。気は焦るが慎重に慎重を重ね、足を運ぶ。
 夕刻が迫り、辺りが薄暗くなってきた。早めにヘッデンを準備し、闇下に備える。kitaさんはどうしたかな? 当初予定ルートの合流点であるアルミ橋にも姿はない。そりゃそうだろう。待っててくれるとしたら駐車地点だろう。
やっと合流点の大堰堤。もう闇の中だ
やっと合流点の大堰堤。もう闇の中だ
 ゴルジュ地帯の岩場を慎重に下り、平流になると横谷川との合流点だ。大堰堤から左岸の林道へ移るともう安心だ。惰性と重力に任せて下っていくと、ヘッデンの明かりの先に主人の帰りを待つ愛車がぼんやりと映し出された。

 この後もいろいろトラブルはあったのだが、Kitayamaさんとも無事に合流でき、国道沿いの中華料理店で空腹を癒す。温泉入浴の時間が無くなってしまったのは申し訳なかったが、無事生還ということでお赦し願う。
           ~びわ爺
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【若狭/横谷川ナラノ谷】涼しいはずが高巻き、ヤブ尾根巡って闇下の沢行脚

投稿記事 by 山日和 »

biwacoさん、こんばんは。
ちょっと厳しいことを書きます。
今回のレポに限った話ではなく、biwacoさんを見てるとどう贔屓目に見ても遭難予備軍にしか見えません。
オフ会で会った時の姿を考えると、一般登山道を歩く以外の選択肢はないように思えます。
あまりにも行き当たりばったり過ぎて、無事帰って来れたのは単なるラッキーの積み重ねとしか思えません。
希望的観測や楽観視を捨てて、今の自分の体力、実力に見合った山・コースを選ぶべきです。

それからパーティーを分離したことも絶対にやってはいけないことです。
biwacoさんから提案したんでしょうが、それを許諾したkitayama-walkさんも無責任極まりないと思います。
何のためにパーティーを組んでいるのか理解できません。
私なら共に行動し、たとえ目的を達せられなくても一緒に下山します。パートナーがbiwacoさんならなおさらです。
縁起でもないと思われるかもしれませんが、もうやぶこぎに悲しいお知らせをアップしたくありません。
自分の山登りを見直して下さい。私の切なるお願いです。

                山日和
biwaco
記事: 1422
登録日時: 2011年2月22日(火) 16:56
お住まい: 滋賀県近江八幡市

Re: 【若狭/横谷川ナラノ谷】涼しいはずが高巻き、ヤブ尾根巡って闇下の沢行脚

投稿記事 by biwaco »

 山日和さん、こんにちは。
 率直な諌言、ありがとうございます。いつもながら、ご心配かけて申し訳ありません。<m(__)m>
 数年前からの不整脈、昨年からの厄介な病気と、いよいよ私の山人生もエンディングが近づいたか?と覚悟はしながら、どこまでなら大丈夫…?と確かめたくなる思いを断ち切れず、自分なりの判断、対応策にもとづいて、辺りをうろついております。
 ま、元来の臆病者ですので、ヤバイ所には足も頭も突っ込めないのですが、この体では普通は問題ないところも危険地帯・ルートになってしまいますね。そこのワキマエが必要なんでしょう。
 今回は、記事(誇張!)ほどヤバイことはなかったのですが、闇下になったことひとつ見てもアウト!でしょうね。反省(>_<)
 あと、パーティーの在り方はご指摘の通りでしょう。脚力の違いのせいにしないで、今後に活かしたいと思います。
 貴重な時間を割いての心遣いに感謝します。

            ~山の日を前に、びわ爺
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【若狭/横谷川ナラノ谷】涼しいはずが高巻き、ヤブ尾根巡って闇下の沢行脚

投稿記事 by sato »

びわ爺さま

こんばんは。
猛烈な暑さが続いていますね。ぐったりの日々ですが、
今日は、仕事で堅田に出かけた帰り、猛暑の夏の光あふれるうつくしい近江の風景に出会え、どきどきしました。
空が、雲が、山が、うみが、ぎらぎらの夏を謳歌していました。煌めくうみを見つめる近江の山やまの青さが目にしみました。
びわ爺さんの暮らす近江八幡のお山は、ひと際青く輝いていました。

びわ爺さん、ナラノ谷にお出かけになられたのですね。そして、思いもがけない事態に陥ってしまわれたのですね。
びっくりしました。一昨年、お二人の予定のコースを訪れましたので、谷の雰囲気が甦ってきました。
驚きの連続でしたが、お怪我されずよかった、と先ず思いました。
読ませていただきながら、いろいろなことを感じました。
ふやけきった頭で、まとまらず、言葉足らずになってしまいますが、私自身への言い聞かせ、確認の意味もあり、お話しさせてください。

これだけ暑いと低山の尾根歩きはきついですよね。沢登りを味わわれてきたびわ爺さん、お水が恋しくなられるお気持ち分かります。
何度もお山を共にしてきたお仲間からのお誘い、本を読んでも難所は少なそう・・大丈夫だろう、前向きになられるお気持ちも。
ふっと思ったのですが、本を参考とした場合、「難所は無し」と書かれていても、それは、すべての人にとって、ではないですよね。
読者ひとりひとり体力も技術力も判断力も恐怖感も異なる。すべての人がスイスイ進めると捉えてはいけないなぁ、と。
そして、ひとりの人間の体力、技術、判断力、恐怖感も時間と共に変わっていく。
以前はなんとも思わなかった所が、今は難所となっているかもしれない。
誰かとわたし、そして、あの時のわたしと今のわたしは、同じではない。
お山を計画する時、お山に向かう時、今あるわたしの状態を冷静に捉えることの大切さをあらためて思いました。

闇下への一歩となってしまった滝の大高巻き。
ここでお二人はお別れになってしまったのでしょうか。お別れしようと決めたのでしょうか。
足手まといになってしまうのでは、と感じると、申し訳ない気持ちになってしまいますよね。
私も、思うように歩けないと感じた時、同行者に対して申し訳ない気持ちになります。
お二人とも、長年おひとりで山を歩かれてきた方。
お互い自分のペースで歩く方がいいかな、と思われたのでしょうか。
私も夫と山を歩く時は、ペースの速い夫に先に行ってもらったりするので、自分のことは棚に上げて、なのですが、
お仲間と一緒に出かけた時は、途中でお別れしてはいけないと思います。
山ではいつどこで何が起こるか分からない。谷などのバリエーションといわれるルートは、登山道以上に危険が伴います。
仲間とはぐれ起きてしまった遭難事故ニュースを聞く度、なんとも言えない気持ちになります。

滝の高巻きは、怖いなぁ、嫌だなぁ、と思うと、上へ上へと登っていってしまいがちですよね。
びわ爺さんは、この時点で稜線までいってしまおう、と思われたのですね。
途中で落ち着いてお考えになり、やめられてよかったですね。もし、頑張っていたら・・・。
もう少し、もう少しが、遭難に繋がってしまうことも。

パーティー登山の在り方についてもあらためて考えさせられました。
メンバーは、最低、お互いの力量、性格を知っていなければならない、きちんと話せる間柄でなくてはならない、と思いました。

趣向が合い、感動を分かち合える仲間との山登りは、楽しいですよね。
あぁ、いい山登りだった、と、思えるよう、自立し、状況に応じて柔軟に支えあえる登山者でありたいです。

山の日の今日、お山には行けませんでしたが、わたしの暮らす近江のうつくしい真夏の風景に出会うことが出来、
安全登山を思うことが出来ました。

sato
biwaco
記事: 1422
登録日時: 2011年2月22日(火) 16:56
お住まい: 滋賀県近江八幡市

Re: 【若狭/横谷川ナラノ谷】涼しいはずが高巻き、ヤブ尾根巡って闇下の沢行脚

投稿記事 by biwaco »

 satoさん、こんにちは。
 お恥ずかしいレポに返信ありがとうございます。<m(__)m>
 この夏、お天気もイマイチ安定しないまま夏が終わろうとしています。身体の調子や不順な天候を考えると、涼しいアルプスにも出かける気力が湧いて来ず、近くの低山で我慢しております。
 うれしいお誘いに二つ返事で同行を決め、いそいそと出かけたのは良かったのですが、そんな時に限ってとんだアクシデントが待っているものですね(>_<)

>びっくりしました。一昨年、お二人の予定のコースを訪れましたので、谷の雰囲気が甦ってきました。
驚きの連続でしたが、お怪我されずよかった、と先ず思いました。


 kitayamaさんから草川本の該当ページを送ってもらい、他のレポとあわせて、いちおうルートの様子を頭に入れておきました。
 でも、現場に身を置かないと分からないことだらけなのは当然です。想定外の事態を前にしたときの判断が問われます。
ここ、わかりますね!モデルは違いますが(^_-)
ここ、わかりますね!モデルは違いますが(^_-)

>足手まといになってしまうのでは、と感じると、申し訳ない気持ちになってしまいますよね。
>お二人とも、長年おひとりで山を歩かれてきた方。お互い自分のペースで歩く方がいいかな、と思われたのでしょうか。


 そうなんです。が、それが中途半端な行動に繋がるんでしょうね。「申し訳ない」と思いながら「心強さ」に凭れてしまう。同行していても「単独行のつもりで」と合理化してしまう。
 --そのあたりが曖昧なままなのがいけないんだと思います。

>この時点で稜線までいってしまおう、と思われたのですね。
途中で落ち着いてお考えになり、やめられてよかったですね。


 さすがに回り込むのは無理だと判断し、登ってきた沢に復帰する早道を考えました。これは正解だったと思います。そのまま稜線へ向かっていたら闇下どころか「お泊り」必至だったと思います。(>_<)

>パーティー登山の在り方についてもあらためて考えさせられました。
>趣向が合い、感動を分かち合える仲間との山登りは、楽しいですよね。あぁ、いい山登りだった、と、思えるよう、自立し、状況に応じて柔軟に支えあえる登山者でありたいです。


 その通りですね。これまで、ヤブコギメンバーをはじめ、多くの方々に山をご一緒させてもらいました。年齢とともにその条件は狭められていきますが、これからも可能な形で楽しめたら、と願っています。
 「山の日」は懲りずに大御影山から若狭湾や奥琵琶湖の風景を眺めてきました。「地に足つけて」と言いますが、しっかり大地を踏みしめて歩く心地良さを改めて実感してきました。

        ~びわ爺
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