【若丹国境】知見谷川大鷲谷から八ヶ峰、奥ヶ追山へ
Posted: 2022年5月26日(木) 23:19
【日 付】2022年5月22日(日)
【山 域】若丹国境 八ヶ峰周辺
【天 候】晴れ
【コース】知井坂登山口8:05---8:15大鷲谷出合---8:55林道終点---9:00大滝下---9:45大滝上---11:00八ヶ峰---
11:35 P691先ランチ場13:00---13:15 P708---14:00 P675 14:25---15:00奥ヶ追山---16:10駐車地
若丹国境の八ヶ峰を源とする無名の谷を遡行した。いや、正確に言えば大鷲(オワシ)谷という名前があるので無名で
はなく、ほとんど知られていないと言うべきか。
南丹市の知見集落にある知井坂の登山口がスタート地点である。若狭の小浜へ抜ける知井坂の道は、いかにも峠越えの
古道といった佇まいが好ましい、いい登山道である。
今日は知井坂へは向かわず、八原谷沿いの林道を進み、最初に左から入る支流が目的の大鷲谷だ。
当然ながらスギの植林の中を流れる谷だが、岩盤がよく発達しているのか谷床はナメが続いて美しい流れを見せる。
岩が黒いのでやや暗いイメージなのに加えて、この谷の岩は実によく滑る。ラバーソールの渓流シューズならイチコロ
だろう。
トチやカツラの巨木を愛でながらナメを歩いていると、ちょっとした連瀑帯にさしかかった。このあたりまで来ると
自然林に変わってなかなかいい雰囲気である。なんせあまりにもツルツルなので、積極的に直登しようという気が起こ
らないのが玉にキズである。
そうこうしている内に、左岸側から林道が近付いてきた。地形図には載っていない林道だ。
谷の中ももっさりした雰囲気になり、そのまま進む気にもならず林道へ上がる。
少し進むとすぐに林道終点となった。
気を取り直して再び遡行を開始。少し進むと谷は持ち直して小滝が連続するようになる。
すると前方のはるか高みから落ちる水流が見えた。何段かに分かれているようだが、かなり大きな滝である。
数えてみると4段で30m以上はあるだろうか。1・2段目をまとめて右岸から巻き上がり、3段目の下に立つ。
3段目は登れなくはなさそうだが、その上の様子が分からない。
4段目が登れず詰まってしまうとクライムダウンも厳しそうなので、安全策で右岸からの巻きを選択した。
下から見ると楽に巻き上がれそうに見えたのだが、これがなかなかの難物だった。
わずかに地表に出ている木の根を掘り出すようにしてホールドにしながらトラバース気味に高度を上げる。
なかなか落ち口方向へ寄れずに、かなり追い上げられてしまった。
なんとかロープを出さずに谷に復帰したが、先週のトラバースよりも冷や汗をかいてしまった。結局この滝の通過
で45分も消費してしまったことになる。
その後も小滝やナメが現れるが、水量が乏しいこともあって期待したほどの渓相ではなかった。まあ、期待し過ぎ
と言われればそれまでだが。
最後は気持ちのいい自然林のグリーンシャワーの中を若丹国境稜線に飛び出し、一投足で八ヶ峰の山頂に到着。
八つの国を見渡せるというのが名前の由来の山頂だが、伐採地の中にマツだけが残っている不愛想な場所で、自分の
好みではない。とりあえず一つ山頂を踏んでおこうというだけだ。
快適なランチ場所を探しながら五波峠への尾根道を進む。最初は雑木林の尾根だが、徐々にブナが増えてきて、ど
こでも落ち着いてメシが食えそうだ。
干上がりかけた小さな池のある鞍部でザックを降ろした。周りの樹林の雰囲気も良く、涼しい風がそよそよと吹き
抜ける。さっき2組のパーティーとすれ違ったが、いずれも山頂でランチタイムとしているのだろう。
ブナの木にもたれかかって、よく冷えたビールをあおる。登っている時にはあまり食欲が湧かなかったが、戻って
きたようだ。
食後は708m標高点の小台地まで国境稜線を進んで、そこから南西への尾根に入った。ずっと自然林が続き、登山道
レベルの踏み跡がある快適な尾根歩きだ。
特に675m標高点の先には若いながらも美しいブナ林が続いて楽しいところである。
ちょっと酔いが残っているのか、途中でシートを敷いて寝っ転がった。今日は下界ではかなり暑くなるらしいが、
ずっと樹林の下の日陰を歩いていると暑さ知らずだ。
702.2mの三角点知見は奥ヶ追山という名前が付けられている。山頂らしさのない平坦な広場だが、爽やかな自然林
に包まれたいい場所である。
明瞭な踏み跡はここからさらに南西へ向かい、由良川本流と知見谷川の分岐となる中の集落へ続いているようだ。
それを辿ると駐車地からは遥か遠くに下りてしまうので、北の尾根に入った。踏み跡ぐらいはあるだろうと、駐車地
まで1時間足らずで下れるという読みだったが、見事に外れてしまった。
そこはかとなく踏み跡があるところもあったが、ユズリハのヤブで進むべき方向が遮られている。
566m標高点の付近では地形も複雑で、GPSとにらめっこしながらの前進である。
尾根の末端方向はヤブがきつそうなので、右手に現れた植林にこれ幸いと急斜面を駆け下りた。
思い描いていた谷とはちょっと違ったが、全体的に見ればそれなりに面白かった一日と言えるだろう。
年齢を重ねて満足感の沸点が下がって来たのかもしれないが。
山日和
【山 域】若丹国境 八ヶ峰周辺
【天 候】晴れ
【コース】知井坂登山口8:05---8:15大鷲谷出合---8:55林道終点---9:00大滝下---9:45大滝上---11:00八ヶ峰---
11:35 P691先ランチ場13:00---13:15 P708---14:00 P675 14:25---15:00奥ヶ追山---16:10駐車地
若丹国境の八ヶ峰を源とする無名の谷を遡行した。いや、正確に言えば大鷲(オワシ)谷という名前があるので無名で
はなく、ほとんど知られていないと言うべきか。
南丹市の知見集落にある知井坂の登山口がスタート地点である。若狭の小浜へ抜ける知井坂の道は、いかにも峠越えの
古道といった佇まいが好ましい、いい登山道である。
今日は知井坂へは向かわず、八原谷沿いの林道を進み、最初に左から入る支流が目的の大鷲谷だ。
当然ながらスギの植林の中を流れる谷だが、岩盤がよく発達しているのか谷床はナメが続いて美しい流れを見せる。
岩が黒いのでやや暗いイメージなのに加えて、この谷の岩は実によく滑る。ラバーソールの渓流シューズならイチコロ
だろう。
トチやカツラの巨木を愛でながらナメを歩いていると、ちょっとした連瀑帯にさしかかった。このあたりまで来ると
自然林に変わってなかなかいい雰囲気である。なんせあまりにもツルツルなので、積極的に直登しようという気が起こ
らないのが玉にキズである。
そうこうしている内に、左岸側から林道が近付いてきた。地形図には載っていない林道だ。
谷の中ももっさりした雰囲気になり、そのまま進む気にもならず林道へ上がる。
少し進むとすぐに林道終点となった。
気を取り直して再び遡行を開始。少し進むと谷は持ち直して小滝が連続するようになる。
すると前方のはるか高みから落ちる水流が見えた。何段かに分かれているようだが、かなり大きな滝である。
数えてみると4段で30m以上はあるだろうか。1・2段目をまとめて右岸から巻き上がり、3段目の下に立つ。
3段目は登れなくはなさそうだが、その上の様子が分からない。
4段目が登れず詰まってしまうとクライムダウンも厳しそうなので、安全策で右岸からの巻きを選択した。
下から見ると楽に巻き上がれそうに見えたのだが、これがなかなかの難物だった。
わずかに地表に出ている木の根を掘り出すようにしてホールドにしながらトラバース気味に高度を上げる。
なかなか落ち口方向へ寄れずに、かなり追い上げられてしまった。
なんとかロープを出さずに谷に復帰したが、先週のトラバースよりも冷や汗をかいてしまった。結局この滝の通過
で45分も消費してしまったことになる。
その後も小滝やナメが現れるが、水量が乏しいこともあって期待したほどの渓相ではなかった。まあ、期待し過ぎ
と言われればそれまでだが。
最後は気持ちのいい自然林のグリーンシャワーの中を若丹国境稜線に飛び出し、一投足で八ヶ峰の山頂に到着。
八つの国を見渡せるというのが名前の由来の山頂だが、伐採地の中にマツだけが残っている不愛想な場所で、自分の
好みではない。とりあえず一つ山頂を踏んでおこうというだけだ。
快適なランチ場所を探しながら五波峠への尾根道を進む。最初は雑木林の尾根だが、徐々にブナが増えてきて、ど
こでも落ち着いてメシが食えそうだ。
干上がりかけた小さな池のある鞍部でザックを降ろした。周りの樹林の雰囲気も良く、涼しい風がそよそよと吹き
抜ける。さっき2組のパーティーとすれ違ったが、いずれも山頂でランチタイムとしているのだろう。
ブナの木にもたれかかって、よく冷えたビールをあおる。登っている時にはあまり食欲が湧かなかったが、戻って
きたようだ。
食後は708m標高点の小台地まで国境稜線を進んで、そこから南西への尾根に入った。ずっと自然林が続き、登山道
レベルの踏み跡がある快適な尾根歩きだ。
特に675m標高点の先には若いながらも美しいブナ林が続いて楽しいところである。
ちょっと酔いが残っているのか、途中でシートを敷いて寝っ転がった。今日は下界ではかなり暑くなるらしいが、
ずっと樹林の下の日陰を歩いていると暑さ知らずだ。
702.2mの三角点知見は奥ヶ追山という名前が付けられている。山頂らしさのない平坦な広場だが、爽やかな自然林
に包まれたいい場所である。
明瞭な踏み跡はここからさらに南西へ向かい、由良川本流と知見谷川の分岐となる中の集落へ続いているようだ。
それを辿ると駐車地からは遥か遠くに下りてしまうので、北の尾根に入った。踏み跡ぐらいはあるだろうと、駐車地
まで1時間足らずで下れるという読みだったが、見事に外れてしまった。
そこはかとなく踏み跡があるところもあったが、ユズリハのヤブで進むべき方向が遮られている。
566m標高点の付近では地形も複雑で、GPSとにらめっこしながらの前進である。
尾根の末端方向はヤブがきつそうなので、右手に現れた植林にこれ幸いと急斜面を駆け下りた。
思い描いていた谷とはちょっと違ったが、全体的に見ればそれなりに面白かった一日と言えるだろう。
年齢を重ねて満足感の沸点が下がって来たのかもしれないが。
山日和