【加賀白山前衛】カタクリの大群落と白山の大展望 オンソリ山から松尾山
Posted: 2022年4月27日(水) 23:19
【日 付】2022年4月17日(日)
【山 域】加賀白山前衛 瀬波川周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】瀬波キャンプ場7:30---9:10オンソリ山---9:30笈山9:40---9:55オンソリ山---10:25ウマヤノツボ遺跡
---12:00 P1117m13:35---14:00松尾山---16:10キャンプ場---カタクリ群生地往復---16:45駐車地
去年みれさんのFBで知った白山前衛、瀬波にあるオンソリ山のカタクリの大群落。この目で見てみたいが、
いろいろ検索してみるとかなりの人気で人混みは避けられない。群落は林道から10分もかからない場所にある
ので、登山者以外の見物客も多いようだ。
人混みを回避するための策として、朝早く群落を通過してオンソリ山に登り、ひと気の少ない松尾山へ周回し
て、下山してから再び群落を見物するというプランを立てた。
早朝はまだカタクリが開いていないので、見物客が大方引き上げた夕方にゆっくり観賞しようという算段であ
る。それに松尾山は1100mを超えているので雪も残っているだろう。花と雪を両方楽しめる、いいプランだろう。
鉢伏山の登山口のある白山里(はくさんり)という宿泊施設前の駐車場はもう満車だった。一般的にはここから
鉢伏山に登り、笈山(おいずるやま)を経てオンソリ山から群落へ下って最後にカタクリ見物というパターンのよ
うだ。同じパターンだと終始渋滞の中を歩くハメになりそうである。
林道を瀬波キャンプ場まで進むが、路肩に結構駐車している。少し先に進んだところで駐車スペースを確保して、
まずオンソリ山へ向かった。
歩き出すとほどなくカタクリの群生地に到着。なるほど、聞きしに勝る規模に圧倒される。しかし7時過ぎと
いう時間ではカタクリもまだ目を覚ましていない。お楽しみは下山後に回して山頂への急坂を進んだ。
登山道自体にはさほど期待していなかったのだが、高度が上がるとブナも出てきてなかなかいい
雰囲気だ。考えてみれば、普通に登山道を歩くのはいつ以来だろう。
イワウチワ(トクワカソウ?)やタムシバ、ショウジョウバカマといった花たちが目を楽しませてくれる。
振り返れば高倉山の奥に白山の美しい姿が見える。この方向から見る白山は経験が無いので新鮮だ。
やがて地面を雪が覆うようになるとオンソリ山頂は近い。
漢字で書くと大恐山というこの山の三角点名は「瀬波」である。登山道は最近整備されたようだ。
先ほどのカタクリの群生地も、道の整備の過程で木を切ったことによって生まれたらしい。
広い疎林の台地となっているオンソリ山から笈山の往復に向かった。鉢伏山へと続くこの尾根はヤセ尾根が続
き、ヤセ尾根に付き物のシャクナゲが多い。花芽が少ないところを見ると、今年は裏年だろうか。
タムシバは満開で、青空に向かって伸びる枝に鈴なりの真っ白な花が実に映える。
尾根道は予想外に展望が良く、白山と西側に続くあまり馴染みのない山塊の姿が新鮮だ。
ポツポツと鉢伏山からの周回組とすれ違う。
笈山からの展望は遮るものがなく、この近辺では珍しい無木立の山頂からのパノラマを楽しむことができる。
山だけではなく、日本海も望むことができる笈山の往復は正解だった。
おかげで標高900m程度の山とは思えない痛快な尾根歩きを楽しむことができた。
オンソリ山へ戻るとずいぶん人が増えていた。山頂往復組や、逆回りの周回組がいるのだろう。
山頂を素通りして松尾山への尾根に向かうが、山頂の東側は地形図通りの茫洋とした地形が面白い。
鞍部へ急降下すると「ウマヤノツボ」と記された標識があった。それに従い右の谷へ少し進むと小広いとも
言えない台地があり、「ウマヤノツボ遺跡」の説明看板が立っていた。意外なことに展望もなく閉塞感のある
場所に数人の登山者が休憩している。オンソリ山からわざわざここまで来たということだろう。
看板の説明を見るがふーんと言う感じで、特に感慨も湧かないところだった。
その昔は白山の遥拝所だったらしいので、この谷間から見る白山には特別の意味があったのかもしれない。
ここからは標高差300mの急登が始まる。じっくり行こう。
セイモアスキー場からの尾根の合流点手前から再び雪が繋がり、ブナ林もいい感じになってきた。
飛び出した稜線からは心ときめく景観が目の前に現れた。口三方岳から見越山、奥三方山、大笠山、笈ヶ岳へ
と展開する大パノラマ。白山の北方稜線は東側からしか眺めることがないので、今日何度目かわからないが実に
新鮮な風景である。景観に圧倒されながら松尾山へのゆったりとした雪尾根を辿る。
ランチタイムは松尾山でと思っていたが、笈ヶ岳と大笠山を眺める絶好のポジションを見つけたので腰を降ろ
した。今日は毎週のように眺めている白山よりこっちの展望優先だ。
3週連続の奥越通いの後、2週続けて飛騨の山。そして今日は加賀の白山前衛で雪山を楽しんでいる。
しかも6週続けて快晴のランチタイムとは、なんと贅沢でラッキーなのだろう。
ランチタイムを満喫していると、予期していなかった3人パーティーの登山者が松尾山の方からやってきた。
へえー、ここを歩く人もいるのかと思っていたら、予想外の声が掛かった。なんとokuちゃんである。
パーティー登山とは珍しいと思ったら、後の2人は途中で出会って一緒に歩いて来たということだった。
飛び入りゲストのokuちゃんを交えてコーヒータイムを楽しみながら、しばし山談義。まさかこんなところで
という思いと、こんなところでしか会わんだろうなという思いが半々である。残りの2人は少し離れたところで
okuちゃんを待っていたようだが、しびれを切らしたのか先に行ってしまった。
セイモアスキー場の方へ戻るokuちゃんと別れて松尾山へ向かう。この尾根も広く緩やかで、残雪の稜線漫歩
が楽しめる。細い木が多いながらもブナ林が続き、これも期待以上(ほとんど期待していなかったのだが)だった。
松尾山からは奥三方山を経て奈良岳へと、長い長い尾根で繋がっている。もう少し若い頃ならともかく、今は
もうこの尾根を辿ることもないのだろう。未踏の奈良岳への思いが募る。
okuちゃんは夜明け前にスキー場を出発して、奥三方山の手前まで行ってきたらしい。本人は「リハビリ」とか
言っていたが、なんとも過激なリハビリである。
松尾山頂からキャンプ場への尾根も登山道が開拓されているらしい。雪がベッタリなので適当に下り出したが
少しヤブっぽい。先ほどの2人はここを上がって来たということだがトレースが見当たらなかった。
歩きやすそうな左手の広い雪斜面へトラパースすると、トレースが現れた。それなりに雪が繋がったこの尾根も
なかなかいい。P968mで右折するポイントに注意すれば、後は迷うところもない。
P837mからは雪も切れ、しっかりした登山道に出た。もう安心だ。
イワウチワロードとなったこの尾根の下部にもカタクリの群落があるが、メインディッシュが待っているので足
早に通り過ぎる。下り立ったところはキャンプ場の管理棟の真ん前だった。
時刻はもう4時を過ぎているが、まだカタクリ見物の人がいるようだ。しかし気になるような人数ではなく、
本日2回目の群生地へ急ぐ。せっかく時間調整して来たのに再び閉じてしまったら元も子もない。
満開のカタクリの群落は息を呑むような光景だった。朝は控えめにすぼんでいたカタクリたちは、これ以上開
けませんと言わんばかりに反り返っている。
ここにはいったい何百万株のカタクリがあるのだろう。そう思わせるほどの見事な大群落だった。
時間差攻撃作戦は大成功で、見渡す限りのカタクリを静かにじっくりと楽しむことができた。
下山後に汗を流した白山里の温泉も趣きがあり、満足できる施設だった。
この近辺は今まで馴染みのなかった山域だったが、これからは何度も訪れることになりそうである。
山日和
【山 域】加賀白山前衛 瀬波川周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】瀬波キャンプ場7:30---9:10オンソリ山---9:30笈山9:40---9:55オンソリ山---10:25ウマヤノツボ遺跡
---12:00 P1117m13:35---14:00松尾山---16:10キャンプ場---カタクリ群生地往復---16:45駐車地
去年みれさんのFBで知った白山前衛、瀬波にあるオンソリ山のカタクリの大群落。この目で見てみたいが、
いろいろ検索してみるとかなりの人気で人混みは避けられない。群落は林道から10分もかからない場所にある
ので、登山者以外の見物客も多いようだ。
人混みを回避するための策として、朝早く群落を通過してオンソリ山に登り、ひと気の少ない松尾山へ周回し
て、下山してから再び群落を見物するというプランを立てた。
早朝はまだカタクリが開いていないので、見物客が大方引き上げた夕方にゆっくり観賞しようという算段であ
る。それに松尾山は1100mを超えているので雪も残っているだろう。花と雪を両方楽しめる、いいプランだろう。
鉢伏山の登山口のある白山里(はくさんり)という宿泊施設前の駐車場はもう満車だった。一般的にはここから
鉢伏山に登り、笈山(おいずるやま)を経てオンソリ山から群落へ下って最後にカタクリ見物というパターンのよ
うだ。同じパターンだと終始渋滞の中を歩くハメになりそうである。
林道を瀬波キャンプ場まで進むが、路肩に結構駐車している。少し先に進んだところで駐車スペースを確保して、
まずオンソリ山へ向かった。
歩き出すとほどなくカタクリの群生地に到着。なるほど、聞きしに勝る規模に圧倒される。しかし7時過ぎと
いう時間ではカタクリもまだ目を覚ましていない。お楽しみは下山後に回して山頂への急坂を進んだ。
登山道自体にはさほど期待していなかったのだが、高度が上がるとブナも出てきてなかなかいい
雰囲気だ。考えてみれば、普通に登山道を歩くのはいつ以来だろう。
イワウチワ(トクワカソウ?)やタムシバ、ショウジョウバカマといった花たちが目を楽しませてくれる。
振り返れば高倉山の奥に白山の美しい姿が見える。この方向から見る白山は経験が無いので新鮮だ。
やがて地面を雪が覆うようになるとオンソリ山頂は近い。
漢字で書くと大恐山というこの山の三角点名は「瀬波」である。登山道は最近整備されたようだ。
先ほどのカタクリの群生地も、道の整備の過程で木を切ったことによって生まれたらしい。
広い疎林の台地となっているオンソリ山から笈山の往復に向かった。鉢伏山へと続くこの尾根はヤセ尾根が続
き、ヤセ尾根に付き物のシャクナゲが多い。花芽が少ないところを見ると、今年は裏年だろうか。
タムシバは満開で、青空に向かって伸びる枝に鈴なりの真っ白な花が実に映える。
尾根道は予想外に展望が良く、白山と西側に続くあまり馴染みのない山塊の姿が新鮮だ。
ポツポツと鉢伏山からの周回組とすれ違う。
笈山からの展望は遮るものがなく、この近辺では珍しい無木立の山頂からのパノラマを楽しむことができる。
山だけではなく、日本海も望むことができる笈山の往復は正解だった。
おかげで標高900m程度の山とは思えない痛快な尾根歩きを楽しむことができた。
オンソリ山へ戻るとずいぶん人が増えていた。山頂往復組や、逆回りの周回組がいるのだろう。
山頂を素通りして松尾山への尾根に向かうが、山頂の東側は地形図通りの茫洋とした地形が面白い。
鞍部へ急降下すると「ウマヤノツボ」と記された標識があった。それに従い右の谷へ少し進むと小広いとも
言えない台地があり、「ウマヤノツボ遺跡」の説明看板が立っていた。意外なことに展望もなく閉塞感のある
場所に数人の登山者が休憩している。オンソリ山からわざわざここまで来たということだろう。
看板の説明を見るがふーんと言う感じで、特に感慨も湧かないところだった。
その昔は白山の遥拝所だったらしいので、この谷間から見る白山には特別の意味があったのかもしれない。
ここからは標高差300mの急登が始まる。じっくり行こう。
セイモアスキー場からの尾根の合流点手前から再び雪が繋がり、ブナ林もいい感じになってきた。
飛び出した稜線からは心ときめく景観が目の前に現れた。口三方岳から見越山、奥三方山、大笠山、笈ヶ岳へ
と展開する大パノラマ。白山の北方稜線は東側からしか眺めることがないので、今日何度目かわからないが実に
新鮮な風景である。景観に圧倒されながら松尾山へのゆったりとした雪尾根を辿る。
ランチタイムは松尾山でと思っていたが、笈ヶ岳と大笠山を眺める絶好のポジションを見つけたので腰を降ろ
した。今日は毎週のように眺めている白山よりこっちの展望優先だ。
3週連続の奥越通いの後、2週続けて飛騨の山。そして今日は加賀の白山前衛で雪山を楽しんでいる。
しかも6週続けて快晴のランチタイムとは、なんと贅沢でラッキーなのだろう。
ランチタイムを満喫していると、予期していなかった3人パーティーの登山者が松尾山の方からやってきた。
へえー、ここを歩く人もいるのかと思っていたら、予想外の声が掛かった。なんとokuちゃんである。
パーティー登山とは珍しいと思ったら、後の2人は途中で出会って一緒に歩いて来たということだった。
飛び入りゲストのokuちゃんを交えてコーヒータイムを楽しみながら、しばし山談義。まさかこんなところで
という思いと、こんなところでしか会わんだろうなという思いが半々である。残りの2人は少し離れたところで
okuちゃんを待っていたようだが、しびれを切らしたのか先に行ってしまった。
セイモアスキー場の方へ戻るokuちゃんと別れて松尾山へ向かう。この尾根も広く緩やかで、残雪の稜線漫歩
が楽しめる。細い木が多いながらもブナ林が続き、これも期待以上(ほとんど期待していなかったのだが)だった。
松尾山からは奥三方山を経て奈良岳へと、長い長い尾根で繋がっている。もう少し若い頃ならともかく、今は
もうこの尾根を辿ることもないのだろう。未踏の奈良岳への思いが募る。
okuちゃんは夜明け前にスキー場を出発して、奥三方山の手前まで行ってきたらしい。本人は「リハビリ」とか
言っていたが、なんとも過激なリハビリである。
松尾山頂からキャンプ場への尾根も登山道が開拓されているらしい。雪がベッタリなので適当に下り出したが
少しヤブっぽい。先ほどの2人はここを上がって来たということだがトレースが見当たらなかった。
歩きやすそうな左手の広い雪斜面へトラパースすると、トレースが現れた。それなりに雪が繋がったこの尾根も
なかなかいい。P968mで右折するポイントに注意すれば、後は迷うところもない。
P837mからは雪も切れ、しっかりした登山道に出た。もう安心だ。
イワウチワロードとなったこの尾根の下部にもカタクリの群落があるが、メインディッシュが待っているので足
早に通り過ぎる。下り立ったところはキャンプ場の管理棟の真ん前だった。
時刻はもう4時を過ぎているが、まだカタクリ見物の人がいるようだ。しかし気になるような人数ではなく、
本日2回目の群生地へ急ぐ。せっかく時間調整して来たのに再び閉じてしまったら元も子もない。
満開のカタクリの群落は息を呑むような光景だった。朝は控えめにすぼんでいたカタクリたちは、これ以上開
けませんと言わんばかりに反り返っている。
ここにはいったい何百万株のカタクリがあるのだろう。そう思わせるほどの見事な大群落だった。
時間差攻撃作戦は大成功で、見渡す限りのカタクリを静かにじっくりと楽しむことができた。
下山後に汗を流した白山里の温泉も趣きがあり、満足できる施設だった。
この近辺は今まで馴染みのなかった山域だったが、これからは何度も訪れることになりそうである。
山日和