【飛越】ブナ林と展望と地形の妙を楽しむ 念願の水無山

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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【飛越】ブナ林と展望と地形の妙を楽しむ 念願の水無山

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2022年4月2日(土)
【山 域】飛越国境 水無山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】上ヶ島集落7:25---9:40 P1173m----10:50三角点水無シ山---12:05水無山13:40---15:05三角点小洞---16:05尾根末端
     ---16:40駐車地

 この山が気にかかり出してから10年以上経っていた。山頂へ至る尾根と山頂付近のゆったりと広がる緩やかな地形。
飛越国境にある水無山は、無雪期には富山県の山として認識されているが、積雪期には富山県側からの登山はほぼ不可能
となる。
登山口にあたる飛騨市河合の上ヶ島。籾糠山の登山シーズンには行き交う車で賑わうこの道も、今はひっそりとしている。
 集落の裏手から地形図にもある道を利用して尾根に取り付いた。尾根の末端から繋がっていた雪はよく締まっており、
スノーシューは背中の重しになりそうである。
スギの植林の中は暗いが、日当たりの悪い分雪はカチカチで、今日のような快晴の汗ばむ陽気の日にはひんやりと涼しく
ていい。木の間から見える形のいい山は高登山だろうか。杉林の中は落ちた枝と葉だらけで快適とは言い難い。

パノラマ2_1_1.jpg

 地形図にない林道が尾根と交差した。この後、何度も林道と出合うことになる。
いつまでも担いでいては芸がないのでスノーシューを装着する。傾斜が強くなればアイゼン代わりなるのと、急登での
ヒールリフター歩行だけでも役に立つだろう。
 林相はやがてスギからカラマツに変わった。このカラマツも植林であることに変わりはないのだが、落葉松と書くぐら
いなので、すっかり葉を落とした林の中でも底抜けに明るいのが救いだ。
猪臥山もそうだったが、この近辺の山はカラマツの植林が盛んなのだろうか。

 P1173mあたりから始まるゆったりとした尾根は今回の楽しみのひとつだった。どんな地形を見せてくれるのか。
実際、地形の微妙な起伏や広がりは予想通りのものだったが、一面のカラマツ林と間を走る林道は期待外れだった。
雪に覆われて林道も雪原の一部になってので、まだ見栄えは悪くはないが、広大なブナ林を期待していただけに、やや
肩透かしだった。


P4020460_1.JPG

 尾根が北西に向きを変えるあたりからブナが増え始めた。かなりの巨木も散見され、一番大きなものをsatoさんが持参
した細引きで測ってみると幹周440センチあった。枝振りも良く、風格のある一本だった。
尾根が傾斜を増すとともに、ほぼブナの純林に変わる。こうでなくてはいけない。


P4020493_1.JPG

 左手には栗ヶ岳から御前岳、猿ヶ馬場山方面の視界が開ける。帰路に予定している右手の尾根もなかなか良さそうな
佇まいで楽しみだ。
 1459mピーク手前の台地に乗ると、想像していた通り、いや想像以上の見事な風景が目の前に展開した。どこまでも続
く緩やかな起伏の、谷と尾根が交じり合ったような地形。のっぺりした雪原ではなく、微妙な起伏が作り出す陰影が景観
にアクセントを付けている。ここは飛越国境稜線。北ソウレ山のあたりで北に方向を転じて三ヶ辻山へと続いている。
国境稜線の先にはひと際白い白山の姿が光っていた。
時間があればあたりを彷徨い歩きたいところだが、記録を見ない下りの尾根を考えればあまりのんびりするわけにもいか
ない。


P4020559_1.JPG

 ここから山頂まで、夢の中を歩いているような素晴らしい尾根が続く。ブナの疎林と雪原、緩やかに食い込んでくる浅
い谷。その向こうにチョコンと頭を出している山の名前を想像するのも楽しい。
尾根が角度を変えると見える山も変わる。笈ヶ岳と大笠山方面、三ヶ辻山、金剛堂山と白木峰と、飛越地方の名山が次か
ら次へと現れて飽かせることがない。

P4020546_1_1.JPG

 山頂の手前は大きな雪堤となっていた。雪庇が落ちた後だろうが、雪庇が残っていたら処理がやっかいだったかもしれ
ない。一番段差の少ないところを選んで雪堤の上に這い上がった。 1505.6mの水無山頂はすぐそこだ。山頂はわずかに
国境稜線を外れた富山県側にある。
余談だが、ここの三角点名は大当火と言い、先ほど通過してきた1278.7mの三角点が水無シ山とされている。

 少し風があるので、雪堤の下にスノスコでベンチを作る。この時期の雪は堅く、足で蹴り込むだけでは作るのが難しい。
荷物は増えるが快適なランチタイムを楽しむためには必需品である。
白山と猿ヶ馬場山を正面に最高のレストランが完成した。遠景もさることながら、手前に広がる山頂の周囲のゆったりと
した地形の広がりが素晴らしいのだ。


P4020625_1_1.JPG

 下山は谷を挟んだ対岸の尾根を選ぶ。周回コースとして絶好の尾根に見えるが、記録はまず見当たらない。何か理由が
あるのだろうか。末端で渡渉が待っているのは織り込み済みだが、それだけが理由だろうか。
 山頂から国境稜線を北に踏み出す。一段下がったところのブナ林も実にいい。ブナの間から見る三ヶ辻山の姿が美しく、
7年前の有家ヶ原からの周回を思い出す。


P4020659_1.JPG

 無木立の雪原となった尾根からは北アルプスの大展望が広がった。北方稜線から剱、薬師、黒部五郎、笠、槍・穂高ま
でクッキリと見えている。まあ、私の場合アルプスの展望はオマケ程度なのだが。
 この尾根はまさに期待通り、ブナ林の続くゆったりとした尾根だった。登りの尾根よりも高度が高く、見下ろす感じに
なる。向こうの尾根がカラマツ林になってもこちらはブナ林が続いている。尾根としてはこちらの方が面白いだろう。


P4020666_1.JPG

 1223.8mの三角点小洞を過ぎると一気に林相が変わり、カラマツを飛ばしてスギの植林帯に突入した。
今まで高度が高かった分、最後の傾斜は急になるのは必然である。ツボ足で踵を蹴り込みながら速いペースで下る。
 問題の尾根の末端はどうなっているか。傾斜が増し、雪が切れて尾根芯にはヤブが出てきた。
左のガレた斜面を見るとロープがあった。下の末端も固定されているようだ。高度差は50m近くあるだろうか。何のため
のロープなのかわからないが、これを利用させてもらおう。足元はグズグズで、慎重に足を進める。
途中から雪の残る場所にトラバースして河原に着地。見上げるととんでもないガケである。これが周回記録の見当たらな
い理由のひとつか。

P4020735_1.JPG

 予定では右の支谷を渡渉して右岸側をトラバースすれば橋の袂に出られるだろうという計算だった。しかし現実の右岸
側は絶望的なガケで、手も足も出ない。
こうなれば上ヶ島谷本流の渡渉に切り替えるしかない。渡渉用に用意してきたゴミ袋を2重にしてガムテープでズボンに
貼り付けた。流れは結構速いが、一番狭いところを選べば核心部は3歩程度だろう。流されないようにスクラムを組んで
慎重にすり足で進む。ストックがなければとてもバランスが取れないだろう。
satoさんは靴を濡らすことなく渡ったが、発案者の自分は靴の中までドボドボである。何がこの差を生んだのか。
 最後はストックを放り上げて、2mほどの石垣をクライミングして林道に這い上がった。
誰も周回しない理由がハッキリとわかったが、充実感も最高だ。長年の思いが結実したと言えるエピローグだった。

                      山日和
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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【飛越】ブナ林と展望と地形の妙を楽しむ 念願の水無山

投稿記事 by 山日和 »

ロム専 Sさん、どうもです。

http://okuminokaitakudan.blog.jp/archives/9167823.html

探してみると逆回りでありますね


あー、これ去年見てたのに、すっかり忘れてました :oops:
masaさん以外、行く人はいないでしょう。 :mrgreen:

           山日和
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【飛越】ブナ林と展望と地形の妙を楽しむ 念願の水無山

投稿記事 by バーチャリ »

山日和 さん こんにちは



登山口にあたる飛騨市河合の上ヶ島。籾糠山の登山シーズンには行き交う車で賑わうこの道も、今はひっそりとしている。
 集落の裏手から地形図にもある道を利用して尾根に取り付いた。尾根の末端から繋がっていた雪はよく締まっており、
スノーシューは背中の重しになりそうである。


この2週ほどスノ―シューは重いのでワカンをボッカしてます。


スギの植林の中は暗いが、日当たりの悪い分雪はカチカチで、今日のような快晴の汗ばむ陽気の日にはひんやりと涼しく
ていい。木の間から見える形のいい山は高登山だろうか。杉林の中は落ちた枝と葉だらけで快適とは言い難い。


この時期は枝や種などが落ちて汚れがが目立ちますよね。


地形図にない林道が尾根と交差した。この後、何度も林道と出合うことになる。


そうなんですねそれであの人は、、、
独り言です。


いつまでも担いでいては芸がないのでスノーシューを装着する。傾斜が強くなればアイゼン代わりなるのと、急登での
ヒールリフター歩行だけでも役に立つだろう。


山日和さんスノ―シューにこだわりますね山日和さんのポリシーなんでしょうか


 林相はやがてスギからカラマツに変わった。このカラマツも植林であることに変わりはないのだが、落葉松と書くぐら
いなので、すっかり葉を落とした林の中でも底抜けに明るいのが救いだ。
猪臥山もそうだったが、この近辺の山はカラマツの植林が盛んなのだろうか。


私達が遊ぶ信南部もカラマツが多いです。
新緑のカラマツは大好きです。


 P1173mあたりから始まるゆったりとした尾根は今回の楽しみのひとつだった。どんな地形を見せてくれるのか。
実際、地形の微妙な起伏や広がりは予想通りのものだったが、一面のカラマツ林と間を走る林道は期待外れだった。
雪に覆われて林道も雪原の一部になってので、まだ見栄えは悪くはないが、広大なブナ林を期待していただけに、やや
肩透かしだった。


地形図を見るとかなり標高の高い所まで針葉樹ですね。

尾根が北西に向きを変えるあたりからブナが増え始めた。かなりの巨木も散見され、一番大きなものをsatoさんが持参
した細引きで測ってみると幹周440センチあった。枝振りも良く、風格のある一本だった。
尾根が傾斜を増すとともに、ほぼブナの純林に変わる。こうでなくてはいけない。


写真を見ると貫禄ありますね。


ブナ林は毎回歩いても飽きませんね。


 1459mピーク手前の台地に乗ると、想像していた通り、いや想像以上の見事な風景が目の前に展開した。どこまでも続
く緩やかな起伏の、谷と尾根が交じり合ったような地形。のっぺりした雪原ではなく、微妙な起伏が作り出す陰影が景観
にアクセントを付けている。ここは飛越国境稜線。北ソウレ山のあたりで北に方向を転じて三ヶ辻山へと続いている。
国境稜線の先にはひと際白い白山の姿が光っていた。
時間があればあたりを彷徨い歩きたいところだが、記録を見ない下りの尾根を考えればあまりのんびりするわけにもいか
ない。


天上の楽園ですね
ここでまったりしてコーヒタイムはしないのですか・。
地図を確認してますが めちゃ複雑に入り込んでますね。
ガスの時は方向が分かりずらく迷子になりそうですね・


ここから山頂まで、夢の中を歩いているような素晴らしい尾根が続く。ブナの疎林と雪原、緩やかに食い込んでくる浅
い谷。その向こうにチョコンと頭を出している山の名前を想像するのも楽しい。
尾根が角度を変えると見える山も変わる。笈ヶ岳と大笠山方面、三ヶ辻山、金剛堂山と白木峰と、飛越地方の名山が次か
ら次へと現れて飽かせることがない。


素晴らしい展望ですね。
もう無理ですけど金剛堂山行って見たい。

山頂の手前は大きな雪堤となっていた。雪庇が落ちた後だろうが、雪庇が残っていたら処理がやっかいだったかもしれ
ない。一番段差の少ないところを選んで雪堤の上に這い上がった。 1505.6mの水無山頂はすぐそこだ。山頂はわずかに
国境稜線を外れた富山県側にある。


雪堤が高いとピッケルでよじ登りましょう。

 少し風があるので、雪堤の下にスノスコでベンチを作る。この時期の雪は堅く、足で蹴り込むだけでは作るのが難しい。
荷物は増えるが快適なランチタイムを楽しむためには必需品である。
白山と猿ヶ馬場山を正面に最高のレストランが完成した。遠景もさることながら、手前に広がる山頂の周囲のゆったりと
した地形の広がりが素晴らしいのだ。


スノーテーブル作ると足も楽でゆったり出来いいですよね。
2時間コースですか?


無木立の雪原となった尾根からは北アルプスの大展望が広がった。北方稜線から剱、薬師、黒部五郎、笠、槍・穂高ま
でクッキリと見えている。まあ、私の場合アルプスの展望はオマケ程度なのだが。


北方稜線から剱ですか この響き久しぶり聞きました。
剱、薬師、黒部五郎、笠、槍・穂高 百名山勢ぞろいですね。



こうなれば上ヶ島谷本流の渡渉に切り替えるしかない。渡渉用に用意してきたゴミ袋を2重にしてガムテープでズボンに
貼り付けた。流れは結構速いが、一番狭いところを選べば核心部は3歩程度だろう。流されないようにスクラムを組んで
慎重にすり足で進む。ストックがなければとてもバランスが取れないだろう。
satoさんは靴を濡らすことなく渡ったが、発案者の自分は靴の中までドボドボである。何がこの差を生んだのか。
 最後はストックを放り上げて、2mほどの石垣をクライミングして林道に這い上がった。
誰も周回しない理由がハッキリとわかったが、充実感も最高だ。長年の思いが結実したと言えるエピローグだった。


貴重な情報ですね。

お疲れ様でした。

  バーチャリ 

                     
sato
記事: 420
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【飛越】ブナ林と展望と地形の妙を楽しむ 念願の水無山

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんにちは。
4月2日は水無山へ、とお聞きした時、どこのお山か分かりませんでした。
飛越国境の山と教えていただき、地図で三俣蓮華岳から国境稜線を辿っていきました。
飛越トンネルから笈ヶ岳の間の山やまは未知の世界。
白木峰、人形山、そして山日和さんに教えていただいた三ヶ辻山は気になっているお山で、
こんなルートで歩きたいなぁ、と地図で遊んでいましたが、他の山やまは意識していませんでした。

水無山の位置が分かり、谷を挟んだふたつの尾根と稜線の地形に惹きこまれました。
きゅっと谷が入り組んだ広くたおやかな尾根、広い稜線の複雑な地形。
どんな風景が広がっているのだろう、どきどき、わくわくしました。

登山口の河合町上ヶ島は、飛騨側から天生峠に向かう途中の村ですね。
天生峠といえば、籾糠山より先に「高野聖」が浮かび、ゾクッとしてしまいます。
集落から山に入る時、車の置き場所を考えなければなりませんね。除雪していない林道入り口に置けてよかったです。

杣道があり、すっと山中にも入れました。山仕事に使われている尾根で植林地帯が続いていきましたね。
歩き易かったですが、雪面を覆う枝と葉と木屑が目につき、気分上々という感じではなかったですね。
標高1000mから先はうっとりの風景を思い描いていたのですが、
地形図にない林道との交差もあり、そうなんだぁ、と。

カラマツは日本の固有種なのですね。白山周辺の山では天然カラマツも見られるそうです。
植林としてのカラマツは、寒さに強く、成長も早く、樹形が安定しているので、寒冷地で拡大造林が行われていったそうです。
点々と残されたブナの木を見上げ、植林前のうつくしいブナ林を想像しました。

尾根が北西に向きを変えるあたりからブナが多くなり、ブナ林となっていき、笑みが広がりましたね。
何かの時のためにリュックに入れていた細引き、樹木の計測にも使えますね。
細引きはいろいろな場面で活躍してくれます。
この日は、下りの尾根の最後の急傾斜で使うかもと思いましたが使わず下れました。

ひと登りした先の稜線一帯は素晴らしい世界が展開していましたね。
地形の妙、そして、なんて雄大な風景なのだろうと息を呑みました。
「どこまでも続く緩やかな起伏の、谷と尾根が交じり合ったような地形。
のっぺりした雪原ではなく、微妙な起伏が作り出す陰影が景観にアクセントをつけている」
青い空の下には白く輝く峰々。ほんとうに夢の中を歩いているようでした。

山頂手前は大きな雪堤が通せんぼ。「ゆきつつみ」うつくしい響きですね。
厳しい冬を象徴するように尖がった雪庇は、春の足音とともに角が取れ、丸みを帯び、消えてゆく。
雪国の山の情緒を感じる言葉ですね。
水無山の三角点名は大当火というのですね。どういう意味なのでしょう。
ゆきつつみの下でのお昼は、お山をほっこりと感じる時間ですね。今シーズン最後かな、感慨深い気持ちになりました。

下りの尾根は、大展望とうつくしいブナの森が△1223.8まで続いていきましたね。
水無山山頂北のまんまるピークからの眺望も素晴らしかったです。
三ヶ辻山のうつくしいお姿が目に焼き付きました。
山日和さんは素晴らしいコースを味わわれたのですね。うらやましいです。
山日和さんにとってはオマケ程度の北アルプスの大展望。わたしは、どきどきしながら眺めていました。
槍穂高や剱岳が見えると、うれしくて「あっ穂高、あっ槍、あっ剱」と呟いてしまいます。
白く輝く黒部五郎岳から薬師岳の稜線は言葉を失ううつくしさでした。薬師岳が薬師岳たる所以を感じました。

下りの後半は速かったですね。
尾根の最後は、木を掴みながらなんとか下りていけるかなぁ、と思ったら、左のガレ斜面にロープが。
境界の赤い札がつけられたブナを何本も見かけたので、測量の作業をする人がかけたのでしょうか。
強度は大丈夫そうでしたね。
下の方は土砂で埋まっていましたので、雪面までのズルズルグニャグニャの土斜面のトラバースが緊張しました。
河原に着地して斜面を見上げびっくりしました。地崩れのガケでしたね。

そして懸念していた渡渉。ゴミ袋を二重にしてガムテープでズボンに固定。
豪快な音を立て流れゆく雪融け水に足がすくみ、一歩を踏み出すのにもたもたしていました。
スクラムを組んでも、わたしは水に足を取られそうになり、ひやっとなりました。
でも、渡りきると、ずぶ濡れの山日和さんの横で、スミマセン(汗)面白かったとにこにこ顔。
わたしが濡れぬよう神経を使ってくださり感謝です。
最後の石垣登りも面白かったです。

水無山は、山日和さんが10年以上思い描いていたお山だったのですね。
温め続けてくださったおかげで、わたしもこんなに素敵なお山に出会うことが出来ました。
繋がっていくものを感じました。
ありがとうございました。

sato
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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【飛越】ブナ林と展望と地形の妙を楽しむ 念願の水無山

投稿記事 by 山日和 »

バーチャリさん、どうもです。

この2週ほどスノ―シューは重いのでワカンをボッカしてます。

雪が締まってれば使う必要もないんだけど、なんとなく担いでしまいます。 :mrgreen:

この時期は枝や種などが落ちて汚れが目立ちますよね。

そうなんですよね。やっぱりキレイな真っ白の雪がいいんですけどね。


P4020394_1.JPG

>地形図にない林道が尾根と交差した。この後、何度も林道と出合うことになる。

そうなんですねそれであの人は、、、
独り言です。


okuちゃんの感想ですか。 :lol:

山日和さんスノ―シューにこだわりますね山日和さんのポリシーなんでしょうか

ポリシーってなもんじゃないですが、なんとなくですね。 :mrgreen:

私達が遊ぶ信南部もカラマツが多いです。
新緑のカラマツは大好きです。


新緑のカラマツ林は見たことないなあ。


P4020417_1.JPG

地形図を見るとかなり標高の高い所まで針葉樹ですね。

そうですね。スギじゃないだけマシですが。

>かなりの巨木も散見され、一番大きなものをsatoさんが持参した細引きで測ってみると幹周440センチあった。枝振りも良く、風格のある一本だった。

写真を見ると貫禄ありますね。


なかなか立派なブナでしたよ。

P4020462_1.JPG

ブナ林は毎回歩いても飽きませんね。

御意!! :lol:

天上の楽園ですね
ここでまったりしてコーヒタイムはしないのですか・。
地図を確認してますが めちゃ複雑に入り込んでますね。
ガスの時は方向が分かりずらく迷子になりそうですね・


まさにその通りでした。でもここでまったりしてしまうと後が・・・
ガスってたらちょっと厄介でしょうね。

P4020542_1.JPG

素晴らしい展望ですね。
もう無理ですけど金剛堂山行って見たい。


金剛堂だけなら全然大丈夫でしょう。

雪堤が高いとピッケルでよじ登りましょう。

高過ぎるとピッケルだけでは無理ですよ。

スノーテーブル作ると足も楽でゆったり出来いいですよね。
2時間コースですか?


今回は1時間半ですね。いつも下山に要する時間から逆算してランチタイムを決めています。


パノラマ9_1_1.jpg

北方稜線から剱ですか この響き久しぶり聞きました。
剱、薬師、黒部五郎、笠、槍・穂高 百名山勢ぞろいですね。


私も久しぶりに使いました。 :lol:

貴重な情報ですね。

周回して最後に超アトラクションが待ってますから、これを書いとかないと。 :mrgreen:
 
             山日和
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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【飛越】ブナ林と展望と地形の妙を楽しむ 念願の水無山

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。お疲れさまでした。

4月2日は水無山へ、とお聞きした時、どこのお山か分かりませんでした。
飛越国境の山と教えていただき、地図で三俣蓮華岳から国境稜線を辿っていきました。


水無山へ辿り着くのに三俣蓮華からスタートする人も珍しいのでは? :mrgreen:

水無山の位置が分かり、谷を挟んだふたつの尾根と稜線の地形に惹きこまれました。
きゅっと谷が入り組んだ広くたおやかな尾根、広い稜線の複雑な地形。
どんな風景が広がっているのだろう、どきどき、わくわくしました。


地形フェチにはたまらない地形ですよね。


P4020585_1_1.JPG

登山口の河合町上ヶ島は、飛騨側から天生峠に向かう途中の村ですね。
天生峠といえば、籾糠山より先に「高野聖」が浮かび、ゾクッとしてしまいます。


ヒル地獄のせいですか。 :oops:

集落から山に入る時、車の置き場所を考えなければなりませんね。除雪していない林道入り口に置けてよかったです。

ちょうどいい場所がありましたね。乾いた舗装路に置けるというのが最高です。 :D

標高1000mから先はうっとりの風景を思い描いていたのですが、
地形図にない林道との交差もあり、そうなんだぁ、と。

そううまくはいかないもんです。林道は雪に覆われてるのでまだマシです。


P4020443_1.JPG

カラマツは日本の固有種なのですね。白山周辺の山では天然カラマツも見られるそうです。
植林としてのカラマツは、寒さに強く、成長も早く、樹形が安定しているので、寒冷地で拡大造林が行われていったそうです。
点々と残されたブナの木を見上げ、植林前のうつくしいブナ林を想像しました。


カラマツトリビアありがとうございます。勉強になります。 :lol:

尾根が北西に向きを変えるあたりからブナが多くなり、ブナ林となっていき、笑みが広がりましたね。
何かの時のためにリュックに入れていた細引き、樹木の計測にも使えますね。
細引きはいろいろな場面で活躍してくれます。


突然太さを測ると言い出してビックリしました。よほどあの木が気に入ったんですね。

P4020533_1.JPG

ひと登りした先の稜線一帯は素晴らしい世界が展開していましたね。
地形の妙、そして、なんて雄大な風景なのだろうと息を呑みました。
「どこまでも続く緩やかな起伏の、谷と尾根が交じり合ったような地形。
のっぺりした雪原ではなく、微妙な起伏が作り出す陰影が景観にアクセントをつけている」
青い空の下には白く輝く峰々。ほんとうに夢の中を歩いているようでした。


今まで遮られていた視界が突然開けた先の光景は、まさにパラダイスでした。
ここから山頂までのアプローチは急いで歩くのがもったいなくなるような地形と森でしたね。

P4020553_1.JPG

山頂手前は大きな雪堤が通せんぼ。「ゆきつつみ」うつくしい響きですね。
厳しい冬を象徴するように尖がった雪庇は、春の足音とともに角が取れ、丸みを帯び、消えてゆく。
雪国の山の情緒を感じる言葉ですね。


私もこの言葉を本で見つけた時「これだ」と思いました。普通は雪庇と書いてますけど、崩れてひさしになってなければ雪庇とは呼べないし、雪庇の崩れた跡では情緒に欠けます。
「雪堤」という表現があの景観にふさわしいと思います。

P4020598_1.JPG

水無山の三角点名は大当火というのですね。どういう意味なのでしょう。

不思議な名前ですね。三角点は変な名前が多いんですが。 :?:

ゆきつつみの下でのお昼は、お山をほっこりと感じる時間ですね。今シーズン最後かな、感慨深い気持ちになりました。

ところが今シーズン最後ではなかったですね。 :lol:


P4020686_1.JPG

下りの尾根は、大展望とうつくしいブナの森が△1223.8まで続いていきましたね。
水無山山頂北のまんまるピークからの眺望も素晴らしかったです。


こちらもと言うより、こちらの方が大当たりの尾根でした。
これが「大当火」の語源? :mrgreen:

三ヶ辻山のうつくしいお姿が目に焼き付きました。
山日和さんは素晴らしいコースを味わわれたのですね。うらやましいです。


あの長い尾根を辿ったのだと思うと感慨深いものがあります。

P4020640_1.JPG

山日和さんにとってはオマケ程度の北アルプスの大展望。わたしは、どきどきしながら眺めていました。
槍穂高や剱岳が見えると、うれしくて「あっ穂高、あっ槍、あっ剱」と呟いてしまいます。
白く輝く黒部五郎岳から薬師岳の稜線は言葉を失ううつくしさでした。薬師岳が薬師岳たる所以を感じました。


satoさんは雪のアルブスをあっちこっち歩いてますからね。私にとっては非現実の世界です。

下りの後半は速かったですね。
尾根の最後は、木を掴みながらなんとか下りていけるかなぁ、と思ったら、左のガレ斜面にロープが。
境界の赤い札がつけられたブナを何本も見かけたので、測量の作業をする人がかけたのでしょうか。
強度は大丈夫そうでしたね。
下の方は土砂で埋まっていましたので、雪面までのズルズルグニャグニャの土斜面のトラバースが緊張しました。
河原に着地して斜面を見上げびっくりしました。地崩れのガケでしたね。


スノーシューを脱いでから傾斜に任せてズンズンと下れました。雪が緩んでないとツボ足で快適に歩けますね。
しかしあのロープは凄い位置に設置されてましたね。


P4020733_1.JPG

そして懸念していた渡渉。ゴミ袋を二重にしてガムテープでズボンに固定。
豪快な音を立て流れゆく雪融け水に足がすくみ、一歩を踏み出すのにもたもたしていました。
スクラムを組んでも、わたしは水に足を取られそうになり、ひやっとなりました。
でも、渡りきると、ずぶ濡れの山日和さんの横で、スミマセン(汗)面白かったとにこにこ顔。
わたしが濡れぬよう神経を使ってくださり感謝です。
最後の石垣登りも面白かったです。


いろいろ考えた末の渡渉対策でしたが、自分のセッティングがいい加減でガックリでした。
最後は対岸からここなら登れると目星を付けてたんですよ。知らなかっただろうけど。 :mrgreen:

水無山は、山日和さんが10年以上思い描いていたお山だったのですね。
温め続けてくださったおかげで、わたしもこんなに素敵なお山に出会うことが出来ました。

温め過ぎて蒸発する前に登れてよかったです。 :lol:

             山日和
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