【奥越】九頭竜湖北岸の山旅 くせ谷山から大谷山、野々小屋山周回

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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【奥越】九頭竜湖北岸の山旅 くせ谷山から大谷山、野々小屋山周回

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2022年3月27日(日)
【山 域】奥越 九頭竜湖北岸周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】長野ふるさとの碑7:30---9:30くせ谷山---11:25主稜線---12:15大谷山13:30---14:40P1110---
     16:10野々小屋山16:25---17:30駐車地

 3週連続の奥越通いである。前2週はたっぷりの雪に恵まれて、残雪の奥越の山を満喫することができた。
このところの暖かさと雨はどう影響を及ぼしているだろうか。
 国道158号の九頭竜ダム手前にある、長野ふるさとの碑の前に車を止めた。駐車スペースの心配をしていた
のだが、ちょうどいい位置に駐車場があってひと安心だ。ここは九頭竜ダムの建設に伴って移転を余儀なくさ
れた長野集落を偲ぶ記念碑がある。目の前には九頭竜ダムの本体がドーンと立ちはだかっている。

 国道を少し歩いて、左から入る支流の左岸林道に入る。谷は雪解け水が轟々と音を立てて流れている。この
季節の渡渉はなかなか困難だろう。
林道に入ってすぐの右支流の出合から尾根に取り付いた。チェーンスパイクを装着して、崩れかけた雪のブロ
ックの上からズルズルの地肌が出た急斜面へ四輪駆動の登りである。昔はこんなところでも何とも思わず登っ
たものだが、今は手や足が滑ったらと、良からぬ思いが頭をよぎってしまう。慎重なのは悪いことではないが、
慎重になり過ぎると足が前に出ないのだ。

P3270034_1.JPG

 尾根に乗ってしまえば雪が繋がる快適な斜面。ほとんど潜ることもないので、チェーンスパイクのまま歩く。
植林と雑木林のミックスで、林相としては見るべきものはないが、心配していたヤブも出ておらず、手を使わ
ずに足だけで歩けるだけで十分だろう。途中でスノーシューに履き替える。
 やがてなだらかな雪尾根がまっすぐに延び、その先に小広いくせ谷山982.8mの山頂があった。変わった名前
だが、三角点名は「狗背谷」と名付けられている。「狗」というのは犬の意味があるので、犬の背中というこ
とだろうか。どっちにしてもよくわからない名前である。
晴れていればダム湖の展望台(但し、木の葉の落ちた時期限定)なのだろうが、重苦しい空の下に鉛色の湖面が
垣間見えるだけだ。昼からは晴れの予報。先週同様に予報を信じて進むしかない。


P3270054_1.JPG

 ここまで上がれば大谷山との標高差は200mしかない。アップダウンはあるものの、ひとつのメドが付いたと
その時は思っていた。
 くせ谷山からは一旦90mほどの下りとなる。山頂から足を踏み出すと、なんとまったく雪の無い急傾斜のヤセ
尾根が現れた。これは想定外である。スノーシューを脱いで、ブッシュを掴みながら慎重に下る。
このヤセ尾根は地形図からはとても読み取れない。スノーシューを履いて駆け下るつもりが大きな誤算となった。
結果的に雪が消えていてよかったというべきか。この尾根に雪が着いていればかなり難度が上がっていただろう。

 ようやく鞍部に到達したが、出発から2時間半近く経っているのに予定コースの20%も消化していない。大丈夫
だろうか。
 しかしここからは目論見通りの雪尾根歩きが始まった。ブナも現れ始め、ペースも上がる。
ただ雪尾根と言っても、尾根芯は地肌が出て、風下側に堆積した膨大な雪堤の上を歩く感じである。こうなると
豪雪の奥越も賞味期限が近付いてきたようだ。


P3270119_1.JPG

 大谷山への主稜線が近付いてきた。右手に見える大谷山は鈍重な山容で、登行欲を掻き立ててくれるというイ
メージではない。遠くから見た主稜線は針葉樹で黒っぽく、植林が続いているのかと思っていた。実際に立って
みると、そこは巨大ヒノキの展示場のような尾根だった。
 主稜線に突き当たって右折すると、尾根を塞ぐヒノキに度肝を抜かれた。両足を踏ん張ったように立つ根上が
りの2本の太い幹の間が広い通路になっており、少しかがむだけで通り抜けることができる。
今までいろんなヒノキの巨木、怪木を見てきたが、こんなヒノキの股くぐりは初めてだ。


P3270151_1.JPG

 この頃から予報通り青空が広がり始め、嫌でも気分は高揚してくる。右手に見える優美な山容の山は荒島岳か。
それにしては先週と比べて黒い。ずいぶん雪解けが進んだのだろうか。
ヒノキ帯を抜けて1067mへの登り返しに入ると、いよいよブナ林のお出ましである。

P3270184_1.JPG
 
 大谷山頂から北に延びる山上台地まで来ると、予期していなかった見事な展望が広がった。
先週は霞がちだった白山の姿がくっきりと見える。傾斜を失った広い尾根は一面のブナ林で、左手の智奈洞谷
(なんと優雅な名前だろう)側には原生と思える巨木が点在している。
雪面にブナが影を落としてまだら模様を描く。奥越の山の中では後回しになっていた山だが、こんなにいいとこ
ろだとは思わなかった。

P3270193_1.JPG

 1160.8mの大谷山頂はなぜか普通のヒノキが1本だけ立つ広大な雪原となっていた。それがなければ360度のパ
ノラマだが、裏手に回れば全部見えるので良しとしよう。
 雪面から三方を囲むようにブロック塀のようなものが頭を出していた。小屋掛けでもあったのだろうか。
ザックを降ろして雨蓋を開けた拍子に雨具が転げ落ちて、ブロックと雪の間に転がって行った。慌てて拾おうと
穴を覗くと、なんと2m近く下で止まっていた。ストックを目一杯伸ばして腕を差し込み、スノーバスケットに
引っ掛けてなんとか回収に成功。やれやれである。これで山頂の積雪は軽く2mオーバーであることがわかった。
 空は文句なしの快晴となった。正面に白山と石徹白の山々。そして先週登った松鞍山と枇杷倉山へ続く稜線を
眺めながら、至福のランチタイムを楽しむ。残念なのは、スーパーの鍋コーナーが終了していたのでラーメンに
なってしまったことである。
しかしこのシチュエーションなら、ビールさえ忘れなければ何を食っても美味いのだ。
 反対側の眺めは九頭竜川を挟んで横に長く延びる越美国境稜線である。
ここでさっきの黒い荒島岳が、実は屏風山であったことがわかった。荒島岳はずっと手前の山に邪魔されて見え
なかったのだ。


P3270197_1.JPG

 ランチタイムを堪能して分岐まで引き返す。本日の最終ミッションである、野々小屋山1065.6mに向かおう。
アップダウンも大したことはなく、楽勝ムードで踏み出した西への尾根だったが、これが一筋縄では行かなかった。
巨大ヒノキ帯はこちら側にも続き、と言うよりこちらの方がメインだったようで、尾根芯をまともに歩ける場所
が少なくなってきた。しかもシャクナゲまで現れて、尾根の両側の歩きやすいところを探りながら歩くも、遅々
として進まない。これは想定外である。
これが野々小屋山まで続いたらとてもじゃないが日のあるうちに下山できないだろう。
さっきまでは汗ばむような日差しで暑いぐらいだったのが、木陰でひんやりしてきたはずなのに、今度は冷や汗
が出てきた。


P3270279_1.JPG

 しかし悪いことは長くは続かないもので、1075mの手前鞍部まで来るとヒノキ地獄も終わり、再び快適な雪尾
根に変わった。このまま行けば闇下は避けられるだろう。そもそもスタートが遅いのはこの際不問である。
意外なほど展望のいいブナ林の尾根が続き、足取りも軽い。南側斜面には雪の台地が広がり、緩やかに上がって
来る谷の源頭と小尾根が作り出すうねった地形の連続に頬が緩む。
時間があれば飛び込んで行ってさまよい歩きたいような疎林の台地と斜面だ。

 Ca1050mで尾根が分岐する。右を取れば野々小屋山までは一投足。先ほどまでと同じような作りの浅い谷の源
頭を眺めながら、10分足らずで本日3つ目の山頂、野々小屋山に立った。
三角点名は「桧株」。なんといわくあり気な名前だろう。その名に反してさっきの稜線のようなヒノキが目立つ
わけではない。展望は意外に良く、九頭竜湖の奥に越美国境稜線を望むことができた。
これで本日の目標はすべて達成だ。ゆっくりしたいところだが暗くなる前に下山しよう。


パノラマ3_1_1.jpg
 
 先ほどのジャンクションまで戻って南尾根に入る。時刻はもう4時半だが、1時間もあれば下りられるだろう。
この尾根もまずまずのルートだった。欲を言えば野々小屋山の先の1009mまで進んでから、谷の源頭で遊んでこ
の尾根に乗りたかった
 途中からは地図にない林道が次々と現れた。駐車地の真上に下りる尾根に入るつもりが通り過ぎてしまい、
次の尾根を下る。国道の法面にぶち当たる心配はあったが、植林なので杣道で着地できるだろうと踏んだ。
するとまたもや林道が出現して、これ幸いと駐車地の50mほど手前に出ることができた。
下山開始からきっかり1時間。読み通りだ。
 九頭竜湖北岸の3つの三角点を踏破するいい山旅だった。これで奥越通いもひと区切りというところだろうか。

                      山日和
わしたか
記事: 140
登録日時: 2016年10月26日(水) 23:39

Re: 【奥越】九頭竜湖北岸の山旅 くせ谷山から大谷山、野々小屋山周回

投稿記事 by わしたか »

山日和さん、こんばんは~。

>(松鞍山の過去レス)山日和さんのレポは地形図見ながらじっくり読もうと思いながら積読になってまして、
>水曜にようやく九頭竜シリーズを終えました、、、と思ったら大谷山がアップされてました!

早よせんと周回遅れになりますよ。 :lol:


九頭竜シリーズ、周回遅れから(お疲レスの)トップにたちました!

※biwacoさんへの”お疲レス”地味に気に入ってます。このレスに欲しがってもいいですか?笑

むしろアイデンティティ :mrgreen:

今回は田島を封印しますので(?)

さて本題のレスです。
林道に入ってすぐの右支流の出合から尾根に取り付いた。チェーンスパイクを装着して、崩れかけた雪のブロ
ックの上からズルズルの地肌が出た急斜面へ四輪駆動の登りである。昔はこんなところでも何とも思わず登っ
たものだが、今は手や足が滑ったらと、良からぬ思いが頭をよぎってしまう。慎重なのは悪いことではないが、
慎重になり過ぎると足が前に出ないのだ。
確かにいろいろ考えすぎると足も出ないし、腰も上がりません(わたしのばあい)。
 くせ谷山からは一旦90mほどの下りとなる。山頂から足を踏み出すと、なんとまったく雪の無い急傾斜のヤセ
尾根が現れた。これは想定外である。スノーシューを脱いで、ブッシュを掴みながら慎重に下る。
このヤセ尾根は地形図からはとても読み取れない。スノーシューを履いて駆け下るつもりが大きな誤算となった。
結果的に雪が消えていてよかったというべきか。この尾根に雪が着いていればかなり難度が上がっていただろう。
おおっと!わたしには難しそうなので南の国道からピストンかな~。
ただ雪尾根と言っても、尾根芯は地肌が出て、風下側に堆積した膨大な雪堤の上を歩く感じである。こうなると
豪雪の奥越も賞味期限が近付いてきたようだ
うわ、急がないと!
主稜線に突き当たって右折すると、尾根を塞ぐヒノキに度肝を抜かれた。両足を踏ん張ったように立つ根上が
りの2本の太い幹の間が広い通路になっており、少しかがむだけで通り抜けることができる。
今までいろんなヒノキの巨木、怪木を見てきたが、こんなヒノキの股くぐりは初めてだ。
股の主はすでに亡くなっていて、子供や孫が生えている感じですかね。そして他人の子供も :lol:
生前のお姿はさぞかし立派だったことでしょう。
大谷山頂から北に延びる山上台地まで来ると、予期していなかった見事な展望が広がった。
先週は霞がちだった白山の姿がくっきりと見える。傾斜を失った広い尾根は一面のブナ林で、左手の智奈洞谷
(なんと優雅な名前だろう)側には原生と思える巨木が点在している。
ちなみに智奈洞谷は「ちなほらたに」と読むんですかね?
原生の巨木もいい響きです。
雪面にブナが影を落としてまだら模様を描く。奥越の山の中では後回しになっていた山だが、こんなにいいとこ
ろだとは思わなかった。
九頭竜の北の山々はどれもいいところばかりですね(九頭竜シリーズ読者より)。
 雪面から三方を囲むようにブロック塀のようなものが頭を出していた。小屋掛けでもあったのだろうか。
ザックを降ろして雨蓋を開けた拍子に雨具が転げ落ちて、ブロックと雪の間に転がって行った。慌てて拾おうと
穴を覗くと、なんと2m近く下で止まっていた。ストックを目一杯伸ばして腕を差し込み、スノーバスケットに
引っ掛けてなんとか回収に成功。やれやれである。
そのときの写真はないんですね :mrgreen:
 空は文句なしの快晴となった。正面に白山と石徹白の山々。そして先週登った松鞍山と枇杷倉山へ続く稜線を
眺めながら、至福のランチタイムを楽しむ。残念なのは、スーパーの鍋コーナーが終了していたのでラーメンに
なってしまったことである。
しかしこのシチュエーションなら、ビールさえ忘れなければ何を食っても美味いのだ。
登山靴忘れてもビールは忘れるな、ですね!(いじってません)
本日の最終ミッションである、野々小屋山1065.6mに向かおう。
アップダウンも大したことはなく、楽勝ムードで踏み出した西への尾根だったが、これが一筋縄では行かなかった。
巨大ヒノキ帯はこちら側にも続き、と言うよりこちらの方がメインだったようで、尾根芯をまともに歩ける場所
が少なくなってきた。しかもシャクナゲまで現れて、尾根の両側の歩きやすいところを探りながら歩くも、遅々
として進まない。これは想定外である。
これが野々小屋山まで続いたらとてもじゃないが日のあるうちに下山できないだろう。
さっきまでは汗ばむような日差しで暑いぐらいだったのが、木陰でひんやりしてきたはずなのに、今度は冷や汗
が出てきた。
私ひとりならこの時点でピストンに変更していると思いますが、
山日和さんの辞書に引き返すという文字はありません!:lol:
来る谷の源頭と小尾根が作り出すうねった地形の連続に頬が緩む。
時間があれば飛び込んで行ってさまよい歩きたいような疎林の台地と斜面だ。
周回にこだわらなければ、大谷山と野々小屋山を別日にして源頭を満喫するという手もありますね。
この尾根もまずまずのルートだった。欲を言えば野々小屋山の先の1009mまで進んでから、谷の源頭で遊んでこ
の尾根に乗りたかった
地形図見るとよだれが出そうです(出ました)。
あとP1009から西、P878までの尾根も悪くなさそう。
九頭竜湖北岸の3つの三角点を踏破するいい山旅だった。これで奥越通いもひと区切りというところだろうか。
九頭竜シリーズもついに終わりですか。おつかれさまでした。
次回作も楽しみにしています :lol:


わしたか
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【奥越】九頭竜湖北岸の山旅 くせ谷山から大谷山、野々小屋山周回

投稿記事 by バーチャリ »

山日和 さん こんにちは


 国道158号の九頭竜ダム手前にある、長野ふるさとの碑の前に車を止めた。駐車スペースの心配をしていた
のだが、ちょうどいい位置に駐車場があってひと安心だ。ここは九頭竜ダムの建設に伴って移転を余儀なくさ
れた長野集落を偲ぶ記念碑がある。目の前には九頭竜ダムの本体がドーンと立ちはだかっている。


昨日じっくり見てきました。
ダムの建設に伴い部落民は立退きを余儀なくされたのですね。


林道に入ってすぐの右支流の出合から尾根に取り付いた。チェーンスパイクを装着して、崩れかけた雪のブロ
ックの上からズルズルの地肌が出た急斜面へ四輪駆動の登りである。昔はこんなところでも何とも思わず登っ
たものだが、今は手や足が滑ったらと、良からぬ思いが頭をよぎってしまう。慎重なのは悪いことではないが、
慎重になり過ぎると足が前に出ないのだ。


慎重になりますよね。
チェーンスパイクで今の時期大丈夫ですか?


 尾根に乗ってしまえば雪が繋がる快適な斜面。ほとんど潜ることもないので、チェーンスパイクのまま歩く。
植林と雑木林のミックスで、林相としては見るべきものはないが、心配していたヤブも出ておらず、手を使わ
ずに足だけで歩けるだけで十分だろう。途中でスノーシューに履き替える。


昨日はたんぽぽさんはスノーシュウ 
私とシューは軽量化でワカンでしたが使う事なかったですが。


 やがてなだらかな雪尾根がまっすぐに延び、その先に小広いくせ谷山982.8mの山頂があった。変わった名前
だが、三角点名は「狗背谷」と名付けられている。「狗」というのは犬の意味があるので、犬の背中というこ
とだろうか。どっちにしてもよくわからない名前である。


尾根に出ると良さそうな尾根ですね

ここまで上がれば大谷山との標高差は200mしかない。アップダウンはあるものの、ひとつのメドが付いたと
その時は思っていた。
 くせ谷山からは一旦90mほどの下りとなる。山頂から足を踏み出すと、なんとまったく雪の無い急傾斜のヤセ
尾根が現れた。これは想定外である。スノーシューを脱いで、ブッシュを掴みながら慎重に下る。


急斜面になってますが引き返す選択しはないのですね 
:(

しかしここからは目論見通りの雪尾根歩きが始まった。ブナも現れ始め、ペースも上がる。
ただ雪尾根と言っても、尾根芯は地肌が出て、風下側に堆積した膨大な雪堤の上を歩く感じである。こうなると
豪雪の奥越も賞味期限が近付いてきたようだ。


私も3週続けて通ってますが
1週間ごと雪解けが進んでますよね。

主稜線に突き当たって右折すると、尾根を塞ぐヒノキに度肝を抜かれた。両足を踏ん張ったように立つ根上が
りの2本の太い幹の間が広い通路になっており、少しかがむだけで通り抜けることができる。
今までいろんなヒノキの巨木、怪木を見てきたが、こんなヒノキの股くぐりは初めてだ。


写真を見ると口を開けてかまえてますね

この頃から予報通り青空が広がり始め、嫌でも気分は高揚してくる。右手に見える優美な山容の山は荒島岳か。
それにしては先週と比べて黒い。ずいぶん雪解けが進んだのだろうか。
ヒノキ帯を抜けて1067mへの登り返しに入ると、いよいよブナ林のお出ましである。


北に進むと思ったら右ですか


大谷山頂から北に延びる山上台地まで来ると、予期していなかった見事な展望が広がった。
先週は霞がちだった白山の姿がくっきりと見える。傾斜を失った広い尾根は一面のブナ林で、左手の智奈洞谷
(なんと優雅な名前だろう)側には原生と思える巨木が点在している。
雪面にブナが影を落としてまだら模様を描く。奥越の山の中では後回しになっていた山だが、こんなにいいとこ
ろだとは思わなかった。


複雑地形ですね
原生と思える巨木が点在ですか いい感じですね
ここまで来るのが大変ですね。

ザックを降ろして雨蓋を開けた拍子に雨具が転げ落ちて、ブロックと雪の間に転がって行った。慌てて拾おうと
穴を覗くと、なんと2m近く下で止まっていた。ストックを目一杯伸ばして腕を差し込み、スノーバスケットに
引っ掛けてなんとか回収に成功。


雨具で良かったです。
琵琶湖さん本人が 根開にホールインワンしましたが

 空は文句なしの快晴となった。正面に白山と石徹白の山々。そして先週登った松鞍山と枇杷倉山へ続く稜線を
眺めながら、至福のランチタイムを楽しむ。残念なのは、スーパーの鍋コーナーが終了していたのでラーメンに
なってしまったことである。


昨日しっかり見てきましたが 
大変な距離を歩かないと枇杷倉山に立つ事は出来ないですね。


 途中からは地図にない林道が次々と現れた。駐車地の真上に下りる尾根に入るつもりが通り過ぎてしまい、
次の尾根を下る。国道の法面にぶち当たる心配はあったが、植林なので杣道で着地できるだろうと踏んだ。
するとまたもや林道が出現して、これ幸いと駐車地の50mほど手前に出ることができた。
下山開始からきっかり1時間。読み通りだ。
 九頭竜湖北岸の3つの三角点を踏破するいい山旅だった。これで奥越通いもひと区切りというところだろうか。


お疲れ様でした。
奥越通いも終わり 
雪を求めて飛騨の方面でしょうか 。

 バーチャリ

                      
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【奥越】九頭竜湖北岸の山旅 くせ谷山から大谷山、野々小屋山周回

投稿記事 by sato »

日和さま

こんばんは。
我が家の裏の堤防の桜も五分咲きになりました。
花盛りの季節、お花の山が気になりながらも、まだ残雪の山に向かいたい気持ちが勝っています。
山日和さんは27日も奥越のお山でしたね。
くせ谷山から、大谷山、野々小屋山の周回の雪山旅・・・地図で辿りました。
今はダムに沈んでしまった長野集落の裏山を味わわれてきたのですね。
大谷山から野々小屋山のくねくねした稜線、複雑な地形に目が惹きつけられました。
どんな風景の中を旅されたのでしょう。興味津々で読ませていただきました。

朝、こちらは雨が降っていましたので、奥越地方もまだ雨が残っていたのではと思いました。
止んでいてよかったですね。
くせ谷山の尾根の取り付きは急傾斜ですね。しかも崩れかけた雪の斜面でしたか。神経を使いますね。
「手や足が滑ったらと、良からぬ思いが頭をよぎってしまう」
慎重さは大切ですが、慎重になりすぎると足が出なくなる。そうですね。実感します。
良からぬ思いが頭をよぎり、でも大丈夫と進んだ山、やっぱりやめようと引き返した山を思い出しました。
そして、体験から来る安心感と安全のつながりについても、また考えました。

くせ谷山は山名が気になり、どんなお山なのかなぁ、と思っていました。三角点名は「狗背谷」なのですね。
長野へと流れ落ちる谷の名称がくせ谷、犬の背中のような谷なのでしょうか。どんな谷なのでしょうね。
写真を見ると穏やかな感じの山頂ですね。眺めもよさそう。

くせ谷山から大谷山、野々小屋山の稜線までは、地図を見ている限りでは楽観的な感じですね。
でも山頂からの下りは急傾斜のヤセ尾根なのですね。雪がついていたらナイフリッジでしょうか。
鞍部からは気持ちよさそうな尾根ですが、もう地肌が見えていたのですね。

・1067あたりの広い尾根にきゅっと谷が入り組んだ地形が気になります。
のびやかな風景が広がっているのかなと思いましたが、ヒノキの展示場のような尾根なのですね。
見てみたいです。写真のヒノキ、どうなっているのでしょうか。よく分からないです。

大谷山山頂北の台地、山頂直下のこのような地形は素敵な匂いを感じます。
うつくしいブナの森と見事な展望を味わえるのですね。
辿り着いた山頂には、「普通」のヒノキが一本佇んでいるのですか。なんか不思議で面白いですね。
それから小屋の跡?何の小屋なのでしょう。気になります。
ブロックと雪の間に落ちたのは、雨具でよかったですね。
ブロックに腰掛けようとしてバランスを崩し、あれぇ?と落ちてしまったら(冷や汗)
山中では、どこで何が起こるか分かりませんものね。

戻った分岐から・1075付近までもヒノキの展示場なのですね。プラスしゃくなげですか。
・1110に着いたのが14時40分。谷を挟んだ尾根上の中間地点。いつまで続くのだろう、心配になりますね。
少しの距離でよかったですね。でも、こんな時、時間は長く感じますね。
・1075先の鞍部から野々小屋山へのうねった地形は、地図を見て想像遊びをしているだけでも楽しいです。
やっぱり頬が緩む風景だったのですね。

野々小屋山の三角点名は「桧株」ですか。点名って面白いですね。
山頂到着時間が16時。朝、1時間早く出発していたら・1009に進み、谷の源頭で遊べましたね。
闇下の帝王と呼ばれていた?10年前?でしたら、この時間でも進んだのでしょうか(笑)。

下りの尾根の最後は法面。林道に出合えスムーズに駐車地に戻れたのですね。
山日和さんの着地の読みは、すごいなぁ、とご一緒していて思います。

今シーズン最後?の奥越雪山旅、楽しませていただきました。
次は飛騨の雪山旅レポですね。楽しみにしています。

sato
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥越】九頭竜湖北岸の山旅 くせ谷山から大谷山、野々小屋山周回

投稿記事 by 山日和 »

わしたかさん、どうもです。

九頭竜シリーズ、周回遅れから(お疲レスの)トップにたちました!

※biwacoさんへの”お疲レス”地味に気に入ってます。このレスに欲しがってもいいですか?笑


おめでとうございます。このままトップで走り続けて下さい。息切れせんように。 :lol:

>むしろアイデンティティ :mrgreen:

今回は田島を封印しますので(?)


一般人には謎のやりとりですね。 :mrgreen:

確かにいろいろ考えすぎると足も出ないし、腰も上がりません(わたしのばあい)。

息が上がるばかりです。 :lol:


取付きの様子
取付きの様子

>このヤセ尾根は地形図からはとても読み取れない。スノーシューを履いて駆け下るつもりが大きな誤算となった。
結果的に雪が消えていてよかったというべきか。この尾根に雪が着いていればかなり難度が上がっていただろう。

おおっと!わたしには難しそうなので南の国道からピストンかな~。

それはあまりに短過ぎて物足りないでしょう~

>こうなると豪雪の奥越も賞味期限が近付いてきたようだ

うわ、急がないと!


もう手遅れ鴨。


賞味期限間近
賞味期限間近


股の主はすでに亡くなっていて、子供や孫が生えている感じですかね。そして他人の子供も :lol:
生前のお姿はさぞかし立派だったことでしょう。


まさに木の股から生まれた子供ですね。 :mrgreen:

ちなみに智奈洞谷は「ちなほらたに」と読むんですかね?
原生の巨木もいい響きです。


「ちなぼら」かな?
智奈ちゃんって、かわいい名前じゃないですか。 :D

智奈洞谷源頭のブナ林
智奈洞谷源頭のブナ林

九頭竜の北の山々はどれもいいところばかりですね(九頭竜シリーズ読者より)。

ご愛読ありがとうございます。

>ザックを降ろして雨蓋を開けた拍子に雨具が転げ落ちて、ブロックと雪の間に転がって行った。慌てて拾おうと穴を覗くと、なんと2m近く下で止まっていた。ストックを目一杯伸ばして腕を差し込み、スノーバスケットに引っ掛けてなんとか回収に成功。やれやれである。

そのときの写真はないんですね :mrgreen:

誰かドローンで撮ってくれたらよかったのに。

登山靴忘れてもビールは忘れるな、ですね!(いじってません)

至言ですな。生死に関わる一大事です。 :mrgreen:

私ひとりならこの時点でピストンに変更していると思いますが、
山日和さんの辞書に引き返すという文字はありません!:lol:


ここで戻れば股間、いや沽券に関わります。 :lol:


縦走路からの展望
縦走路からの展望

周回にこだわらなければ、大谷山と野々小屋山を別日にして源頭を満喫するという手もありますね。

そうですね。最初は大谷山以外の2山は頭になかったんですが。

地形図見るとよだれが出そうです(出ました)。
あとP1009から西、P878までの尾根も悪くなさそう。

フキフキ。
最後の尾根は考えてましたが、もういいかって感じでやめました。

九頭竜シリーズもついに終わりですか。おつかれさまでした。
次回作も楽しみにしています :lol:


後は私のザック同様、ミレー(落穂拾い)です。 :D

           山日和
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥越】九頭竜湖北岸の山旅 くせ谷山から大谷山、野々小屋山周回

投稿記事 by 山日和 »

バーチャリさん、どうもです。

昨日じっくり見てきました。
ダムの建設に伴い部落民は立退きを余儀なくされたのですね。

書き忘れてましたが、下山後、碑の前でバッタリでしたね。 :D


P3270001_1.JPG

慎重になりますよね。
チェーンスパイクで今の時期大丈夫ですか?


まあ、なんとかですね。雪質次第ですが。

昨日はたんぽぽさんはスノーシュウ 
私とシューは軽量化でワカンでしたが使う事なかったですが。

シューってシュークリさん? :mrgreen:

尾根に出ると良さそうな尾根ですね

なかなか快適な尾根でした。

P3270034_1.JPG

急斜面になってますが引き返す選択しはないのですね :(

ここで引き返したら終わってしまいます。 :oops:

私も3週続けて通ってますが
1週間ごと雪解けが進んでますよね。


バーチャリさんも奥越通いでしたね。雪は駆け足で減っていきます。

>今までいろんなヒノキの巨木、怪木を見てきたが、こんなヒノキの股くぐりは初めてだ。

写真を見ると口を開けてかまえてますね


吸い込まれました。 :lol:

こんなヒノキも
こんなヒノキも

複雑地形ですね
原生と思える巨木が点在ですか いい感じですね
ここまで来るのが大変ですね。


南東側からのピストンルートの方が、良く登られていて易しいと思います。

雨具で良かったです。
琵琶湖さん本人が 根開にホールインワンしましたが


あらまあ、biwa爺さん、無事でしたか。
ホールインワンしたら祝儀を配らないと。 :mrgreen:


P3270209_1.JPG

昨日しっかり見てきましたが 
大変な距離を歩かないと枇杷倉山に立つ事は出来ないですね。


枇杷倉はどこから攻めても遠い山です。

お疲れ様でした。
奥越通いも終わり 
雪を求めて飛騨の方面でしょうか 。


見てたんですか? :lol:

              山日和
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山日和
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登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
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Re: 【奥越】九頭竜湖北岸の山旅 くせ谷山から大谷山、野々小屋山周回

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。

花盛りの季節、お花の山が気になりながらも、まだ残雪の山に向かいたい気持ちが勝っています。

その通りですね。世間ではスブリングエフェメラルの話題で賑わってますが、どうしても雪の山に惹かれてしまいます。

大谷山から野々小屋山のくねくねした稜線、複雑な地形に目が惹きつけられました。
どんな風景の中を旅されたのでしょう。興味津々で読ませていただきました。


本当はもっとゆったり広々した尾根歩きの方が好きなんだけどね。 :D

「手や足が滑ったらと、良からぬ思いが頭をよぎってしまう」
慎重さは大切ですが、慎重になりすぎると足が出なくなる。そうですね。実感します。


実際、昔に比べると慎重になりました。恐さが出てきてますね。
以前なら簡単に通過できたところで苦労したり。運動能力の衰えもあるし。

くせ谷山は山名が気になり、どんなお山なのかなぁ、と思っていました。三角点名は「狗背谷」なのですね。
長野へと流れ落ちる谷の名称がくせ谷、犬の背中のような谷なのでしょうか。どんな谷なのでしょうね。
写真を見ると穏やかな感じの山頂ですね。眺めもよさそう。


くせ谷山はメールをもらうまでカットするつもりでした。(実はあの三角点がくせ谷山だと知らなかった(^^;)

P3270054_1.JPG

くせ谷山から大谷山、野々小屋山の稜線までは、地図を見ている限りでは楽観的な感じですね。
でも山頂からの下りは急傾斜のヤセ尾根なのですね。雪がついていたらナイフリッジでしょうか。
鞍部からは気持ちよさそうな尾根ですが、もう地肌が見えていたのですね。


厳冬期ならなかなか厳しい雪稜になると思われます。
その先は松鞍山や岩谷山でもあったように、地肌が出ているところと 高い雪堤が残っているところのギャップが大きいですね。

・1067あたりの広い尾根にきゅっと谷が入り組んだ地形が気になります。
のびやかな風景が広がっているのかなと思いましたが、ヒノキの展示場のような尾根なのですね。
見てみたいです。写真のヒノキ、どうなっているのでしょうか。よく分からないです。


地形図だけ見ると面白いんだけどねえ。実際は暗いヒノキ林の中です。


P3270169_1.JPG

大谷山山頂北の台地、山頂直下のこのような地形は素敵な匂いを感じます。
うつくしいブナの森と見事な展望を味わえるのですね。


山頂への最後のアプローチとしては最高ですね。緩やかなブナ林に包まれた、ほとんど登りの無い尾根が、
ここが山頂と言われてもわからないような雪原の台地に導いてくれました。 :D

それから小屋の跡?何の小屋なのでしょう。気になります。
ブロックと雪の間に落ちたのは、雨具でよかったですね。
ブロックに腰掛けようとしてバランスを崩し、あれぇ?と落ちてしまったら(冷や汗)
山中では、どこで何が起こるか分かりませんものね。


このあたり一帯は一度伐採を受けていると思うので、作業のための小屋掛けか何かがあったんでしょう。
しかし焦りました。雨具だからストックで引っ掛けられたけど、小さいものだとサヨナラでした。 :oops:


P3270203_1.JPG

戻った分岐から・1075付近までもヒノキの展示場なのですね。プラスしゃくなげですか。
・1110に着いたのが14時40分。谷を挟んだ尾根上の中間地点。いつまで続くのだろう、心配になりますね。


まあ、凄いヒノキのオンパレードでした。いい加減飽きてきましたよ。 :mrgreen:

・1075先の鞍部から野々小屋山へのうねった地形は、地図を見て想像遊びをしているだけでも楽しいです。
やっぱり頬が緩む風景だったのですね。


稜線の南側に何とも言えない穏やかな地形が広がっていました。ここを登って来ても面白いかなと思ったけど、
地図で見ると源頭部だけの話ですね。ダム湖畔からはいいルートになりそうもないです。

野々小屋山の三角点名は「桧株」ですか。点名って面白いですね。

この名前は途中のピークに付けてほしかったですわ。 :lol:


P3270329_1.JPG

山頂到着時間が16時。朝、1時間早く出発していたら・1009に進み、谷の源頭で遊べましたね。
闇下の帝王と呼ばれていた?10年前?でしたら、この時間でも進んだのでしょうか(笑)。

誰が呼んだか、とんでもない名前ですね。 :shock:

下りの尾根の最後は法面。林道に出合えスムーズに駐車地に戻れたのですね。
山日和さんの着地の読みは、すごいなぁ、とご一緒していて思います。


えっへん、ここしかないって感じでした。 :lol:

              山日和
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