【台高】喜平小屋大滝の青い氷筍は育ちざかり
Posted: 2022年1月17日(月) 18:52
【日 付】2022年1月16日(日)
【山 域】台高
【コース】千石林道駐車場8:05---9:45林道終点---11:20喜平小屋大滝---12:20林道終点---13:35千石林道駐車場
【メンバー】単独
飯高町には、氷瀑の名所が3か所ある。布引滝、風折滝、喜平小屋大滝で、今年は例年より冷え込んでいるので期待ができる。以前は3カ所ともこの時期に人を見かけることは無かったが、布引滝と風折滝は年々人臭くなってきている。先週は人の多いルート取りだったので、今週は静寂が約束されている喜平小屋大滝に向かうことにした。
千石林道の車止めに駐車し歩き出す。いつもは沢靴なのだが、雪の季節はそうはいかない。ハンワグの重い革靴をはいているので、林道歩きに時間がかかる。千石林道に今年は人が入っていないようで、足跡は皆無。かわりに獣の足跡だらけで、獣達の天国になっていた。いつもは見ない鹿やサルの群れに出くわした。雪に慣れていないこのあたりの獣たちは、雪が降ると林道や登山道や杣道をよく使っている。日陰の林道は凍っているので気を遣う。沢筋のツララもいい感じで育ってきている。
千石林道は年末まで井戸谷の崩落地の工事をしていたので整っている。工事はほぼ完了しており、崩落地点には金属ネットが張られていた。この先のえぐれた林道も直すようでピンクテープの目印がそこかしこに付けられていた。
林道終点よりトレースのない杣道を喜平小屋谷出合に向けて下っていく。出合は水がしっかり流れており浅い所を選んで渡った。堰堤の渡渉は、堰堤上を歩き対岸に渡ろうとすると氷がわれてズボッ。すぐに二の足で先に進んだので濡れずにすんだが、水が普通に流れているので、薄く張った氷には気をつけないといけないようだ。
無雪期に喜平小屋谷を歩くときは安全な谷を歩くのだが、この時期は、以前歩かれていた杣道を使う。微妙な所もあるが、水の流れる雪の谷を歩くわけにはいかない。雪は、斜面に乗っかっている状態でその下が凍っている訳でもない。気をつかうところでは一歩一歩雪の下を確かめながら歩くしかない。
2カ所巻いて植林地に着く。ここでアイゼンを付け、ピッケルも準備。植林地の急斜面もアイゼンとピッケルで安定して上っていける。上ると喜平小屋谷三俣の蓮乾留第3工場跡で、石垣はわかるが大量の土管やレンガは雪に埋もれてしまっている。杣道を谷沿いに進み、栃の木が見えたあたりで谷に下りる。雪につつまれた水の流れる谷を足場を確認しながらルート工作して渡った。
右俣の出合滝は凍っているが雪に埋もれて滝のようには見えない。左俣のスダレ滝に向かい上っていく。ここまでくると、谷の水が凍りその上に雪が乗っている所が多くなる。スダレ滝はきれいに凍結しており見ごたえがある。この先、15m前後の滝が続き連瀑になる。その先の壁から氷のカーテンが垂れているのが見える。喜平小屋大滝の氷瀑上部だ。
乾留工場の正面にスダレ滝があり、その先に喜平小屋大滝の一部が見える。大正時代に工場が稼働していたころは、工員達もこの氷瀑を見たに違いない。
ここから連獏帯の巻きにかかる。最初は、左岸のザレた斜面を上る。雪はあるが、乗っている状態でザレにアイゼンをかませていく。小尾根に取りつけそうな場所からトラバースするが、雪の下が岩だったり滑りやすい土壁だったりするので確認しながら進む。谷は雪につつまれた急な斜面の連瀑で、あんな所に落ちたくない。できれば連瀑帯の上までトラバースしていきたい。
どうにか連瀑帯の上に着き。見上げると、氷が積みあがった斜面の上に下段部の氷壁があり、その上に青い光を放つタケノコが成長していた。落口からも氷柱が伸びてきており、タケノコにミストが降り注いでいる。寒い冬が続けば、今年は氷柱と氷筍がつながるかもしれない。そうすれば下段部10mに10m氷筍に氷柱がつながり40mの氷瀑ができる。
下段部を上ろうと、ピッケルにハンマーを持って近づくと氷壁の裏側は水が音を立てて流れている。これでは、どうしようもない。当初は周回を予定していたが、雪も解けだし腐りかけはじめたので、ここで休憩し、来た道を戻った。
見ごたえのある喜平小屋大滝の氷瀑に出会えて良かった。
【山 域】台高
【コース】千石林道駐車場8:05---9:45林道終点---11:20喜平小屋大滝---12:20林道終点---13:35千石林道駐車場
【メンバー】単独
飯高町には、氷瀑の名所が3か所ある。布引滝、風折滝、喜平小屋大滝で、今年は例年より冷え込んでいるので期待ができる。以前は3カ所ともこの時期に人を見かけることは無かったが、布引滝と風折滝は年々人臭くなってきている。先週は人の多いルート取りだったので、今週は静寂が約束されている喜平小屋大滝に向かうことにした。
千石林道の車止めに駐車し歩き出す。いつもは沢靴なのだが、雪の季節はそうはいかない。ハンワグの重い革靴をはいているので、林道歩きに時間がかかる。千石林道に今年は人が入っていないようで、足跡は皆無。かわりに獣の足跡だらけで、獣達の天国になっていた。いつもは見ない鹿やサルの群れに出くわした。雪に慣れていないこのあたりの獣たちは、雪が降ると林道や登山道や杣道をよく使っている。日陰の林道は凍っているので気を遣う。沢筋のツララもいい感じで育ってきている。
千石林道は年末まで井戸谷の崩落地の工事をしていたので整っている。工事はほぼ完了しており、崩落地点には金属ネットが張られていた。この先のえぐれた林道も直すようでピンクテープの目印がそこかしこに付けられていた。
林道終点よりトレースのない杣道を喜平小屋谷出合に向けて下っていく。出合は水がしっかり流れており浅い所を選んで渡った。堰堤の渡渉は、堰堤上を歩き対岸に渡ろうとすると氷がわれてズボッ。すぐに二の足で先に進んだので濡れずにすんだが、水が普通に流れているので、薄く張った氷には気をつけないといけないようだ。
無雪期に喜平小屋谷を歩くときは安全な谷を歩くのだが、この時期は、以前歩かれていた杣道を使う。微妙な所もあるが、水の流れる雪の谷を歩くわけにはいかない。雪は、斜面に乗っかっている状態でその下が凍っている訳でもない。気をつかうところでは一歩一歩雪の下を確かめながら歩くしかない。
2カ所巻いて植林地に着く。ここでアイゼンを付け、ピッケルも準備。植林地の急斜面もアイゼンとピッケルで安定して上っていける。上ると喜平小屋谷三俣の蓮乾留第3工場跡で、石垣はわかるが大量の土管やレンガは雪に埋もれてしまっている。杣道を谷沿いに進み、栃の木が見えたあたりで谷に下りる。雪につつまれた水の流れる谷を足場を確認しながらルート工作して渡った。
右俣の出合滝は凍っているが雪に埋もれて滝のようには見えない。左俣のスダレ滝に向かい上っていく。ここまでくると、谷の水が凍りその上に雪が乗っている所が多くなる。スダレ滝はきれいに凍結しており見ごたえがある。この先、15m前後の滝が続き連瀑になる。その先の壁から氷のカーテンが垂れているのが見える。喜平小屋大滝の氷瀑上部だ。
乾留工場の正面にスダレ滝があり、その先に喜平小屋大滝の一部が見える。大正時代に工場が稼働していたころは、工員達もこの氷瀑を見たに違いない。
ここから連獏帯の巻きにかかる。最初は、左岸のザレた斜面を上る。雪はあるが、乗っている状態でザレにアイゼンをかませていく。小尾根に取りつけそうな場所からトラバースするが、雪の下が岩だったり滑りやすい土壁だったりするので確認しながら進む。谷は雪につつまれた急な斜面の連瀑で、あんな所に落ちたくない。できれば連瀑帯の上までトラバースしていきたい。
どうにか連瀑帯の上に着き。見上げると、氷が積みあがった斜面の上に下段部の氷壁があり、その上に青い光を放つタケノコが成長していた。落口からも氷柱が伸びてきており、タケノコにミストが降り注いでいる。寒い冬が続けば、今年は氷柱と氷筍がつながるかもしれない。そうすれば下段部10mに10m氷筍に氷柱がつながり40mの氷瀑ができる。
下段部を上ろうと、ピッケルにハンマーを持って近づくと氷壁の裏側は水が音を立てて流れている。これでは、どうしようもない。当初は周回を予定していたが、雪も解けだし腐りかけはじめたので、ここで休憩し、来た道を戻った。
見ごたえのある喜平小屋大滝の氷瀑に出会えて良かった。