【南越前】八飯から栃ノ木へ 豊潤のブナ林の光と陰

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山日和
記事: 3571
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【南越前】八飯から栃ノ木へ 豊潤のブナ林の光と陰

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2022年1月10日(月)
【山 域】南越前 三角点八飯周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】荒井水道施設8:35---10:40三角点大岩谷---12:15三角点八飯13:45---14:35三角点栃ノ木---15:05尾根分岐---
     16:20樫尾谷--17:30駐車地


 この時期、登山道のない山に登る時にポイントになるのが駐車地だ。登山者用の駐車場がないところでは、除雪して
いないため駐車地に困ることがしばしばである。
荒井集落の水道施設の横がうまい具合に除雪されていたので、車を止めさせてもらう。
道端の田畑も積雪で真っ白。これならすぐにスノーシューを履いてスタートできる理想的なコンディションだ。
 畑を横切って尾根に取り付いた。しばらくは植林のつまらない尾根だがこれは織り込み済み。里山の尾根の下部では
あたり前の状況だ。少し前の予報では思わしくなかった天気は劇的に好転して、雲ひとつないような青空が広がってい
る。気温も上昇してきたようで、手袋を途中で脱いでしまうぐらいの暖かさである。


P1100007_1.JPG

 問題はこの植林帯がいつまで続くのかだ。八飯(やい)の集落から三角点八飯に向かうのは3度目だが、前2回は樫尾谷
の林道の途中から尾根に取り付いた。今日は樫尾谷の左岸尾根を末端から辿る新規開拓コースだ。検索してもまったく
ヒットしない、情報のないコースでもある。


P1100038_1.JPG

 643.6mの三角点大岩谷の手前の尾根が広がりを見せるあたりから、ようやく気持ちのいい自然林の尾根に変わった。
一度伐採を受けた二次林で、ブナは少なくコナラやリョウブが主体の雑木林ではあるが、杉の植林よりは100倍いい。
積雪はさほどでもないように思えるが、鬱陶しい潅木のヤブが埋もれてスッキリ見えるのも加点要素だ。


P1100070_1.JPG

 この尾根は距離が長い割に標高がほとんど上がらない。多少のアップダウンがあるとは言え、3キロほどの間に稼ぐ
高度は100mばかりしかないのである。
広くゆったりとした尾根を気分良く歩く。これはいわゆる「当たり」の尾根のようだ。単調なようでも微妙な起伏と
屈曲を見せる地形は飽きることがない。広い尾根とヤセ尾根が交互に現れるのも面白い。


P1100090_1.JPG

 なかなか近付かなかった三角点八飯がようやく指呼の間になると、林相が変化を見せた。
これまで少なかったブナの割合が増え始め、やがてブナの純林へと変わる。
右側には目の前に今庄365スキー場のゲレンデが広がるが、去年から営業休止しているので静かなものである。

 
P1100098_1.JPG

 八飯への最後の登りにかかると、頭上に予想外のものが見えた。風況観測塔だ。山頂の豊かなブナ林を切り裂いて、
観測塔と太陽光発電設備が設置されている。栃ノ木峠から音波の稜線に風車の計画が進行中なのは知っていたが、こ
こも標的になっていたとは。
愕然としながらも気を取り直してランチタイムとする。本当は音波まで行ってからのつもりだったが少々出遅れてし
まった。後をどうするかはメシを食ってから考えよう。
ポカポカと温かい日差しが降り注ぎ、初登りとは打って変わって絶好のビール日和だ。


P1100113_1.JPG

 早めにランチタイムを切り上げて江越国境稜線へ向かう。
ここから無線中継塔の建つ三角点栃ノ木までの区間は、ほぼブナの純林と呼べる樹林が続く。
右手の余呉高原スキー場の奥に敦賀湾が広がっている。ブナの森から唐突に見える海の姿は意表を衝かれたようで、
一瞬海なのか湖なのかわからなくなってしまう。
 左からせり上がる樫尾谷左俣の源頭部と尾根の屈曲が作り出す絶妙な曲線が美しく、スックと立ち並ぶブナ達が落
とす影が、真っ白な雪面にまだら模様を描く。その豊潤な風景に心が奪われそうになってしまう。
しかし、そのブナ達に奇妙なテープが巻かれていた。ピンクとブルーのテープには番号が打ってあった。
これはもしや伐採するためのナンバリングか。栃ノ木と八飯を繋ぐ尾根のブナの森もすべて切り倒されて風車が林立
してしまうのか。素晴らしい森に包まれて昂揚する胸の内に、遠からずこの森が失われてしまうという絶望感が同居
している。


P1100144_1.JPG

 栃ノ木まで来ると峠の方からスノーシューのトレースが残されていた。音波まで往復したようだ。
ほとんど沈まない雪質で、トレースの助けを借りるまでもないが、時間が押していることだし有難く使わせてもらおう。
送電鉄塔の建つ伐採地からは純白の白山の姿を望むことができた。
 この稜線上には林道が付けられ、音波手前の終点にはかなり前から八飯と同じ風況観測塔がある。
時刻はもう3時を回った。音波経由で予定の尾根を辿れば闇下必至だろう。
ここは素直に手前の尾根を樫尾谷林道へ下るとしよう。この尾根を下るのはもう4度目である。大阪に住みながらこの
尾根を4回も歩いている登山者は他にいるだろうか。


P1100163_1.JPG

 この尾根の左側もまた樫尾谷左俣の源頭部だが、こちらは八飯側もゆったりとした魅力的なブナ林が広がっている。
ところどころにブナの台地を配した穏やかな源頭は、この谷を遡行してくればこの素敵な場所に上がってこれるのだ
という想像をかき立ててくれる。
 3年前のスノー衆の時は雪が少なく、下部ではヤブにかなり苦労させられたが、今日は苦も無く下ることができてひ
と安心。尾根末端の渡渉もスノーシューを履いたまま楽々こなすことができた。
12年前にはヒザぐらいの水位の速い流れで、ストックを1本持って行かれたことを思い出す。
 長い雪の林道を歩き、除雪終了点に着いた頃には黄昏が迫っていた。

            山日和
ちーたろー
記事: 245
登録日時: 2011年2月20日(日) 21:17

Re: 【南越前】八飯から栃ノ木へ 豊潤のブナ林の光と陰

投稿記事 by ちーたろー »

山日和さん、こんばんは。


 >この時期、登山道のない山に登る時にポイントになるのが駐車地だ。登山者用の駐車場がないところでは、除雪して
いないため駐車地に困ることがしばしばである。
荒井集落の水道施設の横がうまい具合に除雪されていたので、車を止めさせてもらう。

でも何とか見つけられるのですね(*^_^*)


>道端の田畑も積雪で真っ白。これならすぐにスノーシューを履いてスタートできる理想的なコンディションだ。

山日和さんの理想通りですね。

 >畑を横切って尾根に取り付いた。しばらくは植林のつまらない尾根だがこれは織り込み済み。里山の尾根の下部では
あたり前の状況だ。少し前の予報では思わしくなかった天気は劇的に好転して、雲ひとつないような青空が広がってい
る。気温も上昇してきたようで、手袋を途中で脱いでしまうぐらいの暖かさである。


そんなに暖かかったんですね~~



 >この尾根は距離が長い割に標高がほとんど上がらない。多少のアップダウンがあるとは言え、3キロほどの間に稼ぐ
高度は100mばかりしかないのである。
広くゆったりとした尾根を気分良く歩く。これはいわゆる「当たり」の尾根のようだ。単調なようでも微妙な起伏と
屈曲を見せる地形は飽きることがない。広い尾根とヤセ尾根が交互に現れるのも面白い。


わーよかったですね!


 >なかなか近付かなかった三角点八飯がようやく指呼の間になると、林相が変化を見せた。
これまで少なかったブナの割合が増え始め、やがてブナの純林へと変わる。
右側には目の前に今庄365スキー場のゲレンデが広がるが、去年から営業休止しているので静かなものである。


営業休止はコロナの影響なんでしょうか。
 


 >八飯への最後の登りにかかると、頭上に予想外のものが見えた。風況観測塔だ。山頂の豊かなブナ林を切り裂いて、
観測塔と太陽光発電設備が設置されている。栃ノ木峠から音波の稜線に風車の計画が進行中なのは知っていたが、こ
こも標的になっていたとは。

悲しいですね・・・なくなるのはツラいですね。

>愕然としながらも気を取り直してランチタイムとする。本当は音波まで行ってからのつもりだったが少々出遅れてし
まった。後をどうするかはメシを食ってから考えよう。
ポカポカと温かい日差しが降り注ぎ、初登りとは打って変わって絶好のビール日和だ。


でもやっぱり冷えませんか??(笑)



 >早めにランチタイムを切り上げて江越国境稜線へ向かう。
ここから無線中継塔の建つ三角点栃ノ木までの区間は、ほぼブナの純林と呼べる樹林が続く。
右手の余呉高原スキー場の奥に敦賀湾が広がっている。ブナの森から唐突に見える海の姿は意表を衝かれたようで、
一瞬海なのか湖なのかわからなくなってしまう。
 左からせり上がる樫尾谷左俣の源頭部と尾根の屈曲が作り出す絶妙な曲線が美しく、スックと立ち並ぶブナ達が落
とす影が、真っ白な雪面にまだら模様を描く。その豊潤な風景に心が奪われそうになってしまう。

素敵な景色が思い浮かぶ文章が素晴らしいですね。
野暮な自分のレスがますます野暮に思えて嫌になります。



>しかし、そのブナ達に奇妙なテープが巻かれていた。ピンクとブルーのテープには番号が打ってあった。
これはもしや伐採するためのナンバリングか。栃ノ木と八飯を繋ぐ尾根のブナの森もすべて切り倒されて風車が林立
してしまうのか。素晴らしい森に包まれて昂揚する胸の内に、遠からずこの森が失われてしまうという絶望感が同居
している。


あぁ・・・・

 >栃ノ木まで来ると峠の方からスノーシューのトレースが残されていた。音波まで往復したようだ。
ほとんど沈まない雪質で、トレースの助けを借りるまでもないが、時間が押していることだし有難く使わせてもらおう。
送電鉄塔の建つ伐採地からは純白の白山の姿を望むことができた。
 この稜線上には林道が付けられ、音波手前の終点にはかなり前から八飯と同じ風況観測塔がある。
時刻はもう3時を回った。音波経由で予定の尾根を辿れば闇下必至だろう。
ここは素直に手前の尾根を樫尾谷林道へ下るとしよう。この尾根を下るのはもう4度目である。大阪に住みながらこの
尾根を4回も歩いている登山者は他にいるだろうか。


お気に入りの場所なんですね。


 >この尾根の左側もまた樫尾谷左俣の源頭部だが、こちらは八飯側もゆったりとした魅力的なブナ林が広がっている。
ところどころにブナの台地を配した穏やかな源頭は、この谷を遡行してくればこの素敵な場所に上がってこれるのだ
という想像をかき立ててくれる。
 3年前のスノー衆の時は雪が少なく、下部ではヤブにかなり苦労させられたが、今日は苦も無く下ることができてひ
と安心。

そうでした。

>尾根末端の渡渉もスノーシューを履いたまま楽々こなすことができた。

>12年前にはヒザぐらいの水位の速い流れで、ストックを1本持って行かれたことを思い出す。
 長い雪の林道を歩き、除雪終了点に着いた頃には黄昏が迫っていた。

お疲れ様でした。
ちーたろー

           
アバター
山日和
記事: 3571
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【南越前】八飯から栃ノ木へ 豊潤のブナ林の光と陰

投稿記事 by 山日和 »

ちーたろーさん、どうもです。

>この時期、登山道のない山に登る時にポイントになるのが駐車地だ。登山者用の駐車場がないところでは、除雪して
いないため駐車地に困ることがしばしばである。
荒井集落の水道施設の横がうまい具合に除雪されていたので、車を止めさせてもらう。

でも何とか見つけられるのですね(*^_^*)


そうそう、何とかなるもんです。でも降雪直後だとどこにも止められない場合があります。

>道端の田畑も積雪で真っ白。これならすぐにスノーシューを履いてスタートできる理想的なコンディションだ。

山日和さんの理想通りですね。


いわゆる「Door to Door」ってヤツですね。 :D


真ん中の建物の横が駐車地
真ん中の建物の横が駐車地

>気温も上昇してきたようで、手袋を途中で脱いでしまうぐらいの暖かさである。

そんなに暖かかったんですね~~


私が暑がりのせいもあります。 :mrgreen:

>これはいわゆる「当たり」の尾根のようだ。単調なようでも微妙な起伏と
屈曲を見せる地形は飽きることがない。広い尾根とヤセ尾根が交互に現れるのも面白い。

わーよかったですね!


スノー衆で歩いた隣の尾根が良かったので、期待半分でしたが。 :lol:

P1100058_1_1.JPG

>右側には目の前に今庄365スキー場のゲレンデが広がるが、去年から営業休止しているので静かなものである。

営業休止はコロナの影響なんでしょうか。


去年はコロナの影響という触れ込みだったけど、どうやら風力発電で関係しているようです。
ゲレンデトップの稜線に風車が立ち並ぶみたい。 :oops:
 
>栃ノ木峠から音波の稜線に風車の計画が進行中なのは知っていたが、こ
こも標的になっていたとは。

悲しいですね・・・なくなるのはツラいですね。


あっちでもこっちでも風力発電の話ばかりです。

P1100082_1.JPG

>ポカポカと温かい日差しが降り注ぎ、初登りとは打って変わって絶好のビール日和だ。

でもやっぱり冷えませんか??(笑)


日差しがあれば問題ナシです。あんまり長いとさすがに足が冷えてくるけど。 :mrgreen:

素敵な景色が思い浮かぶ文章が素晴らしいですね。
野暮な自分のレスがますます野暮に思えて嫌になります。


いやいや、そんなことないですよ。遠慮なくコメントして下さい。 :D

>栃ノ木と八飯を繋ぐ尾根のブナの森もすべて切り倒されて風車が林立
してしまうのか。素晴らしい森に包まれて昂揚する胸の内に、遠からずこの森が失われてしまうという絶望感が同居
している。

あぁ・・・・


ため息しか出ません :oops:


P1100120_1.JPG

>この尾根を下るのはもう4度目である。大阪に住みながらこの
尾根を4回も歩いている登山者は他にいるだろうか。

お気に入りの場所なんですね。


下山の最短ルートというのが大きいですね。
別の言い方だと「ただのアホ」ということになります。 :mrgreen:

>3年前のスノー衆の時は雪が少なく、下部ではヤブにかなり苦労させられたが、今日は苦も無く下ることができてひ
と安心。

そうでした。


あの時はみんな七転八倒してましたね。 :lol:

                  山日和
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【南越前】八飯から栃ノ木へ 豊潤のブナ林の光と陰

投稿記事 by バーチャリ »

山日和さん 今晩は


この時期、登山道のない山に登る時にポイントになるのが駐車地だ。登山者用の駐車場がないところでは、除雪して
いないため駐車地に困ることがしばしばである。
荒井集落の水道施設の横がうまい具合に除雪されていたので、車を止めさせてもらう。


そうですよね 雪国は特にね。


道端の田畑も積雪で真っ白。これならすぐにスノーシューを履いてスタートできる理想的なコンディションだ。
 畑を横切って尾根に取り付いた。しばらくは植林のつまらない尾根だがこれは織り込み済み。里山の尾根の下部では
あたり前の状況だ。少し前の予報では思わしくなかった天気は劇的に好転して、雲ひとつないような青空が広がってい
る。気温も上昇してきたようで、手袋を途中で脱いでしまうぐらいの暖かさである


この日は天気は最高に良かったですよね。
私はスマホを忘れ取にに帰り家8時に出ましたが山に向かって良かったです。


問題はこの植林帯がいつまで続くのかだ。八飯(やい)の集落から三角点八飯に向かうのは3度目だが、前2回は樫尾谷
の林道の途中から尾根に取り付いた。今日は樫尾谷の左岸尾根を末端から辿る新規開拓コースだ。検索してもまったく
ヒットしない、情報のないコースでもある。


何処だろうと検索してもなかなか、わからずやっと分かりました。



643.6mの三角点大岩谷の手前の尾根が広がりを見せるあたりから、ようやく気持ちのいい自然林の尾根に変わった。
一度伐採を受けた二次林で、ブナは少なくコナラやリョウブが主体の雑木林ではあるが、杉の植林よりは100倍いい。
積雪はさほどでもないように思えるが、鬱陶しい潅木のヤブが埋もれてスッキリ見えるのも加点要素だ。



643.6mの三角点で地形図をたどる事が出来ました。 :)


なかなか近付かなかった三角点八飯がようやく指呼の間になると、林相が変化を見せた。
これまで少なかったブナの割合が増え始め、やがてブナの純林へと変わる。
右側には目の前に今庄365スキー場のゲレンデが広がるが、去年から営業休止しているので静かなものである。
 

いいですね、
私の行く山は混合林にブナが有るだけで


八飯への最後の登りにかかると、頭上に予想外のものが見えた。風況観測塔だ。山頂の豊かなブナ林を切り裂いて、
観測塔と太陽光発電設備が設置されている。栃ノ木峠から音波の稜線に風車の計画が進行中なのは知っていたが、こ
こも標的になっていたとは。


そうですかなんか涙が出そう。
ブナの好きな山日和さん自分が引き裂かれな気持ちになりませんでしたか
もうこれ以上 開発の為ブナ林を切り倒さないで欲しいですね。



早めにランチタイムを切り上げて江越国境稜線へ向かう。
ここから無線中継塔の建つ三角点栃ノ木までの区間は、ほぼブナの純林と呼べる樹林が続く。
右手の余呉高原スキー場の奥に敦賀湾が広がっている。ブナの森から唐突に見える海の姿は意表を衝かれたようで、
一瞬海なのか湖なのかわからなくなってしまう。




 左からせり上がる樫尾谷左俣の源頭部と尾根の屈曲が作り出す絶妙な曲線が美しく、スックと立ち並ぶブナ達が落
とす影が、真っ白な雪面にまだら模様を描く。その豊潤な風景に心が奪われそうになってしまう。


そうそう無垢の雪面にブナの陰いいですよね。


しかし、そのブナ達に奇妙なテープが巻かれていた。ピンクとブルーのテープには番号が打ってあった。
これはもしや伐採するためのナンバリングか。栃ノ木と八飯を繋ぐ尾根のブナの森もすべて切り倒されて風車が林立
してしまうのか。素晴らしい森に包まれて昂揚する胸の内に、遠からずこの森が失われてしまうという絶望感が同居
している


ほんと悲しいです。
上谷山や奥ちゃんの秘密の場所大丈夫でしょうか?



 3年前のスノー衆の時は雪が少なく、下部ではヤブにかなり苦労させられたが、今日は苦も無く下ることができてひ
と安心。尾根末端の渡渉もスノーシューを履いたまま楽々こなすことができた。
12年前にはヒザぐらいの水位の速い流れで、ストックを1本持って行かれたことを思い出す。
 長い雪の林道を歩き、除雪終了点に着いた頃には黄昏が迫っていた。


お疲れ様でした。
なんか悲しいレスになってしまいました。

    バーチャリ
sato
記事: 413
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【南越前】八飯から栃ノ木へ 豊潤のブナ林の光と陰

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんばんは。
今日のお日さまで、我が家の庭の土が現れました。なんかほっとしました。
(お山の雪は融けてほしくないですが)
2022年、山日和さんとの初登りは三連休最後の日。
天気予報は好転。あちこちのお山で雪山を愛する人たちの歓声が響き渡りそう。
どこのお山に向かうのだろう。奥美濃かな、湖北かな、若狭かな、と想像していましたら、南越前のお山。
樫尾谷をくるりと囲む尾根を辿る山旅。

地図を見て、
ゆらりゆらり、うねうねと曲がりながら国境稜線に届く、左岸の穏やかな尾根にこころが吸い込まれていきました。
右岸の尾根は、美土呂川を遡った時から気になっていた尾根。
どんな風景に出会えるのだろう。どんな感情が湧き上がるのだろう。ワクワクしながら当日の朝を迎えました。

道端のお地蔵さまにご挨拶をして出発。まっ白な田んぼを、今回は‘がぼらず’に歩けましたね。
尾根の最初の植林は、きちんと枝打ちされていないスギが目立ち、寒々しかったですが、
途中からは北斜面が明るい自然林になり気持ちも明るく。
雪もほどよく締まっていて、出発時間が遅くなってしまったけれど、国境稜線に辿り着けると思いました。

標高600mあたりから、山日和さんの表情が緩んでいくのを感じました(笑)。
ここからは足取り軽く、気分上々でしたね。
「微妙な起伏と屈曲を見せる地形」に出会うと、こころが浮き立ちますね。

△744八飯が近づき、
青空に向かい背伸びするように立ち並ぶ健やかなブナ木々の間を、うっとりしながら歩いていると、
頭上に巨大な針のようなものが見えました。
ざわざわした気持ちになり山頂に着くと、風況観測塔と分かり愕然としました。
ため息をついて目をそらすと、たおやかな山頂周辺は、降り積もったまっさらな雪でよりまるみを帯び、
真冬の陽光を受けてやさしく光り輝いていました。ブナの木は静かに青い空を見つめていました。
うつくしくて、かなしくて、言葉が出てきませんでした。

その後も、うつくしくかなしい風景は続きました。
やわらかな表情に富んだ地形にうつくしいブナの林。
ここに風車が立ち並ぶのですね。

タイムリミットで、予定の尾根ではなく音波山手前の尾根を下りましたが、
樫尾谷左俣源頭のこころにしみいる風景に出会え、うれしかったです。
不安だった渡渉は、楽々ではありませんでしたが、濡れずに済み、やれやれでした。
夕闇に捕まる直前に、お地蔵さまにご挨拶出来、ほっとしました。

旅を振り返り、
山日和さんが越前側から栃ノ木、音波を二回スノー衆で訪れ、
私にも味わわせてくださったのが、分かるような気がしました。
いくつものちいさな谷が入り組み、緩やかに蛇行する尾根は、山の物語を聞いているようでした。
雪の降り積もった山は、地形を際立たせますね。

健やかなブナの林、存在感を放つブナの大木、素晴らしかったです。
ブナの尾根から越美国境のうつくしくつめたい峰みねが見えた時はこころが震えました。
白山へと続く道。白山から続く道。郷愁と憧れ。涙が出そうになりました。
山に囲まれた敦賀湾の光景は印象的でした。
(山日和さんに教えていただくまで、湖?海???でした)
後から広域地図を見てなるほどと。

日野川流域の山というと上谷山から越美国境稜線の方に目が向いてしまいますが、
その手前、江越国境稜線を形作る尾根と谷にも、たくさんの輝きが散りばめられているのですね。

八飯周辺の光景には胸が痛みました。
胸が痛いと言っているだけの自分にやるせなくなりました。
いろんなことを感じた深いふかい山旅でした。
ありがとうございました。

sato
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山日和
記事: 3571
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【南越前】八飯から栃ノ木へ 豊潤のブナ林の光と陰

投稿記事 by 山日和 »

バーチャリさん、どうもです。

>この時期、登山道のない山に登る時にポイントになるのが駐車地だ。登山者用の駐車場がないところでは、除雪して
いないため駐車地に困ることがしばしばである。

そうですよね 雪国は特にね。


そうなんですよ。道路にはみ出して駐車するわけにもいかないし。

この日は天気は最高に良かったですよね。
私はスマホを忘れ取にに帰り家8時に出ましたが山に向かって良かったです。

冬の福井でこんな天気に恵まれるのは珍しいです。 :D

何処だろうと検索してもなかなか、わからずやっと分かりました。

バーチャリさんは3年前のスノー衆は不参加だったんですね。

643.6mの三角点で地形図をたどる事が出来ました。 :)

それはよかった。 :lol:

いいですね、
私の行く山は混合林にブナが有るだけで


ブナ林を狙って行けばいいじゃないですか :mrgreen:


P1100136_1.JPG

そうですかなんか涙が出そう。
ブナの好きな山日和さん自分が引き裂かれな気持ちになりませんでしたか
もうこれ以上 開発の為ブナ林を切り倒さないで欲しいですね。


たまらない気分でした。ゼロカーボンという地球環境を守るための手段として、自然を破壊しなければならないのか・・・
大きな矛盾を感じますが、その解を持たない自分が歯がゆいです。 :oops:

そうそう無垢の雪面にブナの陰いいですよね。

心に染み入る光景です。 :D


P1100114_1.JPG

>しかし、そのブナ達に奇妙なテープが巻かれていた。ピンクとブルーのテープには番号が打ってあった。
これはもしや伐採するためのナンバリングか。栃ノ木と八飯を繋ぐ尾根のブナの森もすべて切り倒されて風車が林立
してしまうのか。素晴らしい森に包まれて昂揚する胸の内に、遠からずこの森が失われてしまうという絶望感が同居
している

ほんと悲しいです。
上谷山や奥ちゃんの秘密の場所大丈夫でしょうか?


滋賀県境を含む福井県では、とんでもない数の風力発電計画が進められています。
福井県の人は何とも思わないんでしょうか?

お疲れ様でした。
なんか悲しいレスになってしまいました。


そうですよね。
素晴らしい山旅だっただけで終わらせたいものです。

                   山日和
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山日和
記事: 3571
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【南越前】八飯から栃ノ木へ 豊潤のブナ林の光と陰

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。お疲れさまでした。

今日のお日さまで、我が家の庭の土が現れました。なんかほっとしました。

家の前のラッセルは大変だもんね。 :lol:

図を見て、
ゆらりゆらり、うねうねと曲がりながら国境稜線に届く、左岸の穏やかな尾根にこころが吸い込まれていきました。
右岸の尾根は、美土呂川を遡った時から気になっていた尾根。


地形図だけ見てたらどんないいところだろうと想像がふくらみますね。
往々にして厳しい現実が待ってるんだけど。 :mrgreen:

道端のお地蔵さまにご挨拶をして出発。まっ白な田んぼを、今回は‘がぼらず’に歩けましたね。

船ヶ洞の田んぼ地獄を思い出します。 :oops:


P1100005_1.JPG

標高600mあたりから、山日和さんの表情が緩んでいくのを感じました(笑)。
ここからは足取り軽く、気分上々でしたね。
「微妙な起伏と屈曲を見せる地形」に出会うと、こころが浮き立ちますね。


待ちかねたぞって感じでした。現実が期待に近付いてくるとうれしいもんです。


P1100047_1.JPG

△744八飯が近づき、
青空に向かい背伸びするように立ち並ぶ健やかなブナ木々の間を、うっとりしながら歩いていると、頭上に巨大な針のようなものが見えました。
ざわざわした気持ちになり山頂に着くと、風況観測塔と分かり愕然としました。


まさかと思いましたね。八飯よ、お前もか。 :oops:

ため息をついて目をそらすと、たおやかな山頂周辺は、降り積もったまっさらな雪でよりまるみを帯び、
真冬の陽光を受けてやさしく光り輝いていました。ブナの木は静かに青い空を見つめていました。

うつくしくて、かなしくて、言葉が出てきませんでした。

その一角以外はなにも変わらない、静謐なブナ林だっただけに・・・・


P1100100_1.JPG

その後も、うつくしくかなしい風景は続きました。
やわらかな表情に富んだ地形にうつくしいブナの林。
ここに風車が立ち並ぶのですね。


想像したくない光景です。

タイムリミットで、予定の尾根ではなく音波山手前の尾根を下りましたが、
樫尾谷左俣源頭のこころにしみいる風景に出会え、うれしかったです。


樫尾谷を遡行してみたくなりますね。


P1100164_1.JPG

不安だった渡渉は、楽々ではありませんでしたが、濡れずに済み、やれやれでした。
夕闇に捕まる直前に、お地蔵さまにご挨拶出来、ほっとしました。


水量が少なくて助かりました。ストックを流された時は前日から雨だったので増水してました。
しかし、何度も歩いている林道だけどやたら長く感じました。

いくつものちいさな谷が入り組み、緩やかに蛇行する尾根は、山の物語を聞いているようでした。
雪の降り積もった山は、地形を際立たせますね。


胸のすく展望や鋭利な刃物のような雪稜もいいですが、心を満たしてくれるのはこういう風景です。

健やかなブナの林、存在感を放つブナの大木、素晴らしかったです。
ブナの尾根から越美国境のうつくしくつめたい峰みねが見えた時はこころが震えました。


こんな落ち着いた山から眺める躍動感あふれる風景がいいですね。


P1100140_1.JPG

山に囲まれた敦賀湾の光景は印象的でした。
(山日和さんに教えていただくまで、湖?海???でした)
後から広域地図を見てなるほどと。


雪山から見る海もまた格別の趣きがあります。

日野川流域の山というと上谷山から越美国境稜線の方に目が向いてしまいますが、
その手前、江越国境稜線を形作る尾根と谷にも、たくさんの輝きが散りばめられているのですね。


普通はそっちの方を選びますよね。でも見過ごされがちなところにこそ宝物がひっそりと佇んでいます。 :D

八飯周辺の光景には胸が痛みました。
胸が痛いと言っているだけの自分にやるせなくなりました。


それは私も同じ。何もできずに愚痴っているだけの自分が情けないです。

              山日和
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