【京都北山】胎金寺山-京丹波の低山で2本の天狗杉に出合う

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kitayama-walk
記事: 719
登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
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【京都北山】胎金寺山-京丹波の低山で2本の天狗杉に出合う

投稿記事 by kitayama-walk »

【日 付】 2021年12月4日(日)
【天 候】 晴れ後くもり
【山 域】 京都北山(京丹波)
【メンバー】 kitayama-walk(単独行)
【コース】 8:20摩氣神社(駐車地)8:30-8:50口の天狗杉-9:10奥の天狗杉-9:30▲胎金寺山9:50
      -10:20P335-10:35林道-10:45車道-10:55摩氣橋-11:00摩氣神社


<プロローグ>
 この日は、午後から丹後で仕事があるため、道中に2、3時間で登れる山はないかと探したところ、
京丹波(南丹市園部町)に低山(423.4m)ではあるが、ヤマケイの「京都府の山」に「槍ヶ岳を思わ
せる山容と2本の天狗杉に出合う」と書かれてあったので、興味が湧き、この山に登ることにした。
同書の案内ではピストンであったが、山頂から北東に延びる尾根があり、これを使うと周回できそう
である。

<駐車地~摩氣神社>
 登山口は摩氣(まけ)神社。京都縦貫道八木西ICで降り、国道9号→県道54号を経由して摩氣神社
に着いた。この神社は、平安後期(1079年)に白河天皇が行幸したという由緒のある神社と言われてい
る。境内に数台駐車できるスペースがあったので、ここに車を駐めさせてもらうことにした。神社の参
道には立派な鳥居があり、その奥には杉が林立している。絵馬舎、鳥居、神門は、京都府登録文化財に
指定されているが、江戸時代に園部藩主によって再建されたという。本殿前には江戸末期の有名な石工
丹波佐吉の作となる狛犬が鎮座していた。一対が相対して参詣者を威圧していないこと、躍動感のある
姿、たてがみの優れた彫りなど精神性と技量が最高度に発揮された名作といわれている。最奥には、京
都府指定文化財の本殿とその両脇に東西摂社がある。いずれも「こけら葺」で、本殿のそれは苔生して
いた。
摩氣神社の鳥居
摩氣神社の鳥居

<摩氣神社~口の天狗杉>
 摩氣神社にお参りした後、右手に幅2mほどの山道があり、ここから歩き始める。道端に農作業をし
ていた男性がいたので、あいさつして神社に車を駐めさせてもらうことの了解を得た。最近は登山者が
増えたと言っていた。まずは、最初の天狗杉である「口の天狗杉」を探すことだ。ヤマケイガイドによ
ると「右手の山道に登らずに分岐から左手の谷を詰めていき、突き当たり付近の右手に見つかる」とい
うことである。しかし、植林の中を進むと分岐らしいところがあったものの、右手は倒木で塞がれてい
て、むしろ左手の方が登山道らしく思えたので、これを直進することにした。間もなく小川に架かって
いる4本の丸木で作られた橋のところで、細い植林の向こうに注連縄が巻かれた大きな杉があるのが目
に止まった。近づくと明らかに大きな杉であり、これが「口の天狗杉」であるに間違いない。樹高40
m、幹周6.7mという。直ぐ傍まで近づいてみると、確かにデカく貫禄十分である。懸けられた注連
縄は地元の人の信仰を集めたものだろう。
口の天狗杉の入口
口の天狗杉の入口
口の天狗杉
口の天狗杉

<口の天狗杉~奥の天狗杉>
 登山道は、口の天狗杉の右手から高巻きながら左に回り込んで登っていく。途中で口の天狗杉を見下
ろすことができる。ここに朽ちかけた「園部町指定樹木」と書かれた標柱があった。ここから左手に小
谷を見ながら登っていくが、小さな滑滝状のものがあった。やがて登山道が緩やかになってきて、何度
か小沢を越えると、伐採された倒木に「胎金寺山登山道」と書かれたプレートがあった。ここで左の方
を目を凝らして見ると奥に大きな杉があることに気づいた。これが「奥の天狗杉」である。プレートか
ら左手にやはり30mくらい入ってところに、その大杉が鎮座していた。幹周7.5mあるというだけ
に、口の天狗杉よりもさらに大きく見えた。途中で2本に分岐し、太い方はさらに右に枝分かれていた。
奥の天狗杉も直ぐ傍まで近づくことができる。2本の天狗杉に出会えたことに感謝したい。天狗杉から
先ほどの分岐点に戻るのも面倒くさいので、登山道が右手にあることから、斜面をトラバースしてショ
ートカットするように登山道に戻った。
奥の天狗杉
奥の天狗杉

<奥の天狗杉~胎金寺山山頂>
 登山道は緩やかに登っていくと間もなく尾根に出た。ここからはもう植林もなく自然林のはっきりと
した登山道になっている。小さなピークを越えると「胎金寺山登山道」と書かれたプレートが壊れて地
上に落ちていた。やがて胎金寺山の山頂に到着した。まず目に入ってきたのは三角点であるが、何と小
さな四等であるのは残念な気がした。山頂には、祠(行者小屋)があり、最近正面の扉が新しくなって
いた。祠の中には役行者の木像が鎮座していた。山頂からの展望はもともとよくなかったようで、最近
南方向の斜面の樹木が伐採されていて、眺望が得られるようになったいた。正面には半国山が見えてお
り、左手には牛松山、愛宕山、地蔵山を確認することができた。また眼下には宍人(ししうど)の集落
も見下ろすことができる。
胎金寺山山頂
胎金寺山山頂
山頂の祠(行者小屋)
山頂の祠(行者小屋)
山頂の南方向の眺望
山頂の南方向の眺望

<胎金寺山山頂~下山>
 胎金寺山山頂からの下山路は、北東に延びている尾根を下ることにしたが、実は尾根は3つあり、そ
のうちの最も右手(東側)にある尾根である。この尾根はP335のすぐ左側を下っている。もちろん登山
道はないので、地形図をよく見ながら下っていく。尾根にはプラスチックの境界杭が打ってあり、途中
にはロープも散見された。もっとも急なところではないので、何のためのロープであろうか。この山は
マツタケ山だというので、その関係なのかも知れない。今の時期はマツタケシーズンも終わっているの
で泥棒と間違われることもない(もっとも今秋は丹波松茸は全くの不作だったようだ)。ピークハンタ
ーとしては、P335に立ち寄ってみることにし、尾根の途中から谷に下って登り返した。P335付近からは
胎金寺山を眺めることができた。下った尾根にはヤブも下草もほとんどなく、すんなりと下ることがで
きた。左手に林道が見えてきたところで林道に降り立ち、そのまま舗装道路(県道454号)まで下っ
た。途中には右手の丘に建物があり、堆肥か何かの蓄積場であるのか、鼻が曲がりそうになるほどの悪
臭が漂っていたのには参った。舗装道路を歩いて摩氣神社まで戻る途中で胎金寺山を眺めることができ
たが、「槍ヶ岳を思わせる山容」というのは些か大袈裟であろう。舗装道路の途中でショートカット道
があり、少し登った下るが、峠には少し大きな杉、祠と六地蔵が祀ってあった。そして、摩氣橋という
園部川に架かる擬宝珠を持つ木造の橋があり、時代劇の撮影によく使われたというが、今は橋自体も欄
干が傾いて壊れていて、通行はできるものの、とても撮影に使えるものではない。橋のたもとには、大
きな石で造られた燈篭があり、その由緒を窺わせてくれた。摩氣神社まで戻り、もう一度神社の境内を
散策して、胎金寺山の登山を終えた。
GPS軌跡図.jpg
written by kitayama-walk
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【京都北山】胎金寺山-京丹波の低山で2本の天狗杉に出合う

投稿記事 by yamaneko0922 »

kitayama-walkさん こんにちは


小さな里山なので、短い山行の筈ではありますが、驚くほど情報満載の重量級のrepですね。

>これが「奥の天狗杉」である。プレートから左手にやはり30mくらい入ってところに、その大杉が鎮座していた。幹周7.5mあるというだけに、口の天狗杉よりもさらに大きく見えた。途中で2本に分岐し、太い方はさらに右に枝分かれていた。

今年の初秋はハムストリング付着部炎を患っていたのですが、オフ会に向けてリハビリ登山にと思って弥十郎ヶ嶽に向かったのでした。
その当時は弥十郎ヶ嶽の周回は距離に不安があったのですが、近くにこの胎金寺山があったことを思い至り、急遽、行き先をこちらに変更したのでした。

先週末、土曜日の午後に短い山行を・・・と考えて、久しぶりに山渓の「京都府の山」を見ていると、胎金寺山が目にとまり、天狗杉が二本あったことを知りショックを受けていたのでした。私が目にしたのは手前の口の天狗杉のいだったので・・・事前のリサーチ不足ゆえの失策でした。


>本殿前には江戸末期の有名な石工丹波佐吉の作となる狛犬が鎮座していた。一対が相対して参詣者を威圧していないこと、躍動感のある姿、たてがみの優れた彫りなど精神性と技量が最高度に発揮された名作といわれている。

そんな傑作だったんですね。改めて再訪せねば(~_~;)

>最奥には、京都府指定文化財の本殿とその両脇に東西摂社がある。いずれも「こけら葺」で、本殿のそれは苔生していた。

ここも事前に情報を得ていなかったので、こんなところにこんなに壮麗な神社が・・・と驚くことになりました。


>山頂には、祠(行者小屋)があり、最近正面の扉が新しくなっていた。

私が山頂を訪れた時に丁度、祠の修繕作業をしているところでした。

>今の時期はマツタケシーズンも終わっているので泥棒と間違われることもない

私(達)はkitayama-walkさんの逆周回だったのですが、マツタケシーズンの真っ只中だったので、作業をしておられる方に「今の時期に登山道以外のところを歩いていると不審者に思われるで」と窘められたのでした。

>祠の中には役行者の木像が鎮座していた。

ここも立派な木像でしたね。

>途中には右手の丘に建物があり、堆肥か何かの蓄積場であるのか、鼻が曲がりそうになるほどの悪臭が漂っていたのには参った。

私はこの林道から登り始めましたが、今の季節はそんなことになっているんですね。

お疲れ様でした。スノー衆に向けて、repアップを期待しております。
山猫 🐾
kitayama-walk
記事: 719
登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
お住まい: 京都市中京区
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Re: 【京都北山】胎金寺山-京丹波の低山で2本の天狗杉に出合う

投稿記事 by kitayama-walk »

 yamanekoさん レスありがとうございました。

 今度は、私の方が後追いをさせていただきました。ちょっとヤマレコを見ていたら、yamaneko
さんのレポを拝見したわけです。ほとんど同じコースを周回したわけですが、周回方向が反対でし
たね。しかし、周回するとすれば、やはり私のように摩氣神社を起点とした方がよいと思います。

 摩氣神社は、京都市内から外れた丹波にあるものですから、大したことはないだろうと思ってい
ましたが、予想以上に立派なものでした。鳥居、神門、絵馬舎、狛犬、本殿、脇摂社、天津八井の
泉など見るべきものがたくさんありました。
摩氣神社の神門
摩氣神社の神門
丹波佐吉の作という狛犬
丹波佐吉の作という狛犬
苔生した本殿と脇摂社
苔生した本殿と脇摂社

 摩氣神社からの一般登山道には、2本の天狗杉があります。ヤマケイの「京都府の山」を参考に
したところ、最初の「口の天狗杉」は分岐を左に行くと書かれていますが、実際には分岐はないよ
うなもので、そのまま道なりに行けば、丸木橋の向こうに注連縄をまとった大きな杉が見えました。
倒木で登山道が変化していると思います。次の「奥の天狗杉」もプレートのある右分岐で、正面の
奥をよく見ると大きな杉が目につきます。反対に胎金寺山から下ってくると見逃してしまうかも知
れませんね。なので、やはり摩氣神社から登る方がベターだと思います。
このプレートがある分岐の奥に天狗杉がある
このプレートがある分岐の奥に天狗杉がある

 山頂にはあっけなく到着しましたが、まず目に入ったのは三角点でした。しかし、小さい標石は
四等でした。せめて三等であったほしいと思った次第です。ちなみに、二等と三等は同じ大きさで
一辺が15㎝あります(一等は18㎝)。そして、その向こうに建物がありましたが、これが行者小屋
でした。すでに修築が終わっており、正面の扉は真新しいものになっていました。小屋の中に入る
ことができ、閂を外して入らせてもらいました。床が修理してありましたが、少し虫の食った役行
者の木像がありました。すでに、まったけシーズンは終わっていたので、問題はなかったと思いま
す。ちなみに、今年は丹波まつたけが凶作で、昨年はたくさんのまつたけをもってきていただいた
顧問先も嘆いておられました。
四等三角点
四等三角点
役行者の木像
役行者の木像

 山頂からの下りは、登山道もなく、地形図をたよりに下っていくしかなかったのですが、ちょう
どよい練習にもなりました。ピークハンターとしては、P335にも立ち寄りました。何かプレートが
ないかと探しましたが、全く何も見当たりませんでしたので、ちょっとだけマーキングしておきま
した。
P335にマーキング
P335にマーキング

 林道に降り立ち、そこから舗装道路(車道)に出ると、胎金寺山の姿がはっきりと見ることがで
きました。後は道なりに歩くだけでしたが、六地蔵や摩氣橋。石灯籠なども見学することができて
予想を上回る成果があったと満足しています。
舗装道路から胎金寺山を望む
舗装道路から胎金寺山を望む
written by kitayama-walk
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