【奥美濃】予定外の雪山になった小津権現山
Posted: 2021年12月02日(木) 23:35
【日 付】2021年11月28日(日)
【山 域】奥美濃 小津権現山周辺
【天 候】晴れ
【コース】小津公民館7:40---8:05尾根取付---9:10 舟窪地形---10:40高屋山---11:45小津権現山13:10---
13:50 Ca1050mピーク---15:40小津集落
名残の紅葉と冬枯れの日溜まりハイクを楽しもうと出かけた山だったが、思わぬ今シーズン初雪山となって
しまった。
小津の公民館に車を止めて出発。ここは積雪期にいつもお世話になっていた駐車場だ。山あいの小津の集落
は子供が必ず挨拶をしてくれ、下山後に片付けをしていたら隣家のおばあさんが「これを持って帰れ」と大き
なタケノコをくれたこともある、心優しい村である。
今来た県道を引き返して、174m標高点のあたりから尾根に取り付いた。最初は植林だが、尾根に乗ると自然
林に変わる。紅葉も終盤を迎えているが、標高500mあたりではまだまだ見頃。朝日に照らされた雑木林が黄金
色に輝いている。
先週に続いてレイさん推奨の尾根はまったくのヤブ無し。一般登山道と変わることのない歩きやすさだ。
529m標高点あたりの等高線の間隔がやたら広い場所には、二重山稜と広大な舟窪地形が待っていた。池があり
そうな地形だが、残念ながら小さな水溜まりがひとつあるだけだった。
梅雨時なら少しは池らしくなって、山上のオアシスになるかもしれない。石灰岩の山なので、ヒルの心配はあ
るかもしれないが。
知らないうちに733m標高点を過ぎて急登にかかると、斜面を雪が覆い始めた。ほんの数センチ程度だが、今
シーズン初雪山である。登り始める前、山頂方面を見上げた時真っ白になっていたので予期はしていたが、実
際踏んでみると季節の移ろいを感じる。まだ12月になっていないので、心も体も雪への備えができておらず、
さほどうれしいという感情が起こらない。
少しずつ増えてきた雪は、高屋山まで来ると20センチぐらいになっていた。杉谷林道の登山口からのひとり
分のトレースがある。好天の日曜日だけあって貸切りとはいかないようだ。
時間の経過に伴って雪は融けてきたようで、真っ白だった山稜もすっかり葉を落とした木々の色に変わってい
る。初霧氷が見られるかもと期待していたが、もっと早く登らないといけなかったようだ。南北に伸びる登山道
は、日当たりのいい南面は雪が融け、日陰の北面はフカフカの新雪がそのまま残るというパターンである。
小津権現山前衛のピークからの下りは固定ロープに助けられて通過。最後の登りはベチャベチャになった雪を踏
んで山頂に到着すると、足跡の主が昼食の準備をしているところだった。
今日は実にいい天気だ。能郷白山、屏風山と越美国境稜線の山々、恵那山、御嶽から乗鞍、白山は少し霞みが
ちながらも真っ白な姿を見せる。奥美濃の山々はこのまま積雪ということはないだろう。一度は融けて、いつか
ら本格的な積雪が始まるのだろうか。
北の方から単独の登山者が上がって来た。花房山から縦走してきたにしては時間が早い。どちらからと聞く前
に向こうから話し始めた。なんと、こちらが下山予定の杉谷左岸尾根を登って来たという。好き物がいるものだ。
その後2人パーティーがやってきたが、腰を上げるころには誰もいなくなっていた。
今日も展望を肴にのんびりと1時間半のランチタイムを楽しんだ。
山頂から花房山への縦走路に入る。ここは尾根芯はヤブで、左から巻き気味に道が付けられているのだがかな
りの急傾斜。延々とロープが張られている。雪がなければなんということもないが、北面のフカフカの30センチ
以上積もっている新雪では、このロープに大いに助けられた。先ほどの単独者も「ロープがあって助かりました」
と盛んに言っていた理由がわかった。
傾斜が落ち着いて平坦な尾根になると雪はチラホラ程度に変わる。なんとも目まぐるしい変化である。
Ca1050mピークから南東への尾根に入る。尾根芯はそれまではずっと密な笹ヤブだったのが、この尾根の下り
口だけが薄くなっていた。まだら雪の上に足跡が残っている。
この尾根は積雪期に登ったことがあるが、無雪期の状態は知らない。まあ、たぶん歩けるだろうという感じで
計画したのだが、登って来た人がいるのなら間違いない。
ヤブは大したことのないレベルではあるが、伐採を受けた尾根らしく、ブナの姿もほとんど見えず面白みのな
い尾根だ。
下って行くにつれ、ヤブが消えて明瞭な踏み跡が出てきた。見覚えのある岩場を縫うように付けられた道の形
が面白い。雪が無いとこんな感じなのかという発見がある。やはり山は季節が変われば別物。一度登って知った
つもりになっていてはいけないのだ。
目の前にタンポから西台山、杉谷の下流方向の先に濃尾平野の雄大な眺めを楽しめる展望尾根だというのは意
外だった。積雪期には振り返らずに登っていたのだろうか。
目の前の景色も次々と変化して、まったくヤブ無しの気持ちのいい疎林が現れたり、カレンフェルトの岩場が
現れたりで退屈しない。高度が下がると紅葉が戻ってきて風景に彩りを添える。
下部は植林オンリーという記憶だったがいい加減なもので。尾根の半分は自然林というところがほとんどだった。
こんなに明るい、いい尾根だったとは。周回のために用意したルートだったが、ここを歩くことを目的にしても
いいような尾根だった。
集落が近づいて来るとよく掘り込まれた道型が現れた。仕事道だろうが、尾根をまっすぐに走る直滑降コース
と、緩やかにカーブして巻いて行くスラロームコースに分かれているのが面白い。
民家の横に着地して、川沿いに長く伸びる小津の集落を歩く。
何度も訪れている小津だが、初めて白山神社にお参りした。立派な大杉やイチョウも見事だが、社殿を飾る彫刻
が面白かった。社務所の前を通ると、「上がってお茶でも飲んでいけ」と声を掛けて頂いた。今から温泉に行く
のでと固辞すると、またおいでと言ってくれた。やはり小津の人は暖かい。
山日和
【山 域】奥美濃 小津権現山周辺
【天 候】晴れ
【コース】小津公民館7:40---8:05尾根取付---9:10 舟窪地形---10:40高屋山---11:45小津権現山13:10---
13:50 Ca1050mピーク---15:40小津集落
名残の紅葉と冬枯れの日溜まりハイクを楽しもうと出かけた山だったが、思わぬ今シーズン初雪山となって
しまった。
小津の公民館に車を止めて出発。ここは積雪期にいつもお世話になっていた駐車場だ。山あいの小津の集落
は子供が必ず挨拶をしてくれ、下山後に片付けをしていたら隣家のおばあさんが「これを持って帰れ」と大き
なタケノコをくれたこともある、心優しい村である。
今来た県道を引き返して、174m標高点のあたりから尾根に取り付いた。最初は植林だが、尾根に乗ると自然
林に変わる。紅葉も終盤を迎えているが、標高500mあたりではまだまだ見頃。朝日に照らされた雑木林が黄金
色に輝いている。
先週に続いてレイさん推奨の尾根はまったくのヤブ無し。一般登山道と変わることのない歩きやすさだ。
529m標高点あたりの等高線の間隔がやたら広い場所には、二重山稜と広大な舟窪地形が待っていた。池があり
そうな地形だが、残念ながら小さな水溜まりがひとつあるだけだった。
梅雨時なら少しは池らしくなって、山上のオアシスになるかもしれない。石灰岩の山なので、ヒルの心配はあ
るかもしれないが。
知らないうちに733m標高点を過ぎて急登にかかると、斜面を雪が覆い始めた。ほんの数センチ程度だが、今
シーズン初雪山である。登り始める前、山頂方面を見上げた時真っ白になっていたので予期はしていたが、実
際踏んでみると季節の移ろいを感じる。まだ12月になっていないので、心も体も雪への備えができておらず、
さほどうれしいという感情が起こらない。
少しずつ増えてきた雪は、高屋山まで来ると20センチぐらいになっていた。杉谷林道の登山口からのひとり
分のトレースがある。好天の日曜日だけあって貸切りとはいかないようだ。
時間の経過に伴って雪は融けてきたようで、真っ白だった山稜もすっかり葉を落とした木々の色に変わってい
る。初霧氷が見られるかもと期待していたが、もっと早く登らないといけなかったようだ。南北に伸びる登山道
は、日当たりのいい南面は雪が融け、日陰の北面はフカフカの新雪がそのまま残るというパターンである。
小津権現山前衛のピークからの下りは固定ロープに助けられて通過。最後の登りはベチャベチャになった雪を踏
んで山頂に到着すると、足跡の主が昼食の準備をしているところだった。
今日は実にいい天気だ。能郷白山、屏風山と越美国境稜線の山々、恵那山、御嶽から乗鞍、白山は少し霞みが
ちながらも真っ白な姿を見せる。奥美濃の山々はこのまま積雪ということはないだろう。一度は融けて、いつか
ら本格的な積雪が始まるのだろうか。
北の方から単独の登山者が上がって来た。花房山から縦走してきたにしては時間が早い。どちらからと聞く前
に向こうから話し始めた。なんと、こちらが下山予定の杉谷左岸尾根を登って来たという。好き物がいるものだ。
その後2人パーティーがやってきたが、腰を上げるころには誰もいなくなっていた。
今日も展望を肴にのんびりと1時間半のランチタイムを楽しんだ。
山頂から花房山への縦走路に入る。ここは尾根芯はヤブで、左から巻き気味に道が付けられているのだがかな
りの急傾斜。延々とロープが張られている。雪がなければなんということもないが、北面のフカフカの30センチ
以上積もっている新雪では、このロープに大いに助けられた。先ほどの単独者も「ロープがあって助かりました」
と盛んに言っていた理由がわかった。
傾斜が落ち着いて平坦な尾根になると雪はチラホラ程度に変わる。なんとも目まぐるしい変化である。
Ca1050mピークから南東への尾根に入る。尾根芯はそれまではずっと密な笹ヤブだったのが、この尾根の下り
口だけが薄くなっていた。まだら雪の上に足跡が残っている。
この尾根は積雪期に登ったことがあるが、無雪期の状態は知らない。まあ、たぶん歩けるだろうという感じで
計画したのだが、登って来た人がいるのなら間違いない。
ヤブは大したことのないレベルではあるが、伐採を受けた尾根らしく、ブナの姿もほとんど見えず面白みのな
い尾根だ。
下って行くにつれ、ヤブが消えて明瞭な踏み跡が出てきた。見覚えのある岩場を縫うように付けられた道の形
が面白い。雪が無いとこんな感じなのかという発見がある。やはり山は季節が変われば別物。一度登って知った
つもりになっていてはいけないのだ。
目の前にタンポから西台山、杉谷の下流方向の先に濃尾平野の雄大な眺めを楽しめる展望尾根だというのは意
外だった。積雪期には振り返らずに登っていたのだろうか。
目の前の景色も次々と変化して、まったくヤブ無しの気持ちのいい疎林が現れたり、カレンフェルトの岩場が
現れたりで退屈しない。高度が下がると紅葉が戻ってきて風景に彩りを添える。
下部は植林オンリーという記憶だったがいい加減なもので。尾根の半分は自然林というところがほとんどだった。
こんなに明るい、いい尾根だったとは。周回のために用意したルートだったが、ここを歩くことを目的にしても
いいような尾根だった。
集落が近づいて来るとよく掘り込まれた道型が現れた。仕事道だろうが、尾根をまっすぐに走る直滑降コース
と、緩やかにカーブして巻いて行くスラロームコースに分かれているのが面白い。
民家の横に着地して、川沿いに長く伸びる小津の集落を歩く。
何度も訪れている小津だが、初めて白山神社にお参りした。立派な大杉やイチョウも見事だが、社殿を飾る彫刻
が面白かった。社務所の前を通ると、「上がってお茶でも飲んでいけ」と声を掛けて頂いた。今から温泉に行く
のでと固辞すると、またおいでと言ってくれた。やはり小津の人は暖かい。
山日和