【奥越】荷暮川西ノ又谷から日ノ谷源流を経て平家岳へ

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山日和
記事: 3581
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【奥越】荷暮川西ノ又谷から日ノ谷源流を経て平家岳へ

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2021年10月24日(日)
【山 域】奥越 平家岳周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】荷暮林道駐車地7:25---8:25二俣---9:35トチの巨木---11:25面谷登山道---11:35日ノ谷---12:35平家岳13:35
     ---15:00中電小屋---15:50西ノ又谷本流---18:15駐車地

 荷暮川の西ノ又谷へ入るのは3回目だ。沢登りの対象としては顧みられることもなく、記録もほとんど見当た
らないこの谷に惹かれるのは、やはりあの源頭の樹林の佇まいの魅力が最大にして唯一の理由に違いない。
 左岸の林道は少し進んだところで崩壊して跡形もない。広河原の浅く緩い流れを渡渉すると、右岸にも林道の
痕跡が見られる。しばらく右岸を歩いて再び渡渉すると左岸の林道が復活している。
この廃林道をうまく繋いで歩くのが時間短縮の決め手となる。

PA240028_1.JPG
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 2つ目の二俣を右へ取ると、ようやく広い河原も終わって沢登りらしくなってきた。と言っても2~3m程度の小
滝がいくつか現れる程度であるが、両岸が少し迫るだけでもそれらしい雰囲気になるのだ。
それにしても、前の2回はここを登山靴で歩いたことが信じられない。確かに踏み跡はあるのだが、まったく流れ
を渡らずに歩くことは不可能なのだ。飛び石で渡るにしても神経を使わされる。1度目はともかく、2度目まで沢
靴にしなかったということは、1度目がよほど楽に歩けたということか。20年前と13年前の記憶はおぼろである。


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 谷が90度左折するところで、左の上の方から水が噴き出していた。岩溝の中を流れてきた水流が勢いよく空中
へ飛び出しているのだ。いわゆるヒョングリの滝というヤツだろう。
浅い釜の前は大きく開けた広場のようになっており、滝の右手の落ち口ラインに見事なトチの巨木がよく来たな
と言いたげにこちらを見下ろしている。この滝とトチが醸し出す一服の名画のような完璧な構図に思わず立ち尽
くしてしまった。3度目、それも前2回は往復しているので5回目の対面なのに、今日の印象は初めてのように新鮮
だった。


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 トチの木を回り込んで滝の上に立つと、そこは下降予定の谷が15mほどの滝を懸ける二俣になっている。
ここから平家岳方向へ突き上げる谷は初見だ。面谷からの登山道が通る尾根まではわずかな距離である。
 平凡ながらも美しい谷は、これまで同様に何も起こらない穏やかな渓相が続き、ほどなく源頭部に突入。
水が切れても水の流れた跡を辿ればヤブも薄く、楽勝で登山道に到達できる・・・と思ったのが甘かった。
その水流跡が切れると、ササと潅木の密ヤブが行く手を阻んだ。まっすぐ伸びるササだけならかき分けて強引に
体を押し込めばなんとかなるが、あらゆる方向へ枝を伸ばす潅木はそれを許さない。目を凝らして少しでも薄そ
うなところを選び、体が通れる空間を作る枝のかき分け方を考えなければならない。若い頃なら力任せでこなせ
ただろうが、今は一歩を出すのが大変な労力だ。

 目の前がパッと明るくなった。面谷からの登山道だ。毎度同じ表現だが、高速道路に飛び出した印象である。
普通ならここから登山道を辿れば、何も考えずに足を前にだすだけで平家岳の山頂に到着というところである。
しかしそれでは面白くないし、登山道は大きく迂回していて遠回りだ。目の前の日ノ谷源流へ下りて、山頂ダ
イレクトを目指す。日ノ谷は20年近く前に遡行して、同様に山頂にダイレクトに到達したことがある。その時
はほとんどヤブで苦労した記憶がない。

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 急斜面を30mほど下れば日ノ谷のやさしい流れに着いた。ナメ床が多く、気楽に遡行できるいい谷だが、車
が入れない林道のアプローチが長過ぎるのが難である。
 少し足が攣りそうな感じだったので薬を飲もうとしたらポーチがない。ザックのポケットのファスナーが開
いたままになっていた。どこかで落としたのか、休憩の時に置き忘れてきたのか。
大した物は入っていないので助かったが、これで車のキーやスマホを入れていたら真っ青になるところだった。
しかし、このことが後で悲惨な事態を招くとは想像もしなかった。

 ナメを楽しみながら山頂へダイレクトに伸びる谷に入った。ここも西ノ又谷の源頭と同じような様相だが、
以前の記憶が正しければ難なく山頂に到達できるはずだ。
ところが目の前には先ほどと同じようなヤブが行く手を遮り、すぐそこのはずの山頂になかなか近付かない。
どうやら左寄りに上がり過ぎたようだ。一日の、それも1時間ほどの間に2度も違う谷の源頭のヤブ漕ぎをさせ
られるとは思わなかった。まったくアホとしか言いようがない。
ヘロヘロになって山頂手前の高速道路に飛び出し、トボトボと平家岳に向かう。


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 平家岳の山頂は360度のパノラマが楽しめる展望のピークである。
白山が白く輝いている。今シーズンの初冠雪のようだ。越美国境や奥越、奥美濃の山々はもちろん、北アルプ
スの冠雪した山並みも一望のもとだ。だがその眺めの中で一番気になるのが足元に見える五現川山から左門岳
の北へと続く、もっさりとした越美国境稜線というのは変わり者だろうか。
面谷からの2パーティーがやって来て、久しぶりに山で出会う登山者となった。

 思いのほか時間がかかったので、ランチは早めに切り上げなければいけない。下山路の大半は既知のルート
ではあるが、何があるかわからない、
あまり食欲が湧かず、持って来たラーメンを食べずにパンだけの昼食を済ませて出発したところで異変が起きた。
足が攣り始めたのと同時にヒザに力が入らない。両足の太ももの外側が攣り、それが収まったら今度は内側、つ
いにはこれまで攣ったことのない右足のかかとまで攣り出す始末である。だましだまし歩くも要介護認定の年寄
りのような覚束ない足取りで、このペースで行けばとても今日中に下山できないだろう。
秘薬がないので水分補給、アミノバイタル、ボルタレンの湿布、インドメタシン系の塗り薬等々対策を総動員、
さらにはsatoさんに荷物を分担してもらって歩き出す。
対策は徐々に効いてきたようで、今までのはなんだったのかというぐらい普通に歩けるようになった。
元々攣りぐせがあるのだが、ある程度時間が経てば後に尾を引かないことは経験則でわかっている。そうでなけ
ればかなり焦っただろう。

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 よく刈り込まれた送電鉄塔の巡視路を美濃平家方面へ辿り、最初の鞍部のあたりに建つ中電の立派な小屋に着
いた。一般人は使用できないが、ここで泊まれば気持ちのいい朝を迎えられそうな小屋である。
 
 鞍部から北側斜面へ飛び込む。傾斜は強いがヤブもなく歩きやすい。稜線上もブナ林が続いていたが、西ノ又
谷源頭の斜面も素晴らしいブナ林に包まれている。目を惹く巨木はないものの、背の高いすらっとしたブナが一
面に並ぶさまは壮観だ。一日の山行の終わりにこんな滋味溢れる森を歩ける喜びはこの上ない。
 出合の滝は左から高巻く道があるのを学習済みなので、難なく朝通過した本流の出合へ下り立った。
ここから駐車地まであと2時間ばかり。往路を戻るだけなので楽勝だろう。


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 トチとヒョングリ滝に最後のご挨拶をして帰路を急ぐ。
二俣を過ぎて右岸の廃林道に入ったあたりでかなり薄暗くなり、ヘッデンを点灯した。
 一度左岸へ渡渉して林道に乗ったところまではよかったが、その林道の崩壊地点から先をあまり覚えていなか
った。往路ではそこまでに2度渡渉しているはずだ。ヘッデンが照らす狭い範囲の視界では状況をよく確認でき
ない。
河原に下りると大きな堰堤が現れた。これはどっちから巻いたのか。左手前の斜面を這い上がって確かめるがそ
れらしき踏み跡は見当たらなかった。一度は高いところまで上がったが、林道は川床からこんなに離れているは
ずはないので、堰堤のラインを越えたところで慎重に下る。ライトが白い帯を捉えた。林道だ。これで帰れる。
時刻はまだ6時なのだが、秋の日はつるべ落とし。あたりはもう漆黒の闇に包まれていた。

                    
                      山日和
sato
記事: 420
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【奥越】荷暮川西ノ又谷から日ノ谷源流を経て平家岳へ

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんばんは。
19時にコロナワクチン接種をしてきました。やっと一回目終了。
今のところ、大丈夫です。

日曜日は、いつかいつかと夢見ていた平家岳に、谷から、しかもふたつの谷を味わいながら辿り着くことが出来て、
とてもうれしかったです。
もう水は冷たいし、手の麻痺、手首の拘縮もあるので、無理かなと思いましたが、
西ノ又谷を二度味わわれている、山日和さんの大丈夫というお言葉に、そう、大丈夫、と力が湧きました。

7時には歩き始めようと、朝早く出発したのに林道駐車地に車を停められず、バックで1キロ以上戻る事態に。
歩く前からどっと疲れてしまいましたね(私は座っているだけでしたが、緊張しました)。

堰堤までの谷歩き。山日和さん、考えることなく右、左と渡渉を繰り返し、両岸に残る廃林道を繋いでいかれたので、
頭の中に、昔歩いた時の地図が入っているのだなぁ、と思いました。

西ノ又谷はゆたかな森に透き通った流れが印象的でした。穏やかな光に満ちた、静謐さを湛えた谷でした。
トチと滝の風景が目の前に現れた時は、わたしも立ち尽くしてしまいました。
奇跡のような世界。静かな感動に包まれました。

右俣に入ってからも穏やかな風景が続いていきましたね。秋の空のような水に見入っていました。
水が切れてもしばらくはヤブもなく、
今日はお昼前に山頂に着くのではと思いましたが、甘かったですね。
いきなり急こう配のヤブに。
チェーンスパイクを履くのを渋り、時間と体力を無駄に使うことになってしまい、すみませんでした。

稜線に出たら反対側の谷に降りて山頂に向かおう、とお聞きした時、なんて素敵なのだろうとワクワクしました。
降り立った紅葉し始めの日ノ谷源流のうつくしい佇まいにどきどきしました。
このまままっすぐ源流に進みたい誘惑に駆られましたが、そう、山頂へダイレクトに向かうのだと頭を振り(笑)。

100mほどの登りに、こんなに時間がかかるとは予定外でしたね。
すっと山頂に辿り着けるはずだったのですよね。
でも、夢見た平家岳にすんなりと立つのはもったいない。
お山をより感じるヤブを味わえてうれしかったです。宝物の風景に出会えましたし。
ヤブの中から望んだ真っ白な白山の神々しいお姿にこころが震えました。

平家岳山頂は想像以上に素晴らしい展望のピークでした。
いつまでも、ぽけっとしていたくなる素敵な世界でした。

山中では何が起こるか分からないですね。足が攣る、というのはよく聞きますが、
攣ったことがないので、攣った時の状態が分かっていません。
(疲れている時やストレスが溜まった時、夜中に足を攣るのは数えきれないくらい経験していますが)
両足、かかとまで同時に攣ることもあるのですね。
足のトラブルといえば膝痛もありますね。
今まで他人事でしたが、数か月前から悩まされるようになり、膝痛の厄介さが分かりました。
足攣りも他人事でなくなる時が来そうです。
勉強になりました。私も薬を常備しようと思いました。自分が攣った時、同行者が攣った時に備えて。

美濃平家への稜線、下りの谷もうっとりするうつくしさでした。
このコースを考えてくださった理由をしみじみと感じました。

秋の日はつるべ落とし。
行きにスイスイと歩いた道が、暗闇では分からなくなるとは。
堰堤の巻きで、どうしようかと思った時、落ち着いて行動することが出来、ほっとしました。

振り返ると、えっ、と思う事がぽつぽつと生じた一日でしたね。
でも動じず行動することが出来たなぁと。
落ち着いて行動することの大切さを実感しました。

夢見た平家岳は、印象に残る濃厚な沢山旅となりました。
ありがとうございました。

今週末は、オフ会ですね。
楽しみにしています!

sato
biwaco
記事: 1422
登録日時: 2011年2月22日(火) 16:56
お住まい: 滋賀県近江八幡市

Re: 【奥越】荷暮川西ノ又谷から日ノ谷源流を経て平家岳へ

投稿記事 by biwaco »

こんにちは、山日和導師サマ(^_-)
「平家岳」を谷筋から~でしたか! 
「平家へ行ったのはいつだったかなあ…?」と記録を見ると、3年前でした。もちろん無雪期。谷筋なんてとんでもない、ちゃんとした標識のある登山路(巡視路)をたどっての初見参でした。

その後、昨年でしたか、導師の野々小屋谷から滝波山へのレポをみて、あの周辺にまた行ってみたいなと思ってたところでした。
それにしてもsatoさんのマムシ傷が良くなって嬉しいですね。
荷暮川の西ノ又谷へ入るのは3回目だ。
 左岸の林道は少し進んだところで崩壊して跡形もない。
やはり私は未踏ですが、satoレスに「1kmほどバックで引き返した」とあるので(またも出鼻を???)と思ってたら、岩盤崩壊でしたか!ゲジゲジマークの辺りでしょうか? 谷が3つも合流して豪雨には耐えられなかったんでしょうね。
 2つ目の二俣を右へ取ると、ようやく広い河原も終わって沢登りらしくなってきた。と言っても2~3m程度の小滝がいくつか現れる程度であるが、両岸が少し迫るだけでもそれらしい雰囲気になるのだ。
co800の分岐ですね。ここで美濃平家プランを断念? 「みのへいけ」と打電したらコマンドは「美濃へ行け」と出ましたが(^_-)
岩溝の中を流れてきた水流が勢いよく空中へ飛び出しているのだ。いわゆるヒョングリの滝というヤツだろう。
お元気なショングリの滝? 羨ましい、あやかりたい、拝みたい(@_@。
 トチの木を回り込んで滝の上に立つと、そこは下降予定の谷が15mほどの滝を懸ける二俣になっている。
ここから平家岳方向へ突き上げる谷は初見だ。面谷からの登山道が通る尾根まではわずかな距離である。
登山道から下を見て、こんな藪谷を登ってくるのはクマかイノシシくらいやろうと思ってました。
水が切れても水の流れた跡を辿ればヤブも薄く、楽勝で登山道に到達できる・・・と思ったのが甘かった。
その水流跡が切れると、ササと潅木の密ヤブが行く手を阻んだ。
やっぱりね(^_-) この辺りの修羅場がないとレポになりませんから~!
 目の前がパッと明るくなった。面谷からの登山道だ。毎度同じ表現だが、高速道路に飛び出した印象である。
面平高速道(人馬専用!) あ、シカさんもOK。馬鹿人?
普通ならここから登山道を辿れば、何も考えずに足を前にだすだけで平家岳の山頂に到着というところである。
しかしそれでは面白くないし、登山道は大きく迂回していて遠回りだ。目の前の日ノ谷源流へ下りて、山頂ダイレクトを目指す。
なんでやねん! よくもまあ、そんな体力残ってるわ。「若い頃なら力任せで」って書いてたところやないの(@_@。
まあ、高速道路の逆走やはみ出しは御法度ですが、ここは「馬鹿人専用」ですから、良しとしようか?
少し足が攣りそうな感じだったので薬を飲もうとしたらポーチがない。ザックのポケットのファスナーが開いたままになっていた。どこかで落としたのか、…
嫌な予感(@_@。
越美国境や奥越、奥美濃の山々はもちろん、北アルプスの冠雪した山並みも一望のもとだ。だがその眺めの中で一番気になるのが足元に見える五現川山から左門岳の北へと続く、もっさりとした越美国境稜線というのは変わり者だろうか。
はい、変わり者、ウツケ者、異呆人ですね(^_-) 
あまり食欲が湧かず、持って来たラーメンを食べずにパンだけの昼食を済ませて出発したところで異変が起きた。
足が攣り始めたのと同時にヒザに力が入らない。両足の太ももの外側が攣り、それが収まったら今度は内側、ついにはこれまで攣ったことのない右足のかかとまで攣り出す始末である。
経年劣化、勤続疲労の証明です。ますます顕著に露われるでしょうね(-_-)
で、「秘薬」はやはり消えたポーチの中ですか?
 鞍部から北側斜面へ飛び込む。傾斜は強いがヤブもなく歩きやすい。
もしも行くことがあれば(ないと思うけど)、登りもこっちにしようっと。
二俣を過ぎて右岸の廃林道に入ったあたりでかなり薄暗くなり、ヘッデンを点灯した。
堰堤のラインを越えたところで慎重に下る。ライトが白い帯を捉えた。林道だ。これで帰れる。
時刻はまだ6時なのだが、秋の日はつるべ落とし。あたりはもう漆黒の闇に包まれていた。
おやおや、ラストまでドラマチックな展開でしたね。
「つるべ落とし」ならまだしも「命落としの秋の桎梏」になりませんように(^^)/

        秋の夜は山レポ肴に独り酒~びわ爺
アバター
山日和
記事: 3581
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥越】荷暮川西ノ又谷から日ノ谷源流を経て平家岳へ

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。お疲れさまでした。

19時にコロナワクチン接種をしてきました。やっと一回目終了。
今のところ、大丈夫です。


歳を取るほど大丈夫らしいですが・・・ :mrgreen:

もう水は冷たいし、手の麻痺、手首の拘縮もあるので、無理かなと思いましたが、
西ノ又谷を二度味わわれている、山日和さんの大丈夫というお言葉に、そう、大丈夫、と力が湧きました。


滝もほとんどないし、困難なところのない谷なので問題なしと思いました。
問題があるとすれば自分の体力だけ。 :lol:

7時には歩き始めようと、朝早く出発したのに林道駐車地に車を停められず、バックで1キロ以上戻る事態に。
歩く前からどっと疲れてしまいましたね(私は座っているだけでしたが、緊張しました)。


あれは誤算でした。1キロもあったかな?


PA240038_1.JPG

西ノ又谷はゆたかな森に透き通った流れが印象的でした。穏やかな光に満ちた、静謐さを湛えた谷でした。
トチと滝の風景が目の前に現れた時は、わたしも立ち尽くしてしまいました。
奇跡のような世界。静かな感動に包まれました。


穏やかな谷だったでしょう。平凡なんだけど、何か惹かれるものがあるんですよね。


PA240072_1.JPG

水が切れてもしばらくはヤブもなく、
今日はお昼前に山頂に着くのではと思いましたが、甘かったですね。
いきなり急こう配のヤブに。
チェーンスパイクを履くのを渋り、時間と体力を無駄に使うことになってしまい、すみませんでした。


これはラッキーとばかり前進したけど、やっぱりでしたね。 :D
satoさんと行くと、ヤブに捕まる確率が高いです。 :mrgreen:

稜線に出たら反対側の谷に降りて山頂に向かおう、とお聞きした時、なんて素敵なのだろうとワクワクしました。
降り立った紅葉し始めの日ノ谷源流のうつくしい佇まいにどきどきしました。
このまままっすぐ源流に進みたい誘惑に駆られましたが、そう、山頂へダイレクトに向かうのだと頭を振り(笑)。


あそこを直進すれば近道の意味がないと・・・
結局急がば回れでした。 :lol:


PA240118_1.JPG

100mほどの登りに、こんなに時間がかかるとは予定外でしたね。
すっと山頂に辿り着けるはずだったのですよね。


10数年前の記憶では・・・

でも、夢見た平家岳にすんなりと立つのはもったいない。
お山をより感じるヤブを味わえてうれしかったです。宝物の風景に出会えましたし。
ヤブの中から望んだ真っ白な白山の神々しいお姿にこころが震えました。


satoさんはそう言ってくれるので助かります。 :D

平家岳山頂は想像以上に素晴らしい展望のピークでした。
いつまでも、ぽけっとしていたくなる素敵な世界でした。


いい山頂だったでしょう。
この日のコースは面谷からの往復だけでは味わえない充実感があります。


1635134224040_1.jpg

山中では何が起こるか分からないですね。足が攣る、というのはよく聞きますが、
攣ったことがないので、攣った時の状態が分かっていません。
(疲れている時やストレスが溜まった時、夜中に足を攣るのは数えきれないくらい経験していますが)
両足、かかとまで同時に攣ることもあるのですね。

足を攣ったことがないというのが凄いですね。
もう慣れっこになってるとは言え、あの激痛はたまりません。
両足の太ももとふくらはぎが同時に攣って七転八倒したこともあります。

美濃平家への稜線、下りの谷もうっとりするうつくしさでした。
このコースを考えてくださった理由をしみじみと感じました。


この谷を歩くのが最大の目的でもありました。
3度も訪れる理由がわかったでしょう。 :D


PA240161_1.JPG


秋の日はつるべ落とし。
行きにスイスイと歩いた道が、暗闇では分からなくなるとは。
堰堤の巻きで、どうしようかと思った時、落ち着いて行動することが出来、ほっとしました。


もうすぐそこだし、焦りはなかったですね。
行きには対岸へ渡った崩壊地を、渡渉が面倒でそのまま直進したのが原因でした。

振り返ると、えっ、と思う事がぽつぽつと生じた一日でしたね。
でも動じず行動することが出来たなぁと。
落ち着いて行動することの大切さを実感しました。


まあ、50年以上山を歩いていれば、大抵のことは慌てず対処できます。

今週末は、オフ会ですね。
楽しみにしています!


今回はコロナも収まり、天気の心配がなさそうでよかった。 :D

                山日和
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【奥越】荷暮川西ノ又谷から日ノ谷源流を経て平家岳へ

投稿記事 by バーチャリ »

山日和さん おはようございます。

オフ会お疲れ様でした。
ブナ清水の紅葉の下での極上のコーヒ美味しかったです。

【コース】荷暮林道駐車地7:25---8:25二俣---9:35トチの巨木---11:25面谷登山道---11:35日ノ谷---12:35平家岳13:35
     ---15:00中電小屋---15:50西ノ又谷本流---18:15駐車地


平家岳響きがいいですよね。
今度は源氏岳に☺
山頂近くで蜂に刺されました。 


荷暮川の西ノ又谷へ入るのは3回目だ。沢登りの対象としては顧みられることもなく、記録もほとんど見当た
らないこの谷に惹かれるのは、やはりあの源頭の樹林の佇まいの魅力が最大にして唯一の理由に違いない。
 左岸の林道は少し進んだところで崩壊して跡形もない。広河原の浅く緩い流れを渡渉すると、右岸にも林道の
痕跡が見られる。しばらく右岸を歩いて再び渡渉すると左岸の林道が復活している。
この廃林道をうまく繋いで歩くのが時間短縮の決め手となる。


私は面谷川林道の鉱山跡の先の登山口から行きましが
日ノ谷はまだ奥の谷ですね。


 谷が90度左折するところで、左の上の方から水が噴き出していた。岩溝の中を流れてきた水流が勢いよく空中
へ飛び出しているのだ。いわゆるヒョングリの滝というヤツだろう。



自然の贈り物ですね面白い滝ですね


浅い釜の前は大きく開けた広場のようになっており、滝の右手の落ち口ラインに見事なトチの巨木がよく来たな
と言いたげにこちらを見下ろしている。この滝とトチが醸し出す一服の名画のような完璧な構図に思わず立ち尽
くしてしまった。3度目、それも前2回は往復しているので5回目の対面なのに、今日の印象は初めてのように新鮮
だった。


何回訪れても新鮮に感じますよね。


ササと潅木の密ヤブが行く手を阻んだ。まっすぐ伸びるササだけならかき分けて強引に
体を押し込めばなんとかなるが、あらゆる方向へ枝を伸ばす潅木はそれを許さない。目を凝らして少しでも薄そ
うなところを選び、体が通れる空間を作る枝のかき分け方を考えなければならない。若い頃なら力任せでこなせ
ただろうが、今は一歩を出すのが大変な労力だ。


笹だけだったら平泳ぎで前に進めますが潅木の密大変そう。

 
目の前がパッと明るくなった。面谷からの登山道だ。毎度同じ表現だが、高速道路に飛び出した印象である。
普通ならここから登山道を辿れば、何も考えずに足を前にだすだけで平家岳の山頂に到着というところである。
しかしそれでは面白くないし、登山道は大きく迂回していて遠回りだ。目の前の日ノ谷源流へ下りて、山頂ダ
イレクトを目指す。日ノ谷は20年近く前に遡行して、同様に山頂にダイレクトに到達したことがある。その時
はほとんどヤブで苦労した記憶がない。


そんとそうなんです
面白くない平家岳でした
後から聞きましたが雪の時がお勧めだよと聞きましたが

急斜面を30mほど下れば日ノ谷のやさしい流れに着いた。ナメ床が多く、気楽に遡行できるいい谷だが、車
が入れない林道のアプローチが長過ぎるのが難である。


林道歩きの無い山が好きですが☺

 少し足が攣りそうな感じだったので薬を飲もうとしたらポーチがない。ザックのポケットのファスナーが開
いたままになっていた。どこかで落としたのか、休憩の時に置き忘れてきたのか。


昨日帽子を落としましたが
最近私は落とし物が多くなってきました。

平家岳の山頂は360度のパノラマが楽しめる展望のピークである。
白山が白く輝いている。今シーズンの初冠雪のようだ。越美国境や奥越、奥美濃の山々はもちろん、北アルプ
スの冠雪した山並みも一望のもとだ。だがその眺めの中で一番気になるのが足元に見える五現川山から左門岳


トンガリピークしか記憶にないですが


あまり食欲が湧かず、持って来たラーメンを食べずにパンだけの昼食を済ませて出発したところで異変が起きた。
足が攣り始めたのと同時にヒザに力が入らない。両足の太ももの外側が攣り、それが収まったら今度は内側、つ
いにはこれまで攣ったことのない右足のかかとまで攣り出す始末である。だましだまし歩くも要介護認定の年寄
りのような覚束ない足取りで、このペースで行けばとても今日中に下山できないだろう。
秘薬がないので水分補給、アミノバイタル、ボルタレンの湿布、インドメタシン系の塗り薬等々対策を総動員、
さらにはsatoさんに荷物を分担してもらって歩き出す。


秘薬の薬を落としてなかったら対処できたでしょうが
悪い事が重なるのですね。



鞍部から北側斜面へ飛び込む。傾斜は強いがヤブもなく歩きやすい。稜線上もブナ林が続いていたが、西ノ又
谷源頭の斜面も素晴らしいブナ林に包まれている。目を惹く巨木はないものの、背の高いすらっとしたブナが一
面に並ぶさまは壮観だ。一日の山行の終わりにこんな滋味溢れる森を歩ける喜びはこの上ない。


そうですか一度歩いて見たいですが
尾根歩きですと取り付きから時間かかりそうですね。



河原に下りると大きな堰堤が現れた。これはどっちから巻いたのか。左手前の斜面を這い上がって確かめるがそ
れらしき踏み跡は見当たらなかった。一度は高いところまで上がったが、林道は川床からこんなに離れているは
ずはないので、堰堤のラインを越えたところで慎重に下る。ライトが白い帯を捉えた。林道だ。これで帰れる。
時刻はまだ6時なのだが、秋の日はつるべ落とし。あたりはもう漆黒の闇に包まれていた。


秋の日は落ちるのが早いですもんね 
お疲れ様でした。

   バーチャリ

                    
                      
アバター
山日和
記事: 3581
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥越】荷暮川西ノ又谷から日ノ谷源流を経て平家岳へ

投稿記事 by 山日和 »

biwa爺さん、どうもです。体の具合はいかがですか?

その後、昨年でしたか、導師の野々小屋谷から滝波山へのレポをみて、あの周辺にまた行ってみたいなと思ってたところでした。
それにしてもsatoさんのマムシ傷が良くなって嬉しいですね。


平家・滝波というのはいかにも奥山という感じがあふれてますね。
satoさんはまだまだ全快とはいきませんが、時間をかけてじっくりという感じですね。

やはり私は未踏ですが、satoレスに「1kmほどバックで引き返した」とあるので(またも出鼻を???)と思ってたら、岩盤崩壊でしたか!ゲジゲジマークの辺りでしょうか? 谷が3つも合流して豪雨には耐えられなかったんでしょうね。

ゲジゲジの真ん中あたりで道が崩れて、補修工事の最中でした。昨年の6月にはなんともなかったんですが。
今年の豪雨時にやられたんでしょうね。

co800の分岐ですね。ここで美濃平家プランを断念? 「みのへいけ」と打電したらコマンドは「美濃へ行け」と出ましたが(^_-)

出発前から変更を決めてました。距離的には美濃平家の方が近いんだけどね。
「美濃へ行け」とは秀逸ですね。 :lol:

お元気なショングリの滝? 羨ましい、あやかりたい、拝みたい(@_@。

ショボショボだと思わず我が身を見下ろしてしまいます。 :mrgreen:


PA240056_1.JPG

登山道から下を見て、こんな藪谷を登ってくるのはクマかイノシシくらいやろうと思ってました。

2度ほどクマと間違えられました。一度は相手が洞吹さんでしたが。 :mrgreen:

>その水流跡が切れると、ササと潅木の密ヤブが行く手を阻んだ。

やっぱりね(^_-) この辺りの修羅場がないとレポになりませんから~!


いや、「ヤブなしの快適なツメで稜線に飛び出した」でも十分レポとして成立するんですが・・・ :lol:


PA240106_1.JPG

面平高速道(人馬専用!) あ、シカさんもOK。馬鹿人?

馬鹿でない人が歩く道ですね。 :mrgreen:

>しかしそれでは面白くないし、登山道は大きく迂回していて遠回りだ。目の前の日ノ谷源流へ下りて、山頂ダイレクトを目指す。

なんでやねん! よくもまあ、そんな体力残ってるわ。「若い頃なら力任せで」って書いてたところやないの(@_@。
まあ、高速道路の逆走やはみ出しは御法度ですが、ここは「馬鹿人専用」ですから、良しとしようか?


実際には、日ノ谷へ下るのは30m。道を歩いても井岸山と平家岳の鞍部へ30m下らないといけないので、標高差は同じです。
ならばとより楽しい方を選んだはずだったんですが・・・
詰める谷を間違えてしまいました。(^^;)

>少し足が攣りそうな感じだったので薬を飲もうとしたらポーチがない。ザックのポケットのファスナーが開いたままになっていた。どこかで落としたのか、…

嫌な予感(@_@。


予感的中してしまいました。 :oops:

はい、変わり者、ウツケ者、異呆人ですね(^_-) 

確かに名前はクボタですが・・・ちなみに3人目の孫の名前はサキです。 :mrgreen:

経年劣化、勤続疲労の証明です。ますます顕著に露われるでしょうね(-_-)
で、「秘薬」はやはり消えたポーチの中ですか?


十分認識して計画を立ててるんですが、足が攣る時と全然平気な時がありますね。何の具合なのかわかりませんが。
秘薬はすぐ出せるようにポーチに入れてました。


美濃へ行けへの道
美濃へ行けへの道

>鞍部から北側斜面へ飛び込む。傾斜は強いがヤブもなく歩きやすい。

もしも行くことがあれば(ないと思うけど)、登りもこっちにしようっと。


それが正解です。 :D

おやおや、ラストまでドラマチックな展開でしたね。
「つるべ落とし」ならまだしも「命落としの秋の桎梏」になりませんように(^^)/


まあ、単なるプチ闇下ですが。 :lol:

                   山日和
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Re: 【奥越】荷暮川西ノ又谷から日ノ谷源流を経て平家岳へ

投稿記事 by 山日和 »

バーチャリさん、どうもです。

オフ会お疲れ様でした。
ブナ清水の紅葉の下での極上のコーヒ美味しかったです。


どんなオシャレなカフェよりも贅沢な場所ですよね。 :D

平家岳響きがいいですよね。
今度は源氏岳に☺
山頂近くで蜂に刺されました。 


源氏岳ってあるんですか?
源平谷山は登りましたが。 :lol:

私は面谷川林道の鉱山跡の先の登山口から行きましが
日ノ谷はまだ奥の谷ですね。


一本西側の谷ですが、そこまでの道のりが遠いです。
荷暮川は面谷の一本東側ですね。

自然の贈り物ですね面白い滝ですね

この滝は面白いです。滝そのものだけではなく、トチの巨木と周囲の雰囲気が実にいいです。

何回訪れても新鮮に感じますよね。

そうなんですよ。前回の写真がなくなってしまったので、記憶があいまいでよけい新鮮でした。


PA240098_1.JPG

[q_yab]笹だけだったら平泳ぎで前に進めますが潅木の密大変そう。[/q_yab]

いろんな方向に枝を伸ばしてるので始末が悪いです。 :oops:

ほんとそうなんです
面白くない平家岳でした
後から聞きましたが雪の時がお勧めだよと聞きましたが


登山道はやや単調かな。でも面白くない山ということはないと思いますが。
雪の時期は九頭竜湖の箱ヶ瀬橋すら先が除雪されないので大変だと思いますよ。

林道歩きの無い山が好きですが☺

林道歩きは無いに越したことはないですよね。

昨日帽子を落としましたが
最近私は落とし物が多くなってきました。


あれっ、どこで落としたんでしょう。

PA240143_1.JPG

トンガリピークしか記憶にないですが

トンガリはどこの山?
見渡した中で一番トンガってたのは蕎麦粒山でした。

秘薬の薬を落としてなかったら対処できたでしょうが
悪い事が重なるのですね。


あの時点で薬を飲んでたらだいぶ違ったと思います。

そうですか一度歩いて見たいですが
尾根歩きですと取り付きから時間かかりそうですね。


こちらからはなかなか大変ですね。

秋の日は落ちるのが早いですもんね 
お疲れ様でした。


時間の読みが大切ですね。

        山日和

   
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