【中央アルプス】南駒ケ岳で壁無し避難小屋の一夜
Posted: 2021年8月06日(金) 11:02
【 日 付 】2021年7月25日~26日
【 山 域 】 中央アルプス
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れから曇り
【 ルート 】伊奈川ダム手前ゲート8:05>福栃沢登山口>越百山>仙厓嶺>南駒ケ岳>すり鉢窪避難小屋
避難小屋5:00>赤椰子岳>往路下山
7月25日(日)から中央アルプス南駒が岳に登りました。お天気が直前まで、はっきりしなかったので当日の朝4時半に自宅を出発し伊奈川ダム手前のゲートに着くと8時になってしまいました。急いで荷物をまとめMTBを押して出発しました。半時間歩いてようやくダム奥の旧ゲートに着きましたが、登山口は、まだ先です。
9時20分、福栃沢の登山口に着きました。ここから斜面をジグザグに登っていきます。この時点で、もう汗だら。夏山はやはり前夜泊して朝一番から登らないときついです。
45分かかって4合目の下のコルに着きました。ここからは緩やかな尾根を登っていきます。
中央アルプスの登山道は大概針葉樹林の尾根です。
薄暗い林床に咲いているのはギンリョウソウとカニコウモリのような地味な花だけです。
2千mを越えて明るいナナカマドの林を抜けたところに水場があります。水場では年配のご夫婦が給水していました。私も1L給水して今後に備えます。
林床にはゴゼンタチバナも出てきました。
越百小屋を過ぎると落葉樹林になりました。
林床にはカニコウモリに混じって小さな花も咲いています。
14時8分、越百山(2613m)に着きました。
越百山はハイマツと白ザレのコントラストが美しい山です。 ガスの多い日でしたが、南駒が岳と手前の仙涯嶺がかろうじて見えました。 6~8枚の花弁を持つツマトリソウは見間違える心配なさそうです。
仙涯嶺が近づき高度が上がるとハクサンシャクナゲが出てきました。
仙涯嶺はロードオブザリングに出てくる魔の山みたいです。柔和で美しい越百山とは対照的です。
15時36分、仙涯嶺に着きました。今日の宿泊地はすり鉢窪なので、南駒ケ岳を越えて行かねばなりません。
岩場のザレ地に花が上向きに咲いていたのでイワギキョウかと思いましたが、花弁の中に産毛が生えていたのでチシマギキョウかもしれません。
仙涯嶺の北端ピーク手前で左の鎖場を下り巻き降りていきます。
バットレスを眺めながら下って行きます。
コルまで下ったら南駒が岳を残すのみです。
南駒が岳の東斜面には素晴らしいお花畑が広がっていました。花の種類と多さは中央アルプスでも随一ではないかと思います。まずはミヤマダイコンソウ。
そして、ここでもコバイケイソウが大開花していました。前週の別山と同様に当たり年のようです。 シナノキンバイは北アルプスでも大群落を見かけることは少ないですが、ここでは当たり前のように咲いています。
ハクサンチドリが見られたのも嬉しい。
キバナノコマノツメは小ぶりな花ですが、よく見るとしっかりキスミレです。
シオガマと言えばヨツバシオガマが代表的です。
アオノツガザクラもしっかり自己主張しています。
目だたないので見落とすところでしたが、クロユリまで咲いていました。これで夏山の豪華メンバーが勢揃いです。
17時3分、やっとのことで南駒ヶ岳に着きました。ここまでくれば、もう安心です。
南駒の北斜面を下りコルから更にすり鉢カールを下って行くのみ。カールは花の楽園なのですが、カメラのバッテリが切れてきました。 ハクサンイチゲとシナノキンバイのコラボを撮ったらバッテリダウン。残りは携帯のカメラで撮ろうとしたらレンズにゴミが付着していてハンカチでこすっても取れません。無理にこすって傷がついたら元も子もないので諦めました。
カールの底の避難小屋に着いたら驚愕の事実が待っていました。小屋の西側の壁がなくなっていたのです。トイレも吹き飛ばされたように下のヤブに引っかかっていました。西壁の柱が全部折れていたので雪崩の直撃を受けたみたいですが、何十年も使っていてそんな話は聞いたことがないし全く予想していませんでした。
小屋の内側は応急的にビニルシートが貼ってありましたが、強度的な問題もあるので中央の通路部分と屋根裏部分は解放されています。夜中に強風が吹かないことを願って眠るしかありません。
ジタバタしても仕方ないのでビールを飲み夕食を食べて寝る準備をしました。
幸い穏やかな夜で睡眠薬を飲んで何とか眠れました。
(二日目)
朝起きるとガスっていて展望はありませんでした。
カップ麺を作って朝食にし5時に出発しました。コルまで登ってもガスで何も見えません。取あえず予定通り空木岳まで往復するつもりで赤椰子岳に登りましたが、ここでトラブル発生。ガスでルートが分からなくなりコンパスで北へ向かったつもりがコルへ戻ってしまいました。まさに霧に包まれたような気分でしたが、これも神様の思し召しと自分に都合よく解釈して空木岳往復は諦めました。空木岳に登ったところで展望はないだろうし今回の旅のハイライトは南駒ヶ岳のお花畑なので美味しいところは頂いた。往路を引き換えして登山口に戻りました。
MTBに跨れば林道を下る一方です。1時間15分かかって登った林道をたったの20分でゲートに戻れました。
今回は避難小屋の壁がないという状況にうろたえましたが、無事に降りられてラッキーでした。小屋の修理は未定ということですが、ぜひとも修理して残して頂きたいと思います。
【 山 域 】 中央アルプス
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れから曇り
【 ルート 】伊奈川ダム手前ゲート8:05>福栃沢登山口>越百山>仙厓嶺>南駒ケ岳>すり鉢窪避難小屋
避難小屋5:00>赤椰子岳>往路下山
7月25日(日)から中央アルプス南駒が岳に登りました。お天気が直前まで、はっきりしなかったので当日の朝4時半に自宅を出発し伊奈川ダム手前のゲートに着くと8時になってしまいました。急いで荷物をまとめMTBを押して出発しました。半時間歩いてようやくダム奥の旧ゲートに着きましたが、登山口は、まだ先です。
9時20分、福栃沢の登山口に着きました。ここから斜面をジグザグに登っていきます。この時点で、もう汗だら。夏山はやはり前夜泊して朝一番から登らないときついです。
45分かかって4合目の下のコルに着きました。ここからは緩やかな尾根を登っていきます。
中央アルプスの登山道は大概針葉樹林の尾根です。
薄暗い林床に咲いているのはギンリョウソウとカニコウモリのような地味な花だけです。
2千mを越えて明るいナナカマドの林を抜けたところに水場があります。水場では年配のご夫婦が給水していました。私も1L給水して今後に備えます。
林床にはゴゼンタチバナも出てきました。
越百小屋を過ぎると落葉樹林になりました。
林床にはカニコウモリに混じって小さな花も咲いています。
14時8分、越百山(2613m)に着きました。
越百山はハイマツと白ザレのコントラストが美しい山です。 ガスの多い日でしたが、南駒が岳と手前の仙涯嶺がかろうじて見えました。 6~8枚の花弁を持つツマトリソウは見間違える心配なさそうです。
仙涯嶺が近づき高度が上がるとハクサンシャクナゲが出てきました。
仙涯嶺はロードオブザリングに出てくる魔の山みたいです。柔和で美しい越百山とは対照的です。
15時36分、仙涯嶺に着きました。今日の宿泊地はすり鉢窪なので、南駒ケ岳を越えて行かねばなりません。
岩場のザレ地に花が上向きに咲いていたのでイワギキョウかと思いましたが、花弁の中に産毛が生えていたのでチシマギキョウかもしれません。
仙涯嶺の北端ピーク手前で左の鎖場を下り巻き降りていきます。
バットレスを眺めながら下って行きます。
コルまで下ったら南駒が岳を残すのみです。
南駒が岳の東斜面には素晴らしいお花畑が広がっていました。花の種類と多さは中央アルプスでも随一ではないかと思います。まずはミヤマダイコンソウ。
そして、ここでもコバイケイソウが大開花していました。前週の別山と同様に当たり年のようです。 シナノキンバイは北アルプスでも大群落を見かけることは少ないですが、ここでは当たり前のように咲いています。
ハクサンチドリが見られたのも嬉しい。
キバナノコマノツメは小ぶりな花ですが、よく見るとしっかりキスミレです。
シオガマと言えばヨツバシオガマが代表的です。
アオノツガザクラもしっかり自己主張しています。
目だたないので見落とすところでしたが、クロユリまで咲いていました。これで夏山の豪華メンバーが勢揃いです。
17時3分、やっとのことで南駒ヶ岳に着きました。ここまでくれば、もう安心です。
南駒の北斜面を下りコルから更にすり鉢カールを下って行くのみ。カールは花の楽園なのですが、カメラのバッテリが切れてきました。 ハクサンイチゲとシナノキンバイのコラボを撮ったらバッテリダウン。残りは携帯のカメラで撮ろうとしたらレンズにゴミが付着していてハンカチでこすっても取れません。無理にこすって傷がついたら元も子もないので諦めました。
カールの底の避難小屋に着いたら驚愕の事実が待っていました。小屋の西側の壁がなくなっていたのです。トイレも吹き飛ばされたように下のヤブに引っかかっていました。西壁の柱が全部折れていたので雪崩の直撃を受けたみたいですが、何十年も使っていてそんな話は聞いたことがないし全く予想していませんでした。
小屋の内側は応急的にビニルシートが貼ってありましたが、強度的な問題もあるので中央の通路部分と屋根裏部分は解放されています。夜中に強風が吹かないことを願って眠るしかありません。
ジタバタしても仕方ないのでビールを飲み夕食を食べて寝る準備をしました。
幸い穏やかな夜で睡眠薬を飲んで何とか眠れました。
(二日目)
朝起きるとガスっていて展望はありませんでした。
カップ麺を作って朝食にし5時に出発しました。コルまで登ってもガスで何も見えません。取あえず予定通り空木岳まで往復するつもりで赤椰子岳に登りましたが、ここでトラブル発生。ガスでルートが分からなくなりコンパスで北へ向かったつもりがコルへ戻ってしまいました。まさに霧に包まれたような気分でしたが、これも神様の思し召しと自分に都合よく解釈して空木岳往復は諦めました。空木岳に登ったところで展望はないだろうし今回の旅のハイライトは南駒ヶ岳のお花畑なので美味しいところは頂いた。往路を引き換えして登山口に戻りました。
MTBに跨れば林道を下る一方です。1時間15分かかって登った林道をたったの20分でゲートに戻れました。
今回は避難小屋の壁がないという状況にうろたえましたが、無事に降りられてラッキーでした。小屋の修理は未定ということですが、ぜひとも修理して残して頂きたいと思います。