【越美国境】賞味期限寸前の三周ヶ岳と夜叉ヶ池裏の知られざるパラダイス

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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【越美国境】賞味期限寸前の三周ヶ岳と夜叉ヶ池裏の知られざるパラダイス

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2021年3月19日(金)
【山 域】越美国境 三周ヶ岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】広野ダム7:00---7:35岩谷キャンプ場跡7:50---10:55P1144m11:10---12:15三周ヶ岳13:30---夜叉ヶ池14:35
     ---15:50登山口---16:55広野ダム

 たっぷり積もったはずの雪も、2月以降の雪解けのスピードが速く、越美国境稜線も賞味期限ギリギリかもしれ
ない。広野ダムから夜叉ヶ池登山口への林道は完全に除雪されていた。
岩谷川の流れは雪解け水を集めてしぶきを上げている。以前は林道脇にフキノトウがたくさん見られたものだが、
まったく姿をみることがなかった。

 岩谷のキャンプ場跡からP1144mへの尾根に取り付く。左手の植林斜面が楽だという記憶だったが、回り込みが
中途半端で倒木とヤブの鬱陶しい斜面を登る羽目に。序盤は雪無しが織り込み済みだったものの、これなら手前の
潅木斜面の方がよかった。
 林道の方からエンジン音が聞こえたと思ったら、ゲートのところに止まっていた除雪車が上流に向かって走って
行くのが見えた。
雪が出てきてスノーシューを装着するも、すぐに切れて、手にぶら下げて歩くようになる。しかしいつまでも地肌
が見えたままで、仕方なくスノーシューをザックに付け直した。
お気に入りのブナ林に着いても落ち葉に覆われた地面が見えるだけで、初冬の山を歩いているようだ。


P3190017_1.JPG
P3190032_1.JPG

 900mを超えてやっと雪が繋がった。ここからCa1030mにかけて続くブナの森が美しい。
今日は残念ながら霧氷ができる条件ではないが、朝日に照らされたブナが雪面に映すシルエットが心に響く。
 岩谷林道終点からの尾根を合わせる手前の北側斜面が素晴らしい。広く緩やかな谷状の雪原に、トチの大木が点
在するパラダイスである。このルートを下山に使う時は、尾根芯ではなくこの谷へ駆け下り、あるいは滑り降りて、
この開放的な空間を楽しむのが常だ。


P3190050_1_1.JPG

 パラダイスが終わって尾根に戻ると現実に引き戻される。痩せた尾根は再び雪もまばらになり、スノーシューを
履いたままでは歩きにくいことこの上ない。P1144mにまっすぐ伸びるここは、雪がたっぷりあれば美しいナイフ
リッジがピークに向かって突き上げる、胸のすくような光景を味わえる場所なのだが。


P3190071_1.JPG

 いつもなら雪のドームになっているP1144mも切れ味が鈍く、もっさりとした感じだ。
ここからは越美国境稜線が始まる。視界を遮られていた三周ヶ岳の姿が初めて現れた。
ここから見る三周はずいぶん近く、すぐそこに見えるのだが、実際には稜線をぐるっと迂回していかなければなら
ない。正直、序盤の登りで疲れてしまい、三周に立つ必要もないかなどと心が折れかけていた。
しかし時間を考えればここでやめるわけにはいかない。何度も訪れている雪の三周、別に新たな感動が待っている
わけでもないが、山頂に立つことに意味を見出すとしよう。


P3190104_1.JPG

 左側に見下ろす金ヶ丸谷の源流は雪に包まれてやさしい曲線を描いている。本当は一度源頭へ下りて遊ぼうと思
っていたのだが、体力も気力もなくなってしまった。
小さなアップダウンをこなして、国境稜線から美濃側へ出べそのように飛び出している三周ヶ岳とのジャンクショ
ンに到達。目前の高丸と奥美濃の山々の展望が一気に広がった。
 ここから見る三周の山頂への雪稜は迫力がある。右の根洞谷側斜面は崩れた雪庇の断面が荒々しい姿を見せる。
雪割れがそこここに始まっているが、雪そのものは安定しているようだ。


パノラマ1_1_1.jpg

 やはり雪の三周はいい。やや霞み気味ではあるが、白山をはじめ、加越、奥越、越美国境、奥美濃、江美国境、
江越国境の山々が一望である。着いた瞬間はたいした感慨も湧かなかったが、すっかり見慣れた景色を眺めている
内に、心の中の思いが風景と共鳴し始めたのかもしれない。
意外に風も弱いので、山頂でランチタイムを楽しむことができる。
 さあ、ビールをとザックの中を探ると、詰め込んだ荷物が湿っぽい。水の類はインナーバッグの外に入れている。
とすれば、この原因は一つしかない。ビールを取り出すとずいぶん軽い。ペットボトル用のクッションケースに
入れていたのに、何かの拍子に穴が開いてしまったようだ。ガックリである。
すっかり気の抜けた、ただの麦汁と化したわずかなビールを流し込む。
ビールで濡れた荷物を干しながら、今シーズン最後かもしれない鍋を楽しんだ。しかしこの最高の状況でビール無
しとは、まさに画竜点睛を欠くとはこのことである。


P3190157_1_1.JPG

 先ほどのジャンクションまで戻ると、雪が切れて夏道が出ていた。雪もよく締まっているし、スノーシューを脱
いでアイゼンに履き替えよう。潜ってもくるぶし程度ならこちらの方が快適だ。
 尾根の細い部分は雪が消え、この時期の越美国境稜線とは思えない。岩稜上か基部を巻くか選択を迫られる場所
では、雪の繋がった左の谷側の斜面から回り込むとスムーズに通過できた。


P3190169_1.JPG

 夜叉ヶ池までもう少しというところで、今まで気になっていた場所に寄り道することにした。
夜叉ヶ池の北東、稜線の右下に長細く伸びる平坦地である。ヤブの切れ目から40mほど駆け下りると広大な雪原に
立った。無雪期のここはどんな状況なのだろう。地形図では広葉樹林だらけの中に、ここだけが草地の記号が付け
られている。
立ち木もほとんどない台地はすり鉢状で、すり鉢の縁にはブナ林が広がっている。その縁の向こうには一段下がっ
てまた別のすり鉢があった。もっと時間をかけて遊んでみたい場所だ。特に山頂を目的とせずに、夜叉ヶ池とその
周辺を探索するのも面白いだろう。


パノラマ4_1_1.jpg

 想像を上回るパラダイスの発見に気を良くしてすり鉢の縁を上がって行くと、夜叉ヶ池の裏手のブナ林に出る。
そして、あっけらかんと広がる夜叉ヶ池の大雪原に到着。霧氷もなく、これだけ晴れ渡った真っ白な池は、神秘的
なものをまったく感じさせない代わりに、平和な午後の雰囲気を漂わせていた。

 豊潤なブナの森が広がる夜叉ヶ丸の北斜面をトラバースして、夜叉ヶ丸ダイレクト尾根へ。
上部はブナ林を楽しみながらの広い雪尾根歩きだが、雪の消えた下部ではアイゼンを脱ぐと滑って苦労する。
こういう場面ではチェーンスパイクが重宝するのだが。
 登山口に着くと完璧に除雪が完了していた。舗装が濡れているところを見ると、朝の除雪車が最後の区間の作業
をしていたようだ。

                    山日和
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【越美国境】賞味期限寸前の三周ヶ岳と夜叉ヶ池裏の知られざるパラダイス

投稿記事 by yamaneko0922 »

山日和さん こんにちは

積雪期の三周ヶ岳は訪れたことがなかったので、大したコメントは出来ないのですが、導師のrepは非常に気になっておりました。というのも・・・
この日、持篭谷山から荒島岳へのテン泊にしたのはrepさせて頂いた通りなのですが、最後まで選択に迷ったもう一つの山行計画が高丸〜三周ヶ岳でした。どうやらこの山行計画は来年に持ち越すことになりそうです。

>900mを超えてやっと雪が繋がった。

雪が残っている標高が高いですね。 :o
ということはかなりの区間、藪こぎだったんですか?

>岩谷林道終点からの尾根を合わせる手前の北側斜面が素晴らしい。広く緩やかな谷状の雪原に、トチの大木が点
在するパラダイスである。このルートを下山に使う時は、尾根芯ではなくこの谷へ駆け下り、あるいは滑り降りて、
この開放的な空間を楽しむのが常だ。

ここは地図でも明らかに尾根が複雑な形で弯曲し、北側斜面が木になるところですね。来季に訪れるのを楽しみにします。

>痩せた尾根は再び雪もまばらになり、スノーシューを履いたままでは歩きにくいことこの上ない。P1144mにまっすぐ伸びるここは、雪がたっぷりあれば美しいナイフリッジがピークに向かって突き上げる、胸のすくような光景を味わえる場所なのだが。

尾根に陽当たりが良いせいですかね。縫ヶ原山でも散々でした。

>目前の高丸と奥美濃の山々の展望が一気に広がった。
 ここから見る三周の山頂への雪稜は迫力がある。右の根洞谷側斜面は崩れた雪庇の断面が荒々しい姿を見せる。
雪割れがそこここに始まっているが、雪そのものは安定しているようだ。

無雪期に灌木帯の上から眺める景色とは大分、違いますね。

> やはり雪の三周はいい。やや霞み気味ではあるが、白山をはじめ、加越、奥越、越美国境、奥美濃、江美国境、
江越国境の山々が一望である。着いた瞬間はたいした感慨も湧かなかったが、すっかり見慣れた景色を眺めている
内に、心の中の思いが風景と共鳴し始めたのかもしれない。


確かに春霞のせいで霞んでいましたが、白山はよく見えるんですね。
やはり三周ヶ岳からの展望は良さそうですね。山頂に立つこと以上の意味があったのではないでしょうか。

荒島岳から見下ろした南尾根の先に越美国境の山々があるはずなのですが、望遠の写真を撮るどころではありませんでした。
南尾根と縫ヶ原山.jpg

>ペットボトル用のクッションケースに入れていたのに、何かの拍子に穴が開いてしまったようだ。ガックリである。

ビール缶に穴が開いてしまう・・・なんてことってあるんですね。 :o

>ビールで濡れた荷物を干しながら、今シーズン最後かもしれない鍋を楽しんだ。しかしこの最高の状況でビール無
しとは、まさに画竜点睛を欠くとはこのことである。


ここは残雪の山に捲土重来ですかね :mrgreen:

>夜叉ヶ池の北東、稜線の右下に長細く伸びる平坦地である。ヤブの切れ目から40mほど駆け下りると広大な雪原に
立った。無雪期のここはどんな状況なのだろう。地形図では広葉樹林だらけの中に、ここだけが草地の記号が付け
られている。
立ち木もほとんどない台地はすり鉢状で、すり鉢の縁にはブナ林が広がっている。その縁の向こうには一段下がっ
てまた別のすり鉢があった。もっと時間をかけて遊んでみたい場所だ。


確かに気になるところですが。やはり魅力的なところのようですね。
無雪期にも見に行って参りたいと思います。

お陰様で改めて三周ヶ岳を訪れるmotivationを新たに致しました。有難うございます。
山猫 🐾
sato
記事: 421
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【越美国境】賞味期限寸前の三周ヶ岳と夜叉ヶ池裏の知られざるパラダイス

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんにちは。
土曜日はありがとうございました。
飛騨の極上の無名峰逍遥の一日でしたね。言葉に紡ぎたくなりました。

三周ヶ岳の話をお聞きした時、えっ?と思いました。
わたしが訪れてから8日後、お山の春はこんなに進んだのですね。
雪の中から、ぽんと起き上がるひょろりとした木々の音を感じながら、レポを味わいました。
時間が経ってしまいましたが、お話しをさせてください。

岩谷のキャンプ場跡から三周ヶ岳に向かわれたのですね。
わたしは、先ず夜叉ヶ池にご挨拶をし、高丸を往復して、
麗しの峰、三周ヶ岳に近づいていきたかったので逆回りでした。
除雪作業はまだで、林道はほぼ雪で埋もれていました。
キャンプ場の少し先でデブリが見られ、ここからアイゼンを履いて歩きました。

キャンプ場からの登りで倒木とヤブにつかまりましたか。
行きに斜面を見上げ、下るなら建物のあたりを目指そうと思いました。
実際は、右にそれてしまい、やはり倒木とヤブにつかまり、枝谷に降りてしまいましたが。
900mを超えてやっと雪が繋がったとは。雪解けの速さにびっくりしました。
わたしは650mぐらいまでスノーシューを履いていました。

岩谷林道終点からの尾根と合わさるあたりの緩やかな谷状の情景は、こころに訴えてきますね。
・1144に着いた時、黒谷山の尾根に向かうか迷ったのですが、
「トチの大木が点在するパラダイス」を駆け降り、「開放的な空間」を味わいたかったので、こちらにしました。

・1144は印象深いピークです。黒谷山から膝ラッセルしながら辿り着いた時、
金ヶ丸谷の向こうにでんと佇む三周ヶ岳の大きさに息を呑みました。
山頂へは稜線をぐるっと迂回していかなければならない。
憧れの山へは、ほんとうに一歩一歩近づいていくのだなぁ、と感じました。

白くうつくしい弧を描く金ヶ丸谷の源流を想像すると、足を踏み入れたくなりますよね。
わたしも鞍部から谷に降りて、ゆらゆらと彷徨いたかったのですが、
16時半ごろまでにはダムに戻ると決めていて、今回は高丸を選んでしまいました。
いつかゆっくり味わわせてください、と山の神様に手を合わせてきました。

越美国境稜線と三周ヶ岳とのジャンクションピークから見上げる雪の三周ヶ岳は、
ここに立つすべての人のこころに、深く焼き付くのではないでしょうか。
「やはり雪の三周はいい」そのひと言につきますね。

山日和さんのお山ではビールは必須なのですね(笑)。画竜点睛を欠くとまで。

ジャンクションから夜叉が池の雪稜は、アルペン的でかっこいいですね。
わたしは積雪期この区間を歩くのは初めてでしたので、ワクワク楽しかったです。
岩稜地点では、トラバースは雪割れが気になり、真っすぐよじ登りました。

夜叉ヶ池の北東の平坦地も、やっぱり気になりますよね。わたしも訪れました。
時が止まったような静かで穏やかな風景。
こういう風景に出会うと、先を急ぐ山歩きはもったいないなぁと感じます。

霧氷で飾られた夜叉ヶ池はどんなにうつくしいのだろう、出会ってみたいです。
でも、あっけらかんとした夜叉ヶ池の風景に惹かれていたり。
白雪姫さまは、今、すべての感情を超え、静かに佇んでいらっしゃるのかなぁ、と思ったりするのです。

雪の無いダイレクト尾根の急斜面はズルズル歩きにくいですね。
車道に出た時、やれやれと思われたのでは。

白く輝く風景の記憶があると、この時期は、あれっ?と思うこともありますが、
まっ白な世界とはまた違う味わいもありますね。
雪の少なさにため息をつかれたり、ビールが飲めなくて落胆されたりしたのも、なつかしい思い出になるのでは(笑)。

sato
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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【越美国境】賞味期限寸前の三周ヶ岳と夜叉ヶ池裏の知られざるパラダイス

投稿記事 by 山日和 »

山猫さん、どうもです。

この日、持篭谷山から荒島岳へのテン泊にしたのはrepさせて頂いた通りなのですが、最後まで選択に迷ったもう一つの山行計画が高丸〜三周ヶ岳でした。どうやらこの山行計画は来年に持ち越すことになりそうです。

私が行った1週間ほど前に、satoさんが訪れてます。広野ダムから雪の積もった林道を歩いて、高丸までなんと4時間半で到達したらしいです。 :o

雪が残っている標高が高いですね。 :o
ということはかなりの区間、藪こぎだったんですか?


ヤブは最初の植林帯だけです。その後は雪が出たり消えたりで・・・消えてる方が長かったですね。

P3190015_1.JPG

ここは地図でも明らかに尾根が複雑な形で弯曲し、北側斜面が木になるところですね。来季に訪れるのを楽しみにします。

実にいいところです。下りて来てここを見下ろせば、つい飛び込みたくなりますね。 :D

P3190053_1.JPG

尾根に陽当たりが良いせいですかね。縫ヶ原山でも散々でした。

尾根が痩せたところは真っ先に雪が消えますね。

無雪期に灌木帯の上から眺める景色とは大分、違いますね。

まったく違う山のようです。

>着いた瞬間はたいした感慨も湧かなかったが、すっかり見慣れた景色を眺めている
内に、心の中の思いが風景と共鳴し始めたのかもしれない。

確かに春霞のせいで霞んでいましたが、白山はよく見えるんですね。
やはり三周ヶ岳からの展望は良さそうですね。山頂に立つこと以上の意味があったのではないでしょうか。


積雪期は6回目、無雪期も5回立っている山頂ですが、やはり越美国境稜線には特別な思い入れがあります。(三周の山頂は完全に美濃ですが)


P3190119_1.JPG

荒島岳から見下ろした南尾根の先に越美国境の山々があるはずなのですが、望遠の写真を撮るどころではありませんでした。

凄い風だったようですね。

ビール缶に穴が開いてしまう・・・なんてことってあるんですね。 :o

あるんですよ。2回目の経験でした。20年ほど前に赤木沢遡行のために折立から太郎平に向かっていた時、「なんかザックが濡れてるで」と言われて見てみると、見事にビールがカラになってました。おかげで太郎平の生ビールを買う羽目に・・・ :oops:

>しかしこの最高の状況でビール無しとは、まさに画竜点睛を欠くとはこのことである。

ここは残雪の山に捲土重来ですかね :mrgreen:

早速土曜日ににリカバーしてきました。 :lol:


P3190168_1.JPG

確かに気になるところですが。やはり魅力的なところのようですね。
無雪期にも見に行って参りたいと思います。


いいところだと思いますが、果たして無雪期は・・・

             山日和
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【越美国境】賞味期限寸前の三周ヶ岳と夜叉ヶ池裏の知られざるパラダイス

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。

土曜日はありがとうございました。
飛騨の極上の無名峰逍遥の一日でしたね。言葉に紡ぎたくなりました。

いい山行でしたね。静かなのが一番です。 :D

岩谷のキャンプ場跡から三周ヶ岳に向かわれたのですね。
わたしは、先ず夜叉ヶ池にご挨拶をし、高丸を往復して、
麗しの峰、三周ヶ岳に近づいていきたかったので逆回りでした。
除雪作業はまだで、林道はほぼ雪で埋もれていました。
キャンプ場の少し先でデブリが見られ、ここからアイゼンを履いて歩きました。


除雪されてない林道を歩いて、高丸までサクッと行ってしまうんだから凄いです。
とてもついていけません。 :shock:

900mを超えてやっと雪が繋がったとは。雪解けの速さにびっくりしました。
わたしは650mぐらいまでスノーシューを履いていました。


雨が降るといっぺんに減ってしまいますね。今はもう無雪期状態でしょう。

P3190052_1.JPG

岩谷林道終点からの尾根と合わさるあたりの緩やかな谷状の情景は、こころに訴えてきますね。
・1144に着いた時、黒谷山の尾根に向かうか迷ったのですが、
「トチの大木が点在するパラダイス」を駆け降り、「開放的な空間」を味わいたかったので、こちらにしました。


それは正解でしたね。ここはホントにいいところです。

・1144は印象深いピークです。黒谷山から膝ラッセルしながら辿り着いた時、
金ヶ丸谷の向こうにでんと佇む三周ヶ岳の大きさに息を呑みました。
山頂へは稜線をぐるっと迂回していかなければならない。
憧れの山へは、ほんとうに一歩一歩近づいていくのだなぁ、と感じました。


黒谷山から膝ラッセルで来たらここで沈没ですわ。
それでも三周まで行けたんですね。 :o

パノラマ5_1_1.jpg

白くうつくしい弧を描く金ヶ丸谷の源流を想像すると、足を踏み入れたくなりますよね。
わたしも鞍部から谷に降りて、ゆらゆらと彷徨いたかったのですが、
16時半ごろまでにはダムに戻ると決めていて、今回は高丸を選んでしまいました。
いつかゆっくり味わわせてください、と山の神様に手を合わせてきました。


あまり贅沢を言ってはいけません。 :mrgreen:

越美国境稜線と三周ヶ岳とのジャンクションピークから見上げる雪の三周ヶ岳は、
ここに立つすべての人のこころに、深く焼き付くのではないでしょうか。
「やはり雪の三周はいい」そのひと言につきますね。


まったくその通りですが、他の山でも同じようなことを言ってるような気が・・・ :lol:


P3190128_1_1.JPG

山日和さんのお山ではビールは必須なのですね(笑)。画竜点睛を欠くとまで。

まったく何しに登ってきたのかわかりません。 :mrgreen:

ジャンクションから夜叉が池の雪稜は、アルペン的でかっこいいですね。
わたしは積雪期この区間を歩くのは初めてでしたので、ワクワク楽しかったです。
岩稜地点では、トラバースは雪割れが気になり、真っすぐよじ登りました。


この区間の雪稜は高度感があって見応えもあり、楽しいところですね。

P3190159_1.JPG

夜叉ヶ池の北東の平坦地も、やっぱり気になりますよね。わたしも訪れました。
時が止まったような静かで穏やかな風景。
こういう風景に出会うと、先を急ぐ山歩きはもったいないなぁと感じます。


そうでしたか。やっぱり普通じゃないなあ。 :mrgreen:

P3190179_1.JPG

霧氷で飾られた夜叉ヶ池はどんなにうつくしいのだろう、出会ってみたいです。
でも、あっけらかんとした夜叉ヶ池の風景に惹かれていたり。
白雪姫さまは、今、すべての感情を超え、静かに佇んでいらっしゃるのかなぁ、と思ったりするのです。


霧氷の夜叉ヶ池は何度か経験してますが、実に素晴らしいです。スカッと晴れていない方が神秘的だけど、やっぱり霧氷には青空がほしかったり。

雪の無いダイレクト尾根の急斜面はズルズル歩きにくいですね。
車道に出た時、やれやれと思われたのでは。


この尾根も10回以上歩いていると思いますが、下りはいつも苦労します。

P3190219_1.JPG

白く輝く風景の記憶があると、この時期は、あれっ?と思うこともありますが、
まっ白な世界とはまた違う味わいもありますね。
雪の少なさにため息をつかれたり、ビールが飲めなくて落胆されたりしたのも、なつかしい思い出になるのでは(笑)。


そんな思い出ばかり溜って行く一方のような気が・・・ :lol:

              山日和
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