【日 付】2021年2月6日(土)
【山 域】奥越 縫ヶ原山
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】真名川ダム7:25---10:00 P839---13:15縫ヶ原山13:25---13:30ランチ場14:30---15:50持篭谷山16:00
---17:20真名川ダム
この山の名前を知ったのは20年ほど前だろうか。荒島岳あたりの地形図を眺めていて、南側に岩壁を張り巡ら
せながら、北側にはモッカ平という名前の斜面が広がっている場所を見つけた。
その頃、「福井の山150」という増永廸男氏の本で、その山が「縫ヶ原山」と呼ばれていることを知ったのだ。
そして、次の春に矢も楯もたまらず、洞吹氏を誘って訪れたのである。まだネットがそれほど一般的ではなく、
情報もまったくない(「福井の山150はガイドブックではなく、ガイド的な記述はない)ので、見当をつけて手探り
でコースを設定した。その山は期待に違わず、と言うより期待を遥かに凌駕する満足感を与えてくれた。
その時から私にとって、縫ヶ原山は福井の山の中でも最上級のお気に入りの山となったのだ。
後から見覚えのある車が追い上げて来たと思ったら、やはりkeikokuさんの車だった。
真名川ダムは去年の今頃とは様変わり、国道157号はうず高く積まれた雪の山で向こう側が見えない。
車から降りてきたマリベさんが「こんなことってあるんですね!!」と驚いていた。
あるんですよ、やぶこぎでは。
ここへ来ると言うことは、行き先はほぼ一択である。初の縫ヶ原山で、時計回りに周回するというkeikoku、
マリベ、M氏パーティーの話を聞いて、それではと逆回りを選択した。
今週降った新雪は、30~40センチは積もっているだろうか。湿った雪は重い。欄干のレベルまで雪が積もった
橋を渡って、持籠谷の左岸尾根に取り付いた。痩せた急な尾根をモンキー気味に登って行く。
このあたりはお世辞にも快適とは言えないが、その後に待っている天国が楽しみである。空はまだ雲が多いが、
10時頃からは青空が広がるはずだ。
雑木林がブナ林に変わる。頭上にはみるみる青空が広がり始めた。一面のブナ林に朝の光が差し込んで、雪面
に描き出す陰影が美しい。
雪質は歩き始めよりは軽くなり、沈み込みもマシにはなったが、やはり重いことには変わりはない。
839mの三角点山葵谷まで登ると、背後に銀杏峰の真っ白な山頂台地が眩しく見えた。すぐ隣には道斉山が大き
く迫る。
ブナの巨木が立つ尾根を進むと、やがて二重山稜のような地形に出会う。巨大な舟窪地形だ。初めて来た時もこ
の地形に出会って驚いたことを思い出す。
尾根の左側は樹林が広がるが、右側は切れ落ち、大きな雪庇が発達しているという状態が、ずっと山頂まで続
く。縫ヶ原山の最大の売り物である雪稜の始まりである。
北側には神々しいばかりの白さで輝く荒島岳に終始見守られながらの雪稜歩きだ。
肝心の縫ヶ原の山頂は直前になるまで見えない。あの雪のピークまで行けばと思えば、また次に似たようなピー
クが控えている。その繰り返しである。
膨大な量の雪で固められた尾根は、巨大な雪庇を南側に張り出している。雪面にはクラックが入っているとこ
ろもあり、近付き過ぎると命取りになってしまうのだ。安全だと思って歩いているラインも、実際に地面がある
のは立ち木が生えているところまで、ここは雪の上の仮想地面なのだろう。
南側の展望も格別で、能郷白山から屏風山、平家岳、滝波山、堂ヶ辻山、岩谷山、御伊勢山と、かつて歩いて
来た山々がずらりと並ぶの見ると、感慨もひとしおである。
北側の眼下にはモッカ平と呼ばれるブナとミズナラの森(林道が走っているのでかなり伐採されただろうが)が広が
り、その向こうにはやはり荒島岳の巨体が鎮座している。
気温が高いのでさすがに霧氷の歓迎を受けるとは行かなかったが、木々に咲く雪の花と小ぶりなエビの尻尾が
美しい。
ほとんど勾配のなくなった雪稜の奥に人影が見えた。逆回りのkeikokuパーティーだ。
こちらの方が先着するだろうと思っていたが、足の重さと攣りでずいぶん時間がかかってしまった。ラッセルは
ほとんどsatoさんに任せっきりだったのに、情けない話である。
ひと回りも年が違うとは言え、12年前の自分よりもはるかに強いのではと思わせる。
山頂でひとしきり再会を祝したあと、直下の風のないところまで下ってランチタイムとする。
下山に要する時間を計算して、下山時刻から逆算してランチタイムの時間を決めた。
1時間はゆっくりできそうだ。ここで鍋とビールをあきらめたのでは、なんのために山に登っているのかわからな
いのだ。荒島岳を真正面に見ながら午後のひと時を楽しんだ。
雪は重いがトレースがあるので気が楽である。とは言っても、下りではノートレースの斜面の方が歩きやすい。
大半はトレースを外して、自分たちだけの足跡を刻む。
思ったよりも早く1209mピークに立った。ここから荒島岳へ続く美しい尾根は、10年前に辿ったことがある。
常に荒島岳を正面に見て、山頂にダイレクトに飛び出すこの尾根は、荒島岳へと至る最高のルートではないかと
思う。
持篭谷山への尾根の途中に雪庇が崩れた痕があった。これがkeikokuさんが落ちた雪庇か。山頂での話の時に、
雪庇が崩落して落ちたと聞いていたのだ。ついつい端に寄りたくなってしまうものだが、自分が安全だと思うラ
インの更に内側を歩かないといけないと思う。
本日最後のピークである持篭谷山からは、胸のすくような大野盆地の眺めを得ることができる。
これほど真下に広がる盆地を見られる場所は少ないのではないだろうか。
荒島岳の左に目を遣ると、薄ぼんやりとではあるが、見紛うことなき白山の姿が目に飛び込んで来た。
荒島岳へ至る尾根の斜面は、夕刻の残照を受けて山襞がくっきりとコントラストを描いていた。この時間に歩い
ていなければ見られない光景である。
真名川ダムへの尾根は広く緩やかで、素晴らしいブナの森が続くのだが、ここまでの道程の充実感と逆光のせ
いもあって、それほど感激しなかった。ここを歩くのはもう6度目だということも大きいのだろうが。
尾根の南側にブナの巨木がかたまっている場所があり、そこだけは外すことができない。
その内の一本は、幹周4.5m以上はあるだろうと思われる堂々たる巨樹だ。
下部ではブナの姿は少なくなり、ミズナラ主体の森となる。
日は山の端の向こうに消え、真名川ダム湖の水面も灰色に沈んでいる。どうやら暗くなる前に下りられそうだ。
山日和
【奥越】新雪に飾られた雪稜を行く 縫ヶ原山
フォーラムルール
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Re: 【奥越】新雪に飾られた雪稜を行く 縫ヶ原山
こんにちは~
山日和スノー衆で、縫ヶ原山…聞いたことも無い山に連れて行ってもらったのはいつだったかなあ? ちょっと振り返ってみました。
2014年2月、もう7年も経つのか! 記憶は曖昧だけど、荒島岳を振り返りながら山頂からの雪稜をダム湖へ下ったことは頭から消えません。林道から強引な最後のショートカットも。
もう一度、行けるかなあ? と今の体力と比べて躊躇っています。
トピックをクリックすると現れた文面。ダム7:25~13:15縫ヶ原山。なんと6時間近くかかっている。今ならとても…?
ただ、これは逆の反時計回りだ。トータルではランチタイム込みで10時間。とても同じペースでは無理だろうが、あと1ヶ月もすれば雪面も固まり、日も長くなる。体調を整えておけば可能性も?……と、スケベ心がくすぐられてオロオロ。
山の本をほとんど読まないグータラ不勉強な私にとって、「スノー衆」は識見を広げる格好の機会である。おかげで左門岳、木無山、堂ヶ辻山など、奥越の名峰を幾つも踏ませていただきました。そのなかでもこの山の印象は深い。
keikokuさんパーティーとの遭遇で逆回りになったということですが、あの雪稜はやはり登りに使い、天国への道にした方がありがたいのでしょうね。
いずれにせよ、それで登りルートが山日和スノー衆のときの下りルートと少し違うことが分かった。7年前は雪稜の先まで行かず、山葵谷?の右岸尾根を下っています。したがって、トラックは正しい楕円形にならず、ラストが凹んだ米粒形です。
とはいえ、
>10:00 P839---13:15縫ヶ原山13:25
3時間もかかってる!余裕の散策かヨロヨロのヘバリ歩きか?
で、逆回りのkeikokuパーティーと同着でしたか。ウサギとカメのお話も仲良く痛み分けですね。(^_-)
知らぬは仏、怖さ知らずの勇み足?
私は先日、久々、ヘッデンにお世話になりました。トホホ…(>_<)
~びわ爺
山日和スノー衆で、縫ヶ原山…聞いたことも無い山に連れて行ってもらったのはいつだったかなあ? ちょっと振り返ってみました。
2014年2月、もう7年も経つのか! 記憶は曖昧だけど、荒島岳を振り返りながら山頂からの雪稜をダム湖へ下ったことは頭から消えません。林道から強引な最後のショートカットも。
もう一度、行けるかなあ? と今の体力と比べて躊躇っています。
トピックをクリックすると現れた文面。ダム7:25~13:15縫ヶ原山。なんと6時間近くかかっている。今ならとても…?
ただ、これは逆の反時計回りだ。トータルではランチタイム込みで10時間。とても同じペースでは無理だろうが、あと1ヶ月もすれば雪面も固まり、日も長くなる。体調を整えておけば可能性も?……と、スケベ心がくすぐられてオロオロ。
山の本をほとんど読まないグータラ不勉強な私にとって、「スノー衆」は識見を広げる格好の機会である。おかげで左門岳、木無山、堂ヶ辻山など、奥越の名峰を幾つも踏ませていただきました。そのなかでもこの山の印象は深い。
keikokuさんパーティーとの遭遇で逆回りになったということですが、あの雪稜はやはり登りに使い、天国への道にした方がありがたいのでしょうね。
ここで思いもかけぬことに気付いたのです。この「山葵谷」の三角点記号も山名表示も、私の保存したトラックログにないのです。その先(上)の・1006は記載されているのに。カシミール3Dの地形図のせいかと確認してみると、現在のものには載っています。新しく設けられた三角点なら仕方ないが、たった7年の間にそんなことが起こるんだろうか?測量の更新で標高などが変わることはあるのでしょうが。839mの三角点山葵谷まで登ると、背後に銀杏峰の真っ白な山頂台地が眩しく見えた。
いずれにせよ、それで登りルートが山日和スノー衆のときの下りルートと少し違うことが分かった。7年前は雪稜の先まで行かず、山葵谷?の右岸尾根を下っています。したがって、トラックは正しい楕円形にならず、ラストが凹んだ米粒形です。
写真の頂点は・1006ピークでしょうか? この辺りから東西に長い長い雪稜が始まりますね。荒島の頂きにロックオンして白銀のビクトリーロードを進めば、少しは縫ヶ原山も近く感じられるのでは?ブナの巨木が立つ尾根を進むと、やがて二重山稜のような地形に出会う。
とはいえ、
>10:00 P839---13:15縫ヶ原山13:25
3時間もかかってる!余裕の散策かヨロヨロのヘバリ歩きか?
で、逆回りのkeikokuパーティーと同着でしたか。ウサギとカメのお話も仲良く痛み分けですね。(^_-)
荒島からはどうされたんでしょう? ピストンはないでしょうから、佐開か勝原へでも下ったとか? いずれにしても超ロング!思ったよりも早く1209mピークに立った。ここから荒島岳へ続く美しい尾根は、10年前に辿ったことがある。
kitayamaさんもどっかで踏み抜いてましたね。地雷を踏みやすい人って、共通点はなんでしょう(@_@;)持篭谷山への尾根の途中に雪庇が崩れた痕があった。これがkeikokuさんが落ちた雪庇か。
知らぬは仏、怖さ知らずの勇み足?
satoさんに引きずられながらの感動の10時間レース、お疲れさまでした。日は山の端の向こうに消え、真名川ダム湖の水面も灰色に沈んでいる。どうやら暗くなる前に下りられそうだ。
私は先日、久々、ヘッデンにお世話になりました。トホホ…(>_<)
~びわ爺
Re: 【奥越】新雪に飾られた雪稜を行く 縫ヶ原山
山日和さま
こんばんは。
ミノマタ、縫ヶ原山、今なお、ふたつの旅の余韻に浸っています。
昨日は、坂内のお山に出かけていました。1月31日にご一緒させていただいたミノマタを眺めてきました。
帰路、八草トンネルに向かうと、周辺に7,8台の車が停まっていました。
やぶこぎの方の車もあるのでは、と思いました。
山日和さんと縫ヶ原山との出会いは、20年前に遡るのですね。
地図の中の煌めきを掬い上げ、ご自身のお山を創り上げていく。
山日和さんはこのようにお山を表現されてきたのですね。
わたしは、昨シーズンの雪の季節が始まる前、
山日和さんから、縫ヶ原山の素晴らしさをお聞きし、地図を見て惹きこまれました。
荒島岳から堂ヶ辻山にかけての稜線で、ぐいっと東に突き出たお山。
「南側に岩壁を張り巡らせながら、北側にはモッカ平という斜面が広がる」地球のうねりを感じる面白い地形。
どんな風景が展開しているのだろう・・・想像力を掻き立てられました。
昨年、計画しながらも雪不足で訪れることが出来ず、今シーズンこそ、と楽しみにしておりました。
昨秋、荒島岳を訪れ、縫ヶ原山、モッカ平を眺めたのですが、
木々で覆われたお山は、ぽあんとしていて、地図から浮かんだ風景とは重なりませんでした。
そして、より、縫ヶ原山への想いが強くなりました。
同じ日の同じ時間に、真名川ダムで、やぶこぎの方がたとお会いするとは、びっくりしました。
スノー衆の「縫ヶ原」を見て、とおっしゃっていましたね。
keikokuさん達とお会いするまでは、山日和さんも時計回りの予定でしたね。
わたしは、煌めく雪庇を登りながら、青い空と出会う山頂に近づくという風景も想像していましたので、
よかったのかもと。
お三方とお別れし、林道を歩きながら、今日も重い雪で時間がかかるな、と覚悟を決めました。
△839.0までは膝まで潜ったりしながら、黙々と歩みを進めていましたね。
ここまで2時間半かかったのですね。ここからは雪質が少しよくなったので、ほっとしました。
風格のあるブナの大樹、絶妙な弧を描く舟窪地形・・・こころも弾んできました。
でんとした道斉山はかっこいいですね。山頂直下の雪庇に見入ってしまいました。
林道歩きが長いのですね。
南側が開け、・1091を視線が捉えた時は、高揚感に包まれました。
夢見ていた雪稜は、想像を超えていました。雪によってお山はこんなにも姿が変わるのですね。
変わるのではない。山は、ほんとうに、ほんとうに、様々な表情を秘めているのだなぁ、と、胸が熱くなりました。
どこまでも、どこまでも、白く滑らかな銀杏峰、「神々しいばかりの白さで輝く荒島岳」に見守られながらの雪稜歩き。
至福の時が続きました。
ちいさな尖がりをいくつか越え、いよいよと思った時、青と白の境に三つの人影が。
わたし達のために、まっさらな雪を残してくださったのですね。
まっさらな雪を踏み山頂に辿り着くよろこびを味わうことが出来ました。
頂上でお会いしましょうという何気ない口約束。みなさまのおこころづかいがとてもうれしかったです。
記念撮影の後、みなさまが下っていき、しんと静まり返った山頂で、
わたしは、ただただ、風景に見入っているだけでしたが、
山日和さんは深い感慨に包まれていらっしゃるのだろうな、と思いました。
お昼の休憩は、さっと済ませて下るのかなと思ったら、ゆっくりとお山を味わいたいと。
20年前に訪れてから、6度目の縫ヶ原山。「福井の山の中で最上級のお気に入りの山」
やっぱり、深い深い思いがおありなのですね。
コースを熟知していらっしゃるので、安心して、贅沢なひと時を味わえました。
下りも素敵な尾根でした。振り返ると柔らかな雪原の先に壁のようなお山が。
夢のような不思議な風景でした。
あの壁の上を辿ってきたのも夢のように感じました。
うつくしい世界が次々と展開する夢の中の旅人のような気分になりました。
山日和さんが、時計回りとお考えになられた理由も分かりました。
午後の穏やかな陽射しが、白い山襞のひとつひとつを温かく照らし、
山襞は優しく歌うようにかすかに震えていました。
まっ白な荒島岳は、静かに世界を見つめていました。
うつくしいひとつの完結した世界がわたしの目の前にありました。
持籠谷山から俯瞰した雪の大野の町も印象的でした。
城下町の大野は町名が面白く、いつか、のんびりとお散歩したいなぁと思っています。
ブナの森も素敵でした。幹回り4・5m超えのブナは圧巻でした。
ダムに降り立った時、まだ、ほのかに太陽の熱が残っていました。
闇下は絶対嫌というわたしの言葉を、山日和さん、考えながら歩いてくださいました。
山日和さんにとって、6度目の縫ヶ原山で初めてのラッセル。
わたしは、新雪の縫ヶ原山に出会えてしあわせでした。
亀裂のない雪庇、雪崩の跡のない滑らかな白い山襞。まっ白な雪原。
まっさらな雪を踏みしめ一歩一歩、どこまでも白い世界を味わうことが出来ました。
ありがとうございます。
sato
こんばんは。
ミノマタ、縫ヶ原山、今なお、ふたつの旅の余韻に浸っています。
昨日は、坂内のお山に出かけていました。1月31日にご一緒させていただいたミノマタを眺めてきました。
帰路、八草トンネルに向かうと、周辺に7,8台の車が停まっていました。
やぶこぎの方の車もあるのでは、と思いました。
山日和さんと縫ヶ原山との出会いは、20年前に遡るのですね。
地図の中の煌めきを掬い上げ、ご自身のお山を創り上げていく。
山日和さんはこのようにお山を表現されてきたのですね。
わたしは、昨シーズンの雪の季節が始まる前、
山日和さんから、縫ヶ原山の素晴らしさをお聞きし、地図を見て惹きこまれました。
荒島岳から堂ヶ辻山にかけての稜線で、ぐいっと東に突き出たお山。
「南側に岩壁を張り巡らせながら、北側にはモッカ平という斜面が広がる」地球のうねりを感じる面白い地形。
どんな風景が展開しているのだろう・・・想像力を掻き立てられました。
昨年、計画しながらも雪不足で訪れることが出来ず、今シーズンこそ、と楽しみにしておりました。
昨秋、荒島岳を訪れ、縫ヶ原山、モッカ平を眺めたのですが、
木々で覆われたお山は、ぽあんとしていて、地図から浮かんだ風景とは重なりませんでした。
そして、より、縫ヶ原山への想いが強くなりました。
同じ日の同じ時間に、真名川ダムで、やぶこぎの方がたとお会いするとは、びっくりしました。
スノー衆の「縫ヶ原」を見て、とおっしゃっていましたね。
keikokuさん達とお会いするまでは、山日和さんも時計回りの予定でしたね。
わたしは、煌めく雪庇を登りながら、青い空と出会う山頂に近づくという風景も想像していましたので、
よかったのかもと。
お三方とお別れし、林道を歩きながら、今日も重い雪で時間がかかるな、と覚悟を決めました。
△839.0までは膝まで潜ったりしながら、黙々と歩みを進めていましたね。
ここまで2時間半かかったのですね。ここからは雪質が少しよくなったので、ほっとしました。
風格のあるブナの大樹、絶妙な弧を描く舟窪地形・・・こころも弾んできました。
でんとした道斉山はかっこいいですね。山頂直下の雪庇に見入ってしまいました。
林道歩きが長いのですね。
南側が開け、・1091を視線が捉えた時は、高揚感に包まれました。
夢見ていた雪稜は、想像を超えていました。雪によってお山はこんなにも姿が変わるのですね。
変わるのではない。山は、ほんとうに、ほんとうに、様々な表情を秘めているのだなぁ、と、胸が熱くなりました。
どこまでも、どこまでも、白く滑らかな銀杏峰、「神々しいばかりの白さで輝く荒島岳」に見守られながらの雪稜歩き。
至福の時が続きました。
ちいさな尖がりをいくつか越え、いよいよと思った時、青と白の境に三つの人影が。
わたし達のために、まっさらな雪を残してくださったのですね。
まっさらな雪を踏み山頂に辿り着くよろこびを味わうことが出来ました。
頂上でお会いしましょうという何気ない口約束。みなさまのおこころづかいがとてもうれしかったです。
記念撮影の後、みなさまが下っていき、しんと静まり返った山頂で、
わたしは、ただただ、風景に見入っているだけでしたが、
山日和さんは深い感慨に包まれていらっしゃるのだろうな、と思いました。
お昼の休憩は、さっと済ませて下るのかなと思ったら、ゆっくりとお山を味わいたいと。
20年前に訪れてから、6度目の縫ヶ原山。「福井の山の中で最上級のお気に入りの山」
やっぱり、深い深い思いがおありなのですね。
コースを熟知していらっしゃるので、安心して、贅沢なひと時を味わえました。
下りも素敵な尾根でした。振り返ると柔らかな雪原の先に壁のようなお山が。
夢のような不思議な風景でした。
あの壁の上を辿ってきたのも夢のように感じました。
うつくしい世界が次々と展開する夢の中の旅人のような気分になりました。
山日和さんが、時計回りとお考えになられた理由も分かりました。
午後の穏やかな陽射しが、白い山襞のひとつひとつを温かく照らし、
山襞は優しく歌うようにかすかに震えていました。
まっ白な荒島岳は、静かに世界を見つめていました。
うつくしいひとつの完結した世界がわたしの目の前にありました。
持籠谷山から俯瞰した雪の大野の町も印象的でした。
城下町の大野は町名が面白く、いつか、のんびりとお散歩したいなぁと思っています。
ブナの森も素敵でした。幹回り4・5m超えのブナは圧巻でした。
ダムに降り立った時、まだ、ほのかに太陽の熱が残っていました。
闇下は絶対嫌というわたしの言葉を、山日和さん、考えながら歩いてくださいました。
山日和さんにとって、6度目の縫ヶ原山で初めてのラッセル。
わたしは、新雪の縫ヶ原山に出会えてしあわせでした。
亀裂のない雪庇、雪崩の跡のない滑らかな白い山襞。まっ白な雪原。
まっさらな雪を踏みしめ一歩一歩、どこまでも白い世界を味わうことが出来ました。
ありがとうございます。
sato
Re: 【奥越】新雪に飾られた雪稜を行く 縫ヶ原山
biwacoさん、どうもです。
山日和スノー衆で、縫ヶ原山…聞いたことも無い山に連れて行ってもらったのはいつだったかなあ? ちょっと振り返ってみました。
2014年2月、もう7年も経つのか! 記憶は曖昧だけど、荒島岳を振り返りながら山頂からの雪稜をダム湖へ下ったことは頭から消えません。林道から強引な最後のショートカットも。
もう一度、行けるかなあ? と今の体力と比べて躊躇っています。
あの時はkitayamaさんの新車で登場しましたね。
スーパーの駐車場にあるマクドで集合でした。
最後のショートカットはみなさんビビッてましたね。
トピックをクリックすると現れた文面。ダム7:25~13:15縫ヶ原山。なんと6時間近くかかっている。今ならとても…?
ただ、これは逆の反時計回りだ。トータルではランチタイム込みで10時間。とても同じペースでは無理だろうが、あと1ヶ月もすれば雪面も固まり、日も長くなる。体調を整えておけば可能性も?……と、スケベ心がくすぐられてオロオロ。
2回ほど足が攣ったりして私が足を引っ張ってました。ほとんどラッセルもしてないのに・・・
距離的には14キロぐらいあるので、まあまあ長い方ですかね。時計回りの方が楽かもしれません。
山の本をほとんど読まないグータラ不勉強な私にとって、「スノー衆」は識見を広げる格好の機会である。おかげで左門岳、木無山、堂ヶ辻山など、奥越の名峰を幾つも踏ませていただきました。そのなかでもこの山の印象は深い。
名峰と言うにはあまり知られてない山ばかりですが、それがまたいいんですよね。
私にとっても縫ヶ原はお気に入りの山です。
keikokuさんパーティーとの遭遇で逆回りになったということですが、あの雪稜はやはり登りに使い、天国への道にした方がありがたいのでしょうね。
その通りですね。最後の急登をこなして山頂に飛び出すのもいいんですが、まだかまだかと思いながら、あの雪稜を辿る方が味わい深いと思います。
ここで思いもかけぬことに気付いたのです。この「山葵谷」の三角点記号も山名表示も、私の保存したトラックログにないのです。その先(上)の・1006は記載されているのに。カシミール3Dの地形図のせいかと確認してみると、現在のものには載っています。新しく設けられた三角点なら仕方ないが、たった7年の間にそんなことが起こるんだろうか?測量の更新で標高などが変わることはあるのでしょうが。
それは不思議ですね。あの三角点は昔からありますよ。
いずれにせよ、それで登りルートが山日和スノー衆のときの下りルートと少し違うことが分かった。7年前は雪稜の先まで行かず、山葵谷?の右岸尾根を下っています。したがって、トラックは正しい楕円形にならず、ラストが凹んだ米粒形です。
そうそう、時計回りの時はいつもその尾根を下っています。時間が押しているケースが多いもんで。
写真の頂点は・1006ピークでしょうか? この辺りから東西に長い長い雪稜が始まりますね。荒島の頂きにロックオンして白銀のビクトリーロードを進めば、少しは縫ヶ原山も近く感じられるのでは?
いえいえ、登りに取るといくつもニセ山頂が現れて、着いたと思ったら先にまた同じようなピークという繰り返しで疲れます。
とはいえ、
>10:00 P839---13:15縫ヶ原山13:25
3時間もかかってる!余裕の散策かヨロヨロのヘバリ歩きか?
で、逆回りのkeikokuパーティーと同着でしたか。ウサギとカメのお話も仲良く痛み分けですね。(^_-)
後者でおます。keikokuパーティーはランチを済ませてからですから、だいぶ遅れをとってしまいました。
[q_yab]>思ったよりも早く1209mピークに立った。ここから荒島岳へ続く美しい尾根は、10年前に辿ったことがある。
荒島からはどうされたんでしょう? ピストンはないでしょうから、佐開か勝原へでも下ったとか? いずれにしても超ロング![/q_yab]
中出の登山口にDOCをデポしてました。荒島への雪稜は、荒島がどんどん近づいて行く高揚感で疲れを感じませんでした。
最後のチャリは長かったです。
kitayamaさんもどっかで踏み抜いてましたね。地雷を踏みやすい人って、共通点はなんでしょう(@_@;)
知らぬは仏、怖さ知らずの勇み足?
怖いもの見たさでしょう~
satoさんに引きずられながらの感動の10時間レース、お疲れさまでした。
私は先日、久々、ヘッデンにお世話になりました。トホホ…(>_<)
なんとまあ。ご自愛くださいよ。
山日和
山日和スノー衆で、縫ヶ原山…聞いたことも無い山に連れて行ってもらったのはいつだったかなあ? ちょっと振り返ってみました。
2014年2月、もう7年も経つのか! 記憶は曖昧だけど、荒島岳を振り返りながら山頂からの雪稜をダム湖へ下ったことは頭から消えません。林道から強引な最後のショートカットも。
もう一度、行けるかなあ? と今の体力と比べて躊躇っています。
あの時はkitayamaさんの新車で登場しましたね。
スーパーの駐車場にあるマクドで集合でした。
最後のショートカットはみなさんビビッてましたね。
トピックをクリックすると現れた文面。ダム7:25~13:15縫ヶ原山。なんと6時間近くかかっている。今ならとても…?
ただ、これは逆の反時計回りだ。トータルではランチタイム込みで10時間。とても同じペースでは無理だろうが、あと1ヶ月もすれば雪面も固まり、日も長くなる。体調を整えておけば可能性も?……と、スケベ心がくすぐられてオロオロ。
2回ほど足が攣ったりして私が足を引っ張ってました。ほとんどラッセルもしてないのに・・・
距離的には14キロぐらいあるので、まあまあ長い方ですかね。時計回りの方が楽かもしれません。
山の本をほとんど読まないグータラ不勉強な私にとって、「スノー衆」は識見を広げる格好の機会である。おかげで左門岳、木無山、堂ヶ辻山など、奥越の名峰を幾つも踏ませていただきました。そのなかでもこの山の印象は深い。
名峰と言うにはあまり知られてない山ばかりですが、それがまたいいんですよね。
私にとっても縫ヶ原はお気に入りの山です。
keikokuさんパーティーとの遭遇で逆回りになったということですが、あの雪稜はやはり登りに使い、天国への道にした方がありがたいのでしょうね。
その通りですね。最後の急登をこなして山頂に飛び出すのもいいんですが、まだかまだかと思いながら、あの雪稜を辿る方が味わい深いと思います。
ここで思いもかけぬことに気付いたのです。この「山葵谷」の三角点記号も山名表示も、私の保存したトラックログにないのです。その先(上)の・1006は記載されているのに。カシミール3Dの地形図のせいかと確認してみると、現在のものには載っています。新しく設けられた三角点なら仕方ないが、たった7年の間にそんなことが起こるんだろうか?測量の更新で標高などが変わることはあるのでしょうが。
それは不思議ですね。あの三角点は昔からありますよ。
いずれにせよ、それで登りルートが山日和スノー衆のときの下りルートと少し違うことが分かった。7年前は雪稜の先まで行かず、山葵谷?の右岸尾根を下っています。したがって、トラックは正しい楕円形にならず、ラストが凹んだ米粒形です。
そうそう、時計回りの時はいつもその尾根を下っています。時間が押しているケースが多いもんで。
写真の頂点は・1006ピークでしょうか? この辺りから東西に長い長い雪稜が始まりますね。荒島の頂きにロックオンして白銀のビクトリーロードを進めば、少しは縫ヶ原山も近く感じられるのでは?
いえいえ、登りに取るといくつもニセ山頂が現れて、着いたと思ったら先にまた同じようなピークという繰り返しで疲れます。
とはいえ、
>10:00 P839---13:15縫ヶ原山13:25
3時間もかかってる!余裕の散策かヨロヨロのヘバリ歩きか?
で、逆回りのkeikokuパーティーと同着でしたか。ウサギとカメのお話も仲良く痛み分けですね。(^_-)
後者でおます。keikokuパーティーはランチを済ませてからですから、だいぶ遅れをとってしまいました。
[q_yab]>思ったよりも早く1209mピークに立った。ここから荒島岳へ続く美しい尾根は、10年前に辿ったことがある。
荒島からはどうされたんでしょう? ピストンはないでしょうから、佐開か勝原へでも下ったとか? いずれにしても超ロング![/q_yab]
中出の登山口にDOCをデポしてました。荒島への雪稜は、荒島がどんどん近づいて行く高揚感で疲れを感じませんでした。
最後のチャリは長かったです。
kitayamaさんもどっかで踏み抜いてましたね。地雷を踏みやすい人って、共通点はなんでしょう(@_@;)
知らぬは仏、怖さ知らずの勇み足?
怖いもの見たさでしょう~
satoさんに引きずられながらの感動の10時間レース、お疲れさまでした。
私は先日、久々、ヘッデンにお世話になりました。トホホ…(>_<)
なんとまあ。ご自愛くださいよ。
山日和
Re: 【奥越】新雪に飾られた雪稜を行く 縫ヶ原山
satoさん、どうもです。お疲れさまでした。
昨日は、坂内のお山に出かけていました。1月31日にご一緒させていただいたミノマタを眺めてきました。
帰路、八草トンネルに向かうと、周辺に7,8台の車が停まっていました。
やぶこぎの方の車もあるのでは、と思いました。
ずいぶん人気の山域になったもんです。
reiさんやblackさん達が登ってたようですね。
山日和さんと縫ヶ原山との出会いは、20年前に遡るのですね。
地図の中の煌めきを掬い上げ、ご自身のお山を創り上げていく。
山日和さんはこのようにお山を表現されてきたのですね。
最近はちょっとサボってますが、地形図を眺めるのが趣味です。
荒島岳から堂ヶ辻山にかけての稜線で、ぐいっと東に突き出たお山。
「南側に岩壁を張り巡らせながら、北側にはモッカ平という斜面が広がる」地球のうねりを感じる面白い地形。
どんな風景が展開しているのだろう・・・想像力を掻き立てられました。
地形図を見れば興味津々になりますよね。
去年の桐ヶ平山なんかもそうですが。
昨秋、荒島岳を訪れ、縫ヶ原山、モッカ平を眺めたのですが、
木々で覆われたお山は、ぽあんとしていて、地図から浮かんだ風景とは重なりませんでした。
まあ、雪のない時はどこも風采の上がらない山ばかりです。
同じ日の同じ時間に、真名川ダムで、やぶこぎの方がたとお会いするとは、びっくりしました。
びっくりなような、必然のような。
keikokuさん達とお会いするまでは、山日和さんも時計回りの予定でしたね。
わたしは、煌めく雪庇を登りながら、青い空と出会う山頂に近づくという風景も想像していましたので、
よかったのかもと。
結果的には正解だったかもね。
お三方とお別れし、林道を歩きながら、今日も重い雪で時間がかかるな、と覚悟を決めました。
△839.0までは膝まで潜ったりしながら、黙々と歩みを進めていましたね。
ここまで2時間半かかったのですね。ここからは雪質が少しよくなったので、ほっとしました。
風格のあるブナの大樹、絶妙な弧を描く舟窪地形・・・こころも弾んできました。
しゃべる余裕がありませんでしたわ。ラッセルを任せてるのに置いて行かれるという・・・
南側が開け、・1091を視線が捉えた時は、高揚感に包まれました。
夢見ていた雪稜は、想像を超えていました。雪によってお山はこんなにも姿が変わるのですね。
変わるのではない。山は、ほんとうに、ほんとうに、様々な表情を秘めているのだなぁ、と、胸が熱くなりました。
どこまでも、どこまでも、白く滑らかな銀杏峰、「神々しいばかりの白さで輝く荒島岳」に見守られながらの雪稜歩き。
至福の時が続きました。
このあたりは足が攣ったりして牛歩戦術になってしまいましたが、景色の素晴らしさだけは味わえました。
ちいさな尖がりをいくつか越え、いよいよと思った時、青と白の境に三つの人影が。
わたし達のために、まっさらな雪を残してくださったのですね。
まっさらな雪を踏み山頂に辿り着くよろこびを味わうことが出来ました。
頂上でお会いしましょうという何気ない口約束。みなさまのおこころづかいがとてもうれしかったです。
姿が見えたから待っててくれたんでしょうね。もしこちらの姿が見えなかったら、途中で引き返したのかもと下山開始してたかもしれません。
記念撮影の後、みなさまが下っていき、しんと静まり返った山頂で、
わたしは、ただただ、風景に見入っているだけでしたが、
山日和さんは深い感慨に包まれていらっしゃるのだろうな、と思いました。
なにも考えてませんでしたよ。強いて言えば、風があるからどこで昼メシにしようかと・・・
お昼の休憩は、さっと済ませて下るのかなと思ったら、ゆっくりとお山を味わいたいと。
20年前に訪れてから、6度目の縫ヶ原山。「福井の山の中で最上級のお気に入りの山」
やっぱり、深い深い思いがおありなのですね。
コースを熟知していらっしゃるので、安心して、贅沢なひと時を味わえました。
私の山でそんなことがあるはずないじゃないですか。
下山時刻から逆算して、緻密な戦略を立てました。
下りも素敵な尾根でした。振り返ると柔らかな雪原の先に壁のようなお山が。
夢のような不思議な風景でした。
あの壁の上を辿ってきたのも夢のように感じました。
うつくしい世界が次々と展開する夢の中の旅人のような気分になりました。
山日和さんが、時計回りとお考えになられた理由も分かりました。
それは単に同じルートを辿りたくなかっただけです。
午後の穏やかな陽射しが、白い山襞のひとつひとつを温かく照らし、
山襞は優しく歌うようにかすかに震えていました。
まっ白な荒島岳は、静かに世界を見つめていました。
うつくしいひとつの完結した世界がわたしの目の前にありました。
あの時間に山にいる者だけが味わえるプレゼントでしたね。
持籠谷山から俯瞰した雪の大野の町も印象的でした。
城下町の大野は町名が面白く、いつか、のんびりとお散歩したいなぁと思っています。
あれだけ眼下に平野が広がるところも珍しいでしょう。
ブナの森も素敵でした。幹回り4・5m超えのブナは圧巻でした。
尾根芯だけ歩いてたら見逃してしまいます。登りに使うと先を急いでスルーしてしまうかも。
ダムに降り立った時、まだ、ほのかに太陽の熱が残っていました。
闇下は絶対嫌というわたしの言葉を、山日和さん、考えながら歩いてくださいました。
そんなこと考えてなかったんだけど・・・
山日和さんにとって、6度目の縫ヶ原山で初めてのラッセル。
わたしは、新雪の縫ヶ原山に出会えてしあわせでした。
亀裂のない雪庇、雪崩の跡のない滑らかな白い山襞。まっ白な雪原。
まっさらな雪を踏みしめ一歩一歩、どこまでも白い世界を味わうことが出来ました。
ありがとうございます。
これまでで一番重く湿った雪でしたが、satoちゃんのおかげで助かりました。
私はラッセル卒業です。
山日和
昨日は、坂内のお山に出かけていました。1月31日にご一緒させていただいたミノマタを眺めてきました。
帰路、八草トンネルに向かうと、周辺に7,8台の車が停まっていました。
やぶこぎの方の車もあるのでは、と思いました。
ずいぶん人気の山域になったもんです。
reiさんやblackさん達が登ってたようですね。
山日和さんと縫ヶ原山との出会いは、20年前に遡るのですね。
地図の中の煌めきを掬い上げ、ご自身のお山を創り上げていく。
山日和さんはこのようにお山を表現されてきたのですね。
最近はちょっとサボってますが、地形図を眺めるのが趣味です。
荒島岳から堂ヶ辻山にかけての稜線で、ぐいっと東に突き出たお山。
「南側に岩壁を張り巡らせながら、北側にはモッカ平という斜面が広がる」地球のうねりを感じる面白い地形。
どんな風景が展開しているのだろう・・・想像力を掻き立てられました。
地形図を見れば興味津々になりますよね。
去年の桐ヶ平山なんかもそうですが。
昨秋、荒島岳を訪れ、縫ヶ原山、モッカ平を眺めたのですが、
木々で覆われたお山は、ぽあんとしていて、地図から浮かんだ風景とは重なりませんでした。
まあ、雪のない時はどこも風采の上がらない山ばかりです。
同じ日の同じ時間に、真名川ダムで、やぶこぎの方がたとお会いするとは、びっくりしました。
びっくりなような、必然のような。
keikokuさん達とお会いするまでは、山日和さんも時計回りの予定でしたね。
わたしは、煌めく雪庇を登りながら、青い空と出会う山頂に近づくという風景も想像していましたので、
よかったのかもと。
結果的には正解だったかもね。
お三方とお別れし、林道を歩きながら、今日も重い雪で時間がかかるな、と覚悟を決めました。
△839.0までは膝まで潜ったりしながら、黙々と歩みを進めていましたね。
ここまで2時間半かかったのですね。ここからは雪質が少しよくなったので、ほっとしました。
風格のあるブナの大樹、絶妙な弧を描く舟窪地形・・・こころも弾んできました。
しゃべる余裕がありませんでしたわ。ラッセルを任せてるのに置いて行かれるという・・・
南側が開け、・1091を視線が捉えた時は、高揚感に包まれました。
夢見ていた雪稜は、想像を超えていました。雪によってお山はこんなにも姿が変わるのですね。
変わるのではない。山は、ほんとうに、ほんとうに、様々な表情を秘めているのだなぁ、と、胸が熱くなりました。
どこまでも、どこまでも、白く滑らかな銀杏峰、「神々しいばかりの白さで輝く荒島岳」に見守られながらの雪稜歩き。
至福の時が続きました。
このあたりは足が攣ったりして牛歩戦術になってしまいましたが、景色の素晴らしさだけは味わえました。
ちいさな尖がりをいくつか越え、いよいよと思った時、青と白の境に三つの人影が。
わたし達のために、まっさらな雪を残してくださったのですね。
まっさらな雪を踏み山頂に辿り着くよろこびを味わうことが出来ました。
頂上でお会いしましょうという何気ない口約束。みなさまのおこころづかいがとてもうれしかったです。
姿が見えたから待っててくれたんでしょうね。もしこちらの姿が見えなかったら、途中で引き返したのかもと下山開始してたかもしれません。
記念撮影の後、みなさまが下っていき、しんと静まり返った山頂で、
わたしは、ただただ、風景に見入っているだけでしたが、
山日和さんは深い感慨に包まれていらっしゃるのだろうな、と思いました。
なにも考えてませんでしたよ。強いて言えば、風があるからどこで昼メシにしようかと・・・
お昼の休憩は、さっと済ませて下るのかなと思ったら、ゆっくりとお山を味わいたいと。
20年前に訪れてから、6度目の縫ヶ原山。「福井の山の中で最上級のお気に入りの山」
やっぱり、深い深い思いがおありなのですね。
コースを熟知していらっしゃるので、安心して、贅沢なひと時を味わえました。
私の山でそんなことがあるはずないじゃないですか。
下山時刻から逆算して、緻密な戦略を立てました。
下りも素敵な尾根でした。振り返ると柔らかな雪原の先に壁のようなお山が。
夢のような不思議な風景でした。
あの壁の上を辿ってきたのも夢のように感じました。
うつくしい世界が次々と展開する夢の中の旅人のような気分になりました。
山日和さんが、時計回りとお考えになられた理由も分かりました。
それは単に同じルートを辿りたくなかっただけです。
午後の穏やかな陽射しが、白い山襞のひとつひとつを温かく照らし、
山襞は優しく歌うようにかすかに震えていました。
まっ白な荒島岳は、静かに世界を見つめていました。
うつくしいひとつの完結した世界がわたしの目の前にありました。
あの時間に山にいる者だけが味わえるプレゼントでしたね。
持籠谷山から俯瞰した雪の大野の町も印象的でした。
城下町の大野は町名が面白く、いつか、のんびりとお散歩したいなぁと思っています。
あれだけ眼下に平野が広がるところも珍しいでしょう。
ブナの森も素敵でした。幹回り4・5m超えのブナは圧巻でした。
尾根芯だけ歩いてたら見逃してしまいます。登りに使うと先を急いでスルーしてしまうかも。
ダムに降り立った時、まだ、ほのかに太陽の熱が残っていました。
闇下は絶対嫌というわたしの言葉を、山日和さん、考えながら歩いてくださいました。
そんなこと考えてなかったんだけど・・・
山日和さんにとって、6度目の縫ヶ原山で初めてのラッセル。
わたしは、新雪の縫ヶ原山に出会えてしあわせでした。
亀裂のない雪庇、雪崩の跡のない滑らかな白い山襞。まっ白な雪原。
まっさらな雪を踏みしめ一歩一歩、どこまでも白い世界を味わうことが出来ました。
ありがとうございます。
これまでで一番重く湿った雪でしたが、satoちゃんのおかげで助かりました。
私はラッセル卒業です。
山日和