【奥美濃】前谷川遡行…激薮を越え大日ケ岳

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兔夢
記事: 623
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

【奥美濃】前谷川遡行…激薮を越え大日ケ岳

投稿記事 by 兔夢 »

2013年9月14日(土) 曇り 奥美濃 前谷川~大日ケ岳
たろーさん、ふうさん、michiくん、とっちゃん、兔夢

7:10 魚返橋 → 8:25 堰堤 → 9:00 15m大滝 → 10:55 二俣(1046m地点) → 11:45 ネジレ滝 → 12:40 平棚ノ滝 → 16:30 登山道 → 16:40 大日ケ岳山頂 → 17:55 水後山 → 19:20 満天の湯駐車場 (*滝名は「百山百渓」より)

 当初は北ア、笠ケ岳から落ちる打込谷をテン泊遡行する予定だった。しかし相変わらず週末は天気がよくない。今週は台風まで近づいている。それでも土曜日はなんとか天気がもちそうでたろーさんから奥美濃、前谷川の一日遡行に変更するとの連絡が入った。
 前谷川遡行には以前から興味があったのだが百山百渓で不動谷以上と記されており躊躇っていた。今回、偶然にも足の揃ったメンバーでのぞむ事になり期待が膨らむ。
 白鳥道の駅で集合して桧峠に向かう。満天の湯駐車場に車を一台デポ。魚返橋に戻って出発。
 入渓地点からいきなりすばらしい滑が続く。岩質は御嶽・鈴ケ沢とよく似ていて火成岩のようだ。フェルトが吸い付くようで歩きやすい。
 深い淵をもった3mの滝を水流脇からシャワークライミング。その先には奥美濃らしからぬ優雅な滑が続く。
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DSCN0639.JPG (55.54 KiB) 閲覧された回数 2659 回
 目を楽しませてくれた滑も取水用堰堤を区切りにゴーロとなる。再び滑が現れるとその先に8mの滝。ここは左から簡単に越えていく。
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DSCN0656.JPG (55.18 KiB) 閲覧された回数 2659 回
 滑滝を二つ程越えた先に両側が岩壁になった深い渕が現れる。へつりも難しそうだなあと見ているとmichiくんが左から渡っていった。流石だ。それに他のメンバーも続く。僕は右から巻けるんじゃないかとやってみたが下るのがきつい。ここは無理せず戻ってみんなの後を追いかけた。
 しばらくゴーロが続いた後に堰堤が現れて一同吃驚。いったいどうやってここまで入って作業したんだろう。見れば回りに植林があるのでかつては作業道が通っていたのかもしれない。
 堰堤を越えてからかなり長い距離のゴーロとなる。左右は雪のためだろうか、抉られたように立っている。その中にところどころ面白い地形があり、どうやって寝食されたのだろうなどと考えながら歩けて退屈しない。しかし、たろーさんやmichiくんはもう滝がないんじゃないかと心配している。
 岩に挟まった流木にたくさんのキノコが付いていた。一見ナメコのようだがよく見ると形が違う。この手の知識があるメンバーがおらずただカメラに収めるだけだった。
 ゴーロの先には15mほどの大滝が待ち構えていた。水量も多く豪快だ。水流右の岩場を登ろうとしたがどうも落口あたりが怪しい。見れば左岸上部にフィックスロープが垂れ下がっている。そこへのルートが登れそうでロープを出してたろーさんがのぞんだ。
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DSCN0690.JPG (76.11 KiB) 閲覧された回数 2659 回
 途中、二ヶ所にビレイをとって登りきった。流石だ。後続はプルージックで登り、最後に僕がビレイを回収。ルートの検討などを含めてこの滝を越えるのに1時間程かかった。
 すぐにVの字に切れた岩場から落ちる6mの滝。ここはmchiくんが右岸の岩場をフリーで登り後続をロープで確保。
 ここまでに現れた滝はどれも深く青々とした滝壺をもっていた。しかしどんなに深くとも底が覗けていた。水がきれいな証拠だろう。
 続いて10mほどの二条滝。堰堤のような整った形をしている。ここは左岸の草付きを登り木々を掴みながら落口に向かってトラバース。
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 再び長いゴーロ。標高1046m地点の二俣を右に入ると水流も細ってきて暑くなってくる。たまらなくなって水流溜まりに全身を浸して暑さしのぎをするメンバーもいた。
 久々に現れた滝は豪快さからはほど遠くなっていた。左の岩場に残置ハーケンがありこれを利用して越えていく。
 次に現れた多段20mはバスタブのような釜をもっていた。はりがね虫のような生物が水中をのたうち回っていた。
 滝途中の棚をシャワーを浴びるように渡り左のクラックから滝上にあがった。その先には特徴的な姿をしたネジレ滝が現れる。
 たろーさんが落口下のハングを越えていけないかとしばらく検討していた。その間に右の壁が登れるかどうか試してみようと取り付いてみた。意外に登れて上のバンドに出る事に成功。落口に至る辺りが際どかったが立ち木を掴んで何とか滝上に出た。しかし後続の事を全く考えていなかったから確保しようがない。たろーさんが同じルートを辿ってロープを張ってくれたので後続も続く事ができた。反省。
photo by fusan
photo by fusan
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 ネジレ滝の上には面白い造形の釜があった。それに続く滑、ゴーロを越えた後、両岸に岩が立ち門のようになったところを抜けると壁のような一枚岩の滝(平棚ノ滝)があらわれた。
 左岸の泥付きを登って巻いたがこれが非常にいやらしかった。岩の上に薄らと土が乗った状態で滑りやすい上に手がかりにする草も弱い。こういう場面に慣れてないたろーさん、michiくんは冷や汗ものだったようだ。それに引き換え急に元気になったのがふうさん、とっちゃん。ここは二人の先導で巻いていった。
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DSCN0757.JPG (72.83 KiB) 閲覧された回数 2659 回
 左岸の岩壁を見ながらゴーロを歩いていた先に再び壁のような滝。ここはふうさん先頭で左岸上部の灌木帯を上手く抜けていって比較的楽に越える事ができた。泥壁で四苦八苦した後だっただけにたろーさんもmichiくんもホッとしたようだ。滝らしい滝はこれが最後だった。
 徐々に沢は狭くなり樹木も覆い被さって源流の雰囲気になっていく。その中にも時折岩越えがあったりして楽しめたがやがてそれらもなくなり両岸を笹が占めるようになる。
 笹原の中に続く沢筋を追ってやがて尾根へあがった。尾根もずっと背丈を越える笹が続く。
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 ここに至ってとっちゃんの足取りが重い。一ヶ月振りの山行でよくここまで頑張ってきたと思う。後はゆっくり行こう。
 ブヨと思われる虫がやたらとまとわりつきうるさい。笹とブヨと格闘しながらの根気のいる登りが続く。
 どれほど薮を漕いだだろうか。おそらく一時間は下らない。そんな長い長い激薮も呆気にとられるほど広々とした登山道に出て終止符が打たれた。しかしホッとする間もなく沢装備を解き下山にかかる。
 晴れていれば白山などの展望がいい大日ケ岳だが今日はガスに覆われて展望はない。そこから鎌ケ峰に向かって歩き出すと風が吹き抜けて気持ちいい。風のせいかまとわりついていた虫もいなくなった。
 鎌ケ峰、水後山などの登り返しが疲れた身体には少々きついが整備された登山道は安心感がある。ウィングヒルズのゲレンデ手前で闇下となってもヘッドライトがあればなんの問題もない。ただゲレンデの下りが思いの外長くこれには辟易した。ともあれ念願の前谷川の完全遡行を楽しいメンバーと成し得る事ができ大満足の一日となった。
とっちゃん
記事: 325
登録日時: 2011年2月20日(日) 21:02

Re: 【奥美濃】前谷川遡行…激薮を越え大日ケ岳

投稿記事 by とっちゃん »

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tsutomuちゃん、こんばんは。

三連休の予定は没になっちゃったけど、台風前に一日でも沢登りができてよかったね。


2013年9月14日(土) 曇り 奥美濃 前谷川~大日ケ岳
たろーさん、ふうさん、michiくん、とっちゃん、兔夢

7:10 魚返橋 → 8:25 堰堤 → 9:00 15m大滝 → 10:55 二俣(1046m地点) → 11:45 ネジレ滝 → 12:40 平棚ノ滝 → 16:30 登山道 → 16:40 大日ケ岳山頂 → 17:55 水後山 → 19:20 満天の湯駐車場 (*滝名は「百山百渓」より)

ロングルートだったけど、わいわいと楽しい沢登りになりました。

この谷の名前は、初めて聞く谷だったけど、tsutomuさん・ふーさんは、昨年、候補に上がっていた沢だったんだね。
michi君の見つけてきた谷だったけど、今回いいチャンスとなったんだね。

初めの滑は、いいかんじだったね~。
これが、もっと長く続いたら、めちゃいいんだけど。

登りも巻きも、それぞれ得意な場面で力を出して、いい具合にクリアして行けたね~。

しかし、ヤブコギも又、ロングなルートでした。

1ケ月ぶりの山で、このあたりから足が上がらなくなっちゃって、登山道の登り帰しは、亀さんで・・・、どないなるかなぁと思ったけど行動食を食べたら、元気に変身できてよかった。

久々にご一緒できたメンバー達と、楽しく話せてラッキーな一日でした。

今年は、山に入れる日が少ないけど、また、皆さんとご一緒できる時を楽しみにしています。

☆とっちゃん~☆






ふ~さん
記事: 525
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: 【奥美濃】前谷川遡行…激薮を越え大日ケ岳

投稿記事 by ふ~さん »

兎夢さん、おはようさん。

前谷川は、楽しい遡行となりました。
入渓してからの大ナメと立ちはだかる10m規模の滝群。
それらをどうクリアするかで、みなさんの総合力が問われましたね。
ある時は直登で、ある時は岩壁の登攀、ある時は巻きのルート選び。そしてやぶこぎ。

最後は時間との闘いになりましたが、源流の大ヤブを越えて山頂に立った喜びは最高!!
大日ヶ岳は山スキーで登った以来だったので、沢の遡行で、山頂に立てた喜びはひとしおです。
それぞれのメンバーの遡行のスタイルをどうまとめて行くかもリーダーの力の見せ所だったのかもしれません。

暖かい温泉にのんびりとつかりながら、仰いだ夜空。 おぼろ月をながめながら山を語ったのも良い思い出ですよ!!

今後とも楽しい山行を重ねていきたいものですね。兎夢さんの渾身のレポ、楽しく読ませて頂きました。ありがとうございました。

 ふ~さん
兔夢
記事: 623
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】前谷川遡行…激薮を越え大日ケ岳

投稿記事 by 兔夢 »

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DSCN0731.JPG (68.17 KiB) 閲覧された回数 2530 回
とっちゃん、今晩は。

三連休の予定は没になっちゃったけど、台風前に一日でも沢登りができてよかったね。

盆明け以降続いた週末の崩れ。今回もか、って思ったけどなんとか土曜日だけもって良かった。

ロングルートだったけど、わいわいと楽しい沢登りになりました。

長かったけどイメージとは違って意外と明るくて良かった。たろーさん、michiくんは長いゴーロに辟易してたみたいだけど。

michi君の見つけてきた谷だったけど、今回いいチャンスとなったんだね。

michiくんが見つけたんだ。どこで見つけたんだろう。

初めの滑は、いいかんじだったね~。
これが、もっと長く続いたら、めちゃいいんだけど。


奥美濃らしからぬ滑だったねえ。これだけ見て帰ってもいいかな。

登りも巻きも、それぞれ得意な場面で力を出して、いい具合にクリアして行けたね~。

後から静かについていく予定だったのに出過ぎたところがあったような…

しかし、ヤブコギも又、ロングなルートでした。

薮漕ぎは長かったねえ。でも先が登山道だから何も心配してなかったけど。

1ケ月ぶりの山で、このあたりから足が上がらなくなっちゃって、

ちょっとした笹を跨ぐのも苦労してたね。とっちゃんの前を歩くべきか後を歩くべきかずっと迷ってて結局後を歩いていきました。

登山道の登り帰しは、亀さんで・・・、どないなるかなぁと思ったけど行動食を食べたら、元気に変身できてよかった。

いきなりスピードダウンしたと思ったら後半はえらい元気で…単にお腹が減ってたのね。

久々にご一緒できたメンバー達と、楽しく話せてラッキーな一日でした。

前々から同行したいと思ってたmichiくんもいて僕にとっても楽しい一日となりました。

      兔夢


兔夢
記事: 623
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】前谷川遡行…激薮を越え大日ケ岳

投稿記事 by 兔夢 »

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DSCN0695.JPG (80.96 KiB) 閲覧された回数 2529 回
ふ〜さん、こんばんは。

入渓してからの大ナメと立ちはだかる10m規模の滝群。
それらをどうクリアするかで、みなさんの総合力が問われましたね。


大滝ばかりでしたね。小滝がほとんどなかった。
ルート判断については流石ふ〜さんでした。
特に最後の大滝の巻きは知っていたんじゃないかと思わせるような見事な巻きでした。

最後は時間との闘いになりましたが、源流の大ヤブを越えて山頂に立った喜びは最高!!

薮から飛び出た時はやった!と思いましたね。ガスっていて展望がなかったのが残念でしたが。
薮に突入してからふ〜さんの目の輝きが一段と増したように見えたのは錯覚?

大日ヶ岳は山スキーで登った以来だったので、

そういえば山スキーってどうなったんでしたっけ?

それぞれのメンバーの遡行のスタイルをどうまとめて行くかもリーダーの力の見せ所だったのかもしれません。

たろーさんにすべてまかそうと思いながらいらない口出しをしたような気がしてます。でもそれを上手くまとめていってくれて流石!

おぼろ月をながめながら山を語ったのも良い思い出ですよ!!

雨の予報に反して露天風呂から月!思わぬ贈り物でいい感じでした。月明かりの下での語らいはいいものですね。

兎夢さんの渾身のレポ、楽しく読ませて頂きました。ありがとうございました。

楽しい山行でした。今度は楽しい沢泊をしたいですね。

  兔夢
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