【江美国境】 源流へ 金糞岳 八草川を辿る沢山旅

山行記、山の思い出、限定
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】 
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
返信する
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

【江美国境】 源流へ 金糞岳 八草川を辿る沢山旅

投稿記事 by sato »

【日 付】  2021年7月24日(土)
【山 域】  江美国境
【メンバー】 山日和さん sato
【天 候】   晴れ時々曇り
【ルート】  八草峠~廃林道~八草川(炉谷)~左俣~金糞岳~白倉岳~
       P1161手前の鞍部~右俣~八草川~廃林道~P

汗をかきかき水辺に降り立つと、爽やかな空気に出迎えられた。
9時40分。すっかり遅くなってしまった。先週と同じ失敗、
廃林道歩きで、また分岐を通り越してしまったのだ。
今日は戻るには進み過ぎていて、軌道修正するのに時間がかかってしまった。

「大丈夫。下山は18時かな。」
予定コースの大半を辿られている山日和さんの言葉にほっとする。
ひと休みして、さらさらと流れゆく澄み透った水を、
じゃぼっ、じゃぼっ、と心地よくからだで受けながら、煌めく緑の中に分け入っていく。

なんて爽やかで穏やかな風景なのだろう。
林道が延びているので、しばらくは植林の風景が続くのかな、と思っていたが、
谷は自然林に包まれ、流れもやさしい。
あまりにも穏やかで、光に溢れていて、その奥に隠れたさみしさを、ふっと感じてしまう。

s-P7240179_original.jpg

ちいさなゴルジュが現れた。腰の上まで浸かりそろそろと通過する。
やさしくさみしい風景はその後も続いていった。
ふわっと谷が広がり、しっとり趣きのある二俣に着いた。
両方の谷の入口にかかる小滝が透明な声で刹那と永遠を歌っている。
ぐるりと旅してここに戻ってくるのだと、右俣のうつくしい流れをこころに刻み、左に進む。

P7240186_original.JPG

流れはゆったりと向きを変えていく。やさしくさみしい風景がゆったりと移っていく。
谷はやわらかな緑に満ち溢れ、苔むした岩は静かに煌めき、流れゆく水は清々しい。
時折、緑の中からカラカラと石が落ちてくる。谷間に響き渡る、キュン、という鳴き声。
わたしたちを見つめるシカのまあるい眼を感じる。
いや、シカだけではない。様々な生き物の眼。風景は幾重にも折り重なっていく。

P7240223_original.JPG

こころの琴線にそっと触れてくる風景に浸かっていると、目の前に黒い岩壁が立ち憚った。
かくっと左に曲がると、ゴルジュになり、今までの爽やかで穏やかな景色が一変し、厳かな空気に。
山日和さんが胸まで浸かり通り越したのを確認して後に続くが、不意に足が谷底から離れ、どきりとする。
泳げるから大丈夫と思っても、こんな時、人は溺れてしまうのだなぁ、と背筋が寒くなる。
また岩壁が迫り、右に曲がると、そこには息を呑む光景が展開していた。

そそり立つ真っ黒な岩壁を勢いよく滑り落ちる一筋の滝。
シバの第三の眼を彷彿させる、黒い岩肌を走るまっ白な弓なりの光。
地形図の、流れが北から西へと弧を描くところの一角。
想像もしなかった金糞岳の荘厳な風景との出会いに胸が震える。

P7240231_original.JPG

滝の上には行けるのか?
山の神様はちゃんとルートを作ってくださっていた。ガレガレのルンゼが小尾根に向かっていた。
石を落さぬようそろりそろりと登り、落ち口に向かい滑らぬようゆっくりと斜面をトラバースしていく。

ここから先は、サワグルミの立ち並ぶ生の輝きに満ちた森。
いくつかの小滝を越えていくうちに、滝の光景は夢だったのか、と思ってしまうぐらい、穏やかな世界に戻っていた。

12時過ぎ。谷が開けた標高1010m辺り、トチとサワグルミが見下すうつくしい岸辺でお昼ご飯。
先が長いので、13時前には腰を上げる。
北尾根からの枝谷にかかる涼しげな滝を見て出発する。

P7240259_original.JPG

1060mの二俣は左に。
傾斜が増してきて、流れは細く谷は溝状になるが、ヤブは無く穏やかな風景が続いていく。
最初の一滴はどこだろう。
水が切れたと思ったら、またしみ出す。2,3回繰り返すと、谷は土の溝になった。
お山の中からじんわりとしみ出た一滴は、色も匂いも何にもなく透明そのものだった。
わたしも生まれてきた時は、こんな眼をしていたのかな、とふと思う。

山頂まであともう少し。
このまま穏やかに山頂に辿り着かないことは分かっている。
ササのヤブが始まる、と思ったら、灌木のヤブになった。そして背丈を越える濃いササヤブに。
早く抜け出そうと右寄りに進んでいく。
近づいた空を見ながら、あともう少し、もう少しと、何回か呟き、登山道に出た。
障害物がなくなり、ふわふわした足取りで山頂に向かう。

P7240286_original.JPG

目印の赤い看板が見えた。金糞岳山頂。
きっぱりとした夏の陽射しを受け、青く光る奥美濃、近江の山やまをぐるりと見渡し、
じわっと感動が湧き上がる。
わたしは、今日、あらたな金糞岳に出会ったのだ。

14時半。
あまりゆっくりはしていられない。大きく構える白倉岳に向かい足を進める。
夏真っ盛りの稜線歩き。目に映る風景すべてが新鮮で見入ってしまう。
草いきれのこもる白倉岳山頂に着いた。
少し下ったところから谷に降りようとお話ししていたが、もう15時前。
山日和さんが前回辿ったP1161手前からのコースに変更する。

P7240296_original.JPG

右俣の始まりは穏やかだった。
ちょこっとササヤブをかき分けると、登山道の様な溝が延びていた。
少し進むと、左俣と同じように土の中から最初の一滴がしみ出していて、
あれよあれよという間に、さらさらとした流れになっていた。
あたりはうつくしいブナ林となり、右に流れが見えた。下る予定だった谷だ。
清澄な空気に満たされた合流の地。ゆっくりと出来ないのが残念。
後ろ髪をひかれつつ大きくなった流れに向かう。

P7240337_original.JPG

ここからは小滝とナメが、こころに刻んだ流れまで続いていく。
遥か大海原を夢見て、宝石のような物語を築きながら旅を続けるいのちの水。
山が織りなす、うつくしい絵巻物のような風景が、
さぁ次へ、と、疲れてきたからだの背中をそっと押してくれる。
ナメをそろりそろりと下り、小滝では淵に滑り落ちたりして、17時過ぎ、二俣に戻ってきた。

穏やかな風景の中を下っていく。遡る時に感じたさみしさが、足元でちいさな影を落としていた。
影の上に立つわたしの胸の中では、今日出会った一期一会の風景がきらきらと光を放っていた。

18時を回ってしまった。
キュンキュン、早く帰りなさい、と急かすように鳴くシカの声に、
ハイハイ、と返事をしながら草の生い茂った林道を峠へと向かう。
すぐ脇の木からガサッと音がした。何っ?大きなクマだった。
目が合った瞬間、クマはするりと木から駆け降り緑の中に消えていった。
びっくりしたが、クマの方がびっくりしていたのだろう。侵入者はわたしたちなのだから。

18時45分。峠に戻ってきた。
朝の鮮烈な光の中で、静かに微笑んでいらしたお地蔵さまは、夕刻の青灰色の空の下、同じように微笑まれ、
凛とそびえ立っていた蕎麦粒山は、変わらず凛々しいお姿だった。
わたしの暮らす近江の空は、やわらかなオレンジ色に染まっていた。
あたたかな涙で潤んだような風景の中に、ここから続いていく源流への旅の、光の筋のようなものを感じ、
泥だらけの沢靴を早く脱ぎたいのに、暫しの間、脱げないわたしがいた。

sato
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【江美国境】 源流へ 金糞岳 八草川を辿る沢山旅

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、こんばんは。お疲れさまでした。

汗をかきかき水辺に降り立つと、爽やかな空気に出迎えられた。
9時40分。すっかり遅くなってしまった。先週と同じ失敗、
廃林道歩きで、また分岐を通り越してしまったのだ。
今日は戻るには進み過ぎていて、軌道修正するのに時間がかかってしまった。


そもそものスタートが遅れすぎましたね。スタート時に地図を再確認しなかったのも大失態でした。 :oops:

「大丈夫。下山は18時かな。」
予定コースの大半を辿られている山日和さんの言葉にほっとする。

大半じゃなく全部です。 :lol:

なんて爽やかで穏やかな風景なのだろう。
林道が延びているので、しばらくは植林の風景が続くのかな、と思っていたが、
谷は自然林に包まれ、流れもやさしい。


そうそう、それがこの谷のいいところです。


P7240184_1.JPG

ふわっと谷が広がり、しっとり趣きのある二俣に着いた。
両方の谷の入口にかかる小滝が透明な声で刹那と永遠を歌っている。
ぐるりと旅してここに戻ってくるのだと、右俣のうつくしい流れをこころに刻み、左に進む。


結構時間を気にしながら歩いてました。15年前は入渓点から山頂までジャスト3時間だったけど、今は同じように歩くのは無理だし。

流れはゆったりと向きを変えていく。やさしくさみしい風景がゆったりと移っていく。
谷はやわらかな緑に満ち溢れ、苔むした岩は静かに煌めき、流れゆく水は清々しい。


「やさしくさみしい」というのが独特の表現というか心情ですね。私には「さみしい」という言葉が思い浮かびません。 :mrgreen:

わたしたちを見つめるシカのまあるい眼を感じる。
いや、シカだけではない。様々な生き物の眼。風景は幾重にも折り重なっていく。

そう言えば、やたらシカの骨が落ちてましたね。

P7240224_1.JPG

こころの琴線にそっと触れてくる風景に浸かっていると、目の前に黒い岩壁が立ち憚った。
かくっと左に曲がると、ゴルジュになり、今までの爽やかで穏やかな景色が一変し、厳かな空気に。
山日和さんが胸まで浸かり通り越したのを確認して後に続くが、不意に足が谷底から離れ、どきりとする。
泳げるから大丈夫と思っても、こんな時、人は溺れてしまうのだなぁ、と背筋が寒くなる。
また岩壁が迫り、右に曲がると、そこには息を呑む光景が展開していた。


ここが八草川左俣のハイライト。唯一の見せ場です。
しかし、あの淵はあんなに深かったかなあ。記憶にないんだけど。 :?:

そそり立つ真っ黒な岩壁を勢いよく滑り落ちる一筋の滝。
シバの第三の眼を彷彿させる、黒い岩肌を走るまっ白な弓なりの光。

素晴らしく美しい滝ですね。名前のないのが惜しいぐらい。
「バナナ滝」と言ったら怒られるか。 :mrgreen:


P7240228_1.JPG

滝の上には行けるのか?
山の神様はちゃんとルートを作ってくださっていた。ガレガレのルンゼが小尾根に向かっていた。
石を落さぬようそろりそろりと登り、落ち口に向かい滑らぬようゆっくりと斜面をトラバースしていく。

このルンゼがなければ大変な巻きになるでしょう。まわりは高い岩壁だしね。
歳を取るとチェーンスパイクが一番の友達になりました。 :lol:

ここから先は、サワグルミの立ち並ぶ生の輝きに満ちた森。
いくつかの小滝を越えていくうちに、滝の光景は夢だったのか、と思ってしまうぐらい、穏やかな世界に戻っていた。
12時過ぎ。谷が開けた標高1010m辺り、トチとサワグルミが見下すうつくしい岸辺でお昼ご飯。


みやま谷に続いて、山頂に着く前のランチタイム。後がしんどいけど、涼しいいいところで食べる方が美味しいです。

お山の中からじんわりとしみ出た一滴は、色も匂いも何にもなく透明そのものだった。
わたしも生まれてきた時は、こんな眼をしていたのかな、とふと思う。


発想が違いますね~。
私は美味しいとしか思いませんでしたけど。 :lol:


P7240268_1.JPG

山頂まであともう少し。
このまま穏やかに山頂に辿り着かないことは分かっている。
ササのヤブが始まる、と思ったら、灌木のヤブになった。そして背丈を越える濃いササヤブに。
早く抜け出そうと右寄りに進んでいく。
近づいた空を見ながら、あともう少し、もう少しと、何回か呟き、登山道に出た。
障害物がなくなり、ふわふわした足取りで山頂に向かう。

最初の潅木は大したことなかったけど、ササに変わってから獰猛なヤブになりましたね。
あのまま真っ直ぐ進んでたら登山道と並行して、山頂までヤブ漕ぎでした。

きっぱりとした夏の陽射しを受け、青く光る奥美濃、近江の山やまをぐるりと見渡し、
じわっと感動が湧き上がる。
わたしは、今日、あらたな金糞岳に出会ったのだ。

14時半。
あまりゆっくりはしていられない。大きく構える白倉岳に向かい足を進める。
夏真っ盛りの稜線歩き。目に映る風景すべてが新鮮で見入ってしまう。
草いきれのこもる白倉岳山頂に着いた。


よく切れる刃物のような雪稜とは違って、また別の味わいがあったでしょう。
とは言え、どう考えても雪の時期の方がいいけどね。

P7240291_1.JPG

右俣の始まりは穏やかだった。
ちょこっとササヤブをかき分けると、登山道の様な溝が延びていた。
少し進むと、左俣と同じように土の中から最初の一滴がしみ出していて、
あれよあれよという間に、さらさらとした流れになっていた。
あたりはうつくしいブナ林となり、右に流れが見えた。下る予定だった谷だ。


ヤブは一瞬で、歩きやすい源頭が続いてましたね。
右からのあの流れを見ると白倉岳から直接下りたかったと思ってしまいます。


P7240308_1.JPG

ここからは小滝とナメが、こころに刻んだ流れまで続いていく。
遥か大海原を夢見て、宝石のような物語を築きながら旅を続けるいのちの水。
山が織りなす、うつくしい絵巻物のような風景が、
さぁ次へ、と、疲れてきたからだの背中をそっと押してくれる。
ナメをそろりそろりと下り、小滝では淵に滑り落ちたりして、17時過ぎ、二俣に戻ってきた。

あんなに滝があったかなという感じでした。記憶の中ではヒタヒタと歩くナメしかなかったのに。
まともに下りられない小滝も多くて新鮮でした。 :lol:

すぐ脇の木からガサッと音がした。何っ?大きなクマだった。
目が合った瞬間、クマはするりと木から駆け降り緑の中に消えていった。
びっくりしたが、クマの方がびっくりしていたのだろう。侵入者はわたしたちなのだから。


前を歩いていたのに気付きませんでした。叫び声で振り返った時には、もう姿は消えていました。
残念!!

18時45分。峠に戻ってきた。
朝の鮮烈な光の中で、静かに微笑んでいらしたお地蔵さまは、夕刻の青灰色の空の下、同じように微笑まれ、凛とそびえ立っていた蕎麦粒山は、変わらず凛々しいお姿だった。

6時には戻れると踏んでいましたが、日没ギリギリになっちゃいましたね。
最後の林道歩きは足を引きずるような感じでした。
峠から望む蕎麦粒山の姿は印象的ですね。

わたしの暮らす近江の空は、やわらかなオレンジ色に染まっていた。
あたたかな涙で潤んだような風景の中に、ここから続いていく源流への旅の、光の筋のようなものを感じ、泥だらけの沢靴を早く脱ぎたいのに、暫しの間、脱げないわたしがいた。


憧れていた八草川を遡行して戻ってきた峠、satoさんの目には何が映っていたのでしょうか。 :D

              山日和
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【江美国境】 源流へ 金糞岳 八草川を辿る沢山旅

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんばんは。
今日も、堅田に荷物を渡しに出かけた帰り、車窓から青い金糞岳を眺め、感慨に浸っていました。
出発時間が遅かったこと。歩く時に地図で分岐地点をきちんと確認しなかったこと。
反省点もありますが、わたしにとって想いの強い山、金糞岳の青い世界に分け入り、
秘密の表情、一期一会の風景に出会うことが出来、うれしかったです。ありがとうございます。

膝の調子がよくなかったこともあり、入渓した時、周回は厳しいかなぁ、と思いました。
山日和さん、大丈夫とおっしゃってくださり安心しましたが、道中、時間を計算しながら歩いてくださったのですね。

八草川左俣も右俣も、しみじみとうつくしかったです。弓なりの滝とその周辺の情景は素晴らしかったですね。
でも、唯一の見せ場ではなかったですよ。すべてが味わい深かったです。
淵は歩けると思っていましたので、不意に足が離れどきりとしてしまいました。

「バナナ滝」というお言葉に、インドの聖地で人から奪ったバナナをうれしそうに食べるサルの姿が浮かび、
何でここで、と頭から振り払いました。山日和さんは、あの神々しい滝がバナナに見えるのですね。

谷の中でのお昼の時間はいいですね。
こういうゆたかな時間を過ごせるのも、山日和さんが辿られているからなのですが。
最後のササヤブのルート取りはなるほどと思いました。

無雪期の金糞岳は6月に訪れたことがあるのですが、憧れの谷を遡り辿り着いた山頂は、風景が違って見えました。
でも、客観的に見ても、緑の金糞岳も素晴らしいなぁと感じました。

右俣のうつくしい小滝とナメの饗宴。遡ったら、より、感激するのでしょうね。
何度か淵にずり落ちたのも楽しい思い出です。
その後が大変でしたが。スマホは防水仕様でも水に浸かると壊れるのだと学習しました。

八草川は動物の気配を濃く感じる谷でしたね。何頭のシカに出会ったのでしょう。
シカの骨もあんなに見るとは。
クマにも会うかも、と思っていたら会いました。威嚇されなくてほっとしました。

峠から望んだ蕎麦粒山。言葉を忘れ、ただただ見入っていました。
朝も見入ってしまい、ぼぉっとして、地図を見るのを忘れたのでした。

日没ぎりぎりの下山になってしまいましたが、あの風景の中に身を置くことが出来しあわせでした。
あの時、目に映った光景はふかくこころに焼き付いています。

峠までの運転もありがとうございました。
私には、とても無理です。
登りよりも怖い下りの運転中、かわいいうさぎに出会い、ひとり喜んでいてスミマセンでした。

sato
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【江美国境】 源流へ 金糞岳 八草川を辿る沢山旅

投稿記事 by バーチャリ »

satoさん おはようございます。

今日もヒルと遊べる所でチャブチャブされていますか?


汗をかきかき水辺に降り立つと、爽やかな空気に出迎えられた。
9時40分。すっかり遅くなってしまった。先週と同じ失敗、


沢だったらちょうど水の温度も上がりいいのでしょうね。
4日の三ノ峰は小屋に9時42分に着いてます。


「大丈夫。下山は18時かな。」
予定コースの大半を辿られている山日和さんの言葉にほっとする。


18時でも山日和さんとご一緒ですから心強いですね。



こころの琴線にそっと触れてくる風景に浸かっていると、目の前に黒い岩壁が立ち憚った。
かくっと左に曲がると、ゴルジュになり、今までの爽やかで穏やかな景色が一変し、厳かな空気に。
山日和さんが胸まで浸かり通り越したのを確認して後に続くが、不意に足が谷底から離れ、どきりとする。
泳げるから大丈夫と思っても、こんな時、人は溺れてしまうのだなぁ、と背筋が寒くなる。



透明に澄み切った水は思ったより深いですよね。
気を付けて 



ここから先は、サワグルミの立ち並ぶ生の輝きに満ちた森。
いくつかの小滝を越えていくうちに、滝の光景は夢だったのか、と思ってしまうぐらい、穏やかな世界に戻っていた。


三ノ峰の登山口の近くですが
サワグルミなのか栃の木なの見あける事が出きませんでしたが
いつか軟弱なゆる山のサワグルミの森に連れていって(^^)/


目印の赤い看板が見えた。金糞岳山頂。
きっぱりとした夏の陽射しを受け、青く光る奥美濃、近江の山やまをぐるりと見渡し、
じわっと感動が湧き上がる。
わたしは、今日、あらたな金糞岳に出会ったのだ。


沢での金糞岳登頂おめでとうございます。
雪の金糞岳しか知りませんが
藪ポイですか?


すぐ脇の木からガサッと音がした。何っ?大きなクマだった。
目が合った瞬間、クマはするりと木から駆け降り緑の中に消えていった。
びっくりしたが、クマの方がびっくりしていたのだろう。侵入者はわたしたちなのだから。


ひぇ~ ビックリですね。
生きた心地しませんね。


18時45分。峠に戻ってきた。
朝の鮮烈な光の中で、静かに微笑んでいらしたお地蔵さまは、夕刻の青灰色の空の下、同じように微笑まれ、
凛とそびえ立っていた蕎麦粒山は、変わらず凛々しいお姿だった。
わたしの暮らす近江の空は、やわらかなオレンジ色に染まっていた。
あたたかな涙で潤んだような風景の中に、ここから続いていく源流への旅の、光の筋のようなものを感じ、
泥だらけの沢靴を早く脱ぎたいのに、暫しの間、脱げないわたしがいた。


お疲れ様でした。


 
最後に編集したユーザー バーチャリ [ 2021年8月10日(火) 18:46 ], 累計 1 回
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【江美国境】 源流へ 金糞岳 八草川を辿る沢山旅

投稿記事 by sato »

バーチャリさま

こんにちは。
コメントありがとうございます!
今日から、北アルプステント泊を楽しむ予定でしたが、諸事情で取り止めに。
残念ですが、水曜日まで仕事します。

猛暑の夏の沢歩き。上半身が濡れても冷えなくなりました。
でも、頭から水を被ったり、泳いだりするのは、積極的ではありません(笑)。
そう、先日、近畿地方この夏の最高気温の日に里山に出かけたのですが、
時折からだを通り抜ける風の心地よさを味わいながら、楽しく歩くことが出来ました。
暑い暑い夏の里山を、のんびりゆっくりと歩くのもいいなぁ、と感じました。

ひとりの時は遅くても16時半下山です。
山日和さんとご一緒させていただく時は、夕方の穏やかな陽射しを浴びて煌めくブナの森を味わえます(笑)。
登山道ではないルートは、想定した時間通りにはなかなか歩けないですね。
八草川右俣は、山日和さんの記憶では、すいすいと下られたようですが、
いくつかの小滝を巻くのに時間がかかったり、私が膝痛で遅れたりと、予想時間を越えていました。

そうなのです。澄み切った水の深さをつかめません。
不意に足が浮くと、どきっとします。
中学校卒業まで水泳をしていたので、泳ぐのは大丈夫、と勝手に思っていると怖いですね。

八草川沢山旅は、八草川の水音を聞き、八草の集落跡に立った時から想い描いていました。
この夏に、訪れることが出来てうれしかったです。
無雪期の金糞岳も味わい深いですよ。
登山道はところどころ草が被ったりしていますが、しっかりしています。
山頂は切り開かれていて、くつろげます。夏は暑いですが。

この日、出会ったクマは、ばっちり目が合ってしまったのですが、
吠えることも、威嚇することもなく、するっと緑の中に消えていきました。
どきっとしましたが、恐怖感はなかったです。クマの眼があまりにもきょとんとまんまるでしたので。
でも、ひとりだったら生きた心地がしませんでした。
山日和さんは気が付かず、残念がっていました。

バーチャリさんの三ノ峰花山旅。ゆたかなお山の時間を感じました。
いつか、サワグルミとトチとブナの森のゆたかな時間をご一緒出来たらなぁと思います。

sato
返信する