【奥美濃】天地有情 憧憬の蕎麦粒山沢山旅

山行記、山の思い出、限定
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】 
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
返信する
sato
記事: 164
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

【奥美濃】天地有情 憧憬の蕎麦粒山沢山旅

投稿記事 by sato »

【日 付】  2021年7月17日(土)
【山 域】  奥美濃
【メンバー】 山日和さん sato
【天 候】  晴れ
【ルート】  坂内広瀬大谷川二俣少し手前~廃林道~みやま谷~蕎麦粒山~南西尾根
       ~P


「今日もよろしくおねがいします。」
お山の神様にご挨拶をして一歩を踏み出す。すんなりと二歩目も出る。
大丈夫だ。夢見ていた、見果てぬ夢かな、とも思っていた沢山旅。
胸の中で小さく灯り続けていた光が、ぱっと明るくなる。

谷間に鳴り響く水音を聞きながら、草ヤブの中に細い踏み跡が残るばかりとなった廃林道を進んでいく。
夜露を含み生き生きとした緑の葉っぱで覆われたかつての道。踏み跡を飾るのはキツネノボタン。
きれいな紫色のお花、白いお花も咲いている。伐採した木を運ぶための道だったのだろうか。
役割りを終え、草木やお花に飾られ、静かに山へと戻っていく途中のこの道はなんだかうれしそうだ。
そして、その道を歩いているわたしはなんだか楽しい。

ゆるりと東に曲がり水の音が近くなり、大谷川の清冽な流れが目に飛び込んだ時は胸が高鳴った。
枝谷から流れ落ちる小さな滝ひとつひとつも、凛としたうつくしさがあり見入ってしまう。
ヤグルマソウの群落、サワグルミの林にわぁっとよろこび、気が付くと、二俣を通り越していた。
ちゃんと地図を見ていなかったからだと反省するが、
灌木をかき分け、まだ着かないと、ふうふう言いながら歩くと思っていたのになぁ、と可笑しくなる。

P7170022_1_1.JPG

目に飛び込んできたのは、明るい自然林と柔らかな流れだった。
蕎麦粒山の東側をくるりと囲み大谷川へと流れるみやま谷。
憧憬のお山の、夢見た谷の、秘密の表情の始まりは、どこまでも穏やかで平和だった。
荒々しい岩肌の下、その先の向きを変えたところにはどんな風景が広がっているのだろう。
びっくりするくらい透明な水を眺め、この水が見てきた風景をうっとりと想う。

木漏れ陽が降り注ぐ煌めく谷の中をゆらりゆらりと遡っていくと、両岸に岩壁が迫り、きゅっと流れが細くなった。
かわいいミニチュアゴルジュ。淵は足が届くかどうか。左側をそろそろとへつる。流木に助けられ通過。
出来たぁ、と無邪気な子供のようにうれしくなる。この先、流れが活発に。次々と現れる小滝にこころが躍る。

P7170029_1.JPG

標高780mの二俣、核心部の手前で休憩。
左足に、心配していたのとは違う痛み、靴擦れができてしまいピリピリ痛みを覚えるが力は入る。
胸の中の灯も光り輝いている。うん、大丈夫だ。

連瀑帯に入っても自然林に囲まれた谷は明るく、流れ落ちる滝は力強さと優美さにあふれていた。
まんまるの淵にまっすぐに流れ落ちる滝、段状の岩盤の上をさらさらと流れる滝、
ある滝はひと筋に、ある滝はいく筋にも広がり・・・。標高差200m弱の間に架かる様々な表情の滝。
そのひとつひとつが蕎麦粒山の祈りのように思える。

DSC_2218_original_1.JPG
P7170071_1.JPG

大丈夫かなぁ、と、からだが迷った滝は巻き、大丈夫、と感じた滝は一歩ずつ登っていく。
今、ここ、目の前の風景をからだいっぱいで味わう。

ひと際大きな滝が現れた。傍らには守り神のようなサワグルミ。
最後の滝だ。真下に立つと、黒い岩盤の上を勢いよく滑り落ちてくるまっ白な水飛沫の中に吸い込まれていきそうだ。
左岸に上がり、少し流れから離れると、空気が変わった。
緑の木々と岩と水が織り成す絶妙の世界。まさに祈りの世界がわたしたちの前に展開していた。

P7170097_1.JPG

そのまま、流れを左に見て、蕎麦粒山の鼓動を感じながら、一歩を味わいながら、滝の上の世界へと近づいていく。

登り着くと、そこは静謐さを湛えた緑の楽園だった。苔むした岩の間の流れもやさしい。
流れがふわりと向きを変えていくところ。ここはブナとトチのゆたかな森だった。
幾重にも折り重なるブナの葉の間から、こぼれ落ちる光を受け、煌めくせせらぎを眺めながら、
まだ先は長いが、ほっこりとしたお昼のひと時を過ごす。
木立の奥からは、トチの巨木が静かにわたしたちを見つめていた。

P7170122_1.JPG

緩やかだった谷が傾斜を増してきた。食後でからだが重いが気持ちは弾んでいる。
この水の源は?どきどきしながら細くなっていく流れを遡っていく。
どこまで登ったのだろう。最初の一滴はゴロゴロ重なった石の間からじんわりとしみ出ていた。
見たかった蕎麦粒山から生まれたお水。
手を後ろに回し、少し下で汲んだ水の詰まったボトルをリュックの上からそっとなで、うん、うんと頷く。

水が切れるといよいよ谷は急こう配に。立ち止まる度に振り返り、凛々しいお姿の小蕎麦粒山に力をいただく。

最後は、やっぱりシャクナゲのヤブだった。
なかなか前に進めずため息をつきながらも、やっぱりシャクナゲでなければね、と楽しむ。
稜線に辿り着けば楽になるかな、と思ったが甘かった。微かに踏み跡が残っているものの枝が邪魔をして歩きにくい。
と、その時、さぁっと爽やかな風が背中を押してくれた。
からだに籠っていた熱がすっと引き、背筋が伸びる。山頂まであともう少し。そう、もう少ししかない。

P7170143_1.JPG

「到着。」と山日和さんの声。
ぽん、と飛び出したことにびっくりすると同時に「わぁ」と歓声を上げ、へなへなとなる。
もくもくと白い雲が湧き上がった青い空、幾重にも連なる深緑の山。その真ん中に、静かに、穏やかに佇む蕎麦粒山。
辿り着いたてっぺんは、平和な空気に満たされたまあるい世界だった。

15時20分。
沢装備を外し、ヒルを取り払い、でんと腰をおろしてから50分になろうとしていた。
もう、出発しなければならない。重い腰を上げ、散らかした荷物を片付ける。

ここからは広瀬の造園屋さんが数年をかけて整えてくださった登山道。
登りでは問題なかった膝の痛みをかばいながら、たったかと下っていく山日和さんを追いかける。
印象に残っているブナが見えた。・1075手前、昨冬、水の風景を思い描いた場所だ。
窪地は少し前までは水を湛えた池だったのだろう。草で覆われた窪地の中に浮かぶ、涙の形の湿地を見て確信する。

ここまで順調に歩けたが、この先ササヤブが濃くなり、道を失うところも。ヤブをかき分け進んでいく。
湧谷山との分岐1000mピークに着くと、左に明瞭な道が見えほっとする。
健やかなブナが立ち並ぶ気持ちのいい道。緑の葉っぱの向こうから、蕎麦粒山がじっと見つめている。
時間が気になり足早になってしまうのが残念だ。

大谷川に出た。あぁ着いた、と、ばちゃばちゃ渡り、急ぎ足で駐車地に向かう。
なんとか18時までに下れた。

「またヒルが付いている!」
夢見た沢山旅のフィナーレ。
川の流れを見つめながら輝く一日を振り返り、しみじみとした気持ちに包まれる予定が、ヒルか、と笑ってしまう。

車に積もうとリュックを持ち上げ、あっ、と気づく。憧憬の山旅は限りなく続いていくのだと。
明日、蕎麦粒山のお水で淹れたコーヒーを味わいながら、地図を眺め、わたしは何を想い描くのだろう。
早くもどきどきし始める。

sato
バーチャリ
記事: 399
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【奥美濃】天地有情 憧憬の蕎麦粒山沢山旅

投稿記事 by バーチャリ »

sato さん こんにちは
今日も暑いですね。
       

「今日もよろしくおねがいします。」
お山の神様にご挨拶をして一歩を踏み出す。すんなりと二歩目も出る。
大丈夫だ。夢見ていた、見果てぬ夢かな、とも思っていた沢山旅。
胸の中で小さく灯り続けていた光が、ぱっと明るくなる。


文章が上手ですね。 


谷間に鳴り響く水音を聞きながら、草ヤブの中に細い踏み跡が残るばかりとなった廃林道を進んでいく。
夜露を含み生き生きとした緑の葉っぱで覆われたかつての道。踏み跡を飾るのはキツネノボタン。


又知らない花の名が
調べてみますね。

よく見かける花がキツネノボタンのようです。


ヤグルマソウの群落、サワグルミの林にわぁっとよろこび、気が付くと、二俣を通り越していた。
ちゃんと地図を見ていなかったからだと反省するが、
灌木をかき分け、まだ着かないと、ふうふう言いながら歩くと思っていたのになぁ、と可笑しくなる。


山日和さん satoさんでも有るのですね。
なんかホットする自分がいます。 



憧憬のお山の、夢見た谷の、秘密の表情の始まりは、どこまでも穏やかで平和だった。
荒々しい岩肌の下、その先の向きを変えたところにはどんな風景が広がっているのだろう。
びっくりするくらい透明な水を眺め、この水が見てきた風景をうっとりと想う。



秘密の表情ですか
風景をうっとりですか いいですね 優しい沢なんでしょうか



標高780mの二俣、核心部の手前で休憩。
左足に、心配していたのとは違う痛み、靴擦れができてしまいピリピリ痛みを覚えるが力は入る。
胸の中の灯も光り輝いている。うん、大丈夫だ。


痛そう化膿しない様にして下さいね



連瀑帯に入っても自然林に囲まれた谷は明るく、流れ落ちる滝は力強さと優美さにあふれていた。
まんまるの淵にまっすぐに流れ落ちる滝、段状の岩盤の上をさらさらと流れる滝、
ある滝はひと筋に、ある滝はいく筋にも広がり・・・。標高差200m弱の間に架かる様々な表情の滝。
そのひとつひとつが蕎麦粒山の祈りのように思える。


優しい沢かなと想像してましたが中々厳しい沢ですね。


登り着くと、そこは静謐さを湛えた緑の楽園だった。苔むした岩の間の流れもやさしい。
流れがふわりと向きを変えていくところ。ここはブナとトチのゆたかな森だった。



ひっそりした苔のブナの森 いいじゃないですか。
レポを読んでいるとブナに会いたくなります。


緩やかだった谷が傾斜を増してきた。食後でからだが重いが気持ちは弾んでいる。
この水の源は?どきどきしながら細くなっていく流れを遡っていく。


山頂でランチは取らなかったのですか?

最後は、やっぱりシャクナゲのヤブだった。
なかなか前に進めずため息をつきながらも、やっぱりシャクナゲでなければね、と楽しむ。
稜線に辿り着けば楽になるかな、と思ったが甘かった。微かに踏み跡が残っているものの枝が邪魔をして歩きにくい。


蕎麦粒山はまだ未踏ですが
シャクナゲの頃は蛭が怖くて


「到着。」と山日和さんの声。
ぽん、と飛び出したことにびっくりすると同時に「わぁ」と歓声を上げ、へなへなとなる。
もくもくと白い雲が湧き上がった青い空、幾重にも連なる深緑の山。その真ん中に、静かに、穏やかに佇む蕎麦粒山。
辿り着いたてっぺんは、平和な空気に満たされたまあるい世界だった。


沢屋さんしか入山しないのですかね。

15時20分。
沢装備を外し、ヒルを取り払い、でんと腰をおろしてから50分になろうとしていた。
もう、出発しなければならない。重い腰を上げ、散らかした荷物を片付ける。


やっぱし蛭に取りつかれましたか?


登りでは問題なかった膝の痛みをかばいながら、たったかと下っていく山日和さんを追いかける。


もう 山日和さんちょと待っていてくださいよ 



ここまで順調に歩けたが、この先ササヤブが濃くなり、道を失うところも。ヤブをかき分け進んでいく。
湧谷山との分岐1000mピークに着くと、左に明瞭な道が見えほっとする。


又藪突入かと思ったら
登山道に出たのですねやれやれですね😥


大谷川に出た。あぁ着いた、と、ばちゃばちゃ渡り、急ぎ足で駐車地に向かう。
なんとか18時までに下れた。


18時ですか 長い行動ですね。

「またヒルが付いている!」
夢見た沢山旅のフィナーレ。
川の流れを見つめながら輝く一日を振り返り、しみじみとした気持ちに包まれる予定が、ヒルか、と笑ってしまう。


まさにヒルの楽園ですね。

お疲れ様でした。


 バーチャ
sato
記事: 164
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【奥美濃】天地有情 憧憬の蕎麦粒山沢山旅

投稿記事 by sato »

バーチャリさま

こんにちは。
今日も暑いですね。
あまりの暑さに、生温かい扇風機の風に当たりながら(我が家はエアコン無しです)お昼寝していました。

投稿後、早速のコメントありがとうございました。
お返事が遅れ申し訳ありません。

お山を歩いていると、林床に生い茂ったいろいろな形の葉っぱや小さなお花に見入ってしまいます。
キツネノボタンってかわいいですね。金平糖の様な実にうっとり。「キツネノボタン」という響きにもうっとり。
よく似たウマノアシガタは、かわいいのに何で足形?と思うのですが。

私も、山日和さんは進む尾根や谷を間違えることはないのだろうなぁ、と思っていましたが、
そうではなかったので、ホッとしました(笑)。

みやま谷は、荘厳な空気漂う谷を想像していましたが、力強さとやさしさ(易しいではなく優しい)を感じる谷でした。
蕎麦粒山の祈りを感じる谷でした。
厳しそうと、新しい方の沢靴を履いてきたのですが、靴下にしわが寄ってしまい靴擦れが出来てしまいました。気を付けなければ。
連瀑帯を越えた先のブナとトチの森は素晴らしかったです。
山日和さんは、みやま谷は4回目で、ここでお昼の時間を過ごすのがお気に入りとおっしゃっていました。

林道も谷もヒルの楽園でした(笑)。
山頂でヒルのチェックをしましたが、下山後もついていたということは、南西尾根にもいたのかもしれません。
南西尾根は登山道があります。途中ヤブが生い茂り道が消えていますが。
琵琶爺さんはホハレ峠から登られていましたね。

山日和さんは、ヤブやヤブっぽいところでも、わしわしと進んでいかれるので、見失わないよう追いかけるのに必死です(笑)。
歩き易い箇所を、ぱっ、と判断出来るのだなぁ、と感じます。

山日和さんとのお山は、お昼の休憩の長さはもちろん、一回一回の休憩も長いので(ゆっくりと煙草を吸われるからなのでしょうね)
17時以降の下山が多いのですが、沢登りは、私がすんなりと歩けない為、より行動時間が長くなってしまいます。
私の技量に合うお山やルートを考えてくださっているのですが、大抵予想よりかかってしまいます。

暑い暑い夏。バーチャリさんはどちらのお山をお考えでしょうか。
この連休もお花を愛でながらどこかのお山を楽しんでいらっしゃったのかなぁ、と。
また、素敵な山旅のお話しをお聞かせくださいませ。

sato
アバター
山日和
記事: 3093
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】天地有情 憧憬の蕎麦粒山沢山旅

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、こんばんは。お疲れでした。

谷間に鳴り響く水音を聞きながら、草ヤブの中に細い踏み跡が残るばかりとなった廃林道を進んでいく。

もっと荒れてるかと思ったけど、それほどでもなく助かりましたね。

ヤグルマソウの群落、サワグルミの林にわぁっとよろこび、気が付くと、二俣を通り越していた。
ちゃんと地図を見ていなかったからだと反省するが、
灌木をかき分け、まだ着かないと、ふうふう言いながら歩くと思っていたのになぁ、と可笑しくなる。


林道終点の広場?を意識して歩いてましたが、目の前の河原がやたら広くなったので気付きました。 :mrgreen:


P7170018_1.JPG

憧憬のお山の、夢見た谷の、秘密の表情の始まりは、どこまでも穏やかで平和だった。

出合からのみやま谷は、上流に滝を連続させているとは思えない穏やかな風情でしたね。

かわいいミニチュアゴルジュ。淵は足が届くかどうか。左側をそろそろとへつる。流木に助けられ通過。
出来たぁ、と無邪気な子供のようにうれしくなる。この先、流れが活発に。次々と現れる小滝にこころが躍る。


ここで早速のドボンをしてしまいました。 :oops:

連瀑帯に入っても自然林に囲まれた谷は明るく、流れ落ちる滝は力強さと優美さにあふれていた。
まんまるの淵にまっすぐに流れ落ちる滝、段状の岩盤の上をさらさらと流れる滝、
ある滝はひと筋に、ある滝はいく筋にも広がり・・・。標高差200m弱の間に架かる様々な表情の滝。
そのひとつひとつが蕎麦粒山の祈りのように思える。


核心部のナメ滝、斜瀑の連続はこの谷のハイライト。何度来ても見事な眺めです。


P7170077_1.JPG
P7170069_1.JPG

大丈夫かなぁ、と、からだが迷った滝は巻き、大丈夫、と感じた滝は一歩ずつ登っていく。
今、ここ、目の前の風景をからだいっぱいで味わう。


簡単に登れるのがまたいいね。 :D

ひと際大きな滝が現れた。傍らには守り神のようなサワグルミ。
最後の滝だ。真下に立つと、黒い岩盤の上を勢いよく滑り落ちてくるまっ白な水飛沫の中に吸い込まれていきそうだ。
左岸に上がり、少し流れから離れると、空気が変わった。
緑の木々と岩と水が織り成す絶妙の世界。まさに祈りの世界がわたしたちの前に展開していた。

この滝は私が一番好きなところ。大きさ、高さもさることながら、滝を取り巻く風景が心に染み入ります。手前のくの字の斜瀑の楽しいところだったんだけど、流倒木で埋もれてしまったのが残念です。


P7170107_1.JPG

そのまま、流れを左に見て、蕎麦粒山の鼓動を感じながら、一歩を味わいながら、滝の上の世界へと近づいていく。

いつもなら滝の左側を登って、途中で流れをまたぐんだけど、もうそんな気力もなくなりました。

登り着くと、そこは静謐さを湛えた緑の楽園だった。苔むした岩の間の流れもやさしい。
流れがふわりと向きを変えていくところ。ここはブナとトチのゆたかな森だった。
幾重にも折り重なるブナの葉の間から、こぼれ落ちる光を受け、煌めくせせらぎを眺めながら、
まだ先は長いが、ほっこりとしたお昼のひと時を過ごす。
木立の奥からは、トチの巨木が静かにわたしたちを見つめていた。


連続する滝群から一転して穏やかな源流の風景。実にいいところです。ランチはここに限りますね。
後がしんどいけど、ここを逃すと気持ち良く食べられるところがありません。


P7170120_1.JPG

どこまで登ったのだろう。最初の一滴はゴロゴロ重なった石の間からじんわりとしみ出ていた。
見たかった蕎麦粒山から生まれたお水。
手を後ろに回し、少し下で汲んだ水の詰まったボトルをリュックの上からそっとなで、うん、うんと頷く。


黒津川に続いて奥美濃の源流の一滴を味わえましたね。

水が切れるといよいよ谷は急こう配に。立ち止まる度に振り返り、凛々しいお姿の小蕎麦粒山に力をいただく。

ここは青息吐息でした。satoさんは余裕綽々でしたね。歳の差を感じるわ~。 :oops:

最後は、やっぱりシャクナゲのヤブだった。
なかなか前に進めずため息をつきながらも、やっぱりシャクナゲでなければね、と楽しむ。


あれが楽しいとは・・・・satoちゃん恐るべし。 :lol:

「到着。」と山日和さんの声。
ぽん、と飛び出したことにびっくりすると同時に「わぁ」と歓声を上げ、へなへなとなる。

ホントに「ぽん」と出る感じでした。

沢装備を外し、ヒルを取り払い、でんと腰をおろしてから50分になろうとしていた。
もう、出発しなければならない。重い腰を上げ、散らかした荷物を片付ける。


ちょっとのんびりし過ぎたけど、後は勝手知ったる道。そう思っていましたが・・・


P7170150_1.JPG

ここまで順調に歩けたが、この先ササヤブが濃くなり、道を失うところも。ヤブをかき分け進んでいく。

あんなにヤブが被っているとは思いませんでした。昔はなんの障害もなく歩けたのになあ。
ホハレ峠ジャンクションまでの細かいアップダウンにもバテバテになりました。

湧谷山との分岐1000mピークに着くと、左に明瞭な道が見えほっとする。
健やかなブナが立ち並ぶ気持ちのいい道。緑の葉っぱの向こうから、蕎麦粒山がじっと見つめている。
時間が気になり足早になってしまうのが残念だ。


しんどくて足早で歩けなかったんだけど・・・ :mrgreen:

「またヒルが付いている!」
夢見た沢山旅のフィナーレ。
川の流れを見つめながら輝く一日を振り返り、しみじみとした気持ちに包まれる予定が、ヒルか、と笑ってしまう。


黒津川に続いてヒルの処刑がフィナーレを飾りましたね。 :lol:

                山日和
sato
記事: 164
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【奥美濃】天地有情 憧憬の蕎麦粒山沢山旅

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんにちは。
今回も(毎回ですね(汗))、写真の添付ありがとうございます。
その時、その時の私の胸の鼓動が甦ります。

昨冬、蕎麦粒山の山旅記を投稿し、SHIGEKIさんがみやま谷のレポを紹介してくださり、
見果てぬ夢になってしまったなぁと思っていた憧れの谷に、希望の光を感じました。
行こうとおっしゃってくださった時はうれしかったです。大丈夫かなぁ、と気にもなりましたが。

谷までの荒廃した林道歩きの長さを覚悟していましたが、風景を楽しみながら歩いていましたので長さを感じませんでした。
50分くらいに感じましたが、1時間半近くかかっていたのですね。

みやま谷の始まりの情景は印象的でした。
「上流に滝を連続させているとは思えない」、穏やかでうつくしい世界を物語っていました。

どう越えたらいいのだろうという箇所では、山日和さんの足の運びを見て、こころを落ち着かせます。
このゴルジュの通過は、体重の差で私が有利でしたね(笑)。

次々と現れる小滝にわくわくどきどきしましたが、核心部のナメ滝、斜瀑の素晴らしさには目を見張りました。
「く」の字の斜瀑、どんなお姿だったのでしょう。登れる楽しい滝だったのですね。
最後の滝。
登られたラインを指差しながら教えていただいた時、以前だったら、という思いが頭をよぎりましたが、
左岸からの「滝を取り巻く風景」、蕎麦粒山の祈りの情景を目にして、ぱっと消え去りました。

そう、滝の上で一本の木を案内してくださいましたね。
打ちつけられた白いプレートに書かれた文字
「智者楽水 仁者楽山」
知恵もなく、徳もなく、ぐるぐるしてばかりの私ですが、山を想う時、山を歩いている時は、すっと前を向いている。
そのままのわたしが水を楽しみ、山を楽しんでいる、と感じ胸が熱くなりました。
うだうだしながら歩いている時もありますが・・・。

山日和さんお気に入りのランチ場は、こころ安らぐ場所でした。先が長いのがちょっと気になりましたが。
愛するお山の源流の一滴を味わう。しあわせを感じます。

急こう配の斜面、シャクナゲのヤブは、ふぅふぅ言いながら、
今、憧憬のお山の、一期一会の出会いを味わっているのだ、と、うれしく楽しい気持ちに包まれていました。

平和な山頂。ここからは登山道、とのんびりしすぎましたね。
いつまでも眺めていたくなる風景でした。

写真のヒノキ?どれほどの年月風雪に耐えてきたのでしょう。
枯れてもなお、しっかりと地面を掴んでいる姿は、こころに訴えてくるものを感じました。

窪地には30分で到着したので、17時半には下れると思っていました。
記憶はいじわるをしますね。いきなりヤブが濃くなり、道まで見失うとは。

ジャンクションからの下り。足早に感じましたけど。私も膝が痛くてしんどかったです。
痛みから解放されたい気持ちと、もう下っちゃうのだなぁ、というさみしさが入り混じっていました。

駐車地に着くと感慨に浸る間もなくヒル取り(笑)。
山日和さんにくっついていたヒルは、ヒルに見えないくらい丸々と太っていましたね。

道中、谷間から、水色の絵の具をべったりと塗ったような空、もくもくと湧き上がる白い雲を見上げ、
あぁ、きっぱりとした夏が来たのだ、と思いました。帰宅して、近畿地方の梅雨明けを確認しました。
2021年のきっぱりとした夏の到来の日に味わった憧憬のお山と夢見た谷。
ふかくふかくこころに響くものを感じた沢山旅でした。
ありがとうございます。

sato
返信する