山日和さま
こんばんは。
土曜日、各地のお山で雪が降ったようですね。
今日も寒い一日でした。でも、明日から週末まで、また暖かな日が続きそうです。
うつくしいブナの林が続く横山岳の北尾根を、雪の季節に、いつか末端から辿りたいなぁと思っていました。
・844周辺の緩やかな地形が気になっていました。
山日和さんからお話が上がった時は、うれしかったです。道跡を確認することが出来る無積雪期に登れる!と。
私が思い描いていたのは、標高830mから西に延びる広くて緩やかな尾根でしたが、この尾根の末端は奥川並川。
道路が左岸を通る、まさに北尾根の末端から登ることになりました。
小原の集落跡には石碑が出来ていましたね。
高時川源流にはかつて7つの村がありましたが、1996年にはすべての村が廃村となってしまったそうです。
半明、鷲見、田戸、小原は、ダム建設計画による立ち退き。でもダム建設は白紙に戻り、集落は消えてしまいました。
田戸は護岸工事で村の痕跡もありません。奥川並は田畑やお宮さんの跡が残っていますね。
『地図から消えた村』を見ると、こんな暮らしがあったのだなぁ、としみじみとした気持ちに包まれます。
取りつきは奥川並の集落跡に入り少し進んだ地点から。
尾根に登るとやはり仕事道の跡が残っていました。あがりこのブナの巨木は貫禄がありました。
どのくらいの年月、村人を見つめてきたのでしょう。しゃくなげ林は結構広かったですね。
背丈が低かったのでお花の時期に来ていたら、目の高さで咲き誇る花ばなに感激していたでしょうね。
そう、山日和さん、ナメコを見つけてくださりありがとうございます。
この日の晩、早速お味噌汁に入れていただきました。おいしかったです。
・844下の緩やかな台地に足を踏み入れると素敵な風景が出迎えてくれました。
思いもかけない風景に出会うと、驚きとよろこびに包まれますが、気になっていた地が素晴らしい風景だと、
やったぁ、という気持ちにもなります。そこに池があるとよりうれしくなります。
ヤブもなく、雪の無い時に訪れることが出来てよかったとしみじみ思いました。
標高930~40mの等高線が広がっている地点の風景(写真)も素晴らしかったです。
金居原に延びる東尾根の地形とふたつの池が大好きなのですが、
北尾根にもこんなにも素敵な池のある風景が展開していたのですね。
その上部の炭焼き窯の跡にも驚きでした。
猫ケ洞も標高1000mくらいに炭焼き窯跡がありましたが、稜線近い高さでも炭を焼いていたのですね。
△856.8の尾根と合流してから山頂までのブナ林は、そうですね、
東尾根よりも風格のある大きなブナが多いですね。
この季節に歩くのは初めてでしたが、去りゆく秋とやって来た冬が混ざり合う青空の下に立ち並ぶブナの木の、
凛としたうつくしさに目が吸い込まれていきそうになりました。
ここにも池がありました。
小原へと下る尾根はカエデも多く、赤や黄に彩られた木々が、午後4時前の黄味を帯びたやわらかな陽射しを受け、
艶やかに煌めいていました。この時間から、そう、「日の沈む前の一瞬の光芒」、秋のお山の味わい深き時間です。
巨木ですが、草川啓三さんとご一緒させていただいた時に出会った巨木は、
・624の尾根上にあったと勘違いをしていました。白いお花が咲いていたのは記憶に残っているのですが、
歩いた尾根の記憶は別の尾根にすり替わっていました。
葉っぱが落ちていて表情が異なっていましたので、木を見ても思い出せませんでした。
この尾根にも巨木があるのだと感激していました(汗)。
最近、物忘れが多く、自分の記憶に自信が持てません。そのうち登ったことのないお山を登ったとか、
ご一緒した人が別の人になっていたとか、勝手に話を作ってしまいそうでこわいです。
この尾根は小原の人たちが山仕事で歩いてきた尾根なのですね。しっかりとした踏み跡が物語っていました。
大好きなお山、横山岳のあらたな宝物に出会えたうれしい山旅でした。
ありがとうございます。
sato