【日付】2022年12月12日(月)
【山域】江若国境/百里ヶ岳
【ルート】上根来~根来坂~百里ヶ岳~木地山峠~上根来
【天候】晴れ
【メンバー】単独
【コースタイム】
上根来P8:35-鯖街道登山口9:00-林道出合9:45-登山道出合10:15-根来坂峠11:10-11:45百里新道分岐-12:20百里ヶ岳13:35-木地山峠14:30-林道出合15:35-15:55上根来P
12月に入って寒さが増してきたとはいえ冬枯れの低山には雪はまだだ。今のうちにどこか…、と考えていたら宿題を思い出した。夏前に車でルートなどを確認してきた江若国境の「おにゅう峠」越え。黄葉の秋にでも福井側の上根来から木地山峠~百里ヶ岳の周回ルートを、と考えていたのだが、すっかり忘れかけていた。
先月は「能登郷」への宿題をやっつけたばかり。同じようなエリアが続くが、「終活山行」は食べ逃がした珍味美味を一つづつ食いつぶして行くもんなんだろう。
百里ヶ岳は何度か登ったが、いずれも近江側からで、上根来からは未踏。左右どちら周りにするか迷ったが、右回りは距離も長く登り基調のようだ。おにゅう峠付近にマイチャリをデポして上根来までワープする手もあるが、初ルートにそんな“手抜き”は許されないだろう。上根来集落の絵図にあるように、まずはおにゅう峠への林道から入る左回りルートに決めた。
上根来への車道は心配した凍結や着雪も無く、予定より遅れ気味とはいえ8時過ぎに到着。静寂に包まれた朝の集落は人っ子どころかワンコ・ニャンコの1匹も姿を見せない。林道を少し進んだ右側のスペースに駐車。
林道とはいえ福井-京都を結ぶ県(府)道で、舗装道はおにゅう峠から京都府域の久多へ出て、さらに滋賀県域の梅ノ木からは安曇川沿いの国道367号となる。車で通れる「鯖街道」の有力ルートの一つだろう。
- 「鯖街道」分岐
駐車地から20分余り歩いたヘアピンカーブの右手に「鯖街道」の標示板がある古道分岐。ここから林道と別れ、植林の斜面に続く踏み跡を辿る。
植林のスギからミズナラなどの広葉樹に変わると、掘割の古道は落葉で埋まり、まるで新雪のラッセルを思わせる。埋没を避けて左右の路肩に逃げたりしながらの登高。
「ゴザ岩」の銘板がある巨岩の横を抜けるすぐ林道に出る。そのまま・708Pへ続く尾根にも取り付けそうだが、今日はおとなしく推奨ルートで参りましょう。
落石だらけの舗装林道を、若狭湾に続く北西方向の山並を眺めながら20分ほどトロトロ歩くと、左の斜面に標示があり再び古道に復帰した。
尾根に出たところが「池の地蔵」。地蔵尊の隣りに古井戸があり、銘板には「標高700mにある枯れることのない井戸」で「江戸時代、小浜の明庵禅師が鯖街道を行きかう人々のために掘った」とある。
- 中は真っ暗で水面が見えない
せっかくなので、有難い「みょうあん水」をひと口味わってみようと井戸の蓋を開けてみた。中は真っ暗で、とても水面まで見通せない。釣瓶が付いているわけでもなく、残念ながらこれでは水は汲めない。
緩い登り坂を進むとすぐ右に林道が出現。一瞬?戸惑ってしまうが、先ほど別れたおにゅう峠への林道が変則カーブしてニアミスしているのだ。
- 根来坂峠の祠
右下に林道を見ながら尾根を進み、・871ピークの手前をトラバースすると峠に出た。「根来坂峠」の標示板がある。ここから近江側へ南下すれば小入谷の二俣分岐に出て針畑川と合流する。それは夏の林道調査で通った道だ。また、・871Pを越えれば林道のおにゅう峠へ出る。それもスル―して、今回は登山路(ここからは県境の高島トレイルになる)を百里ヶ岳へ向かう。
左ヒザの古傷が心配な私には、このやさしい尾根道が嬉しい。ブナや左前方に望む百里ヶ岳を見上げながら気が付いたら小入谷から登ってきている「百里新道」との分岐。尾根の真ん中を北に向きを変えながら鞍部へ下り、最後のやや急斜面を登りきると山頂に出た。
- ランチ/冬バージョン
正午は回ってしまったが、想定内の時刻。あとは下り基調なのでゆっくりランチタイムが取れる。メニューは鍋焼きラーメン。寒い季節はやはりアツアツが美味しい。コンビニ弁当は止め、ガス調理器具持参の独り宴会にした。とはいってもインスタントラーメンをベースにキャベツ、もやし、ネギ、生卵、ベーコン(豚バラの代役)をトッピングしただけ。もちろん定番助演賞のアワワは欠かせない。
- 白山見えた!
スッキリ晴れた今日は山頂からの眺めもマズマズだ。北側の奥には雪の白山がクッキリハッキリ。ここは悩むまでも無くわかる。しかし山座オンチの私にはそれ以上の同定能力は無いので、せめて帰宅後にでも…と写真だけ撮っておく。(ほとんどがそのまま放置だけど)
おっと! ランチタイムもそろそろ終了だろう。時計は13時半、もう1時間を大きくオーバーしている。慌ててパッキングして下山にかかる。木地山峠への尾根は想像以上に長く続く。ほとんどが緩い下りなのでそんなに疲れることはないが、変化に乏しいのが難点だ、と言ったら贅沢だろうが…。
祠がある峠に出て一休み。山頂から50分ほど。まあこんなもんか。そのまま登り返せば桜谷山だが、今回は素直に左の上根来への道を下る。谷筋の水場を過ぎ、トラバース気味に尾根に出てすぐ、標示に従って右の谷筋へ下っていく。
- 荒れた谷筋
上根来の絵図看板にも高島トレイルの地図にも標示された“推奨ルート”のはずなのに、下るほどに荒れ具合がひどくなる。崩壊、倒木、崖のヘツリ、トラバース、渡渉に高巻きまで…。いい加減飽きたところで谷の右岸に延びて来ている林道に出た。ヤレヤレ助かった。地形図のco400m二俣辺り。
近年開かれた感じの広い林道を20分ほどで駐車地点にピンポイントで帰還。集落は朝と変わらず静寂を保っているが、1台の軽自動車が林道を下ってきた。おにゅう峠を越えてきたのだろうか。
忘れかけていた宿題をなんとかクリアでき、気持ち良く新年を迎えられそうな気になった。来年はどんな山に出会えるのだろう。
~びわ爺