【頸城山塊】紅葉、絶景の雨飾山と海谷高地焚火沢泊
【日 時】2022/10/20
【天 候】快晴
【コース】 雨飾山荘6:14-中ノ池9:05-山頂 11:03/12:23-雨飾山荘16:43
あれから4ヶ月余 そろそろそれなりの山と渓を歩いてみよう。
行きたかった東北はあきらめてもう少し近場?で念願だった732高地と未踏で名前のいい雨飾山に決定
見覚えのある糸魚川シーサイドスキー場を右に見て山道へと相棒を走らせる。
やがて眼前には圧倒的な岩壁の駒ヶ岳が迫ってくる。紅葉も今が盛りのようだ。
「予定変更で海谷山塊縦走」が頭をよぎったまま山荘に着いた。
雨飾山荘の温泉は格別だった。
冷え込んだ早朝6時に出発したツアー客を見送り、15分後にボチボチ歩き始める。
今回のテーマはこの「ボチボチ」だ。「いつもやがなぁ~」と自分で突っ込む。
いくつかのはしごもある急登の連続だが、山の空気が体に浸み渡り元気をくれる。
振り返ると左後方の鋸岳の紅葉も素晴らしい。
一旦、勾配が緩んで中ノ池 何と池の水が凍っていた。そして、この周辺、北面だからだろう恐ろしく底冷えする。
霜のついた落葉が美しい。
ここからの300mの急登は意外と簡単に登り切った。
展望の開けた笹原から最後の登りで山頂に立つ。
展望は欲しいままだ。
東には大きく 焼山、火打、金山・・・南方へと続く稜線は 堂津、奥西・・その上に
高妻、乙妻・・そして、西方には雪をかぶった北アの山々が雲の上に浮かんでいる。
中ノ池であれだけ寒かったのに山頂は、ポカポカ無風 昼寝ができる位だ。
アワ缶自粛したのが悔やまれる。
不肖Sにとっては、下りが核心である。杖をついてボチボチ、ヨタヨタと老体をこれ以上痛めないようにゆっくり歩く。
霜で凍り付いた地面はそのままだったが、色づいた樹々が陽射しを浴びて華やかに見送ってくれているように思えた。
【日 時】2022/10/21~22
【天 候】快晴~曇り
【コース】三峡パーク9:23-取水小屋12:20-テン場 12:45
テン場7:55-上流散策-三峡パーク14:44
https://www.youtube.com/channel/UCXWqXc ... ndzMvp1wGg 【動画有り】
頸城山塊の中でも海川上流を取り巻く山々を海谷山塊と言うらしい。
その山々の岩壁の間を急流となって流れるのが海川だ。
海川の急流を遡るとあるところでほぼ水平となる。
そう「うみがたいら」と呼ばれる所以である。
昔々この海川がせき止められて大きな湖ができこれを「うみ」と呼び、その後、崩壊して湖は広大な河原になったと言うことらしい。
「海谷高地」「732高地」ゆっくりと一夜を過ごしてみよう。
三峡パークで準備中、後から来た男性に声を掛けると
「登山道の草刈りに行く。海谷への道であまり歩く人はないんだけど・・」
とのこと。よく見ると長い鎌を持っておられる。
「これからその海谷へ行くんですよ」
と言うと
「それはやる気が出ますねぇ」
と喜んでくれた。
三峡パークの展望台から海川の対岸に千丈ヶ岳の大岩壁が迫っている。
トラバース道は歩く易く山毛欅の林を経て支流をアルミ橋で渡ると海川の渡渉地点だ。
水量は少なく岩を縫って濡れることもなく右岸へ ここからも明瞭な道が続く。
両岸の岩壁は高く圧倒的にそそり立っている。
しばらく歩くと早くも先の草刈りの男性が戻ってこられた。
電力会社の人だと思ってたが、話し込むと登山道整備のボランティアの方で歩く人の少ない海谷山塊の
登山道を何人かで分担して整備しているとのこと。確かな足取りで帰った行かれた。お疲れ様です。
取水口堰堤の上で川に降り立ち、テン場を捜しながら河原を歩く。
河畔林自体の紅葉はまだだが、取り囲む山々は絶頂の色づきだ。
ツェルトを設営して薪を集めたころ、上流から単独男性がやって来た。
またまた話し込むとこの方何と滋賀県からやって来たとのこと。
しかも、不肖Sが7年前に住んでいた近所の方だった。
三峡パークから駒ヶ岳、鬼ヶ面を歩いて鋸岳の手前から海川へ降りてきたと言うことだ。
「なかなか厳しい稜線歩きでしたでしょう?」
「ま、余呉トレイルみたいなものでした。」
とのお答えだった。
焚火と星空をアテにアワ缶と海川の水を焚火で湧かしたお湯で割ったヘネシーで至福の一夜を過ごさせて頂いた。
冷え込んだ朝は焚火が恋しい。渡渉を繰り返すのに、冷たい沢靴やスパッツを気持ちだけでもと暖めて上流を散策する。
地面を覆う白い粒は雪の結晶のようだ。が、水面にも浮かんでいるし、なにかモワモワしている。
見上げるとオレンジに色づく樹のなかにひときわ目立つ真っ白な樹がある。
よく見るとその樹から白い妖精がふわふわと舞ってるではないか。
高桑氏は、この地を
あの世とこの世の交錯の地だ。しんと静まりかえった河原に水音だけが響くうみがたいらには妖しい気配がある。
と記している。
不肖Sにはそこまでの気配は感じられないが、この地に身を置き一夜を過ごせたことに感謝しながらゆっくり帰路の歩を進めた。
では また どこか 星明かりの河畔で
SHIGEKI