【 日 付 】2020年6月27日(土)
【 山 域 】 鈴鹿
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】コグルミ谷右岸尾根>カタクリ峠>御池岳>鈴北岳>タテ谷>コグルミ谷登山口
6月27日(月)天気が良さそうなので御池岳に登ってみました。例年、梅雨に入ってからは低山に登ることは少ないのですが、気温はさほど上がらないし地面も乾いて山ビルの心配も少ないと踏んだわけです。
R306で犬帰橋の手前に車を止めて歩いていくと擁壁が切れたところが犬帰谷左岸尾根の取り付きです。
バリコースですが、よく使われる尾根なので薄い踏み跡が付いています。
尾根を登っていくとコグルミ谷右岸尾根に合流します。鬱陶しいアセビが無くなると落葉樹だけのすっきりした森になります。
尾根が平坦になった辺りで右へ少し下ったところがカタクリ峠でコグルミ谷道に合流します。
バイケイソウが大きめの花を付けていました。周りをみるとどの株も一斉に花を付けています。この調子だと8合目から先の群生地はすごいことになっていそうです。
バイケイソウ以外の花はあまり見られませんが、コナスビが星形の可愛い花を付けています。
8合目で真ノ谷に降りると苔が生き生きとして自己主張していました。
バイケイソウの群落は思った通りの大開花を迎えていました。
コバイケソウと同じように数年に一度大開花するらしいのですが、夏の御池岳には登ったことがないので、こういうのは見たことがありません。
バイケイソウの花は大きくてコバイケソウより立派ですが、色が緑白色で目立ちにくくコバイケソウの群落に比べると地味な感じで写真写りはイマイチです。
しかし、これだけ派手に咲いていると肉眼では迫力があります。
8合目から山頂まで大群落が埋め尽くす光景は圧巻です。
山頂に着くと薄くガスがかかってイマイチの天気だったのでテーブル散歩は止めて鈴北岳へ向かいました。
鈴北へ向かうルートは平坦な草原を抜けていきます。
途中の真ノ池にはアオガエルの卵が木の枝に沢山ついていました。
この辺りは日本庭園と言われ御池のテーブルランドより気持ちいいくらいです。
山頂の手前にあるのが元池です。周りの土が流れ込んで少し濁っていました。こちらもアオガエルの卵が提灯のようにぶら下がっています。
御池と同じカルスト台地なので石灰岩が侵食されてできたドリーネと言われる陥穽が見られます。
石灰岩の露頭が連なるカレンフェルト地形はあまりはっきりしません。
平坦な鈴北山頂(1182m)から西に見えるのが鈴ヶ岳です。
ここから見る御池岳は丸山の別名がピッタリする眺めです。
鞍掛峠への下り始めにある標識にタケ谷の表示があったのですが、直交する側は故意に外されたようでボルトだけが残っていました。廃道ということでしょうか。
下の谷に降りると桑部自然教室の標識が残っていましたが、30年以上前のものです。
Ⅴ字谷の底を歩いていきます。
谷底は徐々に広くなってきますが、流れはありません。カルスト台地の下は雨水に侵食された石灰岩がスポンジのようになっていて雨を吸い取ってしまいます。
谷がガレ谷になって傾斜を増す辺り赤テープとケルンが積まれていて、その少し下の右岸にも赤テープが巻かれていますが、変色していて見逃してしまいそうです。
テープのところから谷を離れて植林と自然林の間をトラバースしていきます。
そしてズルズル急斜面を下って行きます。踏み跡は薄く変色したテープだけが頼りです。廃道と言うのが適当でしょう。
かなり下ったところで右の尾根を乗り越すように巻いていきます。そこから、また急斜面を下るとコグルミ谷に出会います。
13時15分、コグルミ谷登山口に降り立ちました。
あまり期待してなかった夏の御池岳ですが、バイケイソウの大開花に巡り合えて思わぬ儲けものでした。先に書いたように花の色あいが地味なので肉眼で鑑賞することをお勧めします。来年も開花するかどうかは保証の限りではありませんが。