【 日 付 】2023年5月18日(木)
【 山 域 】 鈴鹿
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】武平峠P>稲が谷登山口>松山谷>西鎌尾根>鎌ヶ岳>駐車地
5月11日に釈迦ヶ岳のシロヤシオを見納めたら鈴鹿の花巡りも終わりだ。翌週は気温が上がって夏日が増えてきた。今年も沢の季節か。先ずは練習に行ってみよう。
沢始めは入道の池ヶ谷か宮指路岳のヤケギ谷へ行くのが定番だったけど趣向を変えて鎌ヶ岳の松山谷に行ってみた。この谷は沢登を初めた頃に一度行ったきりで長らく行ってないが、沢ナビの遡行図が手元にあるし何とか行けるだろう。
5月18日(木)朝9時7分武平峠Pを出発した。下山を考えると三重県側に降りるほうが楽なので武平トンネルを歩いて抜けスカイラインを下って行った。スカイラインはヘアピンカーブの連続なのでショートカットできるところはカットして下った。前に行ったときは稲が谷の手前に手書き標識があったように思うがそのようなものは無く稲ヶ谷の登山口まで下ってしまった。ここから沢に降りてもいいのだが、国道を戻った方が楽そうなので少し戻ると峠から3.6㎞標識の鉄柱に青と緑のテープが巻いてあった。そこが沢の下降点のようなので国道の斜面を降りていくとコンクリ擁壁の上に出た。擁壁を右へ歩いていくと下に下りられた。昔の記憶がよみがえり、確かにここを下りたと思った。
河原に降りて沢靴に履き替えるなど身支度をして入渓。沢の冷たい水が靴に浸み入るが、この程度なら気持ちよく行けそうだ。
二つの堰堤の間で入渓したから堰堤を右岸から高巻いた。高巻いてすぐの二股が松山谷出合である。出合はゴーロにちょろちょろ水が流れているだけで、とてもそれらしく思えなかったのでニゴリ谷を真っすぐ進んでしまったことがあった。昔のことでも今回はその手は食わない。
ゴーロを進んでいくといきなりゴルジュと25m三段滝が現れた。
下段は何とか登れたが、二段目はどうだろう。細い流れなので跨いでそのまま上に出ようとしたが、ホールドが細かくて自信がない。最後は左の岩壁を登ったが、そこも微妙な登りだった。沢を始めた頃の自分がどうやって登ったのか不思議だ。
三段目も半分ほど登って流心に足がかりを探すがよく磨かれていて足がかからない。使い込んだ沢靴はフェルトソールがすり減ってそろそろ寿命だが、いまさら文句を言ったも遅い。ここも左の岩壁を慎重に登って上に出た。
いきなりの関門をこなすと後はナメや小滝があるだけだ。
そしてゴーロが続く。水量は少ないし見どころも少ない。沢始めだからそれを期待して来たんだろうが。
などと言っていると10m滝が現れた。中段までは右から簡単に登れるが、その先はどうだろう。中段からも右岩壁にホールドが繋がっていた。ただ滝の飛沫がかかるところは冬場に凍結破壊を繰り返しているようで脆く剥がれやすい。ホールドを一つひとつしっかり確かめながら滝上に出た。
続く10m斜滝はバランスよく奇麗な滝だ。上の方はツルツルスラブで難しそうなので右から小巻に上に出た。遡行のお楽しみはこれでほぼ終わり。
後はほとんどゴーロだ。
左から落ちているのが最後の6m滝かな。昔来た時はここを真っすぐ進んでしまったようだ。
6m滝を登って谷を詰めていくと尾根のスカイライトが見えてきた。前に来た時はザレの急斜面に出て尾根に取り付くのも大変だったが、今回はすんなりと尾根に出られた。
尾根に出てみると北の方に鎌ヶ岳のようなものが見える。西鎌尾根に出たならそんなものは見えるはずがないのに間違えたのだろうか。合点がいかないまま尾根を東に進んだ。
足元にはイワカガミやハルリンドウが咲いて彩りを与えている。
シャクナゲも咲いていた。
そして最後の関門である蟻渡りに出た。前は細い低木にトラロープが渡してあったが、ほとんど効いていなかった。今回は長いロープが太い木に渡してあった。ただしロープは蟻渡しの部分に届くように緩く張ってあるので滑落すると少し流されてしまいそうだ。しかもボロボロの痩せ尾根は以前より崩壊が進んでいそうだ。ほんの僅かな距離だが,絶対に落ちたくはないので慎重に渡って大きく安堵した。

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山頂が近づくとシロヤシオが増えてきて沢旅の最後を飾ってくれた。
13時2分、登山者で賑わう鎌ヶ岳山頂に着いた。
遅めのランチを済ませて登山道で下山した。山頂付近はシロヤシオとシャクナゲが咲き乱れていた。前週の釈迦ヶ岳ではシャクナゲは殆ど見れなかったので花見の締めも出来た。沢始めも無事に済ませたし冷や冷や蟻渡りもあってバラエティ豊な山行となった。