【 日 付 】2023年3月31日(金)
【 山 域 】白山北方
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】センターロッジ5:35~松尾山9:10/16~白山展望台9:46/10:04~ガラ頭12:37/13:00~白山展望台14:47/15:07~松尾山15:21/16:25~センターロッジ17:08
黒沢山でスノーシューが
「ぶちっ」ときて、昨日は
「つるっ」とJAF騒ぎ。
で、今日はまさかの・・・
*** めざすは奥三方山 ***
温泉で暖まった身体で、再び臨戦体制。家族に「もう一泊してもOK」という許可を取りつけ、車をふたたびセンターロッジへと上げる。果たせなかった登頂を願いつつ、ささやかな小宴。一人鍋に舌鼓を打ち、夜空を見上げると、めくるめく天体ショーが始まった。
翌朝、初心者「メヌエット・コース」を上がる。ゲレンデ北端の林道から中級者「バリエーション・コース」へ。第2ペアリフト降り場のあるゲレンデトップに立ったが、早くも雪が緩み始めた。
三雄山から南の稜線を歩くと、林道型がつきまとった。こつ然と東屋が現れるから、夏場は散策路があるのだろう。
真正面に白山北方稜線が広がる。烏帽子山や口三方岳を背負いながら、ゆるやかな起伏をたどっていく。
*** まさかの『ぽきっ』 ***
悲劇は突然やって来た。トレッキング・ポールがいきなり
「ぽきっ」と折れた。モンベルのコンパクト・フォールディング式だ。実は「いきなり」ではなく、もともと折れたのを修理して使っていた。比良の山でつまづき、とっさにポールで体重を支えた時、グニャリ折れてしまったのだ。
それを何とか治して使っていたが、修理したジョイント部分ではなく、そのすぐ上で
「ぽきっ」ときた。北海道の分水嶺を歩ききった野村良太がポールを折った時の気持ちが、身にしみてわかった。これはショックを隠せない。
折れたのは、負荷のかかる部分で、明らかに金属疲労だった。こいつの素材は7001超々ジュラルミン。ポールの素材種別は、他にカーボンやアルミ合金、それらのハイブリッドがある。だが、UL(ウルトラ・ライト)と剛性を両立させるのは難題だと思う。
さて、どうしてくれよう。破断面を見る。山中で金属素材をいじるのは、至難の技だ。だが、雪の緩む時間帯にスムーズな行動を目指すには、何かとポールの助けが必要だった。
百均のプライアは今回の装備から外していた。手持ちの道具を総点検する。使えそうなのは、ビクトリノックスのマルチツールと、サブバイルくらいだった。
それらを使って何とかしてしまったのが、私の悪運の強いところだ。
にしても、スノーシューの悲劇もそうだったが、山道具はまめにメンテ&リニューアルしないと、こんな災難が・・・
すべては貧乏が悪いんだ~!!
*** ゴジラ印のガラ頭へ ***
気を取り直して続行。時間的にターゲットをガラ頭にすげ換えた。クマ棚におびえ、ツリーホールの芸術にうっとり。
まずは松尾山に立つ。白山展望台に移動して、待ちわびた展望に包まれる。大辻山・ショウガ山・四塚山・七倉山・大汝峰・剣ヶ峰・間名古の頭・・・そして、こちらも主役級の、大瓢箪・笈ヶ岳・大笠山・奥三方山・奈良岳・見越山・大門山・高三郎山・猿ヶ山・荒倉峰・中三方岳・口三方岳・烏帽子山・・・
あの奥三方山の手前、あそこに立ちはだかるゴジラ印の山が、今回のターゲットのガラ頭だ。
けれども、思いのほかルート上には「黒色」が目立っている。それ以上に心が折れるのは、せっかく上げた標高なのに、いきなりリセットさせられたことだ。
それでも、マンサクの花や、母艦のごとく私の警護してくれる大瓢箪山に励まされる。地形も複雑で、エネルギーロスに悩む。それでも、しぶとく歩いて、ガラ頭につながる雪の回廊に乗った。
ガラ頭の山頂は全周囲の展望。届かなかった奥三方山や大笠山がきらきらしてる。加えて、全貌を見せない奈良岳のミステリアスな存在感にうち震える。
これだから、山はやめられない。
ふ~さん