【 日 付 】2023年5月10,11日
【 山 域 】大峰山脈
【メンバー】tsubo
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】1日目 白谷池郷林道ゲート16:20ー17:32持経宿
2日目 持経宿5:24ー6:32証誠無漏岳6:39ー7:10涅槃岳ー7:59滝川辻8:11ー8:38般若岳ー9:04地蔵岳ー10:10天狗山10:38ー12:31滝川辻12:44ー14:00証誠無漏岳ー15:07持経宿15:23ー16:40白谷池郷林道ゲート
先月末は台高の山でシャクナゲが綺麗だった。
今週はもう少し標高が上がったところで見ごろかな?と思い、大峰南部の山に行くことにした。もしかしたらシロヤシオも咲いているかもしれない。
白谷池郷林道の様子がわからない。連休中は小屋を管理している新宮やまびこグループの方たちが行っているが、日曜の大雨で崩れているかもしれない。
落石があることを想定して四駆の軽トラで行くことにした。軽トラならパンクしてもスペアタイヤがある。
林道は舗装されているが落石が多かった。日曜の大雨のせいだろう。軽トラにして正解だ。
落石が多い所は時速20キロ以下でゆっくり通る。友人から落石を踏んでも20キロ以下ならパンクしないと教えてもらったのだ。
ゲートから先は林道はもっと荒れていたが、新宮やまびこグループの方たちはゲートの先も車で入れる。よく乗用車でここを通るなあと思う。
1日目はスニーカーで林道を1時間20分ほど歩いて終わり。
夕飯はちょっと豪華に。
何年ぶりかで山でコッヘルでご飯を炊いた。うちで研いで乾かしてきた自家製のお米だ。去年道の駅で炊いたらおいしく炊けたので自信はあった。
生野菜のサラダ、茹でてきた小さなソラマメも自家製。
買ってきたトンカツと去年使わなかったフリーズドライのカレーでカツカレー。うちの夕飯より豪華かも?(笑)
もちろん、ペットボトルに移し替えてきた日本酒も!
同宿は昨夜は前鬼の宿坊に泊まって登ってきたという大阪の二人連れの男性。私より少し年上かな。
リーダーの男性は疲れて体調が悪くなり、白ご飯をおかゆにして食べて横になった。
もう一人の方は以前吉野から前鬼までは歩いたことがあるそうだ。だが、ブランクがあってまた最近登山を始めたとのこと。
食事つきの小屋泊りの経験はあるが、自炊の経験はないそうだ。アルファ米を食べるのは初めて。説明を読んでお湯は160ccとか言っている。
「まず、中にあるスプーンと乾燥剤を出すんです。」
「スプーンはあるけど、乾燥剤?あ、あった。」
「底を平にして、この線までお湯を入れてかき混ぜるんです。」
と、私はアルファ米の説明をした。
その方が持っていたフリーズドライのカレーが私のと同じだったのでびっくりした。
そのお二人は、前鬼から11時間かかったそうだ。コースタイムは7時間になっているから、かなりかかったようだ。
「やっぱり若い時よりだいぶ体力が落ちたなあ。」
明日は行仙宿から浦向まで下りて、下北山村の温泉に泊まるそうだ。
そろそろ寝る準備をしようと思った19時半頃単独の男性が着いた。この方は太尾登山口から釈迦ヶ岳に登ってきたそうだ。やはり11時間かかったとのこと。ここのコースタイムは8時間ほどだ。
途中で水が無くなったのでビバークすることもできず、ここまで来たそうだ。
「小屋の明かりが見えたときはほっとしましたよ。」
着くなり水を一気に飲んでから少し休んでいた。
太尾登山口まで車で来たので、明日は同じ道を戻るそうだ。
奥駈南部は小さなアップダウンが多く侮れない。
さて、私は明日コースタイム8時間20分の天狗山往復をして、林道を1時間以上かけて軽トラに戻る計画。時間次第では天狗山まで行かないで戻る予定。
果たして天狗山まで行けるかな?
2日目は4時に起きる。
5時ころ小屋の前で日の出を見ることができた。
小屋の隣の行者堂で般若心経を唱えて無事の登山を祈って出発。
いきなりの急登から始まる。
阿須迦利岳あたりで満開のシャクナゲやシロヤシオが出てきてうれしくなる。
証誠無漏岳の手前で二人組の欧米系の若い男性に会う。
ベルギー人とフランス人で、日本には数年前から住んでいるそうで、日本語が達者なので少し立ち話をした。熊野古道が大好きだそうだ。
大きなザックで、前夜は途中でテント泊したとのこと。元気よく歩いて行った。
滝川辻で朝食にする。
前夜の残りご飯に塩と梅干を混ぜて海苔で巻いたもの。
やはり炊いたご飯は翌日冷めてもおいしい。アルファ米とは比べ物にならない。
今度から余裕がある時はアルファ米でなく、お米を持ってこよう。
般若岳で般若心経を唱えようとして、腕に付けていたお数珠がないことに気づく。どこで落としたのだろうか。多分滝川辻で休んだときだろう。
どうしようかと思ったが、また引き返すからその時探すことにした。
その後、山頂に着くたびに般若心経を唱えて無事にお数珠が出てくることを祈る。
数人の奥駈をしている人に出会った。もし、お数珠が落ちていたら山名板にかけておいてくださいとお願いした。
でも、もし出てこなかったら、きっとお数珠は皆さんの安全を祈るためにそこに落ちたのだろうと思うことにすると、気が楽になった。
晴れた新緑の奥駈道は美しかった。
たまにシロヤシオやヤマツツジが彩を添えてくれる。
足元には小さなワチガイソウが数輪咲いていた。
足元の小さな花が多い鈴鹿の山だったら印象は薄かったかもしれないが、足元の花が少ない大峰の山で出会うと感動する。
連休は大勢の奥駈をする人が通っただろうが、もう人に会わないと思った。だが、同宿の方を入れて10人くらいの人に出会った。
晴れが多い5月、奥駈をするには最適の季節だろう。
吉野から歩いてきたという人の中には、まだまだ元気!という人もいるが、すでに疲れた足取りの人もいる。
単独の女性は弥山から歩いて来て本宮まで歩くと言っていた。
途中の山上ヶ岳は未だに女人禁制だから、女性の多くは弥山からの縦走になるようだ。
無事天狗山に着いた。休憩時間を入れて5時間。計画通りでほっとする。
釈迦ヶ岳が正面に大きく見える。あ~~~、あそこまで行きたいな。
だが、帰らなくては。30分ほど休んで戻ることにする。
滝川辻に戻る。あたりを見回す。
この辺りで休んだ。こっちにも行った。
あっ!あった!!お数珠が落ちていた。
ほっとする。
しばらくすると、道から少し外れたところに二つに割れているように見える木があった。
近づくと、中は空洞になっている。
中に入ってみる。
上のほうでは少しだけ繋がっているが、ほとんど空洞だ。だが、枝が伸びて葉がついている。
なんともたくましい木だなあと思った。
多分檜だろう。
今回、シャクナゲ、シロヤシオがいいなあと思っていたが、最後に見たこの檜に圧倒された。
この木に出会えたことが、今日の一番。
そんな気持ちになった。
持経宿に戻る。休憩を入れて10時間。予想通りだった。
地下足袋からスニーカーに履き替える。
ゲートの先では軽トラが待ってくれていた。