【 日 付 】2023年5月2日
【 山 域 】 台高山脈
【メンバー】seiichi、tsubo、k子
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】八知山林道登山口8:27ー9:15口迷岳ー10:18迷岳10:26-11:40大熊の頭11:49ー12:171187mあたり13:05ー13:58迷岳14:07ー14:56口迷岳15:03ー16:12八知山林道
車が広い空き地で止まった。seiichiさんが車のから折り畳みの椅子を出す。
奥様のK子さんが座る。seiichiさんがしゃがんでk子さんの靴ひもを結ぶ。
えっ!?まるで女王様と下僕みたい・・・
seiichi さんご夫婦とは局ヶ頂に行ったときに出会って少しおしゃべりをした。その後このやぶこぎで再会した。これも何かのご縁、今度一緒に山に行きましょうとメールをくれた。
お互い都合のいいこの日、最初はこの前行けなかった大杉国見山に行こうと思ったが、林道の工事は7月末までやっていて歩いても通れないことがはっきりした。
そこで迷岳に行くことにしたのだ。
私はスメールからと、大熊の頭から白倉山、迷岳を往復したことはあるが、八知山林道から登ったことはなかった。古ヶ丸山に登った時、そのなだらかな稜線を見て歩きたいと思っていた。
奥伊勢大台の道の駅で待ち合わせ。seiichiさんの車で八知山林道の空き地まで行く。
途中で林道の入り口はどこだったっけなと言うseiichiさんに、k子さんが「確かトンネルのところから入るって書いてあったわよ。さっきトンネル過ぎたから来すぎたんじゃないの?」と言う。
戻って道を探す。seiichiさんが車を降りて地元に人に尋ねる。
「もっと先のトンネルの手前からだよ。トンネルはたくさんあるんだから。」
k子さんが首をすくめる。
さて、k子さんの靴ひもを結ぶseiichiさん。実はk子さんは腰が悪いのだ。かがんで靴ひもをきつく結ぶのが大変らしい。それでも1年くらい前から山歩きを始めたとのこと。
60代半ばで腰痛があるのに山を始めたというk子さん。スポーツでもやっていたのかと思ったら、パッチワークが好きだというインドア派。
でも、行きだしたら山の魅力にとりつかれたらしい。
「どこか行きたい山はありますか?」
「山芍薬が見てみたい。」
「霊仙山にたくさん咲いていましたよ。」
k子さんはガーデニングもしていて花が好きな方だ。
しばらく林道を歩くと登山口に着いた。
稜線までは急な登りだが、後は楽だ。
稜線からはこの前登った古ヶ丸山がよく見える。
迷岳までは小さなアップダウンはあるが緩やかでルンルン気分になる道だ。
アケボノツツジやミツバツツジが少し咲いているが、全体に花は少ない。だが、新緑が美しい。
そして時々展望が開けた場所に出る。なんとも気持ちがいい道だ。
ところどころバイケイソウの群落が出てくる。
「花が咲いたら臭いですよ。」
「僕はバイケイソウの花はまだ見たことがないな。」
「7月に八経ヶ岳にオオヤマレンゲを見に行ったらちょうど咲いていると思いますよ。」
本当にたくさんのバイケイソウ、全部花が咲いたらすごい臭いが立ち込めるだろうな。
迷岳には10時20分に着く。
「まだ時間があるから少し先まで行きましょう。」
k子さんも元気だ。
見晴らしがいい場所では、左に古ヶ丸山や仙千代ヶ峰などの山、その向こうにはかすかに海が見える。
右は三峰山から局ヶ岳に続く稜線が見える。
スメールからの道では見られない景色だ。
途中に柚子の木平のプレートがかかっていた。
「僕が付けなんですよ。」seiichiさんが嬉しそうに言う。「以前あったのが、無くなっていたんです。」
大熊の頭の下まで来た。あと一登りだが、k子さんは疲れたのか、「ここで待っているから行って来て。」と言う。
「熊に襲われないようにね。」と言って二人で登った。
以前あった「大熊の頭」のプレートがない。
「また流木を拾って作って来ないとな。」なんとなくseiichiさんは嬉しそうだ。
戻って、風がないところを探して稜線の少し下でお昼にする。
seiichiさんがお湯を沸かしてコーヒーを淹れてくれた。ゆっくり1時間近く休んだ。
一人だとこんなにゆっくりはしない。
迷岳に戻る。
もう登りはほとんどない。
また気持ちのいい稜線を戻る。
ふと下を見ると・・・
「おや!?あの白い丸っこいのはもしかして・・・」私の声にseiichiさんも足を止めた。
3人で下をじっと見る。
seiichi さんが急な斜面を下る。私も後に続く。
「やっぱり山芍薬よ!!」
k子さんもこわごわ降りてくる。
バイケイソウの群落の中に一かたまりだけ山芍薬の花があったのだ。
「すごい!よく見つけましたね!!」
「たまたま見たらあったんですよ。」
山芍薬が見たいと言っていたk子さんは嬉しそうだ。
「他には咲いていないのに、ここにだけ咲いているなんてね。」
「頑張ったご褒美ですね。」
稜線への急な登り、k子さんはseiichiさんに手を引かれて登る。こういう急斜面は地下足袋が強い。私は誰にも手を引かれることなく登って行った。
車に戻る。
k子さんはまた椅子に座って、靴ひもをほどいてもらう。
考えたらご夫婦と私の3人での山登りって今まであっただろうか?記憶にない。
同じ3人でもこういう組み合わせは新鮮だった。
20センチ以上背が高くて当然足も長いseiichiさんは少し先を歩く。
そしてk子さん、私の順で歩いた。
同年代のk子さんとおしゃべりしながら歩くのは楽しかった。
なんとなく会話の端々で夫婦の関係がわかるような・・・
seiichiさんご夫婦はとても仲のいいご夫婦に見えましたよ。
ありがとうございました。
また、ご一緒させてくださいね。