【日付】2023年3月11日(土)
【山域】比良/蛇谷ヶ峰
【ルート】畑~ヨコタ峠~ボボフダ峠~蛇谷ヶ峰(小椋栖山往復)~ボボフダ峠~広域林道~駐車地
【天候】晴れ
【メンバー】単独
【コースタイム】co400林道駐車地8:05-ヨコタ峠9:00-アラ谷峠9:40-ボボフダ峠10:00-滝谷の頭10:10-11:20蛇谷ヶ峰(ランチ、小椋栖山往復)13:45-ボボフダ峠15:00-co350林道16:10-16:30駐車地
先月末のスノー衆(野田ヶ大和)から早くも半月。拝命したレポとそのレスへの返信に追われているうちに山が遠のいてしまった。というのは言い訳で、じつは体力回復に時間が掛かっていただけ。いつまでもノタノタしていたら山の雪も融けて流れて消えてしまう。そろそろ足を運ばないと…。
東日本大震災から12年の「3月11日」、早春の天気は猫の目模様だが、どうやらこの日は大丈夫のようだ。「電力不足」を理由に老朽原発の稼働延長や新増設まで言われだしているが、とんでもない。「南海トラフ」地震など災害への意識を再確認する日として忘れてはいけない。
なんと最高気温が20℃を超えそうで、残雪の状態が心配になる。遠い飛騨や奥越はやめて、割り切って近場で春の山を楽しんでこよう。
と、足を向けたのは比良山系の北端、蛇谷ヶ峰。何度か登った山だが、今回は高島の畑集落からのルートで行ってみる。今でこそ朽木の「想い出の森」やスキー場からのルートがメインだが、ひと昔前は棚田で知られる畑からのルートが本命ルートだった。いつか行こうと思いながら、近いのがアダになって後回しになっていた。
- 横谷トンネル
畑集落の手前から横谷トンネルに通じる広域林道に入る。害獣避けの鉄柵が設けられているが、扉を開けて通過できる。雪はまったくないが、落石、倒木を避けながら舗装林道を走り、トンネル入り口までやってきた。地図を見ただけで初めて見るトンネル。この黒い穴を抜けると安曇川に沿うR367の村井へ下れる。
今日はドライブではないので引き返し、確認しておいた「ヨコタ峠」登山口へ。初めはアラ谷右岸のスギの植林の中。支尾根になると落葉に埋まる掘割の古道。倒木が邪魔してくれるが、残雪はまったくない。スノーシューを車に積んできたが、そのまま眠っていてもらうことにした。
その代わりでもないが、先日WM社でゲットしたヘルメットを帽子替わりに被る。首固定のせいで上方が見えにくいので安全のためのグッズである。
稜線近くになるとミズナラやツガ、マツなどが植林のスギと混交。傾斜も緩み、思ったより早くヨコタ峠へ到着した。左(南西)へ進めば地蔵峠から釣瓶岳、武奈ヶ岳への縦走路。蛇谷ヶ峰は右方向の広い尾根を進む。
ところで、この峠標識の表記は「ヨコタニ峠」。村井から畑へ横谷沿いを越える峠なので「ヨコタニ」が正式名なんだろう。ところが、古い昭文社マップ(1980年版)には「ヨコタ峠」となっている。そういえばこれから通過するボボフダ峠も20年前の地図には「須川峠」だ。畑側の谷名が須川なんだから、もっともなんだろう。最新のガイドマップはどうなっているんだろう? 古くから今も使われる「ボボフダ」の名前の由来もぜひ知りたいものである。
ヨコタ峠の標高は650mほどなので蛇谷ヶ峰への高低差は250mほど。距離は長そうだが、アップダウンも少なく、私にはピッタリの稜線散歩になるだろう。右手の樹木越しに高島の町並みや琵琶湖を見おろしながら疎林の中を歩く。「比良比叡トレイル」の黄テープが目立つ。そんなトレイルができてたんか? 比叡山から蓬莱山や武奈ヶ岳を越えて蛇谷ヶ峰まで縦走するには、とても1日では無理だろう。いい季節にテントかツエルトでも担いでやってみたい気もするが、この歳ではとても…(@_@;)
雪が融けて地肌を見せた稜線にはまったくヤブはない。モミ(ツガ?)の巨木が存在感を見せている。ボボフダ峠が近づくと左の谷筋(横谷源頭)からの水音が大きくなる。大滝でもあるんだろうか? 両岸を尾根に挟まれた谷一帯は、さすがに残雪で白いままだ。
ボボフダ峠からは左よりに朽木大野への古道があるが、標識にはわざわざ「難路」となっている。源頭から対岸の尾根へトラバースして植谷峠から大野へ下るこのルートは古い地図にも載っている。
じつは帰路に植谷峠の尾根からこの道でボボフダ峠へ回り込もうか? と考えていた。しかし、谷合に延びる古道には雪が残っている。この先もどうなっているか? そう思うと自信が無くなる。とにかく山頂に行ってから考えようと、滝谷ノ頭への尾根へ直進する。
二つのピークとも山名板などは無くトレイルテープがあるだけだ。この先、すぐ左側にも尾根が並行する二重山稜のような地形になる。日当たりのよい林床にはイワウチワ(イワカガミ?)の群落が広がる。つややかな葉が埃っぽいのが可哀想になる。
やがて地形図どおり90度左折して急斜面を登りきると、真北に向かい山頂への最後の登りが始まる。と言ってももう傾斜は緩み、見晴らしも良くなる。そのうち人声まで聞こえてきた。
- シンボル?のシロヘビさんも色褪せて
広い山頂にも残雪はほとんどなく、数人がお昼休憩中。残念なことに黄砂か春霞か、近くの三重獄や野坂岳すら霞んでいて、白山どころか琵琶湖周辺の山もはっきりしない。
- 釣瓶岳~武奈ヶ岳への縦走稜線
一番スッキリ見えるのは南側の比良方面。目の前に縦走尾根が延びるが、頂点が武奈ヶ岳か釣瓶岳なのか私には判別できない。ほとんど1直線に並ぶ位置関係なので、稜線の重なりがハッキリしないのだ。
- 小椋栖峰から蛇谷ヶ峰
昼食後、時間もあるので西隣りの小椋栖(オグラス)峰に行ってみよう。電波反射板のあるピークだ。少し下って登り返す。ところが脈拍の異常で力が出ない。昼休憩はたっぷり取ったのだが、アワワの毒がまだ消化できていないのだろう。小椋栖峰からは真南の尾根をくだって、ボボフダ峠に合流するつもりだったが、無理はできない。
小休止したあと、空身で反射板まで往復。このピークには初めてだが、反射板のアングルを額縁にして釣瓶岳を納める。この尾根を西へ下れば朽木大野への古道が通じている。いつかここも歩いてみたいものだ。
蛇谷ヶ峰に戻るともう13時半を回っている。ゆっくりし過ぎた感あり。下りは尾根を間違えやすいが、残雪のトレースを辿れば大丈夫だろう。と安易に考えていたら往路の90度左折のポイントを通り過ぎてしまった。しかし、尾根は緩斜面で歩きやすく、・702滝谷の頭の辺りで合流できそうだ。狙い通り問題なく雪に覆われた源頭に降り立ち、トラバース気味に・702近くの往路トレースと合流。あとは往路の様子を思い出しながら下りボボフダ峠へ。
さて、このままヨコタ峠への稜線を辿るか、ボボフダ峠登山口への古道を下るか…。ちょうど15時。しばし迷ったが、早めに林道に出たかったので登山口へ向かう。急斜面の植林帯に九十九折りの古道が延びる。30分もあれば…と思っていたが、そんなに甘くはない。谷筋が近づくと危険なヘツリもあって、高巻きでクリアすることも。なんとか林道の登山口に出て一息する。
ザックをデポして、20分ほど林道を登り返し、16:30分、駐車地点に帰還。
~びわ爺