【 日 付 】2023年3月6日(月曜日)
【 山 域 】台高山脈
【メンバー】tsubo
【 天 候 】快晴
【 ルート 】大又~赤ゾレ山~国見山~明神平~大又
皆様、こんばんは。
初めての投稿なのでドキドキしています。
お天気が間違いなく良いだろうこの日、どこの山に行こう。翌日は仕事があるから1日だけの山歩き。セツブンソウが咲き始めたという藤原岳の孫太尾根も行きたいと思ったが、鈴鹿に行くなら2日続けて登りたい。
散々迷って決めたのは台高山脈の赤ゾレ山。最近大又の駐車場から直接登るレコを見かけるようになった。
赤ゾレ山は去年の6月に登ったが、展望が素晴らしく、レンゲツツジが咲いていて気に入った山だ。同じ山でも季節が違うと全く違った山に思える。特に雪があるのとないのとでは大きく違う。今日の赤ゾレ山はどんな姿を見せてくれるだろうか。
うちから登山口までは4時間かかる。どこに行くのも遠い我が家からしたらさほど遠くない山だが、朝から出るには遠い。前夜車中泊した川上村の道の駅を5時半に出る。今日はもう路面凍結はないだろうと思うが、慎重に運転する。
大又の駐車場に6時半に着く。3台目だ。
準備をして、7時過ぎに出発。
この辺りは何度も来ているが、今日は初めてのコース。地図を見ても、最初は急登だ。
実際、かなりの急登から始まった。急登は好きだ。一歩一歩確実に高度を上げていく。だが、急な下りは苦手だ。ここは下りたくない。
人工林の中を登って行く。赤いテープがしっかりついていて迷うことはない。この道は元々登山道というよりは山仕事用の道だったのだろう。
やがて雪が出てくる。人工林から自然林に変わる。
1時間半ほどで稜線に着いた。
斜面の雪はまだら模様になっていた。このあたりはもう残雪期なのだ。
真っ白な雪山もいいが、まだら模様の残雪の山は好きだ。その姿は一日として同じではない。明日はもっと白い部分は減るだろう。この姿は私しか見られない。
落ち葉に薄っすら霜がついていてかわいい。
雪の上の落ち葉、そこだけが落ち葉の形にへこんでいる。
そんな造形は今だけのもの。
赤ゾレ山に着く。
薊岳の右に大峰の山が見える。大普賢岳、山上ヶ岳。まだそこそこ雪はあるようだ。
いつものように金剛山、葛城山が仲良く並んでいる。
景色を眺めながらサンマ寿司の朝食にする。
少し下ったところにある赤ゾレ池は氷が張っていた。ストックの先でつっついてみると硬かった。かといって、乗ってみようとは思わない。
国見山に向かって稜線を歩く。
数日前に少し雪が降ったようだ。その上のトレースは4,5人分だろうか。土日に歩いた人のだろう。
ウサギの足跡の横のまっさらな雪面に新しいトレースをつける。
登る人が少ないコースでのお楽しみ。
11時ころ国見山で休んでいると、大きな音がした。どうやらヘリの音のようだ。姿を探すがなかなか見つからない。
目を凝らしてみると、木の枝の間に小さなヘリの姿が見えた。ホバリングしている。
地図を見ると、和佐羅滝の上のほうのようだ。
しばらくするとヘリが飛んできて頭上を通った。身を乗り出して外を見ている人の姿が見えた。捜索しているようだ。明神平のほうに飛んで行ったが、すぐに戻って行った。明神平や桧塚奥峰方面ではないらしい。
11時ころの捜索、昨日入山して遭難したのだろうか。帰宅しないと家族から救助要請があったのだろうか。今朝から入山して本人から救助要請があったのだろかなどと考える。
家族からの救助要請なら登山ルート全体をくまなく捜索するだろうが、和佐羅滝あたりを集中的にヘリが飛んでいるということは、本人からの救助要請だろうか。
水無山近くで明神平から登って来た男性とすれ違う。今日初めて山で会う登山者だ。
ヘリの話をすると、登山口あたりに数台の消防車が止まっていて、「○○さんの知り合いですか?」と聞かれたそうだ。やはり遭難救助のヘリだった。
明神平に着くころにはヘリの音は止んでいた。無事救助されたのだろうか。
明神平には3人の登山者が休んでいたが、ヘリの音が消えてやっと静かになった。
私もゆっくりする気分になれた。
明神平の雪はけっこう消えていたが、前山方面はまだ白かった。
一休みしてから大又に下る。
登山道にはまだ雪が残っていて、滑りそうなところもあり緊張した。やっぱり遭難救助のヘリを見ると、いっそう気を付けないといけないと思う。
苦手な渡渉を終えると緊張感から解き放された。
後は林道を駐車場に戻るだけ。
駐車場には消防の車はなかった。
大又の集落に近づくと、和佐羅滝入り口に数台の消防車が止まっていた。やはりこのあたりで遭難したのだろうか。
今まで通り過ぎるだけだった七滝八壺の滝に立ち寄る。
さらに丹生川上神社にもお詣りする。
月曜で人も少なく、ヘリの音さえなければ静かな山歩きだった。
でも、このヘリに出会ったことは何かを意味するのだろう。
月曜でも藤原岳はそこそこの人が入っただろう。
赤ゾレ山を選んで良かったなと思う。
今日しか出会えない、私だけが出会えた残雪の山歩き。
後1週間もすれば、雪のない山になっているのだろう。