【日付】2023年2月5日(日)
【山域】鈴鹿
【天気】晴
【ルート】7:20藤原簡易駐車場~巡視路~白船峠~12:00テーブルランド~13:30奥ノ平~15:30冷川岳~15:40白船峠~巡視路~18:00藤原簡易駐車場
この日、テーブルランドで霧氷が見れるのは今年は最後のチャンスになるかもしれないと思った。
やはりテーブルランドに最短時間で立つには一番厳しいと言われる真の谷から直登しかないだろう。
気合を入れて登り切ればきっと御池の女神も微笑んでくれるのではないかと勝手な妄想に駆られていた。
問題は帰りである。テーブルランドを周回するには一時間は掛かるとして、ピストンで真の谷に降りて白船峠まで登り返すときっとバテて遅れるのではないか?と思い帰りはコグルミ右岸尾根から306号線を下りることも想定しなければならない。
しかしゲートから藤原簡易駐車場まで歩くとなると30分以上はかかるので、前日にゲートに折り畳み自転車をデポすることにした。
当日の朝、藤原簡易駐車場から出発した。巡視路入口は防護柵がしてあって、針金を外しドアを開けて中にはいる。
さあこれから長い旅が始まる。果たして、テーブルランドに立てるのだろうかと一抹の不安が過る。
登り始めは綴れ折れの細い登山道を所々飛び出た小岩に足を引っかけないよう注意して歩く。
昨年同様、数人の登山者に追い抜かれる。最初の鉄塔を越えてやや急な坂を登り切ったところで登山道を外れショートカットする。
横から尾根に乗って登山道に復帰すると先程追い抜かれた青年が後ろから追い付いて来て怪訝な顔をしていた。
そこから一登りで延べっとした子向井山を通過し、登坂を過ぎると2つ目の鉄塔に出た。そこからの展望は抜群であった。
木和田尾の白船峠分岐で登山者が居たので声を掛けるとここから藤原岳に向かうと言う。頭陀ヶ平への登りも急なので楽ではないなぁ~と思うが、
私がテーブルランドに向かいますと言うと「真の谷からの登りは大変ですね。」と心配して下さった。
白船峠へのトラバース道はほとんどの方がアイゼンを使って歩いているので、私のようにスノーシューを履いていると道がデコボコしていて却って
歩きにくいがかと言って脱ぐのも面倒である。
白船峠に向かう途中に痩せ尾根を越える所ががあるが最初にここに来た時は尾根の厳しいトラバースが嫌で痩せ尾根を直登したみたことがある。
しかし、尾根が段々せり上がって来て、木の根っこなどを掴みながら辛うじて登っていたが万事休すと思った頃にやっと尾根がなだらかになって
生き返った気持ちだった。
白船峠に上がる手前は少し急で我慢して登ると懐かしい峠に到着する。昔、石油王が作った趣のある標識はもう数年前になくなっていた。
ここからの下りも案外長い。テント泊装備の若いカップルが背中の重いザックを担いで登って来たので「ご苦労様」と声を掛けた。
きっと今朝は素晴らしい霧氷を拝めたのだろう。
真の谷に下りるとここから長い登りが始まるのだがもちろん上の様子は全く見えないので先が思いやられるが、テーブルランドに上がるぞという
決意と本当に上がれるのかという不安が入り混じった複雑な心境で登り始めた。
登り始めは少し急なので気合で登って行くが登ってみると雪の状態が良いのでトレースに乗ってどんどん登って行けた。
しかし、一時間くらい登って疲れでペースダウンすると下から声が聞こえるので振り返ると3人組に追い付かれた。
振り返ると白船峠と同じ高さまで登って来たのであと少しの辛抱だ。
もう後には引けないので行くしかないと自分に言い聞かせて一歩一歩足を上げた。
最後の急な登りを我慢して登って行くと何と霧氷が目に入って来た。この日は比較的気温が暖かいので霧氷は期待していなかったが、これこそ御池の女神のプレゼントなのだろう。
振り返ると白船峠をバックに霧氷がとても綺麗に見えた。
東のボタンブチ付近の霧氷も実に綺麗だった。
後から登って来たグループの中の若い女性が素敵な笑顔を見せてくれた。
ランチは最初に目に入ったドリーネの手前で素早く済ませた。暖かいのでゆっくりしたいところだが、下山の時間が心配なので致し方ない。
さあ青のドリーネに向かおう。最近綺麗なドリーネを見ていないので今日はどんな顔を見せてくれるのだろう。
トレースの無いところを気持ちよくスノーシューで進む。実に爽快である。
青のドリーネが近づいて来た。どうだろうどうだろうと思いながら近づくと「おおやったぜ!」と心の中で叫び久しぶりに見れた綺麗な青のドリーネに感激した。
次に幸助の池経由でボタンブチに向かう。幸助の池は雪に覆われて真っ白だった。
ボタンブチに着くと青空に真っ白な奥の平がとても綺麗だ。
ボタンブチ手前の霧氷はちょっと色あせて残念だった。
今日は御池岳に向かう気はないので奥の平に向かう。真っ白ななだらかな斜面を奥の平に向けて進むのはとても気持ちが良い。
さあここから下山は取りあえずいつものkasayaさん御用達尾根を下って、天ヶ平に早く着けば冷川岳経由で木和田尾を下りるも良し、そうでなければコグルミ右岸尾根を使って306号線を歩くも良いだろう。
kasayaさん御用達尾根はノートレースで気持ちが良いのだがどうしても左に寄ってしまう。途中で右に軌道修正して何とか真の谷のポイントに到着。
ここから天ヶ平に向かうのだが、ここでとんでもないことに気が付く。実はゲートにデポしておいた自転車のカギを車の中に置き忘れていたのだ。
306号に下りてしまうとそこから駐車地まで結構長い。
こうなれば冷川岳の尾根を辿るしかないので天ヶ平まで行かず途中の支尾根を登って、冷川岳に向かう。
この尾根を使うのは初めてだが意外になだらかで歩き易い。ネットで見ると最近の御池岳の主流のルートは木和田尾から真の谷を登って、帰りはこのコースを取ることが多いのも頷ける。
しかし、白船峠到着が思ったより遅くなったので、最後の30分はヘッデンを使わざるを得ず闇下になってしまいました。
宮指路