【日付】2023年2月5日(日)
【山域】湖北
【ルート】金居原~土蔵岳(途中)
【天候】曇り時々晴れ
【メンバー】単独
【コースタイム】八草トンネル西口7:10ー土倉林道分岐7:35ー・937P12:55~14:10-土倉林道分岐15:55-コゲツラ谷橋西詰16:40-16:55TN西口
さて、どのくらい歩けるかな? まったく自信はなかった。左ヒザは痛いし、不整脈もいつ暴れだすか…。体力は衰えることはあっても増すことはない。南伊勢のマッタリハイクからもう1ヶ月。グウタラ生活で足腰はいっそうナマッているだろう。
スノー衆のみなさんも新雪ラッセルに苦労されたようだが、先日の大雪から10日。少しは雪も締まっているだろう、と勝手な憶測。とにかく行ってみるしかないか…。
選んだのは金居原から土蔵岳へのルート。帰りは県境尾根の・816ピークから八草トンネル西口へ下ろう。つまり、登谷の両岸尾根を周回しようという算段だ。土倉林道分岐からの尾根は長いが比較的傾斜が緩く、時間をかければ辿りつけそうだ。しかし、獲らぬ狸の…という言葉もある通り、果たしてそんなにうまくいくのだろうか?
久し振りの山とあってか4時に目が覚める。寝過ごしてはいけないので起き上がり、ゆっくり準備。おかげで早めにスタートできた。
トンネル西口に6時半過ぎ。途中、予報を裏切って雨や小雪がチラついていたが、夜明けとともに空が晴れてきた。先着車が2台。ダラダラと支度していてスタートは7時を回ってしまう。やはり金居原集落につながる旧道は除雪無し。先行者と思われるスノーシューの跡がある。スタートからスノーシューを履き、同じルートなら助かるな…、と期待しながら土倉林道との分岐に向かって下っていく。
下山予定の登谷左岸尾根を見上げながらルートを探すが急斜面続きだ。登谷の橋を渡り右岸から分岐へ。シューの踏み跡は土倉鉱山跡へ続く林道へ進んでいる。仕方ない、ここからは一人旅だ。案内板の右側から尾根尻に。
- 土倉林道分岐の案内板
尾根と言っても例にもれず始めは急斜面だ。残雪の表面は中途半端に固く、時折ズボっと嵌り込む。堰堤のようなコンクリート製の建造物が現れた。鉱山施設の遺物だろうか? ほんの標高差40mほどなのに20分もかかっている。
- 鉱山施設の遺物
この上から傾斜はやや緩むが、植林のスギとナラなどが混生する尾根はダラダラと長い。co480m辺りで一休み。林道を下ってくるとき、遠回りしなくても、登谷の右岸への橋の辺りから支尾根を登ればここに出られるなあ…、と地図を見ながらルーファイしていたが、現地で下から見上げた限りは判断できなかった。
そろそろ琵琶湖や横山岳の眺望も開けてきそうだが、登り始めてからずっとガスで見晴らしは利かない。
雪面に小動物の足跡が続く。シカでもウサギでもなく、鳥さんかな?と思っていると、すぐ正体を現したのはsatoさんが大好きなリスだ。チョロチョロと辺りを動き回っていたと思うと、いきなりスギの幹を直登。あっという間の俊敏な木登りはボルダリングの選手も顔負けだ。2匹いるぞ。つがいなのか兄弟なのか?カメラを用意するがとても動きについていけない。雪の斜面や樹木をフィールドに縦横無尽に駆け巡る姿を羨望の目で見守るしかない。
リス見物のおかげで少し足の疲れが癒された。上空のガスも時折晴れて陽射しも差し込んできた。co600mくらいから尾根はいっそう緩やかになるが、GPSで確認しないと自分がどのあたりに居るのか分からなくなってしまう。
co850mくらいで台地のような平坦地に出る。前方のピークは土蔵岳? イヤそんなはずはない。あれが・937ピークだろう。
植生はナラとブナ中心に替わっている。誰も踏んでいない雪原。予定時刻はとっくに過ぎて正午も回ってしまった。あわよくば…と考えていた土蔵岳は諦めて・937Pまで行ってお昼にしよう。
登りきったところは雪を載せたスギが数本立つだけで、標示板どころかリボンの一つも見当たらない。周囲を一覧してから雪椅子を作ってランチタイム。南側の金糞岳はさすがに大きい。北側は樹木に隠れがちだが高丸の壁や烏帽子山などの山並が望める。ちょっと位置を変えると蕎麦粒山が鋭鋒を誇っている。これだけ拝めれば言うこと無しだ。1000m級の雪山はもう無理かな?と思っていたが、まだまだ諦めることはない。
- 金糞岳
- 蕎麦粒山
下りは県境尾根を南下…と考えていたが、ゆっくり過ぎのランチを終えるともう14時を回ってしまった。△780.4の「戸谷」にはぜひ立ち寄り、・816からの西尾根で登谷両岸の周回を達成したかったのだが、調子に乗ってはいけない。
往路を引き返しながら、その判断の妥当性を実感させられる。午後からの好天で雪がいっそう緩み、緩斜面だけに沈むシューを持ち上げるのがなんとも重過ぎる! 未踏の県境尾根に回り込んでいたらどうなっていただろう。
邪念を捨て、ひたすら足を運び、土倉林道分岐点に16時前。上から2時間かからなかったのでホッと一息。俺様もまだまだやれるやないか。
ところがこの後、アクシデントが待っていた。
当初プランでは登谷左岸尾根をトンネル西口の近くに下って来る。しかし、ここからだとあの長い旧道を引き返さないといけない。シューを履いたまま緩んだ雪道の登りをこなすのは勘弁願いたい。
ということで地図を確認すると、登谷川の左岸から高架国道303号へ出られそうだ。これなら西口までの距離も3分の1程度で、国道は除雪されているから歩きやすいだろう。これはありがたい!
国道の高架を潜りその先の分岐をUターンすればよい。雪に覆われた道らしい所を登って行くが、分岐の辺りが荒れている。倒木で塞がれ、対岸に渡る場所も見当たらない。踏み抜きに気を付けながら谷の右岸をヘツリ、最後はなんとか5mほど滑り降りて林道に着地。これ、積雪あっての芸当だな。
- コゲツラ谷崩壊地
国道との合流点は除雪してあり、やっとこさで無事帰還できた。土倉分岐から45分も経っている。ザックやスノーシューはデポしておき、国道を徒歩でTN西口に向かう。さすがに先行の2台の姿は無かった。
また宿題が残ってしまったが、残雪状態さえよければ登谷周回は可能だろう。問題は、それまで体力が残っているかどうかだけど。それにしても、自信になったのか、自力を再確認させられたのか? 答えを出すには出直しチャレンジしかないのか?
~びわ爺