- ブナの大木
【 日 付 】2022年10月26日(水)
【メンバー】単独
【 天 候 】快晴
【 ルート】御池橋 8:09 --- 伊勢尾 --- 10:00 アザミ谷源頭 --- 11:15 御池岳 --- 11:29 奥の平(昼食)12:00 --- 12:14 青のドリーネ近く 12:38 --- 丁字尾根 --- 13:38 P918 14:08 --- 14:51 御池橋
朝から雲一つない快晴である。君が畑集落を抜け,御池林道を御池橋に向かって走る。小又谷の駐車場には車が2台。秋の登山シーズンなので,平日ではあるが御池岳はそれなりに賑わっているのだろう。
9月中旬に腰を痛め,1ヶ月以上活動を自粛してきた。それ以前も標高差の少ない沢歩きでお茶を濁してきたので,ちゃんとした山登りができるような体力が残っているかどうか心もとない。それでも,紅葉のシーズンになると体がウズウズしてくるし,それに実りの秋のおすそ分けも少しはいただきたい。
考えたのは登りに伊勢尾を使い,丁字尾根を下山するコースだ。いずれも私の大好きな山域だし,ちょうど御池のテーブルランドを北端から南端まで歩くことができる。
御池橋近くの駐車場には一台の車もなかった。駐車場から眺める伊勢尾と御池岳の紅葉はいまいちのようだ。御池川を徒渉し,伊勢尾の末端に取り付く。御池川の水量は少なく,沢靴でなくても簡単に徒渉できそうだ。
取り付きの標高は約600m。ここから標高800mの小ピークまでは急登であるが,800mまで登ってしまえば気持ちのいい尾根道が続くのだ。久しぶりの急登なので,すぐに息が上がる。しばらくでP806に到着。なにも考えずにまっすぐ進んだらアザミ谷に向かって下りていた。すぐに気がついて元の道に復帰。ここは左折しないといけないのだった。
- 伊勢尾の紅葉
ここからは標高900mあたりまで緩やかに登っていく。ブナとナラを主体とした広葉樹林で気持ちがいい。標高が上がるにつれて紅葉もきれいになる。
標高950m,鈴が岳への急登が始まるあたりで右へ折れ,アザミ谷源頭に向かってトラバースしていく。以前歩いた時はやたらにテープが設置してあったが,今はほとんど除去されたようだ。体内コンパスを使ってトラバースしていくと,標高1000m
あたりでアザミ谷源頭に出た。快晴で見晴らしがいいので迷いようがない。すぐ先がヒルコバだ。
- 鈴が岳
ヒルコバから鈴北岳経由でもいいのだが,若干遠回りになるので,アザミ谷右俣の小谷沿いに直接テーブルランドに出ることにする。テーブルランドに向かって緩斜面を登っていると,背面に鈴が岳の円錐形のピークが見える。「あんな急斜面を登らなくてよかった。」初めて行ったときにあの斜面を下ったことがあるが,ぬかるんだ地面にスリップしてえらい苦労をしたことが記憶に残っている。左側の鈴北岳の頂上には平日にもかかわらず人の姿がちらほら見えている。さすが人気の御池エリアだ。
- 鈴北岳
人気の少ないテーブルランド西縁を歩いていく。それでも人とすれ違う。この辺りに多いオオイタヤメイゲツはすべて葉を落としたようだ。歩いていると二つの池に出会う。なんという名前の池なのか私にはわからないが,池の多さが御池の名前の由来なのだろう。無雪期のテーブルランドに来るのは久しぶりだが,やっぱりいい。kasayaさんが御池大好きで四季折々に御池を訪れていたようだが,kasayaさんの気持ちがわかるような気がする。
- 池
緩斜面を登って御池頂上の丸山へ。恵那山から御嶽,乗鞍岳,白山,さらには北アルプスまで見える。丸山には2,3分いただけで奥の平へ。ここは先の山々の展望台だ。鈴北岳から霊仙,伊吹山なども愛でながら昼食タイム。風は強くはないが,体が冷えてきたので風下に移動する。
- テーブルランドの草紅葉
東ボタンブチを南から眺める青のドリーネ近くに腰を下ろし,もう一度のんびりする。風が遮られて,ポカポカ暖かくていい気分だ。下に使う丁字尾根は数え切れないほど歩いている庭のようなところなので,ここまでくれば何の心配もない。Nさんがボタンブチから滑落して亡くなってからちょうど10年になる。あんなところから落ちれば助からないよなと思う。
- 東ボタンブチ
小春日和を満喫したところで,丁字尾根の下りにかかる。昔はバリハイルートだったらしいが,今では下り口に看板があり,登山道にロープが設置されて立派な一般道になっている。しかもこんな見晴らしのいい日にはコースの外しようがない。
テーブルランドの縁を下り終え,斜面が緩やかになるとブナ権現平。昔,ヤブメンがテントを張ったらしいが,確かに一度はテントを張ってみたくなるような気持ちのいい場所だ。P967の手前を小又谷に下りると簡単に水が得られるし。
P967までは約10mほどの急登を登り返す。登り返しはいいが,積雪期にここを下ろうと思うと小又谷まで切れ落ちているように見えて怖いところだ。アイゼン,ピッケルがあるとなんともないところだが。
P967からシャクナゲのヤセ尾根を通過するとP918までの緩やかな登りだ。ブナとナラの混交林で,丁字尾根ルートの中でも一番気持ちのいい場所だ。P918で一休み。急ぐ理由は何もない。
P918で右折し,御池橋を目指す。このルートもなんども歩いたことのあるお馴染みの場所だ。尾根末端近くでゴロ谷に下り,水量の少ない流れを徒渉するとすぐに駐車地だった。さあ,のんびりと温泉に入って帰ろうか。
今日は秋の恵みには恵まれなかったが,小春日和の1日を大好きな山域で過ごすことができた極上の1日だった。やっぱり山歩きはいい。