【山域】奥美濃
【日付】2022年10月15日(土)
【ルート】東杉原~花房山(東前の谷周回)
【天候】晴れ
【メンバー】単独(下り、同行者あり)
【コースタイム】登山口P6:40-△722.4(3等/明後)8:25~30-・1096(縦走路jct)11:20-△1198.5花房山12:10~13:25-右岸尾根ー登山口P16:00
「やる気はあるが、体がついてこん…」というCMフレーズがバスってからもう?10年にもなるが、「やる気」すら怪しくなってきた。夏くらいアルプスの稜線へ!と足を運んでみたが、疲弊した体力・脚力を自覚させられただけ。それでも、人様の山レポを拝読したりマップを覗いたりしていると、消えかけた残り火にも火が点くのか、いつのまにか山とルートを品定めしている。
そこで目にとまったのが奥美濃の花房山。徳山ダム手前の東杉原から無雪期のルートがあり何度か歩いたことがある。今年の紅葉はあてにならないようだが、晴天の稜線は気持ち良いだろう。
しかし、ピストンでは芸が無いし面白みに欠ける。かといって、小津権現から縦走するほどのパワーは無いし…。そこで、東前の谷を周回することにした。この左岸尾根は通ったことが無いのだが、ネット情報ではそんなにヤブは無いようだ。記憶にある右岸尾根は下りにして、知らない左岸尾根から取りつくことに。
- 藤橋城公園の近くからスタート
藤橋城のトイレを借りてから、下ってくる(予定の)右岸ルートの登山口に移動して駐車。さて、どこから取り付いたらいいのかな? と公園に沿う道を歩きながら様子を探る。なんの目印も見つからないが、予定の尾根尻らしい辺りから斜面に取り付く。始めの急登を越えると植林と自然林が混じった斜面になり下草も無く歩きやすい。
- 残るガスに差し込む朝の陽光
空模様がイマイチだ。今日は晴れ予報なのに山の上部のガスは一向に晴れない。朝露か雨でも降ったのか、ユズリハの葉は水滴で光る。そのせいかヒンヤリとした林間は汗もかかずに済む。
- 遠く能郷白山?
見晴らしの無い急登を登りきった台地が△722.4(明後)。取付きから1時間半ほど。今の自分には上出来のペースだ。地形図では眺望ありそうだが、樹木に邪魔されて見晴らしは無い。ここからは尾根上の平坦ルートになるので水一杯飲んでスタート。
- co950ピーク付近の巨ブナ
- ・1096jctから小津権現山と縦走稜線
co950ピークを越え、権現山からの縦走路とのjctピーク・1096には急登が続き、さすがに疲れた。縦走路は登山者も少ないのかアオスゲのような草がはびこり踏み跡は途切れ気味だ。それでも尾根芯を辿れば間違いなく山頂へ近付く。
古いロープや木の枝を掴んでラストの急登をこなすと、山頂に跳び出した。12時を少し回ったが、ますまずのテンポだろう。先客はカップ麺を食べている大垣の男性一人だけ。
男性と話しながら食事。軽量化のため調理器具を持たずコンビニ弁当で済ましている。それでもアワワは外せない。2年前から山を始めたという男性に歳を聞くと50代後半。職場仲間や単独で月3、4回、近くの山歩きを楽しんでおられる。中央アや北アも近いので遠征もあり。話を聞きながら、そのお元気さが羨ましく、垂涎の思いにとらわれる。
- 花房山山頂から徳山ダム方面
- タンポ~西台山
雲は多めながら周囲360度の眺望だ。登ってきた権現山からの尾根を振り返る。この縦走路は逆方向で2回歩いている。記録を見ると2度目は2年前だった。まだ最近なのに、こんなアップダウンの大きいルートをよく歩けたなあ! と自分が信じられない。
頭に雲をいただく能郷白山はやはり奥美濃の盟主だろう。隣りの若丸山~冠山~金草岳なども先端は雲の中で「私はどれでしょう?」とクイズでも出されているみたい。左へ目をやるともうひとつの盟主、蕎麦粒山。高丸かと思ったがその前にこの山が立ち塞がっている。
東面のタンポや西台山はすぐ目の前。ここにもいつか行ってみたいなあ。その奥に濃尾平野が広がる。南面の伊吹山はずっと雲に顔を隠したままだ。
気がつくと13時半近い。さすがにそろそろ下山にかかろう。男性と一緒に東杉原の登山口へ下る。
このルートは何度か歩いているので夕刻までにはたっぷり時間がある。…と、勝手な思い込みは事故のもと。記憶というものはいかにいい加減なものか! またも今回も思い知らされた。
いや、そんなたいそうに書くほどの難路ではないのだ。ただ自分の体力の衰えと、いいところしか覚えていない身勝手な記憶とのギャップが大きすぎるだけのこと。それにしても途中のヤセ尾根ってこんなに多かったっけ? 震える足元を慎重に確かめながら通過する。
「1/2」標示板を過ぎ緩斜面になってペースも上がり、16時ジャストに駐車地に降り立つ。やれやれ、久し振りに何事も無く軟着陸できた。
渇いた喉を潤したかったが、藤橋城の売店棟には自販機はなく、坂内道の駅までガマンの運転となった。
~びわ爺