【 日 付 】2022年7月13日(水)
【メンバー】K氏,N氏,シュークリーム
【 天 候 】晴れ
【 ルート】月出登山口 8:00 --- 8:49 8m滝 --- 10:40 八丁平 --- 11:00 三峰山山頂 --- 11:10 八丁平 12:52 --- 13:42 ゆりわれコース登山口 --- 14:01 駐車地
三峰山のワサビ谷は短いが,フリーで直登できる滝が連なっていて楽しませてくれる茗溪だ。調べてみると過去3回遡行しており,最後が2017年だった。しょっちゅう行っているような気がしていたが,5年間もご無沙汰していた。毎年行きたい谷である。
今回,シニア隊のお二人をワサビ谷に案内することにした。どうゆっくり登っても3時間程度で登ってしまう谷なので,上で焼肉パーティーでもしてのんびりしよう。月出登山口の駐車場に車を停め,登山道を少し上がって堰堤を越えたあたりから入渓する。昨日の雨で増水しているが,この谷は少し増水している方が楽しい。
しばらくゴーロを歩くと最初の連瀑帯にでる。10m以内の滝が連なっている。すべてフリーで直登可能なので,こんな楽しいことはない。3人ともボルダリングジムに通っていて,壁を登るのが大好きである。早速,テンションマックスである。これまでは私が先頭を行くことが多かったが,K氏に先に行ってもらい,私は後ろからのんびり行くことにする。
連瀑帯を過ぎて少し行くと核心の8m滝。この滝を登ることもあろうかとロープは準備してきたのだが,わざわざ登るほどの滝でもなし,あっさりと左岸を巻き登ることにする。ちょっと前までの自分だったら嬉しそうに登ったものだけど,最近はそんな元気もなく,安全第一である。ここ10年の間に3人の沢友が山で死に,2人が大怪我をしている。これまでは無茶をしても怪我一つしなかったが,これもただただ山の女神様のおかげ。気まぐれな女神様はいつ悪魔に変身するかわからない。「次はあんたの番よ」と言われているような気がして,最近はひたすら小心者を決め込んでいる。
8m滝を過ぎると再び連瀑帯となり,ほとんど途切れることなく直登できる滝が続く。こんなに楽しませてくれる谷も滅多にないだろう。これが源頭部まで延々と続くのである。
最後の滝が終わるといきなり癒しの源頭部になる。オオイタヤメイゲツの林。5年前はここで沢泊したっけ。もう一度こんな癒しの森で沢泊してみたいなあ。やっぱりこんな癒しの森は単独行に限る。
癒しの源頭部をゆるゆる歩いて行くと,いきなり草原となり,すぐそこが八丁平である。一面の芝生の八丁平からは眼下に飯高町の山村風景が望まれ,その向こう台高の山並みが一望である。ずっと向こうに沖見高の特徴的な双峰ピークが望まれ,その右側の緩やかな高みが大台ケ原である。
お二人を三峰山のピークに案内し,八丁平に戻って焼肉パーティーだ。運転手の私はノンアルコールビール。梅雨の晴れ間の今日は登ってくる人も少ないが,それでも人気の三峰山だけあってちらほらと人が見える。下界はきっと猛暑だろうが,この山の上にはそれを感じさせない気持ちの良いそよ風が吹いている。時折姿を見せるシカとそこら辺を悠々と飛ぶアキアカネ。いつまでもゆっくりしていたい気分だ。
そろそろ下山しようかと思っていると,ワサビ谷方面から二人連れが上がってくるのが見えた。女性二人連れのパーティーだ。平日にこんなマイナー沢で他のパーティーに出会うなんて。聞いてみると和歌山市から3時間かけて来たそうな。こんなマイナー沢にわざわざ和歌山から来るなんてと思ったが,女性だけでも安全で,いっぱい楽しむことができる沢なんてそう滅多にないかもしれない。リーダー格の女性はもう4,5回も来ているらしい。
下山路はゆりわれコースをのんびりと下る。帰り道,高速のPAに寄るとそこは熱暑だった。こんなことならもう少し上でのんびりしてくればよかった。
グーさんが1週間ほど前にワサビ谷に行って,「グーの力量にぴったり」と書いていた。これまでは,「面白いけどあまりに短くてあっけない」と思っていたのだが,シニア隊にはぴったりの谷かもしれないと思った。何度でも行ってみたい癒しの谷である。