【山行日】2022年5月4日(テント泊2日目前半)
【山域】台高南部 尾鷲道周辺
【天候】晴れ
【メンバー】アオバ*ト、タイラ、Iさん、Kちゃん
【コースタイム】テント場スタート7:40、木組峠8:50~9:20、木組峠南の稜線分岐点9:30
△1411から西へザレ場を下ってヒメシャラの疎林の中をさらに下っていくと
光谷の美しい源流部が目に入って来て、そのまま谷に下って行きたくなる。
道の傍らには大きな木が少し傾いて立っていて、この子にまた会えたことが嬉しくてしょうがなかった。
また来たよ!この子は一本木のいわれの木ではないようなのだが、十分に堂々としていて、ここの主と言ってもいいくらいだった。
何の木だろうな?ミズナラかな。
昨年は道の東側、美しい光谷の中でテントを張ったのだが、今回は道の西側の小場のような平坦地でテントを張った。
光谷を10分ほど下ると水は得られると思う。去年、タイラさんが汲みに行ってた。
今日は、皆がたくさん水を担いできてくれて、水を汲みに行くことなく、一晩快適に過ごすことができた。(水汲みは翌日木組峠にて)
この小場は程よく樹林に囲まれていながらも、解放感があり、すごくすてきなテント場だ。
小場の西の端に行って木組谷の方を見下ろしてみる。
とても下って行けるようには思えないが、ここが昔の雷峠って言うからには、
このとんでもなく急な谷の中に道じゃないような道があってグーさんみたいな人が上がってきてたのかもしれない。
それともスカイウォークさんが教えて下さったように、峠道はこの上の尾根を上がって来ていたのだろうか。
なんで、ここを雷峠と言わなくなったのだろう。なんとなく中途半端な場所に位置するからだろうか。
今、尾鷲道を歩く人も、わざわざここでテント張る必要性のある人は少ないと思う。
でも、私は何度でもここに来てテント張りたいと思うのだった。
今日は快晴、巻き道の尾鷲道から離れて自由に歩こうと思った。
広い森の中をできる限り探索してみたかった。
稜線に上がって、ちょっとゴツゴツした尾根芯をよじ登ったり。巻き道からは見えない風景を見たいと思った。
巻き道も味わい深いけれど、
1245ピークを越えて木組峠への稜線の道のりも、すばらしいのだった。
1245に向かう踏み跡薄い尾根芯は芽吹いたばかりの樹林にふんわりと包まれていて、
ここは混生林の森だけど、時々とてつもなく大きなブナがいて驚く。
木組峠に近付くにつれて、そんなブナがそこらじゅうに何気に現れた。
木組峠に下る手前の少し等高線が広くなったところにはちょっと不思議な雰囲気の広場がある。
透明の天幕におおわれたシェルターみたいな場所で、何だか神聖な雰囲気が漂っていた。
皆を追って不思議な空間を飛び出すと、こんどは緑の光が押し寄せて来た。木組峠に下って来たのだった。
巻き道を上がってきて見えたのとは違う美しさが目の前いっぱいに広がった。
明るくて、平和で、小鳥がさえずっていて、お昼の時間になったら、森の住民がみんなお弁当を食べにここに集まって来そうだった。
そんな生命の息吹きにあふれているようでいて、何かしらここだけ時間が止まっているような気もするのだった。
思い思いに写真を撮って、水場を確かめに光谷の源流を下る。
去年は、1分も下らないうちに水が流れていたが、今回は5分くらい下った。
お茶会用に水を汲んで峠に上がる。谷からの風景もまた美しかった。
光谷の右岸をトラバースして行きたくなるのを抑えておとなしく稜線をまっすぐ南へ登ることにする。
稜線に上がったところに立っている道標が何かを訴えて来た。
「稜線分岐」と書かれた道標の下に、よく見ると、「木組峠越道(ヲチウチ越)尾鷲道エスケープルート。」と書いてあるのだった。
あれ?ヲチウチ越?ここが?ここ何回も通っているんだけど。今までちゃんと見ていなかったんだろうか。
再び、頭の中でいろんな事がぐるぐる回り始めた。
アオバ*ト