【日付】2022年5月6日(金)
【山域】京都北山/八丁平周辺
【ルート】坊村駐車場7:08~鎌倉山~峰床山~八丁平~中村乗越~葛川小学校~R367~15:45坊村駐車場
【天候】晴れ
【メンバー】単独
コロナ規制が無くなって3年ぶりのGW。列島各地の海も山も人出で賑わっている…と、TVからは流れてくる。お天気も当初予報より上方修正で、行楽日和が続く。4月末の山行以来、お出かけは無し。遠出は諦めるとして、近場にもう一度くらい…。
というわけで、やってきたのは葛川支所跡の市民センター駐車場。ボチボチと支度する間に増えてきた車から降りてくる登山者は、国道を渡って武奈ヶ岳など比良山系へ消えていく。
私の行き先は西側の鎌倉山。たったひとり、センターの横から登山口へ向かう。
鎌倉谷の橋を渡ったところに大きな案内看板がある。左に入りすぐ右手の尾根へ。尾根尻に「城の鼻」の標柱。鎌倉山東尾根の端っこだから「鼻」は「端」だろうが、「城」は?
30分ほどで林道と交差。横切って階段状のスロープから東尾根に出ると傾斜も緩み、植林とミズナラなどの広葉樹が混じる朝の林間は快適だ。
- イワカガミ
春から夏への衣替え時期のせいか花は少ない。諦めかけていると、足元に赤い花が顔を見せる。イワカガミだ。朝日に輝くツヤツヤの葉と俯いた清楚な花があちらこちら。群落っぽい密集地まである。
アセビも新芽の「花」を添えて、明るさと彩り豊かな尾根はたいした急登も無く山頂へ出た。スタートからちょうど2時間。市販地図のタイムより速い。なんだか少し嬉しい気分に。
- 鎌倉山山頂付近
鎌倉山は初めての登頂だ。30数年前に隣りの峰床山に登った時以来気になったままだった。峰床山、八丁平湿原ともそれ以来のご無沙汰。ということで、今回のプランとなったわけである。
山頂は広葉樹に囲まれた広場の真ん中に三角点標柱。樹木のせいで眺望はイマイチだけど、新緑と青空のもとで雰囲気は良い。
小休止のあと、峰床山へ。ここからは県境稜線。目印テープも増えてきた。なだらかなアップダウンの繰り返し。鞍部からは、お椀のような緩い傾斜が新緑の樹木を道連れにして左の鎌倉谷へ落ちて行く。いつ見てもこういう風景は疲れを癒してくれる。
- 新緑の谷源頭
京滋の府県境が南に折れるピークに石柱。「境三」と彫ってある。そこからオグロ坂峠へ下る。久多地域と鞍馬方面を結ぶ峠道で、祠に安置された地蔵尊はスッポリ法衣を纏い、お顔は拝めない。コロナ対策のマスク替わりだろうか?
- 地蔵尊
峠から「六尺道」を南に下れば八丁平湿原に出るが、まだ時間は早い。峰床山へ寄ってから湿原に下ろう。祠の向かい側から尾根に出て、30分余りで峰床山山頂。まだ11時を回ったばかり。
山頂からは南側の眺望が開ける。目の前の稜線のピークは皆子山971.5m。京都府の最高峰だ。
- 皆子山
その左奥に比良山系の蓬莱山などが望めるが、それ以上は樹木で視界が閉ざされる。
案内マップ看板で確認し、クラガリ谷から湿原へ下り、ランチにしよう。分岐までは10分足らず。その先の展望台へも寄ってみる。ここからも南東から南側の眺望が開ける。
クラガリ谷は最初が急斜面だが階段状に整備されている。すぐ湿原の一部のような平坦湿地を進むと湿原周回路との合流点に着く。遠い過去には近くにスキー場や新心荘という建物があったという。ちょうど正午だ。木道やベンチがあるので、ランチにはもってこいだ。
- クラガリ谷分岐
八丁平高層湿原は林道建設計画から自然環境を守る市民運動が広がりルート変更されるなどの歴史を経て2016年に「京都丹波国定公園」に指定されている。
湿原の中心域はシカなどの獣害やハイカー立ち入りによる環境破壊を防ぐため、フェンスで囲んである。
急ぐ必要はないのだが、オニギリだけのランチは30分もかからない。野鳥の声を聞きながら昼寝でもすればいいのだが、寝過ごしが気になって眠れないだろう。
野鳥のシンフォニーをBGMに、周回木道を南端に向けてノンビリ進む。足元の赤い花はヤマゴボウ? 右手からは小さな水路が次々に流れ込む。まるで別世界だ。
フノ坂分岐を経て湿原南端まで30分足らず。江賀谷左俣の橋を渡ると、ベンチに読書中の男性。今日の山中で出会ったのはこの人だけ。挨拶代わりに少し話して別れる。
中村乗越への分岐へは10分もかからない。ここにも大きな案内板が立つが、右手の乗越への踏み跡は薄い。古くからのルートだが、利用者が少ないのだろう。開きかけたマムシグサに挨拶し、稜線へ踏み跡を探しながら10分ほど登ると標示板やリボンがあった。
急な植林帯には九十九折れのトラバース道が切ってある。江賀谷右俣の源流に降り立ってからの谷沿いのルートは荒れ模様だ。
- 右俣合流点
支沢が合流するあたりは崩壊斜面にトラロープが張ってある。
左俣と合流する二俣に14:40。渡渉して左俣右岸の林道に上がる。林道はさらに上流へ延びているようだ。
- 葛川小・中学校
荒れ気味の林道を30分余で葛川中・小学校の校舎に到着。安曇川の橋を渡れば国道367号。車は隣り村の坊村駐車場。ブラブラ歩きでも30分もかからないだろう。釣り人や道端の花に目をやりながらゴールへ向かう。
~びわ爺