【日付】2022年2月26日(土)
【山域】湖北/賤ヶ岳△421.1~余呉湖周回
【ルート】余呉湖観光館9:15ー大岩山ー11:40賤ヶ岳12:45ー大平良山15:15-権現峠16:05-川並集落17:00-17:40観光館
【天候】晴れ
【メンバー】単独
山から遠ざかって長い。少し前、ヤブコギネット掲示板でyamanekoさんの山本山~賤ヶ岳レポを地図で追いながら、思いついた。こんなロングルートは今の私には無理だけれど、賤ヶ岳だけなら可能かも? 体力が持てば余呉湖周回でも! 1000mを超えるような雪山はとても自信が持てない。その点、ここなら最高でも450m程度だから、リハビリ山行にピッタリかもしれない。
と、勝手に判断すると、実行日が待ち遠しくなってくる。
- 朝の余呉湖観光館駐車場
天気jpが晴れを保証してくれた週末、スタート地点の余呉湖観光館に向かう。到着はもう8時半を回っている。駐車場はすでに登山者や観光客の車がいっぱいだ。登山口を聞きとりしたり、パッキングをやり直したり…、1年ぶりの雪山は何かと手間と時間がかかる。
結局、スタートは9時15分。まずは余呉湖東畔の尾根尻から岩崎山砦跡へ。足元の雪は20cm前後で、壺足のまま進む。植林と雑木林が混ざる尾根道は緩やかで、急がず、慌てず、しかし座り込まず…のマイペースならなんとかなりそうだ。
- 首洗いの池
「岩崎山砦跡」に続き、登山路には「首洗いの池」だの「猿の馬場」だの、戦国のストーリーの出し物ポイントが相次ぎ登場。といっても、標識をカメラに記録しておくだけで、じっくりと見物・学習する余裕はない。
- 右手に余呉湖を見下ろしながら
姿を見せ始めた湖北の山々や眼下の余呉湖の眺望に癒されながら最後の急登をクリアすると、山頂の建物に辿りついた。やれやれ、まずは一休み…と思ったら、建物はバイオトイレで、しかも冬季閉鎖中で入れない。しかたないな、軒下でザックを降ろしタオルで汗を拭う。
- 戦国武将の銅像
さすがに週末でもあり、山頂は賑わっている。トイレ前から見上げると、ストックを手に単独者が座り込んで休憩中。近づいてみると、ストックと思ったのは槍で登山者どころか戦国武将の銅像ではないか! 貴殿は何者? 名を名乗れ、と探してみるが見当たらない。(じつは像の隣りに説明盤があるらしいのだが、雪に埋もれて気づかなかった。戦いに敗れた柴田勝家か佐久間盛政かと思ったが、どうやら特定の武将を示すものではないらしい)
- 横山岳(右)と余呉湖
- 山本山への尾根と琵琶湖
山頂からの眺望は素晴らしい。やや霞んではいたが長浜の市街地の向こうに伊吹山、北側には存在感たっぷりの横山岳。その奥には上谷山から栃ノ木峠への稜線も目で追える。さらに西には野坂岳の雄姿。こんな大きい山だったのか!とにわかに信じられないくらいのボリュームだ。南方に広がるのは琵琶湖(北湖)と、山本山へうねうねと延びる龍の背のような尾根。
風も弱く陽射しもあってランチにはもってこい。展望レストランタイムを1時間ほど。12:45、周回後半へ腰を上げる。
標高差130mほどを一気に下る。トレースは一本道のように続くが、踏み跡のない新雪を踏み砕く方が足が疲れない。下りきったコルは余呉湖-飯浦ルートとの分岐交差点だ。周回ルート入り口は少し飯浦側に下ったところにある。公法寺山380mへは標高差90mほどの登り返しだ。雑木林が煩くて思ったほど眺望は良くない。右手に余呉湖を垣間見ながらひたすら足を運ぶのみ。
低山だけに午後になると雪が重くなってくる。スノーシューを持ち上げるのが苦痛になるが、トレースには壺足の踏み抜き跡だらけ。それをみると脱ぐわけにもいかない。
- 大平良山付近から余呉湖
△大平良山458.0mにちょうど15時。このルートの最高点は賤ヶ岳でなくて、ここだったのだ。といっても眺望も無いので、小休止だけで先を急ぐ。
あとは下るだけ!と思ったが、けっこうアップダウンがある。もう眺望も雪の造形もどうでもいい。ひたすら足を前へ、前へ。飯浦との分岐以降は誰一人出会わない。トレースは壺足とワカンの2,3人分がずっと続いている。それを追うだけ。
・396と思われるピークを下ると石塔がある分岐。ここが権現峠だろうか? トレースは右へ折れて下っている。少し先、尾根が登りにかかるところでトレースが二手に分かれた。一瞬躊躇ったが右の谷筋への踏み跡を辿る。やがて目の前に大堰堤が出現。地図にある川並集落の山手の集水池だ。
堰堤の左端から林道への斜面を攀じ登る。登りきったところでバランスを崩し、雪の上に仰向けで倒れてしまった。あ~~~、シンド! 安堵感と疲労感で起き上がる気力が失せ、そのまましばらく暮れなずむ空を眺めている。
林道を集落の入り口まで下ると、いきなり曲が流れてきた。
♪夕焼けこやけで日が暮れて~
曲が終わると、今度は釣鐘の音が。
♪や~まのお寺の鐘が鳴る~
手をつなぐ同行者はいないが、
♪…みな帰ろ~、カラスと一緒に帰りましょ~
というわけで、ややハードなリハビリ山行は無事完了した。
それにしても、川並から江土の観光館までの県道歩きの長かったこと。
~びわ爺