【日付】 2021年10月30日
【山域】 鈴鹿
【天候】 晴れ時々曇り
【メンバー】山日和さん、バーチャリさん(帰路)、sato
【コース】 朝明P~カクレ谷右岸尾根~・1081~キノコ岩~・1041~
・995~オフ会会場~根の平峠~ブナ清水~カクレ谷左岸尾根~
・582 ~朝明P
朝明への坂道に入った。アクセルを踏む右足に力が入る。
やぶこぎねっとの方々にお会いできる日がやってきたのだ。
一年ぶりのオフ会。うれしさと緊張が混った心地よい胸の鼓動を感じながら車を走らせる。
駐車場に着くと、まだ7時ちょっと過ぎなのに何台もの車が並んでいた。すっと駐車出来ほっとする。
ここからオフ会会場の鈴鹿の上高地に向かうのは三回目。山日和さんが毎回素敵なコースを描いてくださる。
今回は、カクレ谷右岸尾根を登り、キノコ岩で絶景を楽しみ、
赤や黄に色づいたうつくしい森を味わいながら会場へと降り立つコース。
今日は鈴鹿のお山のどんなお顔に出会えるのだろう。ほんのり色づき始めた秋の風景の中へ分け入っていく。
尾根上にゴロゴロとした岩が現れた。
標高670mから800mまで続く岩稜地帯に入ったのだ。
どうやって進むのだろう?と思った・752あたりは、立ち憚る大きな花崗岩の岩の脇を抜けていった。
水晶岳東尾根、水沢岳東尾根、そしてこのカクレ谷右岸尾根。
木々で覆われた鈴鹿のお山のちいさな尾根には、
こんなワクワクする岩尾根もあるのだと山日和さんは教えてくださる。
岩が無くなると、ぱぁっと視界が広がり、ぽっかりと白い雲が浮かぶ青い空の下、こんもりとした緑のアセビと、
色づき始めから色づきまでのさまざまな装いの木々が気持ちよさ気に立ち並ぶ台地の上に立っていた。
劇的な風景の移り変わり。
牧歌的な風景のまん中でひと休み。朝の光に輝く山並みをうっとりと眺める。
緩やかな斜面を登っていくと、シロヤシオの木々で囲まれたヤシオ尾根に辿り着く。
ブナの木々も見られるうつくしい尾根だ。
キノコ岩に着いた。三回のオフ会への道の途中で佇んだこの岩の隣に今日も佇む。
眼下の錦繍の森を楽しみ、甦ってきた記憶の風景にせつなくなり、
なつかしく光る風景の旅へと吸い込まれていきそうになり、
さぁ、行きましょうかと、会場を目指し西へと進んでいく。
神崎川岸辺の広い台地に降り立つと、
楽しさに満ちた声が、やさしい秋の色の風景の中に響き渡っていた。
ドキドキしながら声の方へと向かっていく。
第25回やぶこぎネットオフ会。わたしにとっては、5回目のオフ会。
今回も、お会いしたみなさま、おひとりおひとりから、山を愉しむ力をいただく。
みなさまの笑顔を眺めながら、生きていく中で、日々、山を想うことが出来るしあわせ、
愛する山を語り合える仲間の存在を感じることが出来るしあわせをかみしめる。
わたしも、わたしの山歩きを、からだの声を聞きながら愉しんでいこう、とあらためて思う。
解散の時は、いつもさみしい。
でも、今日は素敵なお山の先輩、人生の先輩、バーチャリさんとご一緒。うれしい山歩きが始まる。
風景の中に身を置く度に、そのうつくしさに胸を打たれる千種街道根の平峠道。
夕方前の穏やかな光が照らす静謐さに満ち溢れた世界に、三人の、きれいですね、の声がこだまする。
なんて感動的なのだろう。
峠からは、ひと登りしてブナ清水へ。
いのちの水が湧き出る大岩を眺めながらコーヒータイム。
紅葉少し前の森の中に、わたしたち三人の姿が色鮮やかに浮かび上がっているのを感じる。
かけがえのない煌めく時間を胸いっぱいに感じる。
下りの尾根は、初めてのオフ会の日に登ったカクレ谷左岸尾根。
緩やかな地形の中を通り抜けると岩の尾根になる。
バーチャリさんのしっかりとした足取りを追いながら下っていく。
軸がぶれない足運び。私も身に付けたい。
最後は・582を通り、17時少し前に駐車地に到着。
見上げた空はまだ日中の暖かさが漂っていた。
名残惜しいけれどお別れの時間が来てしまった。
冷えた私の手をバーチャリさんがやさしく包んでくださる。
温もりがこころに沁み渡っていく。
輝く時間の後はさみしさがつきまとう。
でも、このさみしさが次の輝きへと繋がっていくのだ。
わたしもわたしの山を愉しもうという原動力にもなるのだ。
今日一日の輝く時間に感謝しながら、愛車へと向かう。
sato