【 日 付 】2021年2月28日(日)
【 山 域 】 美濃
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】トガス南尾根南端林道7:50>トガス>往路下山14:20
2月最後の日曜日は前週と同じくなかなかの山日和になった。今回も、また美濃の山を目指す。目的の山はトガスにした。このファミレスチェーンみたいな名前の山は夜叉龍神社から登っていけるので美濃の山にしては交通至便であるにも関わらず私は登ったことがない。地形図を見ても南北に伸びた山頂域はどこが山頂かもよく分からないし周りの山から眺めた姿もそのとおりで登行意欲をそそられない印象だ。
だが、緩やかに伸びた南尾根はスキーで下ってくるには格好で楽しめそうだ。ダメ元でスキーを担いで登ってみよう。
2月28日朝7時40分、夜叉龍神社に来てみると駐車場は満車になっていたのでイビデン発電所から少し奥まで入って路肩に駐車した。
装備を整え、そこから発電所方面へ歩いて戻ると林道の入り口があったので雪に埋まった林道を進むとすぐ行き止まりになった。林道の終点から3m程の崖をヤブに捉りながら這い上がると植林の急斜面が続いている。
斜め右に急な斜面を登っていくと発電所の導水管に出た。
導水管の上をさらに登ると金網で囲われた導水管の点検ハッチのようなものがあり、そこから広く平坦な尾根が始まっていた。
尾根は広く緩やかでスキーでゆるゆる下るには良さそうだ。落葉樹だけでヤブがないのも都合がいい。導水管の上に出るには苦労したが、後は天国のような尾根が続くだけだ。これも美濃の山では異色だ。
振り返れば金糞岳が巨体を広げて見えるし
右前方には蕎麦粒山のピラミッドが鋭鋒ぶりを見せつけている。
・854mまで登るとコルに向けて40mほど下って行く。
コルから山頂に向けて尾根は細くなり傾斜も増してくる。
山頂が近づくと尾根は再び広くゆるやかになった。山頂から年配の男性が降りてきた。挨拶して少し立ち話すると、男性はgooブログに出ているトジさんだそうだ。この日出会ったのはトジさん一人だけだった。夜叉龍神社に駐車した人の大半はオオダワの方に登ったようだ。
・854mを通過した時、高度計の補正をしなかったので表示が100m程低く出たままで山頂と気づかず通り過ぎてしまった。尾根が下り始めて先の方にも同じくらいの高さの峰が見えていた。どうやらそこが北のテラスと呼ばれる場所らしい。時間は、まだ11時だしスキーとブーツを降ろして往復して来よう。
北のテラスの手前にも小さなコルがあったが、空荷のようなものだから簡単に行けた。
雪庇の張り出した北のテラスに着くと、そこはブナに覆われた癒し空間だった。
北側にはブナの樹林を通して高丸や烏帽子山が見通せた。北のテラスは雪庇の稜線をすこし下ったところにあって大展望を得られると後で分かったが、また来るだろうからまぁいいや。
蕎麦粒山の右側には先週登った黒津山と天狗山が連なっていた。
反対側には隣のオオダワがゆったりした姿を見せていた。
穏やかなテラスでランチを済ませたらトガス山頂に戻った。山頂付近に置いてきたスキーとブーツを履き替えたら滑降開始だ。
気づかずに通り過ぎたトガス山頂もブナに覆われて気持ちの良いところだ。
午後から程よく緩んだ雪面で気持ちよく滑れた。傾斜の強いところは尾根も細くてスキーではうまく滑れそうにないので板を外してプラブーツで下ったのだが、これが失敗。
重量軽減のためビブラムソールのついた兼用靴ではなくツルッとしたソールの普通のブーツを持ってきたので急な斜面で滑ってしまいヒップで滑る羽目になった。オマケに雪のないところそのまま滑ってズボンはドロドロになりパンツの中まで濡れてしまった。ブーツに付けるゴムの滑り止めを用意していたのだが、面倒くさいのでキックステップだけで下ろうとしたのが間違い。少しの手間を惜しんでひどい目にあった。
傾斜が緩んだところで気を取り直し板を付けなおして滑降を続けた。コルから緩い登り返しは自作のクトーを付けて何とか登れた。スキーシールを貼って剥がすより簡単でこれは成功だった。
東側には登山候補に迷った湧谷山も見えている。ちょっと失敗もしたけどトガスの緩く大らかな尾根を選んで、やはり正解だ。導水管のハッチまでゆるゆると山スキーを楽しめた。
14時20分、駐車地に帰着。今日は時間もかからず楽に山スキーを楽しめた。トガスは登山靴で普通に登って下るだけでも楽しめるだろうが、それだけではもったいない。スキーで滑ってくるのが絶対お勧めだ。