- 頂上付近
前回,花房尾をたどった時,左側にずっと見えていた頂が己高山(こだかみやま)という名前の山であることを初めて知った。地図上で調べてみると周回できそうな尾根コースが目につく。未踏の山なので,一度行ってみたいと思っていた時にびわ爺の山行記録がアップされてきた。前回たどることができなかった中津尾〜花房尾の周回コースに後ろ髪を引かれる思いをしながら,己高山に行ってみることにした。
【 日 付 】2021年2月25日(木)
【 山 域 】湖北・己高山
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 己高庵登山者用駐車場 8:29 --- 9:11 石道寺 --- 9:19 鶏足寺 --- 11:06 P778 --- 12:00 己高山 13:06 --- 14:09 六地蔵 --- 14:40 林道 --- 15:02 駐車地
朝,長浜付近から見た金糞山と白倉岳のピークは白く輝いているが,その左隣の己高山は暗い。やはりもう賞味期限切れなのかと思いながら己高庵下の登山者用駐車場に車を止めた。
- 案内板
昨年暮れの大雪で始まった今回の雪山シーズンももう終わりを迎えようとしている。駐車場隣の梅園もちらほら白い花が咲き始め,すっかり春の空気である。スノーシューを使うこともないかと思ったが,一応担いで行くことにする。ザックの肥やしであってもボッカ訓練にはなるだろう。
- 近江の農村風景
春本番の空気が漂う山里をゆるゆると歩いて登山口の石道寺方面に向かう。せっかくなのでこのあたりの古寺を巡っていこうという趣向である。石道寺から鶏足寺を巡り,昔修行僧の修行の場となったのであろう緩やかな尾根道に入る。しばらくは倒木がうるさかったが,ある程度登ると倒木もなくなり歩きやすい道になった。登山道に雪は全くない。しばらく登ると背後に近江の農村風景が見えてくる。雪がなくてもこんな春爛漫の里山をゆるりと散歩するのも悪くない。
- 鶏足寺
標高600mを越えるとようやく雪がで始めた。雪はよく締まっており,全く沈まない。これだったら雪の上を歩く方がよっぽど楽だ。P778のあたりでは積雪が50センチを超えているようだ。よく締まっているのでつぼ足で全然問題ないが,せっかく担いできたのだからとスノーシューを装着する。己高山の頂上まで標高差150mほどだが,雪が繋がって快適なスノーシュー散歩を楽しむことができた。
- 六地蔵
己高山の頂上は金糞岳と白倉岳の絶好の展望台である。前回登った花房尾の全景が目の前である。右側には伊吹山。その左にはブンゲンのある山脈とその左端に奥伊吹スキー場が小さく見えている。ほとんど無風で,空気は全く春山である。冬枯れの明るい広葉樹林で目の前に絶景を見ながらの昼食は贅沢そのものである。
- 白倉岳
下山は六地蔵方面に下ることにする。地形図の破線どおりに降りたらえらい目にあった。不自然なコース取りなので ??? と思っていたのだが,急斜面を降りて,途中で斜面をトラバースする。当然,登山道はまだ道は雪の下で,斜面はのっぺりとした滑り台になっている。幸い雪がまだ締まっているので,踏み抜きもなく,慎重にステップを切って進むと意外にあっさりと通過することができた。麓から登ってきた修行僧が山頂を通らずに9合目にある鶏足寺に至るためのトラバース道をそのまま利用しているらしい。おかげで鶏足寺跡を見ることができてよかった。
六地蔵の手前に来るとカップルと出会う。男性が登山道に座り込み,女性はその隣に立っている
私「これからどこか行くんですか?」
女性「いや,下ります。」
私「頂上へは行ったんですか。」
女性「いや,行ってません。」
私「???」
よくわからないけど,深入りしてもしょうがない。雪に半分埋もれている六地蔵の写真を撮ってそのまま降りる。
昔の掘割状の杣道はもう使われていないようで,その横に登山道が通っている。びわ爺が書いたように所々を倒木が塞いでいて歩きにくいが,下りなので適当に通り過ぎた。
里に降りるとやはり春爛漫である。やぶレポは冬山のレポート満載であるが,こんな春山のまったり歩きも悪くないと思った。次は福寿草でも見に行こうかな?