【日付】2020年10月31日(土)
【山域】南会津
【メンバー】単独
【天候】晴
【ルート】
羽塩登山口8:45---9:06ca1100分岐—-12:20七ヶ岳13:00---13:27高杖分岐---13:57P1352--—14:24ガレ場
---15:15ca1350---16:21登山道合流---16:32羽塩登山口
- 七ヶ岳
宇都宮に戻って初めての登山だ。自宅の荷物はまだ整理半ばだが、片付けばかりをやってはいられない。ぐずぐずし
ていると紅葉も終わってしまうのではと思い好天の土曜日に出かけることにした。選んだのは会津の七ヶ岳(ななつがたけ)。20年ぐらい前に会社の同僚と行ったことがあり比較的に簡単に登った印象のある山だ。会津街道をひた走ると福島との県境辺りは既に紅葉が見事である。これでは山はもう終わってしまったかなと心配するほどの鮮やかさだ。そして肝心の登山口はナビ頼り。一度来たことがあるとはいえ登山口のことはもうすっかり忘れている。一度は登山口に着いたことに気付かずやり過ごしてしまったのだ。しかしやっと着いた登山口も全然覚えがない。ここだったかなと不安に思うほど。ただしっかり登山口の表示はある。そしてもっと多くの人がいるかと思ったそこは自分だけ。人気あるはずだったがなあといぶかしく思う。
まあ何はともかく出かけましょう。ガイドブックには水量の少ない滑滝が何百メートルも続くので、登山靴でも行けるが沢靴が有ったら快適だと書いてあった。それを思って沢靴も持ってきたが荷物になるのがいやで結局車に置いていくことにした。前回は初心者だけで行ったのに問題が無かったので対したことはないだろうとの考えだ。でもこれは失敗だったなあ。
登山口からはしばらくは広い道が続きそこはもう紅葉の道だ。いい感じだ。道が緩やかな登りの谷間に入ると滑滝はどこかなと期待するようになる。このコースでどんな滑滝を見せてくれるのだろうと。それは歩き始めて30分ほどして谷が分かれるところから始まった。
狭い谷だがそこに細い川のように滑が続いている。道が曲がっているので見通せないが確かにそれなりの距離はありそうだ。水はほんの少し。防水性の落ちた登山靴だが問題ない。落ち葉に注意しながら進んで行く感じがいいなあと思うが不思議なことに前にも後ろにも人がいない。何で人が少ないのだろう。そう思っていたら道が少し急になってきた。すると登山靴が滑り始める。滑らないように岩のくぼみを探しながら歩くがこれがけっこう時間がかかる。しまったなあ。沢靴ならちょうど軽快に歩ける勾配なのにと思うと残念だ。そしてさらに勾配が強くなり足のひっかかりがなくなったところではやむなく高巻く羽目に。
おかしいなあ前回の初心者ばかりの時はこんなに難しく感じなかったはずなのに。この間に何か変わったのだろうかと得心できぬままに進んで行く。そしてようやくその滑を越え普通の登山道になったと思ったら、今度は道がすこぶる怪しくなった。道が半分藪に覆われている感じ。時々道を外す。古そうな赤テープを見出して登山口と分かる程度。地図には道が書いてあるがどうも最近は歩かれていないようだ。そんな感じの道である。ヤレヤレ会津の山はこんなもんかなあ。
それでもなんとか登り切り高杖スキー場からの道と合流すると急に道の状態が良くなりその先が頂上だった。今日は快晴だ。山頂からは360度すべてが見渡せる。まだまだ山の名前に疎いが日光連山、那須、燧岳その他もろもろの山が見える。足元の特異な形状の山もある。ここは300名山らしいがこの展望なら十分その資格がある。
[GARMIN][/GARMIN]前回は約2時間で登った山に今回は3時間35分もかかった。これは衰えよりも相当道の状態が変わったということなのだろう。この先の道は大丈夫だろうか
何はともあれ展望のいいところでランチだ。目の前の日光連山、燧などを見ながらラーメンをつくる。そして出来上がった麺をゆっくり食べていると団体さんが登って来て景色を独り占めですねとにこやかに声をかけてくる。そう、今まで誰もいない場所だった。この後からいくつものグループがやってきた。みな高杖スキー場からのようだ。そのコースはリフトで相当上まで上がれるのでかなり楽にこの頂上に立てそうだ。どうもそれが人気らしい。そして他のコースはさびれたのか?
今日の自分のコースは地図に道のある丸山経由で周回するつもりだ。でも先ほど通ってきた道もかなり道が怪しかったので果たして道があるのか不安になってきた。かといってあの滑りやすいルートはもう戻りたくない。そこで先ほど声をかけてきたグループのリーダらしき人に道の状態を訪ねるが分からないとのこと。まあしゃあない。ヤブコギ覚悟で行ってみるか。
ラーメンを食べ終えコーヒを飲んだらおもむろに出発だ。素晴らしく踏まれた道は難なくスキー場への分岐まで連れて行ってくれる。問題はその先だ。丸山方面へ行く分岐はどこかと注意しながら進むがそれらしいものは皆無。やっぱりなあと思いつつ人がいなくなったところで薮に突っ込む。まるで踏み跡がない。笹や灌木をかき分けて進む。久しぶりのヤブコギ。遅々として進まず。顔に笹や灌木が当たる。そしてアッと思ったらメガネが弾かれた。やばいな。すぐに辺りを探すがなかなか見つからない。この先も藪が続くのでメガネをなくすと眼のガードができないので少々危ない。そう思って必死に探すが無い。15分以上かかっても見つからないのであきらめかけたが、置いたザックの周りをもう一度探したらありました。良かった!気を取り直して出発。P1552の丸山は何の表示もなし。そしてここから先は下り方向。多少楽になるかなと思ったがそうでもない。坂が急になってくると足下が結構危ない。こんなところで転げ落ちても誰も気づかないよなあと思うと余計慎重になる。ゆっくりゆっくり木を掴みながら下って道がトラバースする辺りまで来る。目の前にはガレた平地が見える。あそこ迄行ったら道があるかなと思って降りてみるが結局何もなさそう。まあでも急な下りも過ぎたのでちょっと休憩と思ったら足が攣ってきた。急斜面で踏ん張っていたのが効いたのだろうか。こんなところで攣るとは。早速秘薬を飲んで様子を見る。ヤレヤレだ。
改めて地図を見るとここからトラバースをしばらく続けてその後は緩やかな下りとなるはず。もしそこに藪が無ければ素晴らしいコースに出会えるのだが果たして。さあて行こうかと立ち上がって進むがトラバース過ぎても藪は消えない。こりゃああかんなあ。遅々として進まない。そしてそんなヤブコギでまた足が攣ってくる。独りだしへたばるわけには行かないがこれはなかなか辛い。また薬を飲む。夏場を過ぎてスポーツ飲料を持ってこなかったのも原因のようだ。
なかなか進まない道のり。CA1200あたりの湿地帯で16時に近くなった。あれ明るいうちに戻れるのかなと不安になってくる。こちらの日没は名古屋より15分近く早い。それを今頃気付くとは。まあしょうがない。そのまま進むとようやく藪も少なくなり紅葉の林が目立つようになってきた。いい感じ。やっと写真を撮る余裕も出てきた。ヤレヤレ。4時20分頃登山道に合流し10分ほどで駐車地に着いた。車はやはり自分の車が一台のみ。今日はここからは誰も入っていなさそう。
何はともあれ車に戻れて人心地がつく。会津の山は人が入らないと途端に道が寂れるのか。今後もそんなことが起こるのだろうか。久方ぶりの会津の山でたちまち藪の洗礼を受けた気分だった。
Kasaya